7月に入りS級7車立てレースが始まった
当然僕が競輪に携わるようになってから22年間で初めての経験である。
しかしながらこれに至った理由は少しイレギュラーだ。
コロナウイルスの脅威が叫ばれる中で、
どのようにしたら競輪を開催出来るかという、感染拡大防止策の一環なのだ。
ざっくり言うと
・オール7車立て
・9R制
・原則地区内あっせん
と言ったところか。
純粋にこれだけで一節の参加人数が大幅に減る事になり、参加メンバーと関係者で密になるシーンも間違いなく少なくなるし、地区内斡旋により長距離移動者も居なくなり、移動中の公共交通機関での感染リスクも少なくなる。
よくぞ決断してくれたと思います。
この決定に対し
「競輪は9車じゃないと……」
「地区内対決が気まずくて……」
「あっせんが月一本しか無い!」
と不平不満を漏らす選手がいた事に僕は落胆しました。
違うだろと…
そんなの分かっている。
分かっているんです。
だってそうでしょう。
この難しい状況の中、競輪を開催する為の策なのですから。
特にあっせんが月一本しかないのは選手にとって死活問題です。
僕のプライベートジムにも10人以上の後輩が今もトレーニングをしにくるので、彼達の現状とリアルは分かる。
けど仕方がないんです。
開催に参加出来るの人数が単純に減るのですから。(FIガールズだと104人から63人に)
あっせんが月平均2本を切る事態になる可能性も大いに考えらます。
ですので今だけは
"何とか今は乗り越えるしかない。競輪が開催出来るだけでもありがたい"
と言うメンタリティを発揮して欲しいと思うし、発揮するしか無いのです。
しかしこの状況になり、今後の可能性も生まれてきたと僕は思います。
じゃあ参加メンバーを絞った中で9車立てをする為には?
「1日2走走りはどうなんだ?」
とか
地区内あっせんが嫌なら
「じゃあライン無しのオール単騎戦はどうなんだ?」
とか新しい議論が生まれます。
間違いなく今までには無かった議論です。
これは競輪界にとって間違いなく良い事だし、それこそ建設的です。
無理とわかれば舵を取り直せばよいし、そのデータは決して無駄になる事はありません。
それこそオール7車立てがファンの皆さんに好評で、車券の売り上げに結びつく可能性も大いにあるでしょう。
昔ながらの9車立て競輪は素晴らしいです。
ライン戦の駆け引き、きめ細かいテクニック、ド迫力の7番手捲くり。
魅力を話し出したらキリがありません。
だからこそ、今は7車立ての魅力を選手一丸となりアピールすべきです。
自力選手のハイスピードバトル、絶体絶命の最後方7番手からの直一気、
などこれからもっと引き出せるはずです。
競輪選手も関係者も競輪ファンの皆さんも
「楽しもうとする力」
を今こそ発揮しましょう!