月刊競輪WEB|KEIRIN.JP
以前某番組で共演させて頂いた誰もが知っている超有名社長から個人的に連絡があった。
『加藤さん、めちゃくちゃ素晴らしい物件があるの。買わない?』
と。
超有名人からのまったく予期せぬ連絡で、驚きと困惑が隠せないまま勢いで聞いてしまった。
『社長いくらでしょうか?』
するとすかさず答えが返ってきた。
『4億5000万よ。安いでしょ』
と。
思わず反射的に『買えるわけないでしょ!』と答えてしまった(笑)

『競輪のチャンピオンなら余裕で買えるかと思ってたわ』
と笑いながら答えた社長からは、心から競輪選手に対するリスペクトを感じた。

そうなのだ。
世間から見るプロ競輪選手の印象の大半は
〝凄い職業〟
なのである。

賞金額もそうだが、SNS等での立ち振る舞い、インタビューでの受け答えなども我々は益々向上させていかねばならない。
僕は自転車を降りた身ですが、業界に携わる者として競輪の魅力と面白さを世間に言葉で伝えていかなければならないとあらためて考えさせられました。

さぁ時を戻そう。
先日行われた共同通信社杯競輪決勝戦で、中本匠栄(熊本97期)選手が初のビッグタイトル制覇となる優勝を遂げた。
これは山田英明(佐賀89期に)選手が1着入線したのちに失格となり、ビッグレース決勝戦では珍しい繰り上がりでの優勝だった。
しかし優勝は優勝である。
選手生命を脅かすほどの大怪我を経験した中本選手のここまでの道のりに最大級の賛辞を贈りたい。
それとは裏腹にグランプリ2020への出場に向けて賞金争い真っ只中の山田選手にとっては痛い失格となってしまった。
すでにGP出場権のある脇本雄太選手、松浦悠士選手が勝ちまくっている関係で、何より重要となってくるのが獲得賞金上位でのGP出場権獲得だ。
要するに積み重ねである。
大きく積み重ねる事が出来るはずだった共同通信社杯決勝での失格は山田選手にとって極めて痛い。
しかし筆者は思う。
今の山田選手にとってはその不運すらもグランプリ出場に向けての壮大なドラマの演出なのでは無いかと思えてならないのだ。
それほど今の山田英明は強い。
年齢はベテランの域に達したが衰えぬ縦脚。
そして脚力をロスしてでもレースを動かしに行く勝負度胸。
すでに機は熟したと筆者は考えます。

さぁいよいよグランプリ2020へ向けて後半戦へ突入。
共同通信社杯の優勝で一気に賞金ランキング10位までランクアップした中本匠栄選手。
そして脇本雄太選手の後ろを回れるチャンスがある古性優作選手。
今年前半の勢いを取り戻しつつある浅井康太選手の3人が賞金ランキング上位陣を脅かす事はほぼ間違い無い。

刮目せよ。