アテネ現地レポート(13) ポイントレース男子 飯島誠は16位 (8月24日)
 
伴 達朗 (シクロ・イマージュ)
配信日:8月26日
 
 
集団の中の飯島選手
自転車トラック競技開催5日目。日本の飯島誠がメダル獲得の期待を背負ってポイントレース男子に出場した。飯島は今年4月のワールドカップ第4戦で5位。そして5月の世界選手権では6位という確固たる実績を残してのこのオリンピック参戦。

当然周囲も、また飯島自身もその可能性を信じてこの日を迎えていた。しかしレースは、スタート直後から飯島の思惑から外れる展開となった。レースの流れをじっくり読みここぞという時に勝負をかけてポイントを獲る。これがここ数年で飯島が会得したレーススタイルだった。だが今日のレースは最初からだれ彼かまわずラップを獲りにいくスピード展開。序盤は様子見と踏んでいた飯島にとっては虚を突かれた格好だ。次々にラップを重ねていく高速集団。飯島も幾度となく勝負を仕掛けるがことごとく潰され、またあきらめ、集団後方に取り残されていく。結局飯島はスプリント・ポイントで13ポイントは獲得するもトップから遅れること4周回。無念の16位という結果に終わった。
 
レース後の飯島選手
飯島:「ダメでした。がっかりです。悔しいです。体調は良かったのにラップ集団のスピードについて行けませんでした。また展開を読む間もなく置き去りにされた感じです。代表に決まって以降、トレーニングは十分に積んできましたが、レースは一度も走る機会がなかった。実戦から離れ過ぎたこともこの結果の要因の一つだと思います。また出直しです。」
優勝したムンツァー選手
一昨日から行なわれていた男女スプリントは、今日準決勝と決勝が行なわれた。女子は優勝候補と目されていたオーストラリアのメアーズ、そしてロシアの現世界チャンピオン・グランコフスカヤが準決勝で共に敗れるという波乱の勝ち上がりとなった。決勝はカナダのベテラン・ムンツァーとロシアの新鋭アバソバの対戦。レースは1回戦・2回戦共にスピードでムンツァーがアバソバを凌駕し、今大会自転車競技ではカナダ勢初の金メダル獲得となった。
男子スプリント 表彰式
一方男子では準決勝でオーストラリアのベイリーがフランスのガネを、オランダのボスがドイツのウォルフをそれぞれストレートで下し決勝に駒を進めた。その決勝は1回戦をボスが、2回戦をベイリーが共に僅差のゴール勝負を制するという激戦となった。そして迎えた決定戦。先に動いたのはボスだった。
先行するベイリーを残り2周でかわして主導権を握る。そして残り1周の打鐘とともにスパート、一気の逃げ切りを図る。しかし今大会群を抜くスピードでここまで勝ち上がったベイリーが最終4コーナーでボスを捉えて逆転。最後は右拳を突き上げながらの余裕のゴールでオリンピック・チャンピオンの座を勝ち取った。
 
 
 
 
COPYRIGHT(C) JAPAN KEIRIN ASSOCIATION, All Rights Reserved.