~Road to GP 第56回競輪祭直前展望~
グランプリ出場を賭けた最後の戦いが始まる!

配信日:2014年11月18日
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 村上博幸の復活Vで開幕した今年のG1戦線。全日本選抜を制した村上博をはじめ、村上義弘(日本選手権優勝)、稲川翔(高松宮記念杯優勝)、深谷知広(寬仁親王牌優勝)、武田豊樹(オールスター競輪優勝)の計5名がすでにグランプリ出場を決めている。いよいよ残るG1戦は11月21日から北九州メディアドームで開催される「第56回 競輪祭」のみ。誰が優勝してグランプリの切符を手に入れるのか? そして直前の高松記念まで繰り広げられたグランプリへのし烈な賞金争いも今シリーズが最終戦となる。今年も火花散る頂上決戦に注目だ。
 すでにグランプリ出場を決めているのは前述の5名。もし、その5名以外の選手が競輪祭を優勝すれば、獲得賞金でのグランプリ出場枠はあと3つとなる。そして今年はあっせん停止で出られなかった3月日本選手権を除く、全てのG1で決勝に進出した浅井康太も11月高松記念の決勝5着で賞金を上積み。賞金ランクを4位に押し上げ、4年連続のグランプリ出場をほぼ確定させた。となると賞金争いで残された椅子はわずか2つということになる。最低でもそのままの順位をキープしたい6~8位の圏内組。10位、11位の選手も条件つきながら、決勝2着でも可能性を残している。
 現在、賞金ランク6位につけている岩津裕介。グランプリ出場へ最大のチャンスと気合いを入れた1年の集大成となる開催がいよいよ近づいている。8月に肉離れを起こし、後半戦は万全の状態で戦うレースは少なかったはず。ライバルたちは休まず賞金を積み上げるなか、岩津は欠場をはさみながらも一戦集中で好成績を残してきた。3月玉野、5月川崎に10月防府と、今年3度の記念制覇は勝負強さの証し。競輪祭でもライバルを意識することなく、自分のレースに集中する。
 神山雄一郎は5年ぶりのグランプリ出場へ猛チャージをかけている。今年はG1開幕戦の全日本選抜で決勝に進出。好スタートを切ったかに見えたが、その決勝戦で落車して右足腓骨骨折の大怪我を負った。2カ月後の4月共同通信社杯で復帰してもなかなか調子は上がらなかったが、8月サマーナイトフェスティバルの優出から気配を一変させた。決勝で武田豊とワンツーを決めた9月オールスターで大きくランクを上げると、直前の高松記念でも5年ぶりの記念優勝を飾った。ムードは最高潮。誰よりもグランプリを知る男がドラマチックに暮れの大舞台へ返り咲く。
 ランク8位の新田祐大はここが正念場だ。昨年の今ごろは賞金額でグランプリ出場の当確ランプが灯っていた。今年も3カ月の自粛休場の期間はあったが、4月共同通信社杯の優勝で大きなアドバンテージを持ったまま8月から復帰。その後も9月青森記念の優勝など、順調に2年連続のグランプリ出場へ歩みを続けてきた。ところが、10月熊本記念決勝で落車。欠場した防府記念、高松記念をライバルたちが制し、ランク8位にまで転落してしまった。そして最大の不安要素は競輪祭がぶっつけ本番になってしまうこと。果たしてどこまで状態を戻しているか。新田にとって競輪祭は自分との戦いになる。
 8位の新田との差は900万円弱。1番車のグランプリユニフォームを身にまとい、今年ここまで戦い抜いてきた金子貴志は2年連続のグランプリ出場へ黄信号が灯っている。昨年は寬仁親王牌でG1初優勝を飾り、競輪祭も制覇。2冠に輝くと、勢いそのままにグランプリも制し賞金王に輝いた。しかし、その全てに貢献した深谷知広はオールスターで骨折した経過が思わしくなく競輪祭を欠場。決勝2着でもチャンスを残しているとはいえ、金子にとっては厳しい戦いになるだろう。ただ多忙を極めた前半戦に比べ、状態が上がってきているのも事実。再びグランプリで師弟連係を実現させるためにも、まずは決勝戦に乗って一発逆転にかける。
 2着でもわずかな可能性はあるが、11位の大塚健一郎は競輪祭を優勝しなければ夢のグランプリには手が届かない。今年は4月共同通信社杯で骨盤骨折の大怪我を負いながらも、高松宮記念杯では準V、寬仁親王牌でも優参と結果を残し、直前の別府F1では3年ぶりの地元優勝。深谷の欠場で競輪祭は特選に繰り上がるなど、今の大塚には流れがある。この流れを大事に、競輪祭で悲願の初タイトルに挑む。
 12位以下の選手は優勝が絶対条件。12位の平原康多は特選スタートで、競輪祭優勝の実績もある。9月、10月と落車が続いたが、11月松山記念ではオール連対の準Vと調子は上向いており、競輪祭で勝負できるだけの状態にはなってきた。13位の井上昌己も競輪祭優勝経験あり。予選からのスタートになるが、松山記念を優勝するなど持ち前の勝負強さを大一番でも発揮するか。
 もちろん、ランキング14位以下にも一発逆転が狙えそうな実力者がひしめく。自粛欠場をバネに復帰後は一段とパワーアップした姿を見せている稲垣裕之、川村晃司の京都コンビ、寬仁親王牌での落車の影響もなくなった先行の第一人者の脇本雄太、全日本選抜競輪での準Vを皮切りに今年は飛躍の年となった松岡健介と、地元の近畿地区で初めて行われるグランプリ出場へモチベーションを高める面々からは目が離せない。それぞれ、アジア大会ではスプリント優勝、ケイリンで銀メダル。競輪と同時に、世界の舞台でも活躍する中川誠一郎、渡邉一成の両雄、今年は高松宮記念杯、寬仁親王牌で優参の菊地圭尚、競輪祭は2度のV実績を誇る山崎芳仁、今年も勝ち星の山を築く石井秀治や池田勇人らも大駆けの魅力を秘める。


選考用賞金獲得額ランキング(11月17日現在)
賞金順位 氏名 賞金
1 武田豊樹 99,586,000円
2 深谷知広 91,649,000円
3 村上義弘 88,406,000円
4 浅井康太 70,170,100円
5 稲川翔 69,565,400円
6 岩津裕介 62,660,000円
7 神山雄一郎 62,646,000円
8 新田祐大 60,136,500円
9 村上博幸 53,619,200円
10 金子貴志 51,714,500円
11 大塚健一郎 48,938,800円
12 平原康多 46,031,600円
13 井上昌己 45,986,800円
14 菊地圭尚 37,738,000円
15 松岡健介 36,758,000円
16 脇本雄太 36,747,000円
17 稲垣裕之 35,117,000円
18 石井秀治 33,567,000円
19 林雄一 33,414,000円
20 小倉竜二 32,557,600円
KEIRIN.JP賞金ランキング(11月17日現在)
賞金順位 氏名 賞金
1 武田豊樹 100,634,000円
2 深谷知広 91,676,000円
3 村上義弘 88,439,000円
4 浅井康太 70,197,100円
5 稲川翔 69,625,400円
6 神山雄一郎 63,682,000円
7 岩津裕介 62,710,000円
8 新田祐大 60,159,500円
9 村上博幸 53,642,200円
10 金子貴志 51,746,500円
11 大塚健一郎 48,994,800円
12 平原康多 46,051,600円
13 井上昌己 46,025,800円
14 菊地圭尚 37,811,000円
15 松岡健介 36,874,000円
16 脇本雄太 36,793,000円
17 稲垣裕之 35,173,000円
18 石井秀治 33,767,000円
19 小倉竜二 33,651,600円
20 林雄一 33,505,000円

《選考用賞金獲得額とは》
 KEIRIN.JPで発表されている賞金とは異なり、以下の賞金は含まれません。
 ・先頭誘導選手として出走したことによる各種手当
 ・予備選手への各種手当
 ・雨天時等における出走時の特別出場手当等