2016年トラック世界選手権 3月6日(日) 大会最終日レポート |
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配信日:2016年3月7日 |
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男子ケイリンで脇本雄太(JPCU)が決勝へ進み、リオデジャネイロ五輪の出場枠を確実にした。世界選手権での同種目での日本勢の決勝進出は2012年以来、4年ぶり。1993年に3位に入った吉岡稔真以来となるメダル獲得の期待がふくらんだが、惜しくも5位だった。脇本は「課題が残った。もうちょっと状況に応じて素早く反応しないと。まだまだ甘かった」と悔しがった。 1回戦は「自分のなかでは、ここというところを決めていた。それがうまく決まってよかった」と自賛する会心のレース。後方から仕掛け、残り1周で先頭に立つと、後続を引き離し1着となった。準決勝では残り1周半からのマキシミリアン・レヴィ(ドイツ)の仕掛けに同じアジアのライバル、アジズル・ハスニ・アワン(マレーシア)とともに反応。最後まで粘って3着で決勝進出を決めた。「思った展開にならなかったけど、最後まで全開で踏もうと思っていたので、それが結果につながった」と胸をなで下ろした。 決勝は残り3周で、優勝したヨアヒム・アイラースが動くと脇本も後を追うが、好位置を取れずに最後尾に後退。最終ホームストレートを6番目で通過した脇本は、バックストレートから追い上げを見せたが、メダル争いに加われずに5位に終わった。アイラースが逃げ切り、2位にエドワード・ドーキンス(ニュージーランド)、3位にアワンが入った。課題について問われた脇本は「臨機応変さが大事。世界でも戦える脚になってきているが、それに対して反応が遅れているので、改善できれば。(今回も)対応できれば、もっといい着は取れた」と話した。 リオデジャネイロ五輪の代表は今後の選考で決まるが、有力候補といえるだろう。坂本監督は「脇本選手は世界の顔になりつつある。きょうはあまりほめられないレースだったが、力があることは証明した。決勝もチャンスを逃しているので、修正すれば表彰台も見えてくる」と評価した。 前日の前半で20位と出遅れた女子オムニアムの塚越さくら(鹿屋体大大学院)は、大きく巻き返せずに18位だった。後半出だしのタイムトライアルは8位、フライングラップは12位とまずまずの位置につけたが、最後のポイントレースでは1点も得られずに終わった。「あまりいい走りができなかった。積極的にいけず、悔いが残る走りが多かった」と、オムニアムと団体追抜の2種目に出場した大会を振り返った。 今大会で日本は男子のスプリントとケイリン、男女のオムニアムの4種目でリオ五輪の出場枠を確実とした。坂本監督は「チームスプリントは厳しかったとはいえ、取れなかったのは残念。自分でも結果は深く受け止めている」と悔やんだ。有力だった4枠を取りこぼさなかったことについては「どの国も勝負してきているなかで、戦略的にうまくできた」と総括した。 チームとしてメダルを一つも獲得できずに終わり、世界との実力差をまざまざと見せつけられた形となり、坂本監督は「日本と強豪国の違いは、圧倒的なパワー」と分析し、5カ月後に迫ったリオ五輪へ向け「今はそのパワーのための練習をやっている最中。あと数か月で力がついてくれば、戦略的な部分も見えてくる」と話した。
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