■Pickup Rookie
三浦貴大(岐阜)15358
 三浦貴大(写真)がデビュー5場所目で嬉しい初優勝を達成した。3場所目までは準決敗退が続く厳しいスタートだったが、4場所目の8月大垣FIIミッドナイトでギリギリ準決を突破すると、続く9月松戸FIIナイターでは12着で決勝へ。同期3人との対決となった決勝は単騎戦も、板垣昴のカマシに乗って好位に上がると、板垣を突っ張って主導権を譲らなかった宮下一歩を2角まくりで鮮やかに捕らえた。
 自力型、そして追い込み型に転向してからも息長くS級で活躍した三浦靖(53期)を父に持つ2世レーサー。競輪学校時代の競走訓練では目立たなかったが、能力評価ではAを獲得して非凡なところは覗かせていた。
 「高校時代は(競技の)ケイリンをやっていました。練習は親父と一緒に街道で。いい刺激を貰っています。持ち味は地脚と体力です。レースは、先行基本だけど、先行にはこだわらずに勝てる選手になっていきたい」
 続く前橋FIIも連日まくって12着で決勝進出と軌道に乗ってきた。掛かったときのスピードは抜群で、今後もV戦線を賑やかす。


田上晃也(岡山)15371
 特別昇班を果たした晝田宗一郎を筆頭に岡山の115期勢4人は粒ぞろい。田上晃也(写真)も3人に負けじと9月富山FIIで初優勝を無傷で果たした。中四国対近畿で2分戦の決勝は、同期の田中大我に突っ張られて4番手から出直しとなったが、2角から反撃を開始。終わってみれば後続に3車身差を付ける圧勝だった。
 「デビューから先行を意識して戦っています。相手に警戒されたりして中々できないこともあるけど、前回のダメだった部分はしっかりと反省して次の開催に生かしていくようにしています。先行を意識しているのは師匠に言われてじゃなくて自分の意思。父が競輪好きで終わってから電話がかかってきてアドバイスとかを受けています(笑)」
 高校時代はバレーボールでインターハイや国体に出場した経験を持つアスリート。卒業記念レースで決勝に進出と、学校時代からその素質は光っていた。目下のところ、先行とまくりの決まり手が半々と思い通りにいかない部分はあるが、地道にそのギャップを埋めていく。
 「もちろん早くS級に上がりたい気持ちはありますけど、まずは長い距離を踏んで脚を付けたいと思っています」
 179cmの長身から繰り出すパワー駆けからは目が離せない。

岩崎ゆみこ(茨城)15395
 デビュー直後は苦戦が続いた岩崎ゆみこ(写真)が乗ってきた。8月函館FIIナイターの最終日に初勝利を挙げると、9月立川FIIで初の決勝戦進出。そして、直近の同月青森FIIミッドナイトでも最終日に勝ち星をマークした。立川の予選2はガールズトップの石井寛子、梶田舞を相手に自力で真っ向勝負を演じて3着に粘る大健闘。そして、ホームカマシに出た青森最終日は、後位に格上の高橋梨香が入る展開だったが、高橋のバックまくりを完璧に合わせて押し切った。自力型として一気に売り出す予感すら抱かせる最近の走りだ。
 「初勝利はマークから差した形だったのでしっくりきていなかった。(立川の予選2は)行けると思ったから自分から動けたし、番手にハマってからもまくりを出せた。まさか決勝に乗れると思っていませんでしたし、自信になりました。今の課題はレースで消極的になってしまうところ。弱い気持ちが出てしまっている。今の脚力で自力で勝つのは難しいかもしれないけど、自分で動くタイミングとかをレースで勉強していきたい」
 立川を走ってこう話していただけに、負け戦とは言え、青森の勝利は大きな収穫となっただろう。全日本大学女子バスケットボール選手権大会で優勝した実績を持つアスリート。きっかけをつかんだのは大きい。

情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
COPYRIGHT(C) JKA, All Rights Reserved