■Pickup Rookie
高橋晋也(福島)15333
 115期勢最初のS級戦士が誕生した。その快挙を達成したのは「ROOKIES」22号、26号と度々注目してきた高橋晋也(写真)だ。1・2班戦では負けなしのまま、S級特別昇級を懸けて10月西武園FIに出走。連勝で勝ち上がった決勝がシステム障害により中止打ち切りとなる思わぬアクシデントに巻き込まれたが、気持ちを切らすことなく、続く同月別府FIナイターで特別昇級に再度挑んだ。別府の決勝は、今期V7の谷口遼平に併走されて4番手内に詰まる絶体絶命の態勢に。だが、7番手まで引いた最終2コーナー入り口からすかさずスパートすると、けん制する谷口、合わせて3番手からまくる松岡晋乃介、さらに逃げた薦田将伍の番手からタテに踏み込む大久保直也らをまとめて飲み込んだ。
 「最終ホームでは結構あせったけど、抜け出してからは思い切りいけて良かったです。最後はガムシャラに踏んだだけです。S級ではラインを大切に、お客さんに愛される選手になりたい」
 ナショナルチームのBチームでトレーニングしている次代のスター候補を止める選手はA級にはいなかった。持ち前のダッシュ、スピードでS級でも大暴れを見せてくれよう。


藤田まりあ(埼玉)15398
 「ROOKIES」28号で紹介したばかりの藤田まりあ(写真)が特大ヒットを飛ばした。舞台は10月弥彦FIIミッドナイトだ。決勝は、中嶋里美、土屋珠里に続く3番手で周回。最後方から上げた荒牧聖未が、児玉の前の5番手に入った以外は動きがなく、そのまま中嶋が押し出される格好で前に出る。依然として動きはなく、腹をくくった中嶋が最終ホームでスパート。荒牧は立ち遅れて前との車間が大きく空き、本人も首をかしげるデキだった児玉も苦しくなる。中嶋後位からまくった土屋がVかに、藤田がゴール前で鋭くとらえた。
 「(優勝した)実感がないです。マグレと思いながらも頑張ります(笑)。(今後は)自在で戦える選手になりたい」
 デビュー3場所目の8月和歌山FIIで初の決勝進出、6場所目の高知FIで初勝利と少しずつ在校9位の実力者らしさは発揮してきていたが、強豪を相手に本人も予想だにしていなかった初優勝だった。“競走には慣れてきたけど、気持ちの面で負けてしまっていた”と話していたが、そうは言っていられない。ダッシュと追走技術には自信を持つ。流れの中で動いて勝てる形を作る自在戦で、どんどん名前を売っていきたい。


神澤瑛菜(群馬)15396
 10月弥彦FIIミッドナイトで神澤瑛菜(写真)が待望の初勝利を挙げた。レースは実質先行一車の宮地寧々がペースをつかんで駆ける。そのまま宮地が強地脚を発揮して押し切るかに、俊敏な追い上げ策で3番手に上げた神澤が直線強襲。
 「着外が続いて、情けないレースばかりで迷惑をかけてきましたけど…。(今後は)自分のレースで着内に入っていって決勝を目指します」 デビューから6着、7着のオンパレード。この弥彦も予選を66着で迎えた最終日だった。苦しみの中でつかみ取った初勝利に涙が溢れた。
 しかし、ガールズトップ級相手に積極的に前々と攻めていった9月大宮FIIあたりから兆しはあった。レースのペースが上がると立ち遅れてしまう場面があるあたりはまだ力不足を感じさせるが、そこからの伸びはなかなかのもの。バレー出身で、女子としては雄大な体格の持ち主。パワーはある。もっと経験を積んで、勝負所で的確に動いていけるようになれば入着回数も増えるはずだ。


情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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