自転車トラック種目の世界選手権は20日、デンマークのコペンハーゲン近郊バレラップで最終日が行われ、女子ケイリンで佐藤水菜(神奈川・114期)が初優勝した。世界選手権の同種目制覇は日本女子として初めて。佐藤は今大会で3位に入ったスプリントに続く、メダル獲得となった。梅川風子(東京・112期)は5位だった。
男子スプリントでは太田海也(岡山・121期)が3位決定戦を制し、日本勢として35年ぶりに同種目のメダルを獲得した。準決勝でラブレイセンに敗れたが、3位決定戦でポール(トリニダードトバゴ)を破った。
女子ポイントレースの池田瑞紀(早大)は10位。男子はマディソンで窪木一茂(福島・119期)、今村駿介組(ブリヂストン)が10位、エリミネーションの児島直樹(ブリヂストン)は15位だった。
【男子スプリント】
太田は準決勝のラブレイセンとの大一番に2回とも敗れたが、昨年の銀メダリストのポートと対戦した3位決定戦では鮮やかな走りを見せた。1回目は残り約1周半からリードを奪うと、そのまま逃げ切って先勝。2回目も力強い走りで逃げ切った。25歳のスプリンターは「金メダルは取れなかったが、メダルという結果を残せて本当に良かった。強い相手と戦っても臆さないようになってきた。本当に自分で評価できる」と満足そうに話した。
1位 LAVREYSEN Harrie (オランダ)
2位 HOOGLAND Jeffrey (オランダ)
3位 太田海也


【男子マディソン】
窪木、今村組は30周目をトップで通過し、5ポイント獲得。その後も、2ポイント、3ポイントを追加したが、周回遅れで20ポイントを失い、上位に進出できずに10位だった。
1位 KLUGE Roger、TEUTENBERG Tim Torn (ドイツ)
2位 de VYLDER Lindsay、van den BOSSCHE Fabio (ベルギー)
3位 LARSEN Niklas、MORKOV Michael (デンマーク)
10位 窪木一茂、今村駿介

【男子エリミネーション】
児島は中盤まで安定したレース運びをしていた。しかし、落車で一時中断があった後に再開された周回で最下位となりレースを終えた。
1位 HANSEN Tobias Aagaard (デンマーク)
2位 VIVIANI Elia (イタリア)
3位 BIBIC Dylan (カナダ)
16位 児島直樹

【女子ケイリン】
佐藤が再び快挙を達成した。決勝は6番手からレースを進めた。作戦は5番手を走るフィヌカンが動くのに反応すること。もくろみ通り、残り1周でフィヌカンに続く2番手につけると、最終周では見事に差し切ってゴールした。25歳のスプリンターは「競輪という日本が誇る種目で(金メダルを)取れたことはすごく誇らしく思う。コーチの指示通りにしっかりと走ることができた。自分がやるべきことはしっかりできた。結果がついてきて、本当に良かった」と会心の表情を見せた。梅川は初めて決勝に進出し、5位に食い込む健闘。「決勝に乗ることがまずはスタートラインなので、そこに立って良かった。決勝は私の実力だと3位をぎりぎり。そこは力が足りなかったと感じている」と話した。
1位 佐藤水菜
2位 van de WOUW Hetty (オランダ)
3位 MARCHANT Katy (英国)
5位 梅川風子


【女子ポイントレース】
池田は残り約70周で集団を抜け出した2選手を追いかけた。集団に戻るか「迷った」瞬間もあったが、そのまま追走を続け、集団をラップして20ポイントを獲得。残り30周でも1ポイントを獲得して、10位でレースを終えた。「速いペースで走り続ける走力が1番の課題。まずは土台をしっかり大きくできるように頑張りたい」と話した。
1位 LETH Julie (デンマーク)
2位 KOPECKY Lotte (ベルギー)
3位 GILLESPIE Lara (アイルランド)
10位 池田瑞紀

◆東京中日スポーツ 八手亦記者 世界選手権レポート(最終日)
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