『函館競輪開設72周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:5月17日

 ナイター開催で行なわれている函館競輪開設72周年記念「五稜郭杯争奪戦」は5月16日がシリーズ3日目。この日も函館は晴天に恵まれた中で熱戦が繰り広げられ、準決では守澤太志、清水裕友、郡司浩平がそれぞれ1着で決勝への勝ち上がりを決めた。佐藤慎太郎も郡司との連係で2着とS班4人がこの日も貫禄を存分に示した。17日はいよいよ最終日。最終12レースで優勝者を決める号砲が鳴らされる。
 なお、函館競輪場では、各種キッチンカーの出店、抽選会、レース予想会、グッズ販売や現役競輪選手がブースに登場する選手会ブース等を用意して、お客様のご来場をお待ちしています。新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から通常開催と同様、一般入場の場内滞留人数の上限は1350人となっていますが、是非とも函館競輪場で迫力のレースを生でご観戦ください。

<10R>

守澤太志選手
守澤太志選手

瓜生崇智選手
瓜生崇智選手
 菊池岳仁が赤板過ぎに出ると、佐々木豪が中団を確保。菊池の上昇に合わせて番手で勝負する姿勢を見せていた瓜生崇智だったが、一旦は下げて7番手に。しかし、ジャン前にすかさず追い上げて再び守澤太志(写真)のヨコで併走。守澤が瓜生をさばくと、瓜生は菊地圭尚をキメて3番手に入る。菊池の先行に乗った守澤は番手を守って好展開を生かした。
 「連日、前の自力選手が先行で頑張ってくれたおかげです。菊池(岳仁)君は強気で頼もしかったですね。まさか(瓜生が)降ってくるとは思っていなくて、番手は守りきらないとって。巧くさばければ良かったんですが、圭尚さんのところにいってしまって申し訳なかったです。井上(昌己)さんが勢い良くまくってきてあせって早めに踏んだかな。道中は余裕があるし、戦える状態。(ダービー3着で)不安を払拭できたし、気持ちを入れて戦っていきたい。ここから(グランプリの)賞金争いを頑張っていけるように」
 瓜生崇智(写真)は菊地をさばいて守澤の後ろを確保。抜け出す守澤に続いた。
 「切りに行った時に中途半端でした。佐々木豪君が中団に入ったので、整えてから追い上げていこうと。守澤さんのところで勝負と思ったけど、浮いてしまったので、その後ろの菊地さんのところで勝負と。3番手から仕掛ける脚と勇気はなかった。確定板に入れているし、状態はいいです。楽しみになってきました。(記念決勝は)地元記念の2着がいままでの最高です」
 後方の7番手から懸命にまくり上げた佐々木豪が直線で3着に強襲。
 「菊池(岳仁)君のやる気がわかって、いい位置にいないと勝負権はないなと。ホームで隊列が短くなったけど、スピード域が良くて仕掛けられなかった。ダービーのあとは疲れていたけど、その分、気持ちはリラックスしている」

<11R>

清水裕友選手
清水裕友選手

小松崎大地選手
小松崎大地選手
 赤板前に上昇した清水裕友(写真)を小森貴大が突っ張り、隊列が短くなったところを坂本貴史が一気のスパート。ジャンで先頭に立った坂本がハイピッチで飛ばすと、小松崎大地は中団からまくり出た小森に合わせて番手から発進。バックでは小松崎が先頭に立ったが、大外からまくった清水がゴール前で捕らえた。
 「赤板でちゃんと切れば良かったですね。ちょっと誘導員とのタイミングが合わなくてちゅうちょしてしまって。あそこの攻防をしのげたらもっと良かったと思います。初手は後ろ攻めで良くて、前を取っても7番手になると思ったので。坂本貴史さんがフカしていたし、小森(貴大)さんも下げて整っていたので乗り越えられて良かった。脚を使っていてスピードはどうかなと思いましたけど、稲川(翔)さんのブロックも避けられているし、2段駆けも外につけて交わせているので。日に日に上向いていると思います」
 小松崎大地(写真)は前を走った坂本の奮闘を称え、清水にのみ込まれた悔しさを語った。
 「(坂本)貴史に任せていました。踏み合いになった所を構えずにポンっと出てくれて、強い気持ちで走ってくれました。格上が相手だったし、前で勝負してくれましたね。貴史のカカリも良かったんですけど、仕掛けが見えたので前に踏ませてもらって。(番手から)出たからには踏み負けちゃダメですね。申し訳ないです。連日苦しいレースですけど、しっかり勝ち上がれているので決勝も頑張ります」
 稲川翔は3コーナーで原田研太朗にけん制を入れて、差し場を確保し、直線で外を伸びた。高い対応力を見せての決勝進出。
 「小森がしっかり力を出し切れるように任せていました。しっかり勝負してくれたし、乗り越えてくれるかなと。自分は外を踏むしかなかったし、清水を張るというより、小森が乗り越えてくれることを信じていました。もっと上で戦える選手だし、何とか一緒に乗りたかったですね。自分は一杯一杯でしたけど、日に日にしっかりレースに集中できていると思います」

<12R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手

佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手
 渡邉豪大、中井太祐の順で動いたところを藤井侑吾が最終ホーム前に叩いて主導権。郡司浩平(写真)は中部勢の動きをすかさずに追って3番手を取り切り2コーナーから仕掛けにいくが、柴崎淳が合わせて番手から発進。郡司は柴崎の後ろで態勢を立て直し、2センターから早めに外を踏み込んだ。
 「後手にならないように藤井君のラインにスイッチして、2コーナーで行こうと思ったけど、柴崎さんとタイミングが合って後ろには迷惑をかけたが、タイミングを取らせてもらった。柴崎さんが出てからは、ゴール前(勝負)よりも早くに踏んだ。連日、長い距離を踏んでいたので余裕はあったし体調は問題ない」
 佐藤慎太郎(写真)は郡司の動きをしっかりと続き、追走技術の高さを見せた。
 「郡司君にお任せでした。みんなが郡司君を警戒していて、流れの中で、仕掛けるタイミングで(郡司が)行く気持ちも見えたけど、そこは前の動きもありますからね。(自分の)タイミングがずれた感じはあった。道中で脚を削られていたので抜ける感じはなかったですね」
 山本伸一は目標の中井がフジイに叩かれると、最終2コーナーで郡司ラインの後位に切り替える。そのままタテへと踏んで大外のコースから3着にくい込んだ。
 「初手は狙い通りだった。3番手を取り切れれば、面白いと思ったけど、(中井)太祐も一杯そうだったので郡司(ライン)に切り替えさせてもらった。切り替えてからも脚に余裕はあって、自転車がもっとマッチすれば、いい感じでいけると思う」