『函館競輪ミリオンナイトカップ(GIII)レポート』 初日編

配信日:8月5日

 リレーGIIIが8月4日にスタート。昼間の岸和田に続き、函館競輪GIIIナイター「ミリオンナイトカップ」が幕を開けた。前半のガールズケイリン予選1は山口伊吹、荒牧聖未、太田美穂の3人がそれぞれ人気に応えて快勝した。男子は一次予選8個レースが争われ、強風の影響もあって逃げ切り勝ちはゼロ。メインの特選は赤板過ぎに主導権を握った松本秀之介をフルに利して松川高大が勝利を収めた。2日目の5日はガールズケイリンの予選2、男子は二次予選6個レースで準決への勝ち上がりを争う。
 なお、函館競輪場では連日、様々なイベントをご用意してお客様のご来場をお待ちしていますが、「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<1R>

山口伊吹選手
山口伊吹選手
 岸和田からバトンを受けて開幕した函館競輪GIIIナイター。注目のオープニングレースは地元の畠山ひすいが積極果敢に攻めるも、3コーナーから外を踏み込んだ山口伊吹(写真)が直線で鋭く突き抜けた。
 「ラスト2周まで渡辺(ゆかり)さんに粘られたら下げるつもりだったけど、渡辺さんが早めに下げてくれた。あの並びなら動くのは田中(まい)さんしかいないから田中さんがどこで動いてくるのかでした。1センターで焦ってしまったけど、田中さんが早めに前へいってくれたから何とかでした。体的にキツかったですね。良くなかった。前回の玉野からウォーミングアップも変えず、寝る時間も変えなかったけど、思うように体が動いてくれず、キツかった。明日(5日)はアップ時間を長めにしようと思う。この状態で1着を取れたのは良かった」
 2着には最終4コーナーから外を踏み込んだ三宅玲奈が食い込んだ。
 「畠山さんがスタートを取ると思っていたから前々にいたかった。結果、山口さんが前にきてくれてよかった。スタートはイメージ通り。最終バックで田中さんがきて、山口さんが出てくれてその勢いでいきたかったけど、口が空いてしまった。でも結果2着なので良かった。決勝に乗れていなかった時より今は気持ちが楽」


<2R>

荒牧聖未選手
荒牧聖未選手
 佐々木綾が最終ホームで飛び出すも、バックから渡口まりあが仕掛ける。その動きに乗った細田愛未に展開が向くかと思われたが、2センターから外を踏み込んだ荒牧聖未(写真)が突き抜けた。  「出たとこ勝負で、自分の力を出し切るようにと考えていました。自転車の出は良かったと思います。しっかりここに向けて練習していたので、(体の状態も)良いと思います。函館は走りやすいです。風が強くても特に気にならないです」
 直線で大外を踏んだ永塚祐子が2着スタートとなった。
 「ちょっとあんまり良く見えていなかったんですけど、荒牧さんに視線をおく感じで組み立てて、焦らず踏んでいきました。(中2日だったけど)意外に疲れは抜けました。4日制なので、焦らず落ち着いて確定板に入ろうと思ってました」


<3R>

太田美穂選手
太田美穂選手
 最終ホームから仕掛けた太田美穂(写真)が2コーナーで高橋梨香を叩いて先行策。4コーナーを先頭で迎えた太田がそのまま押し切った。
 「抜かれたと思いました。いくのも遅かったしホームの向かい風で躊躇したのもある。ゴール前も横一線で抜かれたと思ったけど、1着で良かった。まくりでも良いと思ったけど、初日から先行しようと思っていたからいけて良かった。前回の決勝で逃げて4着だったけど、今日(4日)は1着なので、戻ってきて、良い状態なのかなと。自分がカマしたい所と踏み直したい所で向かい風なのがキツい。残り3日あるので、ケアしてしたい。あとは風次第ですね」
 最終2センターから外を伸びた中野咲は2着。
 「スタートは2番手、3番手が欲しかったので位置は良かった。冷静に走れたけど、もう少し車間を切る余裕があれば良かった。バックが追い風でそれを使いながらいけた。太田さんが強かった。レースは見えている。もう少し自分が強ければ抜けたと思う。修正点は一杯だけど、練習成果を出せるようにしたい」


<4R>

長尾拳太選手
長尾拳太選手
 松坂侑亮が打鐘で飛び出す。最終ホームで荻原尚人が3番手の外へと追い上げて、中団は九州勢と併走になる。隊列が短くなると、後方の長尾拳太(写真)がバックから一気にまくりを決めた。
 「車番が悪かったので、初手は良いところを取れないと思っていた。どこかで動こうと思っていました。本当は成松(春樹)さんの上を叩いていきたかったけど、荻原さんの動きが上手かった。気持ちの弱さが出て下がってしまいました。隊列が短い間にどこか仕掛けられればと思っていました。脚の感じは悪くないと思う」
 2着には外を伸びた荻原尚人が食い込んだ。
 「(組み立ては)周りの動き次第でって感じでした。何とか形を作って勝負しようと思っていた。ホームが重たいのは明らかだったので、外へ追い上げたら前が踏むかと思っていたら思ったよりも踏まなかった。(長尾に)まくられてからは差を詰めていけたので、抜けてはないけど自分で色々やっていた割には良い方だと思う」


<5R>

久米康平選手
久米康平選手
 打鐘で飛び出した林慶次郎が先行策。中団をキープした久米康平(写真)は最終バックから仕掛ける。林をまくり切った久米が、勢いそのままにゴールを駆け抜けた。
 「車番が悪いし、前を取ると北勢が中団で九州勢がすんなり駆ける展開になり、厳しいと考えて後ろからが良いと。何回もタイミング失敗した。ホームでカマしにいく、叩きにいくチャンスが何回もあり、後ろに迷惑かけてしまった。ホームで叩いたほうが結果的に良かったと思う。(選手)紹介中から前回とは違う良さがあった。ただそれを自分で殺してしまった。へんなタイミングで仕掛けたわりには進んでいたし、最後の向かい風も我慢できたから状態は良いと思う」
 最終バックでは後方になった地元の川津悠揮だったが、4コーナーからコースを突いて直線鋭く伸びて2着まで食い込んだ。
 「前から緩んだ所でいく作戦でした。苦しかったけど、伊東(翔貴)君が仕掛けてくれたからコースが空いた。1着まで届けば良かったけど、(あの展開から)2着なので、良いと思う。前回も負け戦だけど、1着、2着取ったし脚は上がっている。ここに向けて頑張ってきた。地元GIIIを走るのは初めてなので。いままであっせんが入ったことはあったけど、直前に落車したりして走れなかった。二次予選も与えられた位置で流れに乗って頑張りたい」


<6R>

 磯川勝裕が打鐘で伊藤稔真を叩く。後方に置かれた坂本貴史が最終バックからまくり上げていくと、マークした中田雄喜が直線の外を鋭く突き抜けた。
 「ちょっと展開はわるかったけど、坂本君は脚が違うし、行けるだろうって思っていました。ホームが向かい風なので、前が止まったから伸びたと思う。普段なら内へ行くところだけど、外を踏めたし悪くない。集中して明日(5日)も頑張りたい」
 懸命にまくり上げた坂本貴史は2着で一次予選をクリアした。
 「すんなり(隊列を)回して行ける所から行くって作戦でした。切りにいくところを伊藤君に突っ張られて、そこを磯川君が踏んでいったのできつかったです。無理矢理仕掛けていったら合わせられてきつかった。明日もしっかり勝ち上がれるように」


<7R>

 赤板過ぎに先頭に立った小原唯志がスローにペースを落とすと、3番手をキープした酒井雄多が打鐘過ぎの2センターで岡田征陽の後輪に接触して車体故障。そのまま小原が風を切っていくと、番手絶好の岡田征陽が好展開をきっちりモノにした。
 「鐘過ぎにバリバリって音がしたから誰かが引っ掛かったなと。後輪大丈夫かなっていう不安はあったけど、小原君が頑張って駆けてくれたからその気持ちに応えようと一生懸命に走った。ハプニングがあって素直に喜べないけど、この1着から調子を上げていきたい。ひとつでも上のレースを走りたい」
 岡田の後位に切り替えた地元の山田敦也が続いて2着に入った。
 「リカバリーもなにもついていっただけ。中団すんなり過ぎて酒井君も木村君の仕掛けに合わせて後手踏まないように仕掛けようと思っていたと思う。見ての通り伸びていないですよ。少し状態は上がってきている。川津君が2着取って調子に乗っていたから頑張らないとと思っていた(笑)。何とか後輩たちを引っ張っていきたいですね」


<8R>

 赤板過ぎに先頭に立った朝倉智仁がそのまま先行策。最終ホームで後方の月森亮輔が巻き返してくるも、芦澤大輔が再三に渡りけん制を見せて最後はきっちり差し切った。 
 「朝倉君が組み立てやすいのは中団ってことだったので。ホームが向かい風だけど、よく勇気を持ってジャンから行ってくれた。あとは自分の出番でした。誰でも止められる感じの朝倉君のカカリでした。お膳立てしてもらったので抜くだけでした」
 逃げた朝倉智仁が懸命に踏み直して2着に粘り込んだ。
 「結果的に2着でしたね。誕生日だったので1着を取りたかった。ちょっと距離が長いかと思ったけど、力を出し切ることが大事だなって思っていきました。月森さんの巻き返しも見えたし、落ち着いて駆ければと思っていた。良いスタートが切れたと思う」


<9R>

 藤根俊貴が打鐘で飛び出すと、上野雅彦は3番手をキープ。最終2コーナーから仕掛け、五日市誠のけん制を乗り越えて先頭でゴールを駆け抜けた。
 「スタートで中団か前を取って先行基本にいこうと思っていたらどっちも取れず。それなら切らないと始まらんと思って切って、ペースを落とさずに鐘までに誰もこなければ先行だった。ただ早めに来たから出られても3番手あるなと。ホームでいこうと思ったけど、みんなが言っているように風が強くて詰まったりでみてしまった。後ろもごちゃついていたし、無理にいくこともないなと。結果は良いけど、前回からセッティングを変えて噛み合っていない。まくりがモコモコでもっと早く乗り越えられると思っていた。微調整します」
 上野をマークした坂本亮馬が続いて2着に入った。
 「風強いのは良くないですね。初日は車番も悪いから取れないだろうし、悪いやつをいくつか伝えてそれ以外なら大丈夫だろうと上野君と話していた。彼が100点のレースをしてくれた。踏み出しも良かったですし。風が普通の感じならゴール前は面白かったと思う」


<10R>

青柳靖起選手
青柳靖起選手
 打鐘過ぎに藤井栄二が主導権を奪う。青柳靖起(写真)は3番手をキープすると、最終バックから一気に仕掛けてまくり切った
 「藤井栄さんが先行するだろうと思っていました。風も強かったし、3番手取っての勝負でした。藤井昭さんを乗り越えたらと思って仕掛けていきました。体は調子良いです。チャレンジャーの気持ちでぶつかっていきます」
 前との車間を切っていた藤井昭吾だったが、青柳は止められず。島田竜二が青柳に離れたことで、藤井昭が直線踏み込んで2着に食い込んだ。
 「藤井栄君が叩いてくれたので、あとはどうやって上手く援護するかでした。青柳君が思ったよりも早く仕掛けてきたのですごいなって。藤井栄君を最低限6着まで残さないとなので、青柳君が一人っぽかったし我慢しました。青柳君が強かったです」


<11R>

 嵯峨昇喜郎が打鐘の4コーナーで近藤隆司を叩く。後方から自力に転じた水谷好宏がまくり上げてくるも、齋藤登志信がけん制を見せてゴール前で嵯峨を差し切った。
 「嵯峨君が良いレースをしてくれたおかげ。全部、嵯峨君に任せてた。彼はそれぐらいの選手なので。嵯峨君がうまく後ろ2人が粘られないように走ってくれた。抜けているから悪くない。仕事して抜けたのはプラスですね」
 積極果敢に逃げた嵯峨昇喜朗が2着に粘り込んだ。
 「風が苦手なのに凄い強い風で。レース前に心の中でいくか迷ったけど、いった方が良いと思って仕掛けた。内容にこだわろうと思って走った。ホームで止まったけど、ペースで走れているし、問題ない。ちゃんと仕掛けたから明日(5日)以降は気持ち的に楽だと思う。疲れたからケアします」


<12R>

松川高大選手
松川高大選手
 赤板過ぎに先頭に出た松本秀之介が徐々にペースを上げる。後続からの反撃がないまま松本が駆けていき、番手の松川高大(写真)が車間を切って上手く援護し、最後はきっちり抜け出した。
 「枠も外だし、後ろからって作戦でした。余裕はありました。あの形になったらラインで決めたいなって感じでした。この風であの距離行っているし、松本君もきつかったと思う。良い状態でこれている」
 松川の後位を回った北村信明が2着に入り、ラインでワンツースリーを決めた。
 「3番手をしっかり追走してと思っていた。最後は松川君があんだけコースを空けてくれたので、何とか良い着をと思ってました。風が凄くて残り1周の踏み応えはいつもと違った。復帰戦よりは良い感じで乗れています」
 上手くペースをつかんで逃げた松本秀之介が3着に粘り込んだ。
 「菅田さんが前受けかと思っていました。先行できて良かったです。菅田さんが引き切ったのを見て、徐々にペースを上げていきました。風が強かったのでホームは(ペースを上げるのを)我慢して、バックからは全力でした。3人で決まって良かったです」