『函館競輪開設74周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:5月19日

 令和6年能登半島地震復興支援競輪・函館競輪開設74周年記念「五稜郭杯争奪戦(GIII)」は5月18日に勝負の3日目を迎えた。準決は予想通りの激戦の連続となったが、岩津裕介、古性優作、小倉竜二がそれぞれ1着をゲット。郡司浩平、佐藤慎太郎らも決勝進出を果たした。ファイナリスト9名が出そろい、19日は大会覇者を決める決勝の号砲が鳴らされる。
 ナイター記念シリーズは最終日の19日も藤巻昇さん、山口幸二さん、内林久徳さん、村上義弘さんらが日替わりで参加するSPEEDチャンネルトークショー、キッチンカー大集合、先着入場者プレゼント、ガラポン抽選会が実施されるほか、イベントも盛りだくさん。元ガールズケイリン選手の高木真備さんによる「わんにゃんフェスティバル」、四千頭身の爆笑ステージ、民謡歌手の檜森結衣&津軽三味線の斎藤まりなステージ、高野太吾のマジックステージ、函館巴太鼓振興会による演舞、7月に本格デビューする地元北海道の新人選手紹介(佐藤乃愛選手)等が予定されています。18日に引き続き函館塩ラーメン津熊、駄菓子屋「あさひや」の出店もあります。函館競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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岩津裕介選手
岩津裕介選手

三谷竜生選手
三谷竜生選手
 スタートは渡部幸訓が出て、北日本ラインの新山響平、守澤太志を迎え入れる。レースは早くから動き、残り3周過ぎから後方の山口拳矢が上昇、バックで新山と守澤の外に並びプレッシャーをかける。赤板を過ぎて新山が誘導を外すと、山口は守澤の外にへばりついて併走に。最終ホームで山口が新山の番手をキメるが、後方にいた三谷竜生が一気のスパート。三谷と新山は激しい踏み合いが続いたが、2センターで外の三谷が出切ると、うまく追走した岩津裕介(写真)が最後は交わした。
 「(三谷が仕掛けてくれて)そのおかげですね。(新山と踏み合っても)下がってくる感じがなく、『頑張れ』って思っていました。外にいたら、内にこられる、締めながらでした。(三谷)竜生はありがたかったです。昨日(17日)、町田君の後ろで体に(ダメージが)きていたので年齢を感じながらでしたけど、小倉(竜二)さんとかも頑張っているし、自分も頑張らないとなって思っています」
 新山の後ろがもつれ、隊列が短くなった隙を逃さなかった三谷竜生(写真)。新山との踏み合いを制してラインを上位独占に導く。
 「新山君と(山口)拳矢の争いを見ていて、拳矢が頑張っていて、僕に展開が向きました。行けるタイミングはあそこかなって。なんとかでしたけど。(新山との踏み合いは)しんどかったけど、バックでは体が出たので、勝つことができた。しっかり踏み込めたし、調子はいいかなと。新山君をまくれているし、上出来」
 三谷ライン3番手の棚橋勉はしっかり追走を決めてうれしい記念決勝初優参になった。
 「記念は準決勝も初めてだったのでうれしい。ついていくだけのレースでした。運が良かったです。初めての記念決勝にはうれしいです。一生懸命ついていきたい」

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古性優作選手
古性優作選手

東口善朋選手
東口善朋選手
 9番車の小林泰正が大外から勢い良く飛び出してスタートを取り菊池岳仁を迎える。後ろ攻めになった高橋晋也は赤板過ぎに誘導を外して先頭に立つと、古性優作(写真)が打鐘をめがけて踏み、高橋も合わせて踏み込む。すると、古性は渡邉一成をキメにいく。高橋の後ろは最終ホーム過ぎに古性が取りきる。番手を取りきった古性だが、巻き返してきた菊池に合わせて2コーナーから発進して押し切った。
 「しっかり高橋君のことを切りに行こうと思ったけど、高橋君が思いのほか踏んだので、そこ(渡邉の所)で合ったので勝負しようかなと。郡司君の姿が見えなかったけど、菊池君は見えていたし、その後ろに小林君もいるので、しっかり踏んでと。本当はやりたくなかったけど、最低限ですね。最後はしっかりタテに踏めたし、いいかな。感じは悪くない。しっかりクールダウンして決勝に備えたい。疲れはあるけど、調子は悪くない。現状の力は出せています」
 東口善朋(写真)は戦況に応じて柔軟に立ち回る古性の動きにもしっかりと追走して2着をキープ。
 「(古性は)とんでもない動きでしたね。もうバックも踏めないし、前に前に踏んだので安心して付いていった。位置を取ってから仕掛けて行ってくれたし、バックを踏まずに付いて行った。状態も悪くないし、決勝にも乗れているけど、前を抜けていないのでそれだけですね。決勝に向けて体調も整えます」
 郡司浩平は後方になってしまい、前団の煽りを受けたが、大外を踏み込んで小林との3着争いを制す。
 「菊池君と高橋君で踏み合った所をホームで行こうと思っていたけど、高橋君がすんなり行って、見過ぎてしまった。判断ミスですね。迷っているうちに前が駆けてしまい、仕掛けも迷ってしまった。要所で遅れているし、良くないですね。自分は何もできていないし、迷惑かけた。2人で勝ち上がるためのレースじゃなかった。反省します」

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小倉竜二選手
小倉竜二選手

松井宏佑選手
松井宏佑選手
 初手は見合う形になったが眞杉匠が前を取って正攻法に構え、4番手の中団に町田太我、7番手に松井宏佑で周回を重ねる。松井は青板のバックで町田にフタをして、赤板過ぎの2コーナーで勢い良く出て先頭に立つ。そこを町田が打鐘めがけて一気のカマシ先行。松井が4番手に入り、眞杉は離れた7番手に置かれる。眞杉は車間を詰める勢いでまくり出るが、松井に合わされて外に浮く。直線に入り町田のスピードが鈍ると番手の小倉竜二(写真)が抜け出した。
 「(町田の)ジャンのペースはかなりかかっていた。(4番手に)飛び付いた方も脚を使っていたなと。バックで来られなかったのは自分にはよかった。気配を感じて来たら、どうしようかと思って、反応してから踏み込んだ。前半がかかりすぎていた分、タレてきた。自分が勝つにはあれしかなかった」
 松井宏佑(写真)は中団取りからの先まくりとレースプラン通りに進めることはできた。
 「(初手は)後ろ攻めが濃厚かなと思っていた。中団で(町田に)蓋をしてから眞杉君に突っ張られないように1回出てからでした。プラン通り組み立てられたが、ラインで決められずに反省。1回出る時に踏まされてでしたけど、町田君が来ていて、(4番手に)飛び付いてからは考えられる余裕がなく、あとは眞杉君が来たタイミングでと思っていた。思ったより脚にきていたので、ラインを連れ込めずに悔しい。踏み切れた感じはあるが、もたついている。自転車もまだしっくりきていないのでいじります。調子は悪くないのでケアをしていい走りがしたい」
 佐藤慎太郎は目標の眞杉が外に浮くと、4コーナーからは絶妙なコース取りで突っ込んだ。
 「今日(18日)のレースは松井君が上手だったと思う。前の状況はわからなかったけど、油断したら千切れるスピード感で全開でついていこうと。スピード的には眞杉君が行き切ってもおかしくないけど、その前に松井が行っていたので。今日の感じは悪くなかったです。ファンの声が聞こえるので頑張りたいと思う」