『函館競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 3日目編
配信日:8月11日
函館競輪開設59周年記念「黒船杯争奪戦」は3日目を終了した。連日快晴に恵まれ、コンディションは抜群で、本日は準決勝をメインに各レースが開催された。準決勝は海老根恵太、石丸寛之のSSコンビのほか、地元の菊地圭尚と斉藤正剛、そして藤野孝彦、小岩大介の九州若手コンビらが勝ち上がり、9名のファイナリストが出そろった。
本場イベントも明日が最終日。井上茂徳氏と工藤元司郎氏によるレース予想会や、素敵な景品が当たる車券購入抽選会、スピーチーズや現役競輪選手らも参加するサイクルダッシュ!、はこだて開港サンドの限定販売などが行われます。是非とも函館競輪場へお越しください。
<8R>
関戸努選手
8レースからは準決勝戦。一名しか勝ちあがれない狭き門、準決勝Cを突破したのは
関戸努(写真)
。前を任せた近藤隆司が先行すると、展開有利に直線で追い込んだ。
「切り替えがあったからかもしれないけど、腹をくくって近藤君が良く駆けてくれました。俺の気持ちが近藤君に伝わったのかな。タイミングが取れず車間を空けられなかったけど、後ろの金山(栄治)さんもなかなか来なかったから、余裕を持って構えられました。(繰り上がりで準決に乗ったから)一度は死んだ身ですし、このツキを大事にしたい」
2着には金山マークの
前田拓也
が入線する。
「金山君が踏んでいたし、直線勝負にかけました。コースもあったし、脚にも余裕があったんだけどね…」
3着には近藤ライン三番手に切り替えた
大澤雄大
が食い込んだ。
「ホームで最後方だし、前があれだけ緩んでいたからとっさに切り替えました。ラインの皆さんには申し訳なかったけど、1着権利だったしシビアにいきました」
松岡孔明
は4着に。近畿コンビの後位から大外を踏み上げた。
「ホームや二角で前を叩いていれば面白かったですね。だけど、近畿三番手と言った以上は切り替えられなかった。もっと強気に攻められれば良かったですね」
<9R>
斉藤正剛選手
菊地圭尚選手
9レースは準決勝B。金澤竜二がホーム前から全開で駆けると、別線の仕掛けに合わせて菊地圭尚が番手まくり。するとゴール寸前、菊地マークの
斉藤正剛(写真)
が追い込んで1着をさらった。
「直線で必死で抜きにいったけど、2(山崎充央)がいたし、気が気じゃなかったんです。だけど圭尚も残ったし本当に良かった。今日は俺よりも圭尚の方が緊張していたはず。その中でよく頑張ってくれましたね」
菊地圭尚(写真)
は2着に残り、地元両者で優参を決めた。
「金澤の気持ちが伝わってきました。自分もやっていることだし、嬉しかったですね。分断があっても絶対に守るつもりでした。実際にそういう展開にならなかったけど、自分もいいタイミングで出られました」
吉村和之
はまくり気味に追い込んだが、力及ばず4着に。
「粘っても行かれるだろうし、相手は番手まくりですからね。それに金澤とやりあっても、脚を使うだけでしょう。こういう展開になるときつい。それだけですよ」
北日本後位を回った
山崎充央
は直線で追い込むも3着まで。
「展開通りだったし、からまれることもなかったから直線ではチャンスだったんですけどね、仕方が無いです」
<10R>
石丸寛之選手
藤野孝彦選手
10レースからは準決勝A2個レース。勝った
石丸寛之(写真)
は、早めの巻き返しで主導権をにぎると、後続のもつれを尻目にペースで押し切った。
「一回、明田(春喜)が斬ってその勢いをもらえればと思っていたんです。そうしたら来なかったし、そのまま駆けてしまえと。今日は明田が山田(敦也)を引っ張るようなレースになったら嫌だなと思っていたんですけど、そうはならなかったし、戦いやすかった」
吉永和生
は石丸寛之にしっかりと食い下がり2着をキープした。
「踏み出しも良かったし、俺さえ付いていけば二人で決まる思っていました。明田の動きが気になったけど、前に踏んでいたししのげると思った」
石丸―吉永ラインを追走した
藤野孝彦(写真)
が3着に食い込み、決勝戦進出を決めた。
「今日は競りになったとしても石丸さんのラインに付いていこうと決めていました。ゴール前にごちゃっとして焦ったけど、スピードももらえたし、直線でも良く伸びました。今回は決勝に乗るつもりで来たし、目標は達成できました。あとは明日もやるだけです」
地元コンビは惨敗。9レースの菊地圭、斉藤正に続くことはできなかった。
明田春喜
が「位置取りにこだわりすぎた…」と話せば、明田マークの
山田敦也
も「気負いすぎですね。最後のコース取りに悔いが残る」と、ともに唇をかむ。
<11R>
海老根恵太選手
渡邊健選手
11レースは
海老根恵太(写真)
の後位がごちゃつく展開に。それでもホームからカマした海老根が、後続の反撃を振り切り1着をゲットした。このレースで唯一のSS班として、力の違いを見せ付けた格好だ。
「初っ端から競りだったし、今日の展開は仕方がない。自分は自分のレースをするだけでした。打鐘で前を一回斬ろうかと思ったけど、誘導も上がったし、一回踏まなければ駄目だと思って前に踏みました。今日は状態も悪くはなかったですね」
海老根の番手には朝日勇がはまった。直線を迎えると、その朝日の後位から
渡邊健(写真)
が抜け出し、2着に入線する。
「朝日が前々にいてくれたから、俺に(展開が)向きました。でも、レース中は海老根の後位がもつれていたし、自分も何がなんだか分からない状態でした。優勝戦に乗れて嬉しいけど、まだ少し焦っています(苦笑)」
小岩大介
は連日、しぶとさを発揮している。内々につまるピンチをしのぐと、直線では渾身のハンドル投げ。僅差で十文字貴信を抜いて3着を確保した。やや強引なコース取りが審議の対象となったが、セーフの判定を聞くと、「良かった~」と胸をなでおろした。
「コースが空いているか半信半疑だったけど、もう引けないし思い切り行きました。ずっと内に包まれてきつかったけど、競っているわけではないし、脚には余裕があったんです。直線でも十文字さんだけを交わせば3着に入れるなと冷静でいられました。ハンドル投げは普段あんまりやらんけど、思ったより伸びましたね」
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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