『函館競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:11月1日
 函館競輪場開設65周年「五稜郭杯争奪戦」は2日目に突入。本日は優秀「巴賞」をメインに、二次予選が争われた。優秀戦は展開が入り乱れるなか、村上義弘が力強くまくって勝利。また、二次予選では近藤隆司の脱落があったものの、主力組は順当に準決勝へ駒を進めました。
 なお、本場ではファンサービス、イベントが予定されており、明日11月2日(月)は豪華賞品が当たる「未確定抽選会」。未確定車券またはレシート2,000円分で1回ガラポン抽選を実施いたします。どうぞお楽しみに!
<6R>
高橋陽介選手
高橋陽介選手
 人気を集めた高橋陽介(写真)が二次予選を白星で飾り、準決勝進出を果たした。レースは大方の予想通り、木村弘が先行策に出ると、3番手の森田康嗣を佐藤龍二、香川雄介がすくって分断策に出る。それでも高橋は最終2コーナーから番手まくりを放つと、そのまま力強く押し切った。
 「木村が良い掛かりでしたね。でも、地元の森田がしゃくられたのは残念でした。木村にも森田にも内を空けるなと言っていたんですけど…。しゃくられたから、仕掛けるタイミングも難しかったです。(状態は)昨日が重かったんで、ケアしたら今日は良くなりました」
 柴崎淳は中団争いには参加せず、脚を温存して2コーナーから7番手まくり。大外を抜群のスピードで迫って2着に入線した。
 「G1で勝つためにどうしたら良いかと考えながら(想定しながら二次予選を)走りました。番手まくりされるだろうけど、小細工なしで力を出し切る競走を意識して。アタマまでいける自信はあったんですけど、遠回りしたんで2着でしたね。状態は悪くないと思います」
 坂上樹大は目標の柴崎にしっかり付け切って3着。
 「何とか付いていこうと必死でした。大外をまくっていったんで、きつかったですね。それにしても、柴崎君は強い。今日は中団争いをして変になるんだったら、引いて脚をためて勝負した方がいいと。淳はどこからでも行ける感じで余裕もあったね。でも、本当に勝ち上がれて良かった」

<7R>
山田義彦選手
山田義彦選手
 打鐘から飛び出した山田義彦(写真)が、中団の稲毛健太や阿部力也を相手に度胸満点のスパートを披露。バックの強烈な向かい風のなか、稲毛、阿部両者の反撃を合わせ、今シリーズ通して初の逃げ切り勝ちを決めた。まんまと逃げ切った山田はにこやかにレースを振り返る。
 「稲毛君は昨日、早駆けだったから疲れているはずだしそこまで早めの仕掛けはないと踏んで鐘で1回斬りました。あとは後ろを見ながら、稲毛君に行かれたら最悪は北野(武史)さんのところで勝負って思ってました。逃げ切れたのは踏んだタイミングが良かったんだと。自分も掛かっていなかったら木暮さんに番手まくりされてただろうし、感じは悪くないと思います」
 2、3着には番手の木暮安由―杉本正隆までしっかりと続いてラインで上位を独占。「ヒヤッとしました」とレースを振り返るのは木暮安由
 「山田君の駆け方が巧かったですね。行かれちゃうかなって思ったけど掛かってた。自分はかぶってしまって最後に中を割るので精一杯。でも状態は悪くないんで」
 必死にコースを探して飛び込んだのは杉本正隆
 「コースがなくて焦りましたけどね。でも覚悟を決めて突っ込むしかないと。初日に続き車が伸びてくれたので何とか勝ち上がれました」

<8R>
谷口遼平選手
谷口遼平選手
 本命の近藤隆司が7番手不発に終わり大波乱。8レースは近藤が押さえたところを、谷口遼平(写真)が打鐘で叩いて主導権を握る。大西祐が強引に中団を取りにいき、近藤は7番手で最終ホームを通過。バックから大西が先まくりを放ち、各車殺到してゴール前は大混戦となったが、谷口が力強く逃げ切って金星を挙げた。
 「ホントまぐれです(笑)。初手で大西さんが前だったのでカマシなのかと。それを注意して、あとは突っ張るつもりで踏んでいたら(大西が)中団争いになって展開が良かったですね。最後、止まったのでヤバいと思ったけど、何とか逃げ切れました。でも、その分後ろはキツかったと思います。地元の四日市は風が強いので、今日も踏めることができたのかと。いつも二次予選で大敗し続けてたけど、勝てて嬉しい。脚の感じは良いです」
 連係した小林信晴は谷口を交わせずマークが精一杯。2着を確保した。
 「(谷口は)掛かっているどころではなかったよ。ホームで離れた。車間を空けている訳ではなく、純粋に離れた。でも、谷口君はペースで駆けてしまえば強いんでね。今日は大西君のカマシにだけ気を付けていこうと。近藤君は引いて構えると思ってたから。2コーナーで緩んだときはヤバいと思ったけど、3コーナーから踏み直してた。ワンツーが決まって良かった。僕は脚がしんどかった」
 大西追走から、岩津裕介が直線外を伸び、3着で準決勝進出。
 「大西君はタレている感じではなくへばり付いてる感じだったから、(近藤と)両方の動きを見ながらで難しかった。前ばかり意識すると近藤君の展開になってしまうんで。走り辛さはあるけど、思ったほどは悪くないですね」
 近藤隆司は仕掛けを逸し7着大敗、ガックリと肩を落とす。
 「やっぱり先行しないとダメですね。1回行ったけど、すぐに大西君が仕掛けたのが見えたので止めてしまった。負けてしまったけど明日はしっかり頑張ります」
 石毛克幸は2センターで内に下りて直線で中を踏んだが4着まで。
 「惜しかったですね。悔しい。近藤が仕掛けたと思ったら車で出ないんでダメだと思って内しかないと。そこからコースを一瞬見てしまって。そのまま突っ込んでいれば届いたかも。7番手は怖いですね」

<9R>
岩本俊介選手
岩本俊介選手
 藤岡隆治が中団から先に前に出ると、その後ろで筒井裕哉と岩本俊介(写真)が併走状態に。内に包まれた岩本だったが、空いた内を一気に抜け出して最終ホームで主導権を奪取。別線は慌てて反撃に出るも、岩本が末良く逃げ切った。
 「内が何回も空いたんで、ここだと思って踏みました。チャンスは内しかなかったですね。それで前が踏んだら、筒井さんと中団を取り合うしかないかなって思っていました。距離は短かったですけど、回しながら悪くない感じはしましたね」
 すくわれた藤岡が内に下りて番手がもつれると、後方から筒井裕哉が一気のスパート。岩本までは届かずも、2着で勝ち上がりを決めた。
 「勝瀬さんがもつれていたんで助かりました。前が内を空けたのはしょうがないですね。でも、ああいう展開になるかもとは思っていました。仕掛けるところで、仕掛けられたので、状態は悪くないと思います」
 岩本マークの勝瀬卓也は踏み出しで口が空き、藤岡にからまれる苦しい展開も、何とか凌いで3着。
 「自分で苦しい展開にしてしまいました。シューズを替えたんですけど、それも良くなかったです。二次予選だから3着に残れたけど、これが記念の準決やG1とかだとダメでしょうね。準決は修正したい」

<10R>
稲川翔選手
稲川翔選手
 目標の古性優作が強烈なブロックで屈する窮地となったが、冷静なコース取りと抜群の伸びで稲川翔(写真)が節目となる200勝を達成。SS班の意地を見せた。
 「まくり切れると思ってついてたんですけどね。でもそのあとは体が勝手に反応してくれて(ブロックの内をいった)。落ち着いてレースに挑めているし、しっかり1着を狙って取れている。節目は周りが言うほど自分では意識してないので。明日以降もしっかり気持ちを入れて」と復調を実感。集中力はさらに増すばかりだ。
 2着に入ったのは橋本強。逃げる小川祐司の番手で古性を好ブロック。そこから稲川、笠松信幸に内をすくわれ厳しい展開となったが、笠松を差し返して2着を確保した。
 「小川君の掛かりも良くて決まったかなと思ったんですけどね。ブロックしたあとも稲川君が入ってくるのは分かっていたんですけど。そのスピードとタイミングが早すぎて対応しきれませんでした。でも、最後も意地で踏んで伸びているし意外と戦えるデキ」
 3着には稲川を追った笠松信幸が入線。
 「稲川君の動きを見ながら自分はもう一個内へ入ったんですけどね。引っ掛かってしまったし余裕がない」

<11R>
齋藤登志信選手
齋藤登志信選手
 打鐘で工藤文彦が先頭に立って主導権を握ると、小松崎大地がホームから反撃に出て力勝負に。工藤も懸命に逃げていくが、小松崎が力でこれをねじ伏せる。一旦は連係が乱れた齋藤登志信(写真)だったが、意地の追い上げで再度ドッキング。最後は齋藤がゴール寸前で差し切った。
 「追い上げるのはそんなに苦しくなかったし、小松崎君が行ったのを目標にして行ったので。ただ、最後にからまれたのがキツかったね。でも、俺も負けられないし。あとは小松崎君が残るように踏みました」
 小松崎大地は工藤に合わされ苦しい展開も、これを力で強引にねじ伏せた。
 「(工藤に)上手く仕掛けられてしまった。池田(良)君がブロックできないところで行こうと思ってたら、逆に自分の首を絞めてしまった。キツかったですね。僕も岡山で練習してるから、工藤君が強いのを知ってるんですよ。こういう苦しいレースを凌いでいけば、調子も噛み合ってくると思います」
 加藤圭一はバックから追い上げ気味に前に踏み、しぶとく3着に入る。
 「齋藤さんに割り込まれてしまったんで、追い上げて締め込もうと思ったら出られてしまった。それを追っていく感じになりましたね」

<12R>
村上義弘選手
村上義弘選手
 優秀「巴賞」を制したのは単騎の村上義弘(写真)だ。レースは、赤板過ぎから隊列が激しく入れ替わると、一旦は下げた北津留翼が再度カマして主導権。村上は4番手併走となったが、外が空くと武田の反撃に合わせて2コーナーから先まくり。最後は番手から抜け出した服部克久をゴール寸前で交わし、白星をさらった。
 「単騎なのがよかったですね。良い方向に展開が向きました。準決勝は筒井君を目標に。また頑張りたいと思います」
 服部克久は番手絶好の展開だったが、あと一歩及ばず2着。
 「二分戦みたいな感じだったので、粘られるかもしれないと思って構えてました。北津留君が頑張ってくれたけど、武田さんもいるし、村上さんもいて、見えないオーラで脚を使ってしまったんでしょうね(苦笑)。北津留君も赤板で押さえて前に出られればもっと楽だったんでしょうけど」
 風を切った北津留翼は直線で力尽きて5着に沈む。
 「服部さんに任せてもらったんで、先行するのが役目かなと思いました。一回武田さんに突っ張られてダメかなって思ったけど、石井さんがいってくれたんで、それに付いていって仕掛けられましたね。準決は小松崎(大地)さんが強いんで、頑張って戦います」
 村上に合わされた武田豊樹はまさかの9着。レース後は「組み立てに失敗しましたね」と引き揚げる。
↑ページTOPへ