『青森競輪開設75周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:9月22日

 青森競輪場で開催されている開設75周年みちのく記念競輪「善知鳥杯争奪戦(GIII)」は9月22日に3日目が行われた。準決勝の3個レースはS班の郡司浩平をはじめ、南修二、菊池岳仁がそれぞれ白星を挙げ決勝戦に駒を進めた。そして地元のS班、新山響平も3着に逃げ粘って優出に成功し、決勝戦は好メンバーが集った。
 記念シリーズは23日の最終日も青森競輪フェスタとして先着500名様にお菓子のプレゼント、キッチンカーのサービス、サイクルタイムトライアル、オレンジテント縁日、もりんちゃんふわふわが予定されてます。さらにスギちゃんお笑いステージ、ぱーてぃーちゃんお笑いライブ、平原康多さんトークショーも予定されています。青森競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<10R>

南修二選手
南修二選手

永澤剛選手
永澤剛選手
 スタートで飛び出た阿部力也が前を取って、北日本勢が前受け。先頭の山崎歩夢は、赤板過ぎに森田優弥を突っ張る。単騎の南修二(写真)と、川越勇星が5、6番手を確保し、森田は7番手に下がる。森田が、打鐘3コーナーから再度仕掛けると、山崎も合わせてペースを上げる。それを見た森田は、4番手の荒澤貴史を外からキメに行く。南は、外の末木をどかしてスペースを確保。外併走から2コーナー過ぎに仕掛けた森田が前団に迫ると、阿部力也が前に踏みながら3コーナーでブロックする。森田の勢いは止まったが、南がその上をまくり上げていく。南は、番手から出た阿部を4コーナーでとらえて先頭でゴール。単騎で激戦を突破して、好調ぶりを示した。
 「思い描いていた中のひとつのレースだったので、組み立てやすかった。森田君が上手いレースをしているのを見ているので、隙のないようにと思っていた。自分が狙われることもあるので。(末木をどかして)早い内に単独になったので、(タイミングを)見極めて、いける所でって感じでした。止められにくいと思って、上の方を行った。今日(3日目)は(感触は)良かったかなと思います」
 山崎の番手から出た阿部を、永澤剛(写真)が追走。ゴール前で阿部を交わした2着で優出を決めた。
 「ラインのおかげです。阿部君もスタートを取ってくれましたし。森田君が単騎で来たところで、南さんのエックス攻撃が怖くて。(決勝進出は)デキすぎです。ラインのおかげで勝ち上がれてラインに感謝。3日間、展開良かった。ここ最近の成績で決勝に上がれたのでラインに感謝」
 北日本4車の番手を回った阿部力也は奮戦。S取りを決め、森田のまくりを止め、タテに踏み込んで自身も3着で決勝進出。
 「前を取って突っ張りのほうが、ラインで決着しやすいかなと。山崎君は落ち着いてレースを運んでくれた。森田君をしっかり止められたけど、戻れる感じでもなかった。森田君を止めたところで南さんがきて、後ろも地元なんで踏むしかなかった。最低限の目標をクリアした」

<11R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手

河端朋之選手
河端朋之選手
 後ろ攻めとなった郡司浩平(写真)が、8番手から動いて、河端朋之を赤板過ぎに切る。周回中に6番手の佐々木悠葵は動かず、小堀敢太が2コーナーで郡司を押さえる。佐々木は8番手で構えて、前受けから下げた河端が6番手。郡司が絶好の4番手で最終周回へ入る。郡司は、別線に被る前に1センター付近から仕掛ける。星野洋輝は、2コーナーで大きく外に張って郡司をブロック。だが、郡司は態勢を立て直して、下りでさらに加速する。バックでもブロックした星野だが、郡司の勢いは止まらない。そのまま後ろを離した郡司が、シリーズ2勝目を挙げて決勝へと勝ち進んだ。
 「(初手は)中団ぐらいでっていう感じで出たんですけど、思った以上にみんなが出た。(赤板で押さえたあとは)結果的に、自分的にこれ以上ない展開になった。切ったあとは、佐々木君がきたところで、突っ張るのか、引くのかって考えていたんですけど。小堀君が来たので出させました。佐々木君もためていましたし、後ろに河端さんもいたので、もうちょっとためたかったんですけど、被る前に力を出し切ろうと思って行きました。1コーナーの登りで仕掛けたので、加速がイマイチだった。(星野に)持ってこられるだろうっていうのは頭にあったので、対処できました。星野君も引っ掛け気味でバランスを崩していたので、下りを使っていけたと思います」
 和田健太郎は、星野がバックで郡司を張った時に、星野の後輪の内に前輪が差し込んで、連結を外してしまう。6番手から郡司を追いかけるようにしてまくった河端朋之(写真)が、2着だった。
 「小堀君が(赤板過ぎから)すごい踏み込んでいったので、(仕掛ける)タイミングがなかったですね。とにかく郡司君が強かったので、それを追いかける感じでいきました。でも、やっぱり3コーナーで登ってしまったのできつかったですね。最後も差を詰められなかったです。初日、2日目と自分のなかで長い距離を行って着に残れているので、感じは悪くないと思います」
 河端マークの松岡貴久が、3着で優出を決めた。
 「ずっと余裕はなくて、千切れないようにだけ考えて、付いて行った感じですね。(河端が)自分のタイミングで、全開で仕掛ける感じはなかったので、離れて付け直してを繰り返していた感じですね。前(の状況)は見えていなかったので必死に付いて行っただけですね。(記念の決勝は)1年ぶりですね」

<12R>

菊池岳仁選手
菊池岳仁選手

荒井崇博選手
荒井崇博選手
 新山響平が、誘導と車間を取って突っ張る態勢を取る。8番手から動いた後藤大輝が、赤板目掛けて踏むが、新山が突っ張って主導権を渡さない。一旦下がった後藤は、2コーナーの山降ろしで勢いを付けて、もう1度新山を叩きに行く。新山はこれも出させずにペースアップ。後藤は打鐘3コーナーで後退し、荒井崇博は5番手に降りる。先行争いを見極めた菊池岳仁(写真)は、6番手から最終1コーナーでスパート。菊池は、守澤太志が切った車間に、吸い込まれるようにして加速していく。2センターで新山に並ぶと、直線でとらえて、菊池が金星を手に決勝進出を果たした。
 「後藤君と、新山さんのもがき合いを見ていただけだし、自力の出し合いに参加できなかったのは悔しいです。すかさず行かないといけないのに、見ちゃったんで悔しいです。前受けが理想だったけど、後ろ攻めにはならないようにと。後藤君が叩いたらすかさず叩くか、中団に追い上げようと思ってました。新山さんが突っ張ったんで、すかさず行かないとだめでした。ラッキーもあったんですけど、しっかりまくり切れたのは良かったと思います」
 後藤が後退し、5番手に降りた荒井崇博(写真)は、最終ホームから内を進出。山崎将幸、佐藤友和をすくって守澤後位に入る。3コーナーで守澤が恩田淳平を外に張ると、ぽっかり空いた内のコースを荒井が踏み込む。荒井は、新山をゴール前で交わして2着に入った。
 「まあ、変な形で飛ぶよりは、イチかバチかで内に行ってみようと。(守澤が張った)1回目のところは、地元なんで。でも、もう1回行った時点で、内から行ってくださいって感じだった。後ろが(佐藤)友和だと思ってたんでしょうね。やってる方じゃないですか」
 突っ張り先行に出た新山響平であったが、後藤との踏み合いで消耗したのか、菊池にまくられてしまう。なんとか3着には踏みとどまった。
 「昨日(2日目)の反省を生かして、誘導と車間を切ってうまく突っ張れたと思います。後藤君は、1回目であんまりダッシュしてなくて、もう1回すかさず来た。(菊池)岳仁をサラ脚にしてしまったけど、見てから踏んで合わせられるかなと思った。岳仁が強かったですね。少しアップの時に感触が悪かった。しっかりケアします」