『青森競輪場開設56周年記念(GIII)レポート』 初日編
配信日:9月23日
心機一転、吉岡稔真が不安説を一蹴! 『みちのく記念競輪善知鳥杯争奪戦』をサブタイトルに、開設56周年青森記念は今日23日(土)が大会初日。特選3個レースをメインに激戦、混戦が繰り広げられた。圧倒的なスピードを発揮した吉岡に、佐々木健司、小川圭二が快調に白星スタート。他にも特選で確定板行きを果たした合志正臣らが、明日の優秀競走『八甲田賞』に駒を進めた。また、選抜戦では小林大介が豪快に八番手まくりを決めて復調ぶりを示すなど、快晴下に熱を帯びた1日をレポートします。
尚、恒例の『花と緑の日曜祭』と題し、青森競輪場では明日24日(日)もイベント、ファンサービスが盛りだくさん。“仮面ライダーカブト”ショー、握手会に、“ウッドチップトレイルクイズラリー”“アタリ車券で抽選会”“かんたんケイリン講座”、キッズ広場では先着500名様にわたあめ等のプレゼントと、バンク内外で興味が満載の縄文バンクに是非、足をお運びください。
<6R>
小林大介
選手
小林大介(写真)
が大逆転を成功させた。久冨武の先制に、最終バックを八番手で通過。それでも、諦めなかった。三角から車を外に持ち出すと、“山おろし”効果も手伝い前団を捕えてみせた。汗を拭いながら、「ドリンクの配り方を忘れましたよ。手島(慶介)さん達と、3泊4日で合宿練習をした成果かも。ケガを言い訳にしていた自分だけど、トップとモガくことで自分の甘さが分かった。切り替えた島田(竜二)さんは、小川(将人)さんの邪魔になったみたいで、流れも向いた。ホントに前橋とここ(青森)は相性が良いバンク」。4月立川F1準決勝以来の白星に、自然と笑みがこぼれた。
その傍らで、
久冨武
は小林に向かって「悔しい!」を開口一番に、「力不足です。車番が車番だし、とにかく叩いてからの組み立て。良い感じで駆けたけど」と不満そうに振り返った。
<7R>
和田健太郎
選手
和田健太郎(写真)
が冷静な立ち回りで、他を退けた。打鐘前二角で乾準一の番手にハマると、最終は四角過ぎから悠々と一気差し。久米康徳、志村勇二が落車するアクシデントにも瞬時に対応し、「ホントは突っ張るか、中団キープから。それが、乾さんの番手が離れたからね。前で(8)番が飛び付いてくれば、競る構えはできていた。すんなりと(番手を)回れたので、あとは(8)番の仕掛けに合わせるだけだった」。してやったりの表情で、打鐘からの運行を思い起こした。
乾準一
は「ずっと、踏みっぱなし。番手まくりをされるのが怖くて。ただ、状態は悪くない」と、悪展開に致し方なしといった表情を見せた。
<8R>
金山栄治
選手
永井清史
が出色のスピードを見せた。最終ホーム八番手通過にも、1センター発進で叩き合う前団を一蹴。久々に“らしさ”を示し、「展開は読みどおり。感じはだいぶ戻った。ホームで車が流れた時点で、もう大丈夫と思った」。踏み出し重視のセッティングも噛み合い、言葉にも自信の程が窺えた。
2着は
金山栄治(写真)
だった。須賀和彦との叩き合いを制し、永井にまくられながらも末脚を保つ結果に「死ぬかと思うぐらい疲れた。簡単に出させてくれなかった。風もきついし。でも、あそこ(打鐘の前後)で頑張らないと、自分の脚質が生きない。必死です。それにしても、(最終)バックで永井君は涼しい顔をしていたね(笑)。2走で終わった花月園の分も取り返したい。」。手応えをつかんだか、いつになく饒舌だった。
<9R>
佐々木健司選手
佐々木健司(写真)
が昨年の本大会と異なり、快調なスタートを決めた。小気味良く逃げた高谷雅彦の番手をキープすると、最後は懸命な“仕事”で坂上樹大、三ツ石康洋らの反撃をシャットアウト。高谷の入着までは叶えられなかったが、心身の一致するレース内容に「高谷さんとは何回も組んでいるからね。こういう展開になれば(高谷は)こう動くと、分かっているつもり。だから、いきなりインから逃げても、付いていける。もちろん、自分の反応は良いね」。
対照的に、
山口幸二
は伸びに不満を持っている。直線で失速する高谷、大仕事した佐々木健司に切り替えながら、2着に止まった。「(坂上)樹大が頑張って、アタマじゃなくちゃいけない展開。直前に風邪を引いたのが原因かな。ただ、明日からは良くなる。体に刺激を与えたからね」。調整力で残り3走を乗り切る構えだ。
<10R>
吉岡稔真
選手
吉岡稔真(写真)
はやはり吉岡だった。沢田義和との中団争い、伊藤大志の強烈なブロックを次々に凌ぐと、逃げた川崎健次を軽くひと飲み。前検で「ポッカリと心に穴が開いた」とグランドスラム失敗から心技体の乱れが想像する向きを、自らの手で一掃し「グランプリレーサーの村本(大輔)がオレの三番手を選んでくれた。若くないし早めの先行とかできないけど、出来るだけ村本まで(3着以内に)引っ張れればと。走る前は不安だらけだったけどね」。
合志正臣
は改めて、吉岡の強さを実感した。「付いているときは余裕があって抜けると思ったら、最後に凄い踏み直し。普段もそうだけど、吉岡さんには、こう踏めばこのぐらいで抜けるという計算が成り立たない。バックで大外を踏んでくれたり、前のブロックを受けないよう気を遣ってもらった。吉岡さんは大丈夫でしょう」。横綱のデキに太鼓判を押した。
<11R>
小川圭二選手
小川圭二(写真)
が一瞬の隙を見逃さなかった。山崎芳仁の先制、坂本勉と金古将人がそれぞれ番手、三番手をキープ。自身は最終ホーム四番手通過から、1センターでインを踏み込み山崎に切り替えると、直線でグイっとひと伸び。それでも、笑顔はない。勝者と思えぬ硬い表情で「ボクも勝ちたい。(イン突きから番手奪取は)考えていた一つ。取手記念から、状態は良い感じに」と言葉少なく振り返った。
2着惜敗にも、
山崎芳仁
は手応えを確かにした。正攻法に構えた矢口啓一郎を完封し、「後攻めから叩くか、前で突っ張るか。組み立ては2通りで逃げるだけ。イメージどおりに動けた。ただ、最後は何で(1)番がアタマなの? 後ろの状況は分からなかったね」。
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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