『青森競輪開設57周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:9月25日


 9月22日からスタートした青森競輪、開設57周年記念みちのく記念競輪 善知鳥争奪戦(G3)は本日25日をもって無事閉幕。期待を背負った地元勢ほか北日本勢の面々は、惜しくも全員敗退と残念な結果となったが、荒井崇博、浜口高彰、渡辺晴智ら豪華な面々が勝ち上がり、優勝をかけて全力で戦った。

決勝戦ダイジェスト
 号砲で渡辺晴智が飛び出し正攻法に構えるが、そこに室井竜二が追い上げると車を下げる。その後、室井が正攻法に石丸寛之を迎え入れると、石丸―室井―石毛克幸―渡辺―加藤圭一―荒井崇博―原司―浜口高彰―後閑信一の並びで周回を重ねた。
  後ろ攻めの荒井は赤板ホームからゆっくりと上昇開始。途中、中団の石毛にフタをすると、打鐘過ぎの2センターから再度踏み上げ主導権を奪う。石丸が車を下げると、最終ホームからは荒井のペース。石毛が最終1コーナーから早めの巻き返しを見せるが、荒井はこれをきっちりと合わせる。2センターから三番手の浜口が内から早めの追い込みを見せるが、伸びを欠く。これで番手絶好となった原はゴール前で抜け出し、荒井マークでは5月平塚に続く記念優勝。2着には浜口に代わって原を追った後閑が、3着は粘る荒井と内を伸びた室井とで同着となった。


原司選手
原司選手

 「師弟愛」が今回もバンクを制圧した。荒井崇博が先制してレースを作ると、終始荒井マークの原司(写真)が、猛然と突っ込んでゴールを先頭で突き抜けた。原にとってこれが2度目の記念V。初めて記念を制した5月平塚に続き、またもや愛弟子・荒井崇博との連係が実を結んだ。
  「獲ってしまいましたね、またしても(笑)。誰がどう見てもあいつ(荒井)のおかげ。誰にもまくらせないと言う勢いがみなぎっていたし、その通り行ってくれた。道中、石毛がまくってきた時にも(荒井は)合わせる様にきちんと踏んで対応していたし落ち着いていたよ。そこで余計に動くとごちゃつくと思ったから、俺も気をつけながら踏んでいた。あそこで離れたら洒落にならなかったしね。本来なら残してワン・ツーを決めたかったけど、浜口(高彰)さんが内に来たのが分かったし、そこは思い切り踏ませてもらった。本当にあいつの気持ちが嬉しいね」
  
  荒井崇博は大役を全うした。積極的に主導権を奪うと、別線の反撃を封じて全力で駆けた。結果は室井竜二と同着の3着だったが、師匠のVに貢献し、表情も晴れやかだ。
  「本当は中団が欲しかったけど、風が強かったし後ろに置かれてしまったから、押えて駆けるしかないなと。最初誘導が早くて、踏んだ感触がスカスカしていた。石毛(克幸)さんが仕掛けてきた時、スピードも良かったから『俺が行かなきゃどかせない』と思ったから目一杯踏んだ。そこからはうまく駆けられた。最後は俺は5着くらいかな? と思ったけど3着だった。でも今日は、原さんが勝ってくれたわけだし良かった。これで原さんは来年の競輪祭に特選で乗れるかな?前回(平塚記)の事もあるし、賞金の3割は貰わんといかんね(笑)」
 
  2着には荒井―原―浜口を追走し、先手ラインの四番手に位置していた後閑信一が入線。
  「あの位置に付いたのは荒井を信頼していたから。直線では、最内から突っ込みたかったが、浜口さんがいたから行けなかった。オールスター後から状態が悪かったけど、展開でここまで来れた。この先に向けていいきっかけになれば」
 
  荒井と同着で3着に入った室井竜二は「直線で良く伸びた」と一言。連日、抜群のコース取りで勝ち上がり、決勝戦でも見せ場を作った。

 師弟コンビの後位を固めた浜口高彰は最後は内を攻め込んだ。
  「今日は三番手と決めていたし、きちっと固めて仕事をしてね、最後はシビアに内を行かせてもらった」
 
  石丸寛之(7着)と石毛克幸(9着)の機動型両者は共に大敗を喫した。前受けからの組み立てとなった石丸は「もう一車付けば、(荒井を)突っ張る事も考えた。結果的にタイミングが悪かったですね」
  石毛も「番手で粘ろうとか色々作戦は考えていたのだが…。4人で出させてしまうときついですね」とそれぞれ反省の弁。

ゴール




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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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