『いわき平競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 2日目編
配信日:3月21日
いわき平競輪場開設58周年記念「いわき金杯争奪戦」は二日目を終了。快晴に恵まれ、抜群のバンクコンディションとなった今日も、各戦デットヒートが繰り広げられた。優秀戦「いわき海竜賞」を制したのは伏見俊昭。山崎芳仁のまくりを渾身の力で交わして快勝した。また山崎が2着に、岡部芳幸が3着に入線し、福島3者で確定板を独占。地元開催に華を添える結果となった。
場内イベントは連日、大盛況。明日はスクラッチくじを配布し抽選でオリジナルエコバックを、先着500名様に競輪ストラップをプレゼント。他にも、競輪を体験できるシュミレーションゲーム「ゴールドスプリント大会」など企画は満載です。ぜひとも本番へお越しください。
<5R>
辻力選手
5レースからは二次予選Bがスタート。須賀和彦が先制すると、中団を確保した
辻力(写真)
が二角からスパートし、須賀を捕らえて快勝した。
「打鐘で小林(則之)君が引いてくれたし、簡単に中団を取れたのが良かった。仕掛けたタイミングとしては少し早いかなとも思ったけど、あれでも待ったつもりでした。準決勝Aは去年の平塚記念以来だし嬉しい。しかもこれが250勝目。良い区切りの1勝になりました」
辻マークの
宮越孝治
は3着となり、どうにか準決Cに進出を決めたが、「辻さんが良いスピードでまくってくれたし、本来なら二人でワンツーを決めないとダメですね…」と苦笑い。
石井毅
は小林則之ライン三番手からの組み立て。小林が不発となると巧みにコースを探して2着に突っ込んできた。
「小林君も辻君に合わされてしまいきつかったでしょうね。僕は中川(司)さんの踏むコースだけを見ていました。たまたまコースがあったし、バックで脚を貯められたからあれだけ伸びたんでしょう」
<6R>
佐藤朋也選手
6レースは
佐藤朋也(写真)
の大ギアが炸裂。後方七番手から出色のスピードで前団を飲み込み、マークの成田直喜とワンツーを決めた。
「後ろ攻めは9割型想定済みでした。いつも通り、一回押さえてから組み立てましたけど、前がやりあってくれたし良い展開になりました。合わされるのが嫌で早めに踏んだけど、今日はバンクも軽かったし走りやすかった」
成田直喜
はレース後、息を切らしながら「ゴール前、全く余裕が無かった。佐藤がすかさず仕掛けたし、休めずにきつかった」と佐藤のスピードに舌を巻いた。
市川健太のカマシに離れかけた
加藤日出和
は、何とか追い付いて番手を死守。四角から差し脚を伸ばして3着を確保した。
「今日はギアを3・71に下げてみたんですけど、今の自分にはしっくりきたし正解でした。離れかけたのは、『まだ、行かないで!』ってタイミングだったし、それにコーナーの山を登りながらだったから。追いついてからは余裕がありました」
<7R>
小松剛之選手
7レースは高谷敏史が先制すると、番手絶好の
小松剛之(写真)
が抜け出した。
「勝つには勝ったけど、自分にもっとテクニックがあれば高谷を3着までに残せましたね。ただ、前々回の豊橋で押さえ先行をして3着に残ったりと、自分的には調子は上がってきているんです。レースで結果が出せましたね」
笹川竜治
は高谷―小松の三番手からの組み立て。最終2センターで小松のインを突いて2着に入った。
「自分では我慢して踏んだつもりだけど、心の中では『小松君、ごめん!』って気持ちでした。高谷君の頑張りがあったから自分が届いたようなものです」
青島宗仁
は空いたインコースをするすると辿り、3着を確保。連日、巧みなレース運びが目立っている。
「狙っていたわけじゃないけど、コースが空いたからね。今日も恵まれたとしか。この展開で1、2着まで入ったら、お客さんに怒られちゃうよ(苦笑)。3着で十分すぎます」
<8R>
坂本健太郎選手
8レースから二次予選A。レースは小野大介が稲垣裕之を突っ張って先行すると、稲垣は中団にこだわったが、坂本健太郎のブロックで失速。そのまま坂本が好回転でまくると、
山口幸二
が坂本後位をさばき直線抜け出した。
「小野があんなに行く気が満々だったのが意外でした。稲垣を行かせてもまだ間に合うのにね。稲垣が行ききれなくなった時、坂本の番手が空きかけていたからすかさず入った。坂本もかかっていたし、直線に入ればどうにかなると思った」
坂本健太郎(写真)
は2着に。稲垣を飛ばし、その脚でまくりを放つなど動きは軽快だった。
「小野が結構脚を使っていたし、とにかく稲垣さんの前にいればチャンスがあると思ってました。併走になったけど、稲垣さんの動きさえ止めておけば、あとは自分の仕掛けるタイミングだけだったんで落ち着いていましたね」
松本大地
は一旦は山口にさばかれたが、立て直して3着に食い込んだ。
「1センターで坂本が稲垣を止めたとき、迎え入れようと思ってバックを踏んだのがかなり脚に来た。山口さんに入られてしまったけど、慌てずに追走しての3着だから、ある程度納得しています」
小野大介
は「稲垣さんを出させたら自分たちの勝ちは無いでしょう。突っ張るのは仕方が無かった。力不足です」とがっくり。
稲垣裕之
は「状態は良いはずだったけど、レースでそれが出せなかった。見えない疲れがあるのかな…」とひとこと。
<9R>
平原康多選手
9レースは
平原康多(写真)
がまくり追い込みで細切れ戦を制した。内に包まれる苦しい展開からの勝利に、納得の表情を浮かべる。
「先行しようと言う気持ちで駆けていたら、和田(圭)君が斬ってそのまま先行してくれたから、すんなり三番手に入れた。その後すぐに藤田君が来て内に包まれてしまったけど、(藤田マークの)桐山(敬太郎)君がすぐに仕掛けると思ったから別に慌てなかった。今日は変な余裕がありましたね」
平原マークの
山口貴弘
は、「平原が桐山のまくりを追いかけたところで、『これなら行ける』と。人気にもなっていたし、付いていけて安心しています」とにんまり。
藤田大輔を利した
桐山敬太郎
は3着入線に「最終1センターの外が膨れていたでしょう。あそこを超えるのは相当きついはずなんですよ。それなのに藤田が強引に行ってくれた。あれがあったから3着に入れたようなもの。ただ、もう一杯みたいだったから番手から出ました」と藤田の健闘をたたえる。
和田圭
は「ホームで三番手に入っていれば、平原さんを苦しめられたかもしれませんね。だけど四角まで来たし、もう踏むだけだったんで逃げました」と先行策に打って出た背景を説明する。
<10R>
乾準一選手
10レースは
乾準一(写真)
が“徹底先行”の名に恥じぬ、圧巻の逃走劇で快勝。連日、大立ち回りを演じている。
「いつもは後ろ攻めならばそのまま一気に駆けるけど、今日は中団が斬って流したところをドンと行こうと、郡山(久二)さんと作戦を立てていました。菊地(圭尚)君がけん制してくれた時点で『良し!』と思いましたね。出てからは流せたし、ひと息入れてから四角の山おろしを使って仕掛けました。昨日、今日と本当に脚が軽い。それに6番車だったし気持ちも楽でした」
神山雄一郎
は菊地圭尚マーク。菊地が行ききれないと見るや、すかさずインコースに斬り込んで2着を確保した。
「ひとつ前のレースで平原が準決勝Aに乗ったでしょう。何としても入らなければと必死でした。その一心で頑張れたようなものです」
三宅達也
は1センターで中団の菊地にブロックされたが、しぶとく堪えてそのままスパート。大外を強襲して3着に食い込んだ。
「乾さんにはどうやっても勝てない。いつもやられとる(苦笑)。菊地君に持ってこられる前に仕掛けていれば良かったし、すんなり乗り越えていれば、ラインで決まったかもしれない。だけど今回は、乾さんが相手だったから遅めに見えただけで、本来仕掛けるべきタイミングで踏めているので問題は無いでしょう」
菊地圭尚
は「一旦斬って、体勢を立て直そうとした瞬間に来られてしまった。乾さんのカカリが予想以上に凄かったから、車が全く進まなかった」と悔しげな表情を浮かべる。
<11R>
武田豊樹選手
11レースを制した
伏見俊昭
は表彰式を終えて検車場に引き上げるとゆっくりとクールダウン。その後、記者の取材に応じた。
「今日は山崎君の仕掛けが良かったし、その流れに乗っただけです。レース前は集中していたけど、その分緊張もしていた。結果に出てホッとしているし、明日も集中力をキープしたい」
二角まくりで武田を粉砕した
山崎芳仁
は「坂上(樹大)さんが武田(豊樹)さんの番手で粘ってくれたおかげでこっちに展開が向きました。仕掛けるポイントさえ間違えなければ行けると思った。三人で決まったし、今日は良いでしょう。それよりも明日ですね」。
岡部芳幸
は「山崎はバンクを熟知しているね、さすがだよ」と山崎を絶賛。ただし、自身の状態に関しては「三番手だったから何とも言い切れないけど、もうひとカカリ欲しいかな。この後ケアーします」と歯切れはいまひとつ。
武田豊樹(写真)
は「山崎君と二分戦だったから、力勝負をしたかった気持ちもあった。だけどこっちは番手がもつれていたし、仕方が無いですね。それでも押さえて先行できたし、自分の中では納得している」と淡々と話す。
↑ページTOPへ
情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
COPYRIGHT(C) JKA, All Rights Reserved