『いわき平競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:1月22日
 いわき平競輪開設64周年記念「いわき金杯争奪戦」が開幕した。生憎の雨に気温も下がるというコンディションでもトップスターたちが白熱の攻防戦を展開。メーンの特選は後閑信一、新田祐大に佐藤慎太郎が快勝。明日の優秀競走では早くも新田と武田豊樹が激突する。
 2日目も椎名ぴかりん(10R発売中)やスピーチーズ(9R発売中)などステージイベントが盛りだくさん。カーニバルプラザでは地元競輪選手と工藤わこさんによるけいりんガイダンスや工藤元司郎さん、阿部道さんによる全レース予想&展望会も予定されています。明日もぜひいわき平競輪場へご来場ください。
<1R>
佐藤和也選手
佐藤和也選手
 先に斬った佐藤和也(写真)は窓場千加頼を受けて中団を確保。2コーナーからまくると、前田拓也のブロックもしのいで押し切った。
「作戦どおりですね。後ろ(の窓場)をあまり楽に出させたくなかったけど。ブロックをもらったけど、初日で飛びたくないんで頑張りました。あそこから粘れたんで調子もいいですね」
 北日本ライン3番手を回った女屋文伸が2着に突っ込んだ。
「恵まれましたね。僕はついてただけ。伸びもよかったですね。脚を溜めて余裕がありました」

<2R>
佐藤一伸選手
佐藤一伸選手
 打鐘で馬場和広に合わせて踏んだ佐藤一伸(写真)が上手く3番手に入る。佐藤後位で山形一気が粘ったため別線の巻き返しもなく、車間を切って馬場を援護する柴田洋輔の外を佐藤が一気に突き抜けた。
「最低でも中団にいないと。(小橋正義の)切り替えが見えたので、斬れば3番手になると思いました。これで地元で4日間走れるのでよかったです」
 車間を切って馬場を援護した柴田洋輔だったが、直線で真後ろから来られては対処できなかった。
「後ろは佐藤君だからいつでも来るだろうし、2車でキツかったですね。小橋さんはあそこで切り替えるかと思ったけど、甘くないですね。勝ち上がれたので体は大丈夫だと思う」
 早々と須藤雄太を飛ばして単独の6番手になっていた富弥昭がバックからまくり上げて3着に突っ込んだ。
「6番(須藤)には悪いことをしましたね。佐藤君が3番手でそのままなら行く感じで踏んだけど、僕も山形を見ながらだったからね。しょうがないです」

<3R>
 川口公太朗が打鐘過ぎから松田優一を押さえて前に出ると、松田はインで粘って川口後位を奪取する。そこを7番手から房州輝也がカマして主導権。続いた谷津田将吾が抜け出した。
「最近初日に飛んでいたんで、今日はしっかりやりました。合宿をしてきて今回は1着と予選突破が目標と決めてきた。それを一度に達成できて良かったです。状態も問題ない」
 房州輝也は2着に粘った。
「川口君が大谷さんを引き出すような走りは予選からしてこないと思ってました。予想的中ですね。合宿をしてきて自分の感じはわかっていたし、将吾さんの状態もわかっていました。(佐藤)一伸も決めていたんで気合が入りましたね」

<4R>
 逃げた永井清史を巡って、中団は小田倉勇二と佐藤龍二の取り合いになったが、小田倉が4番手を奪い、佐藤は小田倉後位を捌いて5番手で立て直す。佐藤は態勢が整ったバックからまくり上げてトップでゴール板を通過した。 前検日に「1着だったらガッツポーズしたい」と宣言していた佐藤は「有言実行できました」と最高の表情で振り返る。
「何度も踏んでやめてを繰り返し、コースも探しながらでキツかった。ただ『前々』とコメントとした以上は引けなかったし、最低でも勝負圏内の5番手は取ろうと。あの展開で1着だし脚はいいですね」
 逃げた永井清史はゴール直前で失速し4着。確定板には挙がれなかったが二次予選の権利は獲得した。
「バンクが重かったし直線も凄く長く感じた。スンナリ駆けさせてくれたので辛うじて残れたけど、ド先行タイプが相手だったら厳しかったかも。でも久々に初日クリアできたのは良かった。もう少し修正して二次予選に挑みたい」

<5R>
 赤板で一度斬って南関勢を送り出し、中団を確保した河村雅章が2角まくりを決めて快勝。
「最終ホームでも行けそうな感じはあったけど、それだと後ろの水谷(好宏)君ラインを引き出してしまうので。余裕はなかったけど、何とか落ち着いて仕掛けられました」
 河村の踏み出しに離れてしまった岡光良だが、バックで内に斬り込んで立て直し、執念で2着に突っ込んだ。
「ギアが軽くて…。あれじゃ(大外をまくっていった河村に)付いて行けないです。ずっとスカスカしている感じがしてキツかったけど、何とか2着で良かったです」
 小野裕次に乗った成田健児が僅差の3着。
「まさか岡君が内から来るとは。ヤバかったけど何とか勝ち上がれました。小野君が頑張ってくれたおかげです」

<6R>
山本直選手
山本直選手
 中団から先に動いた山本直(写真)は桜井雄太を出させて4番手を確保する。2コーナーからまくり上げると、ライン3車で上位独占。力強く押し切った。
「突っ張られそうな雰囲気もあったんで、とりあえず斬ってと思った。S級に上がって1回走ったので落ち着けた感じはありますね。脚の感じもいい。二次予選からは挑戦者だし、ガンガンチャレンジしたいですね」
 7番手から内をしゃくってきた岩本俊介との併走をしのいだ大前寛則が2着に流れ込んだ。
「打鐘でやり合いそうになったら、落ち着いて引けと言ってた。山本は落ち着いてる。あいつはそんな感じのヤツですから(笑)。内から岩本が来たけど、むしろ後ろで構えられるほうが怖かった。そこだけしのいで、付いて行くことだけに集中してました」

<7R>
 津村洸次郎が打鐘先行。ライン3番手の大竹慎吾はまくって来た吉原友彦をけん制しながら踏み込むと、直線鋭く突き抜けた。ギア規制がかかっても「色んなことがあるんで、過去のデータを引っ張り出しながら」と差し脚は衰え知らず。「あんなに行けるとは思わなかったですね。でも、まだ(一次)予選。明日からです」と2日目からの戦いに集中力を高めていた。
 スタートけん制で大きく離れた誘導員を追うのに脚を使っていたはずの台和紀だったが、直線鋭い伸びで2着に突っ込んだ。
「追いついてすぐレースが動き出したので厳しいなと思った。それに泉(文人)君が打鐘過ぎに6番(小原)に4番手に入られちゃって何やってんだと思いました。最後は外を踏む脚が残ってなかったので、どっか空くだろうと。うまく空いてよかった」
 上手く4番手に入った小原周祐は3着に入ったが、「まくりに行ければよかったけど、ビビッてしまった」と弱気なレースを反省した。

<8R>
東龍之介選手
東龍之介選手
 藤井昭吾と古屋琢晶の踏み合いを、豪快にまくった東龍之介(写真)が白星スタートを決めた。
「前受けはあまりしたくなかったけど、ひとつ前のレースでスタートけん制していたのを見て『それだったら』と。後方に置かれたらサラ脚でも厳しいので、脚を使ってでも中団をとろうと思い(斬ろうとした古屋を)突っ張りました。力勝負ができたし、後ろにも抜かれなかったので良かったです」
 栗原厚司が東を好マークし2着に続いた。
「彼は脚を使っていたけど、全然抜けませんでしたね。強かった。自覚はなかったけど、自分も知らず知らずのうちに脚力を消耗していたのかもしれません」
 藤井昭吾は古屋を突っ張りきる奮闘をみせたが、惜しくも5着で一次予選突破はならず。それでも「(古屋を)出させなかったのは収穫。もう少しトップスピードとか瞬発力を上げられればもっと良い勝負ができると思うし、もっと練習して次はクリアできるようにしたい」と清々しい表情。
 一方の古屋琢晶は「タイミングが悪かった。なかなかかみ合わないですね。それでも切り替えて頑張るしかないです」と肩を落とした。

<9R>
 先行態勢に入った久米康平を中団外併走から櫻井正孝がホームで一気に仕掛ける。番手の金成和幸が佐竹和也に飛ばされ、番手に久米に入られてしまったが、それもお構いなし。力強く押し切った。
「(外併走から)シッティングで軽く行けました。番手に(久米が)入ったのは分かったけど、考える余裕もあったんで。自力の久米が番手に入っても逃げ切れてるんで、よかったんじゃないですか」
 佐竹のアシストもあって櫻井後位に入った久米康平が2着に流れ込んだ。
「先輩のおかげです。合わせられたら一番だったけど。コーナーに入ったときは抜けるかなと思ったけど、一杯で抜けなかったです」
 佐竹に飛ばされ櫻井との連結が外れてしまった金成和幸だったが、地元の意地で3着に突っ込んだ。
「地元だからね。ほんとはやめたかったです(苦笑)。外併走からだったら佐竹にやられちゃいますよね。でも今日は気合が入りました。状態も悪くないですね」

<10R>
後閑信一選手
後閑信一選手
 吉田敏洋の抵抗にあったが、小松崎大地が力ずくで主導権。小埜正義の巻き返しをブロックした神山雄一郎が直線抜け出し1着かに、3番手の後閑信一(写真)がゴール寸前僅差で逆転した。
「神山さんは前を残しにいってたからね。競輪なんで色んな位置を回って、色んなとこで対応できるように。今日はよかったですね。感じもよかったので明日につながると思います。前回自力で走ったからか重くも感じなかった」
 神山雄一郎は惜しくも2着に敗れた。
「先に踏まれたし、しょうがない。小松崎が行けるとは思ったけど、(やり合うと)やっぱりきついですよね。後閑もタテがあるし、焦った割にはいい勝負ができたと思う」
 まくり不発の小埜のあおりを受けながらも野田源一が大外を踏んで3着に突っ込んだ。
「あれがなかったら面白かった。とりあえず仕掛けられるところで仕掛けて3着だから。3.92にも少しずつ慣れてきましたね」

<11R>
新田祐大選手
新田祐大選手
 高久保雄介は片寄雄己を出させず主導権。スタートけん制で前を取らされ、引いて8番手になってしまった新田祐大(写真)だったが上がり11秒6の一番時計で鮮やかにまくり切った。
「スタートけん制で待ちすぎて勝負にならないようじゃ意味がないし、力を出せずに終わるのが一番ダメ。(初手の)位置取りは違ったけどそこからは補修できた。いいスピードで行けたし、自分の展開になったのでよかったです」
 高久保の逃げに乗った岩津裕介が2着をキープした。
「片寄さんを合わせてたし、高久保君もかかってましたよ。でも新田の通り過ぎるスピードはやっぱりすごかった。このコンディションとギアであのタイムを出すんだからすごいですよ」
 先に動いて上手く好位確保した木暮安由だったが、新田に先にまくられては勝機なし。それでも最後は外を踏んで優秀の権利だけは確保した。
「(新田が)絶対来ると思ったから、どうする、どうすると思ってました。(新田に先に行かれたが)よく切り替えて3着まで行ったと思います。余裕はあるし、レースは見えてますね」

<12R>
佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手
 三谷竜生、松川高大がそれぞれ先行を意識してけん制し合うと、前受けの武田豊樹が打鐘から突っ張り先行。これで番手絶好になった佐藤慎太郎(写真)がしっかりと勝機をモノにした。
「余裕はあったけど、武田さんはすごい強いってイメージがあるから。きっちり抜かないといけないし、武田さんを3着にしたら技量不足。でも、あんだけズッポリ抜いたら技量不足ですよね」
 逃げた武田豊樹は2着に粘った。
「展開に応じて走っただけだから。慎太郎の地元ですし、(地元の)記念は1年に1回。地元勢にチャンスを作ってあげないと。もちろん自分の1着を狙っての走りでしたけどね。今日(の先行)は慎太郎を信用した結果ですね。今日はギアが重く感じました」
 ライン3番手の和田圭が山田英明の強襲を僅差でしのいで3着に。「余裕はありました。前回は自転車を変えたけど、それを戻してきたら今回はよかったです」と笑顔でレースを振り返った。
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