『弥彦競輪開設70周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:7月21日

 弥彦競輪場で開催された開設70周年記念「ふるさとカップ」は、7月21日に最終日を迎えた。今回は7車立、9R制で争われた記念シリーズ第2弾。初日から白熱のスピードバトルが展開された。豪華メンバーがそろった決勝戦を制したのは、最終2コーナーからまくった平原康多。3月松山以来、23回目の記念優勝を果たした。

決勝戦 レース経過

 佐藤慎太郎がスタートを出て、渡邉一成-小松崎大地-佐藤の福島ラインが前団に構える。平原康多-諸橋愛、郡司浩平-鈴木裕で周回を重ねる。6番手から上昇した郡司が赤板過ぎに出ると、切り替えた平原が3番手に収まり、渡邉は5番手まで下げる。渡邉が2コーナーから仕掛けるが、郡司は突っ張り先行策に出る。浮いた渡邉が、最終ホームから再び仕掛けるが不発。小松崎は渡邉を追わず6番手で立て直す。渡邉は力尽き、3番手の平原が2コーナーからまくりを打つ。逃げる郡司との踏み合いを制した平原が、4コーナーで先頭に立ちそのまま優勝。諸橋は鈴木にからまれたが2着をキープ。3着に小松崎。

平原康多選手
平原康多選手

 新潟の岩室で生まれ育った平原康多(写真)が、当所の記念初優勝を飾った。
 「弥彦での優勝は(03年)A級以来です。いつも野次ばっかりだったんですけど、今日(決勝)は暖かい声援が聞こえました(笑)。ものすごいホッとしています」
 赤板の2コーナーから仕掛けた渡邉一成に合わせて郡司浩平が一気に踏み上げると、冷静に立ち回った平原は最終2コーナーからまくって後続を振り切った。
 「郡司が後ろから来て中団になった時に、本当は(渡邉)一成より先に仕掛けたかったんですけど、(渡邉の仕掛けが)早かったですね。郡司もものすごい先行でした。(最終)ホームで一成を入れてからの判断は難しかったけど、外を行かなくて良かったです。9車立てなら郡司が出て、もう一つのラインが出て、一成が行くっていう展開だったと思うんですけど、7車立ては展開がもう一つないっていう部分が難しかったですね。展開が見え見えなので、そこは僕には向いてないです…(笑)」
 そうとは言っても、持ち味の巧いレース運びとレースセンスで3月松山以来、23回目の記念V。次走のオールスターに向けて今回から導入した新車にも、手応えを感じていた。
 「まだ煮詰める部分は多いけど、方向性は見えてきた感じがします。ちょっと前のフレームだと、郡司の横で止まっていたかもしれないですね。もう一加速してまくり切れているので、あとはトップスピードを上げていきたい。GIで優勝するために日々、自分なりに努力しているつもりなので、オールスターに照準を合わせていきたいです」
 従来の9車立てで争われるGI戦で、17年全日本選抜以来の優勝を目指す。

 地元記念4連覇を狙った諸橋愛だったが、2センターで受けた鈴木裕のブロックで平原に付き切れず、2着でゴールした。
 「残念ですね。(けん制されないように)ちょっと外を走っていたけど、キック(鈴木)が思ったより体重を入れてきました。良い感じで追い込んでいたし、そこまでも良い感じだったけど運がなかったですね。(平原)康多も行ってくれて、絶好だったんですけどね…」

 目標の渡邉が出切れないと見た小松崎大地は、最終ホームで諸橋の後ろに降りて立て直し、3コーナー過ぎからタテに踏んで3着に入った。
 「(渡邉に)何もしてあげられなかったので、そこは反省点ですね。(渡邉を)迎え入れようと思ったけど、降りれるところもなかったです。平原君より先に仕掛けられたら良かったけど、先に行かれてしまいました。(北日本の)若い子が成長してきているので、自分もそういう意味で成長していかないといけないですね」




7月23日~26日まで福井競輪場で開設70周年記念「不死鳥杯」が開催されます。今回の注目選手はなんといっても地元凱旋の脇本雄太選手。6月の高松宮記念杯競輪では4連勝で完全優勝を果たし世界の実力を遺憾なく発揮しました。他にも地元福井では野原雅也選手や寺崎浩平選手など力ある選手が目白押し。7月13日時点の出場予定選手データを分析した福井競輪場開設70周年記念「不死鳥杯」の主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。

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