『弥彦競輪開設75周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:7月12日

 弥彦競輪場で開催されている開設75周年記念「ふるさとカップ(GIII)」は、7月12日に3日目を迎えた。直線の長い弥彦バンクで見ごたえのある攻防が繰り広げられ、準決の3個レースでは脇本雄太、新山響平、松浦悠士のS級S班3人が白星を挙げた。また、地元の関東勢からは、武藤龍生、坂井洋、末木浩二の3人が優出を果たした。シリーズもいよいよ最終日、7月13日には準決を勝ち上がった9人による決勝で優勝が争われる。
 記念シリーズは、7月13日の最終日も様々なイベントでみなさまのご来場をお待ちしております。「島谷ひとみ」のライブパフォーマンス、「ぺこぱ」の爆笑お笑いライブ、オリジナルグッズなどを1000人に先着来場プレゼント、伊藤克信さんらによる公開予想会などが予定されています。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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松浦悠士選手
松浦悠士選手

石原颯選手
石原颯選手
 周回中7番手にいた石原颯が上昇を始めると、3番手の佐々木悠葵が合わせるように動いて石原をけん制。前団の岩手コンビの後ろは、大きく車間が空いて追い上げた単騎の安倍大成。7番手の石原が打鐘手前からスパートして、4番手から佐々木も合わせて踏み上げる。石原が4コーナーで主導権を奪い、松浦悠士(写真)の追走。佐々木が飛び付くも、遅れた松田治之が最終1センターで追い上げて3番手が併走になる。佐々木が包まれて、末木浩二はバック手前からまくりを打つ。逃げる石原の番手で引きつけた松浦が、末木を阻む。松浦がきっちりと追い込んで、石原とワンツー。
 「(佐々木の)大きいけん制があって、石原君もあそこしかないっていう(ところで仕掛けてくれた)感じだった。僕は(石原が出切る時に)3車併走になっていたんで、締めすぎないようにと。松田さんが佐々木君にフタをしてくれていたんで、僕と石原君はやりやすかった。ただ、石原君も出切るのに脚を使っていてキツそうだった。僕がアシストしないと決まらないなって。松田さんの外併走を見ながら、しっかりと対応ができた。最近、仕事もあんまりできていなかったので、ちょっとはいいところが見せられたかなって思います」
 佐々木のけん制にも怯むことなく、石原颯(写真)が一撃で別線を仕留めて粘り込んだ。
 「佐々木さんにフタをしたかったけど、警戒されていた。それでどうしようかと。(仕掛けて)吸い込まれながらいけたので、自分的にも良かった。後ろに松浦さん、松田さんが付いていただいて、安心して駆けられました。意外といっぱいで3(着)かなと思ったんで(2着で)良かった。ただ、(今シリーズは)勝ち切れてない。(来年3月の)ウィナーズカップ(の選考期間)も始まっているので、そろそろ勝ちたい」
 松田との併走で仕掛けられない佐々木だけに、末木浩二はやむを得ずのまくりを断行した。
 「遅れて来た松田さんを止められれば、佐々木君はすんなり3番手だった。僕がもうちょっとできることがあったんじゃないかと。そこは心残りですね。そのあとは佐々木君が併走で詰まっていた。申し訳ないけど、タテに踏ませてもらいました。(松浦のブロックが)絶対に来ると思っていたんで、できるだけスピードを殺さずに対処ができた。自分の状態はもちろんいいけど。佐々木君は前回のGIに続いて頑張ってくれて、それが大きいです」

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新山響平選手
新山響平選手

武藤龍生選手
武藤龍生選手
 8番手の新山響平(写真)は、赤板1センターでインを進出。5番手で新山の動向をうかがっていた菊池岳仁は、2コーナー手前から仕掛ける。前受けから抵抗する昼田達哉を菊池がねじ伏せて先行策。最終ホームで貴志修己と重なった新山は、1車下げて7番手で立て直す。前団の隊列が短くなり、貴志のまくりを目標に新山がバックから前団に襲い掛かる。山崎芳仁は付け切れず、新山が1人でまくり切って後続をちぎった。
 「前が取れれば、前が良かったんですけど。一番後ろになったので厳しいなと。昼田君が前だったので(押さえにいけば)突っ張られるなって。菊池君もヤル気だった。(内に行った動きは)S班としてみっともないレースをしてしまったんですけど、負けるよりはマシだと思った。昼田君と菊池君の2人がいいレースをしていて、僕はただ展開が向いただけ。間違いなくあの2人が主役だったと思います。(自分は)脚を使っていなかったので、危なくないように外々踏んでいきました」
 貴志のまくりを止めた武藤龍生(写真)だったが、スピードの違う新山には屈して2着。
 「昼田君は取鳥(雄吾)君が付いていたので気持ちの入った先行でしたし、菊池君も頑張ってくれました。けど、併走が長くなってしまいましたね。(最終)2コーナーを抜けて貴志君と新山君が来ていたので、どっちかは止めないとなって思った。新山君は遠かったので、貴志君だけでもと。最後は菊池君もタレてきていて、難しい判断だった」
 貴志を見失った三谷竜生は、最終ホームで最後方の9番手。北日本勢のまくりに乗り、3コーナー過ぎから外を追い込んだ。
 「ちょっと(打鐘で貴志が)しゃくられた時に連係を外してしまった。下げてから様子を見るかなと思ったんですけど、失敗ですね。新山君は行くかなって思っていました。山崎さんが離れ気味だった。あとはしっかり乗り越えられるようにと思って踏みました。連係は乱れてしまったんですけど、あの位置から3着に入れている。決勝に乗れているので、脚は悪くないと思います」

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脇本雄太選手
脇本雄太選手

浅井康太選手
浅井康太選手
 堀江省吾が赤板1センターで脇本雄太(写真)を押さえて、坂井洋が3番手に続く。そこを櫻井祐太郎が叩きに出る。櫻井が打鐘4コーナーで主導権を奪取して、合わせてペースを上げた堀江が番手に飛び付いて最終周回。脇本は8番手。逃げる櫻井後位がもつれて、5番手の坂井は2コーナーまくり。脇本も2コーナーの下りを使い加速する。櫻井が合わせて前団の隊列が凝縮されたところを脇本がまくりでのみ込んだ。
 「(別線を)切らせてから、立て直していこうかと。(別線が)踏み合っているなかでの8、9番手なら悪くないかと思ったんで、落ち着いていました。(自分の感触は2日目の)昨日より悪いです。日に日に悪い感じになっている。昨日の夜に腰も痛みはじめた。(決勝に向けて)しっかりとやることをやってですね」
 一度は脇本に置いていかれた浅井康太(写真)が、1車身半差の2着をこう振り返る。
 「(シューズは2日目の)昨日と同じヤツです。(脇本の仕掛けに)一瞬、離れた。そのあとに佐々木(眞也)君と合う形になったけど、そこからもうひと伸びした。(別のシューズだった)初日とは違う感じで、(脇本に)付き直せた。初日は(体が)動かなくて、シューズも合わなかった。昨日だいぶ良くなって、今日は(脇本に)食らいつけた。だいぶ良くなってきている」
 先まくりで櫻井をとらえた坂井洋は、3着にも自身のコンデションは上昇カーブを描いている様子。
 「思った展開にはなった。ただ、(前で別線が)やり合っていたんで、逆に(仕掛ける)タイミングがズレちゃいました。踏み出しは良かったんですけど、回せていない。踏んじゃっている。それでもいろんな人のアドバイスをいただいて、セッティングをいじったりして徐々に良くなっている」