『弥彦競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 前検日編
 
配信日:6月11日


 高松宮記念杯から中4日。興奮が冷めやらぬなか、明日12日から弥彦競輪開設60周年記念「ふるさとカップ」が開幕する。宮杯組は強行日程を押して当節出場となるが、全選手が元気良く検車場に姿を現し、無事に車体と身体の検査を終えた。
 なお本場ではたくさんのファンサービス、イベントが予定されています。開催を通して、地元新潟選手会による自転車発電「わたあめ」(4日間、各日先着100名様)をサービス。また、磯一郎氏・伊藤克信氏による「朝一身勝手予想会」、当たり車券ガラポン抽選会が行われます。明日12日のイベントは「皆川賢太郎選手トークショー(9~11R発売中)」、「スピーチーズLIVE」(7R終了後)が予定されています。


<1R>
 1レースは馬場勇と西浦仙哉の主導権争いか。両者の攻防をよそに、工藤政志が虎視眈々と一発を狙う。
  「昨日の昼に連絡が来て、今回は追加参戦です。結構、練習で追い込んでたときに(連絡が)入ったから状態は走ってみないと分からないけど、多分大丈夫でしょう。弥彦は成績が悪くないんで頑張ります」


<2R>
 2レースは実質、鈴木伸之の先行1車。優位にレースを進められそうだが、「弥彦は成績が悪いんです。バンクに癖があるのか分からないけど全然ダメなんですよ」と弱気なコメント。「でも、セッティングとか色々と変えてきたんで、それが良い方に出てくれればね。追加は2日前に入ったけど、練習では体が動いていたんで状態は良いです」。
  小佐野文秀は5月千葉S、函館Sではともに予選3着。惜しいところで勝ち上がりを逃しているだけに、「もったいないことしてるんで、今回は頑張りたいね。明日は総力戦でいきます」と気合十分だ。


<3R>
   3レースは小林信晴が頭ひとつリードか。しかし、青森伸也も復調気配だけに一矢報いたいところ。
  「ここ2,3年は大きな怪我はないけど、風邪、インフルエンザ、胃腸炎とかでずっと調子が悪かった。今は一時よりは調子も良くなってるし、練習でもモガけている。来期はA級なんで、残り1カ月を頑張りたいですね」


<4R>
 ここは増成富夫のマイペースとなりそうだ。前回の別府記念では8・5・7・2着と不本意な成績で終わったが、「前回は強めの練習をしてオーバーワークだった。もう疲れはないし、今回は大丈夫だと思います」。不安を一掃できるか。


<5R>
 5レースは各車、実力が伯仲。混戦に強い関一浩が一発を狙う。
 「京王閣が終わってから、いつも通りに練習してきました。弥彦は久しぶりですね。記憶が確かならS級では初めてかもしれないし、7年くらいきてないかな。後方にだけはならないように。1番車だし初手で良い位置を取って、何とか初戦を突破したいですね」
 八谷誠賢を追走から徳吉広紀も予選突破を目指す。
 「直前の練習では絶好調に近い感じだった。弥彦は前回来たときは確定板にあがれなかったけど、イメージは悪くないんで頑張ります」


<6R>
松山桂輔選手
松山桂輔選手
   6レースは先行型がそろい、スピードレースになりそう。バック数で1番なのは松山桂輔(写真)だ。
 「前回(向日町S)から日程が空いてたんでしっかり練習できました。でも、最近は調子が良いんで、自分は逆に日程が詰まってた方がいいんですよね。空いてると練習しすぎて疲れが出てしまうんで。今回は1走して感触を確かめてみないと分からないですね」
 宿口陽一は大敗続きの近況だけに、そろそろ反撃のきっかけをつかみたいところだ。
 「4月にここで失格して流れが悪くなりました。調子自体は悪くないし、気持ちの問題でしょうね。ここに来る前に平原(康多)さんにも『気持ちの問題だ』って言われました。今回は切り替えて、力を出し切ることだけ考えて走ればいけると思う。山崎(充央)さんと一緒で心強いし頑張ります」
 安部貴之も侮れない。最近はS級に慣れ、成績は上向いている。
 「ここはA級だけど何度も優勝している相性が良いバンク。確か(1、2班戦)初優勝もここでした。最近は良い意味で調子はずっと変わらず。選抜で相手は強いけど、自分の力を出し切るレースをします」


<7R>
 地元の松本一成に期待が集まるが、近況成績が今ひとつ。
 「最近は結果が出てないけど、自分のスタイルを崩さずに走れているんで。今回は地元記念だし、気持ちの入り方も違うんで頑張りたいですね。もちろん、今回も自分の競走をします」
 松本と対戦するのは永澤剛。永澤も当日欠場や落車など、近況は流れが悪い。
 「函館から2週間くらいあって練習ができたけど、(前橋で落車して)まだ影響がありますね。腰に力が入らない感じ。でも、走る分にはあまり影響がないんで大丈夫だと思います」


<8R>
上原龍選手
上原龍選手
   8レースは上原龍(写真)が、地元の中山善仁を引き連れ上位を目指す。上原は前回、京王閣Sは9・8・1着と前半で大叩きしているだけに、今節は立て直しの一戦となる。
 「京王閣では組み立てに失敗しましたね。強い人を相手に後ろから攻めてしまった。最終日も1着が取れたけど、内容があまり良くなかった。今回は思い切ったレースをして、準決勝に行くことを目標に。自分はプレッシャーはあまり感じない方なんで、しっかり走りたい」


<9R>
海老根恵太選手
海老根恵太選手
   海老根恵太(写真)は宮杯は二次予選でまさかの敗退。ここで悪い流れを断ち切れるか。
 「500バンクは苦手だし、宮杯は良かったことがないんで。ヤバい状況を何とかしないといけないんで、今回からフレームを新しくしてきました。サイズを変えて、基調の青は一緒だけど少し変えました。前のフレームよりも流れるようにしたつもりなんで、今回は良い方に出てくれれば良いですね」
 井上昌己は初連係の阿竹智史を足場に「十宝賞」進出を目指す。
 「追加は2日前に入ったけど大丈夫です。練習も普通にやってきたけど、ただ花粉がひどくて…。こっちに来ておさまってくれれば良いけどね。阿竹君は良い競走をしてくれるし、明日は信頼してます」
 今節で1番勢いがあるのは新田祐大だ。宮杯で自身2度目のG1決勝進出。今回も快進撃が続きそうだ。
 「前回は内を踏んでしまったりしたけど、結果的に最後は展開が良くて決勝までいけました。今回も脚は問題ないし、調子もキープしてます」


<10R>
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
   稲垣裕之(写真)は宮杯では7着で初戦敗退も、2日目以降は力を出し切り3・1・2着と内容あるレースぶり。近況は好調だ。
 「今は(元選手の)松本(整)さんのところで練習してるんだけど、充実してるし練習が楽しいですね。今は臨機応変にギアを替えられるようになったし、選択に悩みがなくなりました」
 山崎芳仁(写真)は宮杯では準決敗退。風邪の影響があったようだ。
 「宮杯は体調が悪かったけど、準決は平原(康多)が強かった。仕掛けるポイントが最高だったし、やられました。今回は風邪は治りました。まだ疲れが残っているけど頑張ります」


<11R>
諸橋愛選手
諸橋愛選手
石丸寛之選手
石丸寛之選手
   武田豊樹は前回の宮杯で平原康多の優勝に大きく貢献。快進撃が続く近畿勢の勢いを断ち切り、流れを関東に引き寄せた。今節も結果を残し、さらに勢いを付けて寬仁親王牌に乗り込みたい。
 「宮杯は一人一人が頑張って、決勝は関東でワン・ツー・スリーできたのが1番良かったね。ここに向けて調整してきてはいないけど、疲れを取ってきたし戦える状態です。明日もラインの全員が勝負権があるようなレースをします」
 諸橋愛(写真)は平常心で地元記念に挑む。
 「中4日だし、疲れをとる程度に調整してきました。最近落車が続いてるんで、午前までマッサージを受けて、いつも通りの気持ちでここに来ました。落車続きでモチベーションを上げるのがキツかったけど、宮杯も乗り切れたし、地元でもしっかり頑張ります」
 3番手を固める藤原憲征は 「ここに向けて練習してきたけど、それは皆同じだしね。しっかり走ります」と、静かに闘志を燃やす。
 石丸寛之(写真)は落車続きで復調はまだまだ遠い。今は我慢のときだ。
 「宮杯では踏み出しは悪くなかったけど、まだまだ持久力が戻ってないですね。調子の良いときは大丈夫なんだけど、最後にタレてくるところを持ちこたえれられない。最後にドッと行かれてしまっている。まだ5~6割ってところですかね」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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