『弥彦競輪開設67周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:7月31日

 弥彦競輪場を舞台に開催されている開設67周年記念「ふるさとカップ(GIII)」は、7月31日に3日目を迎えた。決勝進出をかけた準決の3個レースでは白熱したバトルが展開され、S級S班の稲垣裕之、浅井康太も順当に優出した。また、地元勢からは諸橋愛が白星で決勝にコマを進め、悲願の地元記念制覇に挑む。シリーズも大詰め。8月1日の最終日に決勝の号砲が鳴らされる。
 本場では8月1日の最終日も様々なファンサービスとイベントで、お客様をお待ちしています。AKB48、NGT48の柏木由紀さんが弥彦競輪場に来場します。また、日替わりで飲料の先着プレゼント。伊藤克信さんらによる予想会なども予定されています。ぜひ、弥彦競輪場へ足をお運びください。

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諸橋愛選手
諸橋愛選手

渡邉雄太選手
渡邉雄太選手
 渡邉雄太が打鐘目がけて勢い良く出るが、同期の清水裕友がその上を強引に叩く。濱口高彰は離れて、渡邉は落ち着いて清水を出させて番手に入る。浮いた濱口が横山尚則とからんだところを坂本貴史が反撃。脚力をロスしてなかなか出られない横山から、諸橋愛(写真)が切り替える。諸橋は最終3コーナーからインを進出すると、清水が振ってできた最内のコースを抜け出してピンチを脱出。白星で地元記念の決勝に進んだ。
 「横山君に付いていてもよかったのかな…。濱口さんが邪魔になっているって思った。横山君が身動きが取れない感じだったんで、自分がなにかしないとあのままになってしまうと。坂本君のラインにスイッチして、そこから考えようって。意外と冷静ではあった。(コースが)空いたから良かったけど、空かなかったらこじ開けなきゃいけなかった。練習はしているんだけど、連日、(ファンに)申し訳なかった。これで弾みがついたんで、この勢いで決勝も頑張りたい」
 援護を失って単騎で逃げた清水との車間を大きく空けた渡邉雄太(写真)は、詰めながらの追い込み勝負。清水に振られながらも2着に伸びた。
 「清水君が来なくても踏んでいたけど、それ以上に踏んでいたので(番手に入った)。最後は(清水が)振ってくるのはわかっていたし、そうなると落車があるんじゃないかっていうのもあった。(あの展開なら)1着を取りたかったけど、脚がないですね」
 最終3コーナーまでは諸橋を追った朝倉佳弘は、そこからコースを巧みに突いて成田和也との3着争いを微差で制した。
 「メグさん(諸橋)の行くところまで付いて行って、(最後は)メグさんが行かないコースをと思ってました。自分も余裕があったし(落車の)危ない感じがしたので、そこは待ちました。(成田との勝負は)いつもあれで横に振って返されて4着になってたんですよ。今日は前に踏みました。日本で1、2のマーク選手に競り勝てたのは大きいです」

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稲垣裕之選手
稲垣裕之選手

西村光太選手
西村光太選手
 4車の関東勢をけん制しながら取鳥雄吾が、赤板の1コーナーでハナに立つ。2コーナーで踏んだ吉田拓矢が襲い掛かり、107期の壮絶な主導権争いが打鐘前からヒートアップ。軍配は取鳥に上がったが、抜かりなく3番手の好位を確保していた稲垣裕之(写真)がまくりでカタをつけた。
 「取鳥君の気迫がすごく伝わってきて、2車でも吉田君を突っ張るんだと。そこからはしっかりと判断して走りました。神山(拓弥)君も金子(真也)さんも、いつでも降りられる準備をしていたから踏み遅れないように。合志(正臣)君のブロックも思った以上にキツくて、取鳥君も踏み直していたので。目いっぱい踏み込みました」
 「付いていただけですよ」と、例によって控えめなのは椎木尾拓哉。稲垣にソツなく続き、タイヤ差まで迫るゴール勝負を演じた。
 「早いレースになるかもしれないっていうのはありました。それで僕らの展開になりました。でも、キツかったです。稲垣さんが脚を使ってでも(まくりに)行ってくれたんで、ゴール勝負ができたんだと思います。(調子は)大丈夫です」
 単騎の西村光太(写真)は、近畿勢の後ろからの組み立てがズバリ。切り替えた合志を乗り越えて、近畿コンビには離されながらも3着でゴールした。
 「(吉田と取鳥で)力勝負すると思っていたので、とりあえずあの位置かなって。後手を踏めば切り替えるつもりでいました。単騎の時に何回もあれで(降りてきた選手に)入られてるから、その失敗はしないようにと思っていた。ただ、要所、要所で遅れちゃいましたね。最後は外でへばりつければなんとか勝てるかなって思っていたし、よかったです。記念の決勝は初めてですね」

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木暮安由選手
木暮安由選手

浅井康太選手
浅井康太選手
 竹内雄作の上昇に合わせて動いた山岸佳太が、赤板過ぎに誘導を交わして飛び出す。いったん3番手に入った竹内だったが、構えることなくすぐに主導権を奪い逃げる。中部3車が出切り、山岸は4番手。最終2コーナーからから山岸がまくって行くが、近藤龍徳の外までで不発。木暮安由(写真)は近藤の後ろから早めの追い込みで、中部3車をとらえて突き抜けた。
 「(山岸と)ラインで決めたかった。あれで浅井君を乗り越えられれば、面白かった。自分は近藤君が内に行って、浅井君が振ったから行きやすかった。踏んだ感じも悪くないです。次のオールスターに向けて体調良く行きたいし、(決勝は自力で)いい競走がしたい」
 山岸のまくりをけん制した浅井康太(写真)が、直線で竹内の余力を計りながら追い込むも2着。決勝は西村光太とのタッグ。次のオールスターを見据えて、こう口を開く。
 「前回(サマーナイトフェスティバル)は深谷(知広)の番手だったし、今回は(竹内)雄作と(川口)聖二の番手。次のGIもあるんで、自力の感覚を戻していきたい。だから、僕が前でやります。それで自分のレースをさせてもらいます」
 最終バックでは9番手の最後方にいた阿部力也は、リスク承知でインを進出。直線で木暮の外に持ち出して、3着で初めての記念優出を遂げた。
 「コースが空きましたね。前が掛かっていたんで外は無理だと思った。どこまでも内、それで行けるところまでと思った。もうああなったら内しか見てなかったけど、流れでうまくできた。記念の決勝は初めてですよ」