『前橋競輪開設73周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:7月1日

 前橋競輪場で開催されている開設73周年記念「三山王冠争奪戦(GIII)」は、7月1日に3日目を迎えた。ファイナルをかけて激戦が繰り広げられた準決は、地元の木暮安由、古性優作、眞杉匠の3人が1着で優出。地元からは木暮をはじめ、佐々木悠葵、小林大介の3人が勝ち上がり、眞杉匠、平原康多とは別線で決勝に臨む。シリーズも大詰め、7月2日に最終日には高速バトルを勝ち抜いた9人による決勝が行われる。
 記念シリーズの最終日は、村上義弘さんのトークショー、レッツゴーよしまさのものまねライブ、前橋銘菓やオリジナルブラックサンダーなどの先着入場者プレゼント。激レアグッズが当たるガチャガチャコーナー、ケイリン女子部による予想会・ゲームイベントステージショー、選手OBによる予想会などが予定されています。前橋競輪場では、みなさまのご来場お待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<10R>

木暮安由選手
木暮安由選手

内藤秀久選手
内藤秀久選手
 青板3コーナーで深谷知広が先頭に出るが、そこを強引に根本哲吏が押さえて赤板で主導権。北日本勢後位に清水裕友が追い上げ、深谷は下げる。打鐘手前から後方の小林泰正が反撃。逃げる根本の番手の小松崎大地は、最終ホームで小林に合わせて前に踏む。が、小林がスピードの違いで最終2コーナーで出切り、木暮安由(写真)の追走。今度は深谷がバック手前からまくりを打って前団に迫る。南関勢が直線で強襲するが、木暮が番手から追い込んで1着。
 「(小林が仕掛けて)これは行けるかなって半信半疑だったけど、(小林の)出が良かった。(小林)泰正が出切ったところで着はあるかなと。疲れが残ってたのか、(2日目までは)動きが悪くて今日はウォーミングアップを変えた。今日が一番軽かったんで、落ち着いてレースが見えてました」
 深谷マークの内藤秀久(写真)は、まくりの勢いをもらい中のコースを伸びた。
 「レースは(勝負どころでラインが)シンガリからだったのでシビレました。(根本に)フタをされるなら、一緒に出て行こうっていう感じでした。それが吉と出たと思います。みんなが踏んでハイペースになったので、それが良かった。8番(小林)が行ってくれたのも吉と出ました。(2日目まで)連日、前との連係がかみ合ってなかっただけで、脚自体は問題ないです」
 結果的には後方からのまくりになった深谷知広だが、別線に脚を使わせながら流れをつくったことが功を奏した感もあり、最後は3着に届いた。
 「レースを動かして、そのなかで行けるチャンスをと。(合わせて動いて出て)そのまま先行を考えていた。ただ、これ以上来ないで欲しいところまで根本さんが来たんで、根負けしました。まくりにいった時に前橋は外に膨れるので、そこは意識して(踏んで)いました。ギリギリでした。絶好調ではないけど、初日からは立て直せていると思います」

<11R>

古性優作選手
古性優作選手

松本貴治選手
松本貴治選手
 前受けから誘導との車間を取った上杉嘉規が、小原丈一郎を突っ張りそのまま駆ける。浮いた小原は3番手に収まり、松本貴治は5番手で立て直す。佐々木悠葵は、嶋田誠也を内からさばいて松本に続く。上杉の先行で打鐘を通過して、古性優作(写真)が盤石の態勢で別線の反撃に備える。最終1センター過ぎから松本がまくり、古性も番手まくり。合わされた松本が古性後位に入って、古性が危なげなく勝機をつかんだ。
 「人気になっていたのもわかっていたので、ミスはできない戦いでした。他のラインが(先行争いを)仕掛けてくる選手ではなく、上杉君も走りやすかったのかなと。後ろの状況もわかっていた。松本君が来ていたので、行かせてもらおうかなと。しっかり走れたと思う。正直、初日を見てもらった通り、自転車は出ていない。二次予選、今日(3日目)と上杉君の頑張りでの1着。個人的には良くない」
 上杉の突っ張りで小原、東龍之介に3、4番手に割り込まれた松本貴治(写真)は、5番手からまくる。古性に合わされると、後位に降りてから再び追い込んだ。
 「近畿の後ろから行こうと思っていた。突っ張る雰囲気があったが、反応が遅くなって、入られてしまった。脚を使っていないし、しっかり仕掛けないと行けないなと。(まくりの)出は良かったが、すんなり(古性に)合わせられたので…。体調はいいし、前橋は走りやすく感じるのでいいと思う」
 青板のバックで嶋田をすくった佐々木悠葵は、追い上げられるも赤板1センターでさばいて松本後位を奪取。松本のまくりに続いて3着で優出。
 「松本さんが踏み遅れたところで2車行かれると思わなかった。(内から行って)松本さんまで行きたかったんですけどね。(嶋田を)決めるのも遅くなった。昨日(2日目)、長い距離を踏んで疲れもあったけど、最低限でしたね。一番強い人(古性)が前にいたので厳しかった」

<12R>

眞杉匠選手
眞杉匠選手

平原康多選手
平原康多選手
 眞杉匠(写真)にフタをした岩谷拓磨は、青板3コーナー過ぎから再度踏み込んで赤板過ぎに主導権を握る。しかしながら、眞杉の反応も早く、打鐘では岩谷を叩き切って主導権を奪い返す。関東3車が出切り、単騎の谷口遼平が踏み上げるも関東勢の後ろの4番手。8番手から最終2コーナーでまくった渡邉一成は前が遠い。直線で差を詰める平原康多を、眞杉が振り切って1着。
 「展開は理想的な形になりました。(ラインの)3人で出切れそうな感じだったんで、自分のペースで回してました。最後までうまく踏み抜けたかなと。前回とは体も全然違うし、自信をもって走れている」
 4分の3車輪差の2着に、平原康多(写真)はこう振り返って、現状を口にする。
 「眞杉の距離で仕掛けてくれたと思います。自分は番手の役割を最低限、果たさないと。状態が状態でも、そこはやらないといけない。あれで抜ければ100点だったけど、(いまは)そういう調子なんだと。最低限、走れていると思います」
 2日目は1着で好配当をメイクした小林大介が、平原に流れ込んで3着。FIを含めても今年初の決勝に進出。グレードレースでは、一昨年6月の福井GIII以来の優出を果たした。
 「全部、任せていたし、自分は(平原)康多のケツを見ているだけでした。今回はなんの力かはわからないけど、2年前の感覚です。嫌なイメージもない。(いままでは)チャンスを逃していたけど、地元でこんないい番組をつけてもらってチャンスを逃さないことが大切かなと。今期は1回も決勝に乗っていないのに、最後に地元のいいところで乗れて良かった」