『前橋競輪開設55周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:11月26日




若生武則の『前橋競輪開設55周年記念(GIII)レポート』 3日目編


 こんにちは。KEIRINマガジンの佐々木です。
本日は前橋競輪場において、開設55周年記念・三山王冠争奪戦の準決勝戦が開催されました。明日はついに、レッドゾーンに振り切れんばかりの超高速バトルを勝ち上がった9名で争われる決勝戦です。ぜひ本場で輪界最高峰のスピードレースを堪能して下さい!

■決勝展望

●並び
大注目の並びは
矢口啓一郎-後閑信一-手島慶介-阿部康雄-藤原憲征
荒井崇博-加藤慎平
齋藤登志信-佐々木達也

展望
 関東は5車での結束で、この上ない牙城を築いた。阿部は「勝負は2センターくらいからかな。それまで切り替えもなし」とまずは地元のバックアップ。藤原は「初日は阿部さんに前を回させてもらったから」と5番手から。
新潟勢が4番手、5番手を回ることを知った矢口は唇を噛み締めて「頑張らせていただきます」とひとこと。
 この関東ラインに対して荒井-加藤の西ラインと、齋藤-佐々木のラインがどう挑むのかが注目される。もし矢口がすんなり先行なら、高速33バンクで名高い当地では、関東勢の上位独占となる可能性が高い。後閑も「楽しみ」と笑みがこぼれるくらい、今回の群馬勢の充実度は高く、それがここまで結果として表れてきている。そうなれば矢口、後閑、手島、この3者の直線勝負になる公算は大きいだろう。
 だが荒井と齋藤はともに一発勝負に強いタイプ。荒井は準決勝で伏見を力で捻じ伏せているし、齋藤も今日の1勝で手応えも掴んだ様子。両者の出方次第では、この決勝戦がもつれる可能性は十分考えられるだろう。


※選手の並びについては、新聞や選手紹介等でご確認下さい。
※展開・並びはあくまで私的な想定であることを予めご了承下さいますようお願いいたします。


■ダッグアウトから

<8R準決勝C>
  貫祿の勝ち上がりの齋藤登志信選手
「今日はうまくいっただけですよ。しばらく競走が空いていたから、体調は良くても勘がなかなか冴えなかったですね。ただ次に向けても練習しているので、疲れはありますよ。今日の組み立ては先行でした。カマそうと思って、カマせないでレースにならない事も考えたら、前を取るつもりはなかったんですけど、発走台に着い時に変更しました。突っ張りも出来る相手だったとも思いましたし」

齋藤選手マークで2着の平沼由充選手
「登志信さんと初めてワンツー決められた! 相性がめちゃくちゃ悪かったんですよ。今日は登志信さんを信じて、2センターから4コーナーでずっと踏んでいて、抜きに行こうとした時に、内から金子(真也)さんに当てられて…あれで腰砕けになってしまいました。あれがなかったら間違いなく差せていたとは思います。体調的には今日が一番重かったけど、その分気合いが入りましたね」

先行した関根幸夫
「どこかで見せ場は作ろうと思っていました。このクラスではなかなか勝つことは難しいからね。でもバックは取れなかったけど、レースの主導権は取れたから自分では納得しています。点数の関係もあって、守りよりも攻めの競走をしないといけませんからね。でも後悔はないです」

地元で惜敗の金子真也
「前とって、飛びつくことを考えていたんですけど、Sを取られてしまって。最初は齋藤君がどうするのかなと思っていましたが、関根さんが前を切って、近藤さんがカマスなら、それに合わせて内々をしゃくろうかと思っていたのですが…。このバンクですから、前々に行かないといけませんし…。ここに来る前に後閑さんと一緒に練習して、それで少しオーバーワークのまま臨みましたが、それよりもどうも展開が向かなかったですね。また明日、頑張ります」

捲り及ばずの近藤幸徳
「自分の中では一番いいタイミングで踏めたと思ったんだけど、やっぱり登志信君は強いよ。さすがグランプリレーサーだね」


<9R準決勝B>

  強さ発揮して1着通過の佐々木龍也選手
「ホームではないところで、こうやって優出できるんだから嬉しい。でも今日は本当に梶原(亜湖)君のおかげ。カマすということは聞いていなかったです。今日は僕よりも梶原君を褒めて上げて下さい」


  捲り2着の矢口啓一郎選手
「初日、2日目と群馬勢を引っ張ってきたから、ここはどんな手段を使ってでも勝ち上がりたいと思っていました。とにかく前のラインを飲み込んでしまえば、いけると思ってました。少し微妙に疲れは残っていますが、自分の脚質を生かせたレースでしたね。でも永井君が3番手から出られたらきつかったんですけど、永井君の調子がそれほど良くないのかな。それにも助けられましたね」

カマした梶原亜湖選手
「カマスつもりはなかったんですよ。ただ前々で勝負しようと。でも鐘が鳴ったら、先行屋のスイッチが入ってしまいましたね。矢口君がどこから仕掛けてくるとかはわかっていたんですけど、それ以上に向こうが上手でしたね。でも久々に昔味わっていた緊張感があって、最近ちょっとサラリーマン化してるなって思っていたので、とても刺激になったレースでしたね」

絶好の3番手も利せなかった永井清史選手
「あれはホームから行かないといけませんでしたね。一杯になってしまいました。でももし行ったとして、それで後ろが付いて来れないで1車だったら、矢口さんに入られちゃうと思っていましたし…。(前場所の)観音寺よりは調子は上がってきたと思っていたんですけど」

競り合うも7着の内田慶選手
「矢口がすごいダッシュで離れてしまった。あの後、外に回って空いているところがあれば入ろうと思っていたんですけど。また勉強します」


<10R準決勝A>

  ガッツポーズで1着の手島慶介選手
「伏見君が頑張ってくれたおかげ。今日は本当に伏見君に全てお任せしていました。それであそこまで先行してくれたから、後ろは全て止めてやろうと思っていたのですが、荒井に行かれてしまい、申し訳なかった。ここまで自力で勝っているわけではなく、矢口や伏見君のおかげで勝てているわけですが、ここまで地元でいつも悪い成績だったから、嬉しいですよね。明日も出来る限りのことをして、頑張りたいです」

  手島マークで2着の阿部康雄選手
「伏見君と手島君が強い、強い。これだけ前が強いんだから、僕は恵まれましたよね(笑)。今日はあれが一杯でした」

伏見選手との激戦制して3着の荒井崇博選手
「あそこで行くしかないと思っていた。最後は伏見さんに『タレてくれー!』って。でもこんなレースが全日本選抜の前に一本できたて良かった」

6着の海老根恵太選手
「あの2人相手にして、引いてから巻き返せるほど僕は強くないですから。もうちょっと長い距離をモガけていれば、良かったんですけどね」

先行した伏見俊昭選手
「いやーこのメンバーはキツかった、シビれた。こんなの特別の10倍だよね。熱かった。今日は先行することは決めてました。ギアは今日が勝負だと思って1枚あげたんですけどね。荒井が来たけど、ここは外の方が伸びるからね。最後はタレてしまった」


<11R準決勝A>
  しっかりと地元優出決めた後閑信一選手
「今日は先行してくれた小林君のおかげ。何がなんでも後ろを止めようと思っていたんだけど、なんとか残してあげたかった。ここに来る前に金子とかと練習して、ちょっとオーバーワークだったけど、それは気合いでね。それにしても今日は近年稀にみる重たさでした。でもそれを乗り越えたので、明日は楽になると思います。明日も自分の仕事をしっかりして、ラインの中から優勝者がでればいいと思いますね。それに矢口も末脚がでてきて、本当に強くなってきた。俺の言った事もちゃんと聞いてくれるし、明日は本当に楽しみです」


(加藤選手)

  2着の加藤慎平選手
「今日は自分の持てる技術全てを駆使しました。後閑さんにへばりつくような感じで、ツケマイみたいになりましたね。落車しそうになるくらい後閑さんとの車間は近かったけど、あそこで付いていかなかったら、ダメだったでしょうし。明日は荒井君一本で!」
それを聞いていた荒井選手は、
「僕は石炭ですがいいですか? 他はみんなハイオクですが(笑)」
それに加藤選手は
「昭和のモガキに期待します(笑)」

内から巧みに3着入線した藤原憲征
「ちょっと内になったが、問題はなかったです。ここまで自力できているわけでもないので、付いたところが行ってくれるから、ラッキーで来ているだけですよ」

5着の小野俊之選手
「内から(藤原選手が)来たのが分からなかった。ああなったら自分から捲りにいった方が良かったのかな…」

捲るも後閑選手のブロックに止められた渡部哲男選手
「前とって突っ張って先行しようと思っていたんですけど、それが出来ずに。それでも落ち着いて踏めるところからいったのですが、あのブロックが・・・展開が悪かったですね。でも力的に劣っているとか、そういうことは全く感じていないので明日また頑張ります」

先行した小林大介選手
「悔しいです! ちょっとモガく距離も長かったですし、調子的には上がってきたところだったので・・・。でも病気だった割りにここまで出来ているのは、今までの積み重ねがあったからですかね」

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