『前橋競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:11月7日


 前橋競輪場開設59周年記念「三山王冠争奪戦(GIII)」が、いよいよ今日から開幕。バンクでは風の影響を受けないドームならではの、めまぐるしく展開の入れ替わるスピードレースが展開されました。
 なお、明日(8日)もオリジナルクオカードが当たるスクラッチカードが先着3000名様に配布されるほか、2階正面入口特設ステージでは自転車によるバーチャルシュミレーション競技「ゴールドスプリントin三山王冠」が開催。最優秀成績者1名様には地上波デジタルテレビがプレゼントされます。ぜひこの機会に、本場でレースを観戦されてはいかがでしょうか。


<1R>
大森慶一選手
大森慶一選手
   人気を集めた関東ラインがまくられて圏外に沈む。田中俊充のまくりが決まるかに見えたが、3コーナーからまくり追い込んだ大森慶一(写真)が伸びて初日白星を飾った。
 「A級時代を含めて、(前橋で)競走で勝ったのは初めてだと思います。苦手なバンクで初日クリアできたのは本当に嬉しいですよ。これで克服できればいいけど。踏んだのは3コーナー。読み通りの展開になってくれたし、調子も良いのかな」


<2R>
太田良政選手
太田良政選手
   主導権を奪ったのは北日本勢。房州輝也が果敢に突っ張ったが、終始、好位をキープした太田良政(写真)がインを強襲した。
 「思った通りですね。絶対に石井君と房州君は踏み合うと思ったので、うまく中団をキープできました。余裕もあったし、展開が見えてました。でも、ちょっと落車の影響か、胸が痛かったんですよ…」


<3R>
 「スンナリと中団に入れたのが全て」と振り返る市川健太がまくりで決着。幸先の良いスタートを切った。
 「葉狩(伸泰)さんと中団の取り合いになるのを覚悟していたんですけど、下げてくれましたね。おかげで余裕はありました。ホームで行くタイミングがあったんだけど、ちょっと見てしまいましたね。そこで行けてれば完璧だったんですけど。10月は乗り込みすぎて調整失敗のレースばかりだったけど、今回はしっかり照準を合わせてきたので大丈夫です」


<4R>
山田和巧選手
山田和巧選手
   篠塚光一が人気に応えて1着。一旦はマークを外した窓場加乃敏も意地の追い込みで2着に入り、二車単は1番人気で決着した。攻めた山田和巧(写真)だが、ゴール前でわずかに伸びを欠いてしまった。
 「2着には入りたかったですね。まくりも止まったし、窓場さんも伸びてこないだろうと思ってしまったのが。あの展開になったら番手に行くことは決めていました。まあ、最終的に取り切っているんで内容はマズマズですね。初めての記念競輪で勝ち上がれたし、明日からもコソッと上位を目指しますよ(笑)」


<5R>
吉原友彦選手
吉原友彦選手
   宮内善光が飛び出し上越勢が主導権。三番手には吉原友彦が位置し、最終バックでは完全に前団のマッチレースとなった。最後、吉原が内をすくったが、飯塚裕紀がこらえて1着。「宮内が頑張ってくれたおかげですよ。地区プロもしっかり走れたし、感じは問題ないですね」と笑顔を見せた。
 一方、吉原友彦(写真)は浮かない顔で「動く気持ちはあるんですけど、もっと楽に勝てると思って動くのをためらってしまった。結果的に、ラインの人に迷惑をかけてしまいました。最近、先行できてないのが走りに出てしまいましたね」と反省しきり。


<6R>
竹山陵太選手
竹山陵太選手
   レースのグレードが上がって最初の一戦。竹山陵太(写真)が鋭いまくり一閃で二次予選A進出を決めた。
 「情けないレースでしたけどね。一度、仕掛けたけど、山本さんに踏まれて戻っちゃいました。タイミングを取らずにもう一度行きましたけど、出切れて良かった。(入れてくれた)小松さんのおかげですね。車が伸びている感触はあるので、明日も頑張りたい。でも、相手が強くなるからなぁ」
 佐藤成人は後方のままで見せ場を作れず、「失敗しました。本来なら軽いバンクは得意なんですけど、ここは自転車が進みすぎて変な脚を使ってしまう。疲れも残っているせいか、一杯になってしまいました」


<7R>
大井啓世選手
大井啓世選手
   中村美千隆が丸二周、主導権を取り切った。他のラインは手も足も出ず、番手有利に大井啓世(写真)が追い込んで1着をゲットした。
 「中村君とは夏の熊本で連係したけど、その時も1着を取らせてもらってるんですよ。本当に相性が良いですね。スンナリ番手でバック無風なんてなかなかないから、ちょっとドキドキしましたよ。感じは悪くないですね」
 中村美千隆も満足げな表情で、「自分のレースで勝ち上がれたから。でも、完全にペース駆けだったから、できれば逃げ切りたかったなぁ」と最後は冗談で締めた。


<8R>
服部竜二選手
服部竜二選手
   原真司が奇襲のイン粘りで関東勢を分断。鰐渕正利-服部竜二(写真)が続くと、強烈な中割りで服部が1着をさらう。
 「僕だけサラ脚だったからですよ。前の二人が勝負してくれたおかげですから。脚には余裕ありましたけどね。鰐渕さんには、またお世話になっちゃいました」
 鰐渕正利は「原君も駆けるつもりだったみたいだし、出られても前々で勝負するつもりだったんでしょうね。外を踏んだけど、伸びとしてはこんなものかな」と振り返った。


<9R>
堤洋選手
堤洋選手
   特選競走最初のレースでは堤洋(写真)が鮮やかな強襲劇で明日の優秀競走へ進出。
 「久しぶりの1着ですね。今日は中部勢の後ろから組み立てましたけど、永井君がほぼ確実に逃げると思ってたんで、展開は考えていた通りでした。坂上さんには悪いけど、後ろに梶應さんが付いているので、シビアにチャンスを狙っていきました。それにしても永井君の先行はいいスピードですね」
 永井清史はクールダウンしながらレースを振り返る。
 「四日市記念では初日9着だったので、それに比べたら状態はずっといいですね。しっかり2着に残れているんで、状態はいいと思います。坂上さんのブロックがあったからですけどね。最近は最終日に照準を合わせているので、調子は上がっていくと思います」
 敗れた佐藤友和は、「永井マジックにやられた。流しているのか踏んでいるのか…」


<10R>
小林大介選手
小林大介選手
   地元コンビが鉄の結束を見せた。矢口啓一郎が飛び出すと、小林大介(写真)が番手から出て石丸寛之を止める。勝機を確実につかんだ小林が地元でこれ以上ないスタートを切った。
 「矢口君のおかげですね。今日は本当に緊張しました。オッズを見たら、僕から売れてましたからね。脚はともかく、気持ちに余裕がなかった。石丸さんのまくりにも全然気付いてなかったですから。嬉しいのひと言です。太田さんが三番手を固めてくれたのも大きいですね」
 石丸寛之は苦虫を噛み潰したような表情で、「前回の最終日と同じような展開でしたね。前に踏まれては厳しい。今はなるべく中団を取るよう心がけているし、岡部さんには位置取りで何度もやられているので気合は入っていたんですが、課題は位置を取ってからですね。脚を使ってしまうので、伸びがない」と語る。


<11R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
   小嶋敬二(写真)が前走とは別人のような走りで快勝。迫力のカマシ先行で他の8人を全く寄せ付けない勝利を収めた。
 「今日は先行が決まっている流れだったので、走る前から駆けようと思ってました。長い距離をモガきたかったし、それで脚を見たかったっていうのもありますね。菅原君は4倍ギアなので、叩くのに相当脚を使いました。でも、(渡邉)晴智なら離れることはないし、出切ってしまえば止めてくれるだろうから、とにかく前に出ることだけを考えて踏みました」
 渡邉晴智は小嶋の圧倒的なスピードの前に脱帽。
 「全く抜けませんでした。僕の力じゃ無理。なんなんですか、あれは」
 木暮安由は失敗レースを振り返り、「菅原さんがもう少し抵抗していれば面白かったですけど、人任せのレースをしている時点でダメですね。今日の反省を生かして走ります」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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