取手競輪場で開催された開設75周年記念「水戸黄門賞(GIII)」は、6月3日に最終日が行われた。地元から吉田拓矢、杉森輝大が勝ち上がった決勝は、吉田が前受けからの突っ張り先行。目標の松井宏佑は不発になったものの、郡司浩平が最終2センターから追い込んで優勝。5月の平塚記念以来、今年5回目、通算26度目のGIII制覇を遂げた。また、一発勝負で争われた「レインボーカップチャレンジファイナル」は、久田朔がまくりで1着。久田、船山真生、梅澤忠秀の上位入着3選手が6月4日付けでA級2班に特班する。
決勝戦 レース経過
号砲で外枠から郡司浩平が飛び出すが、1番者の吉田拓矢が正攻法の位置は譲らない。吉田-杉森輝大-成田和也-内藤宣彦、岩津裕介、松井宏佑-郡司-佐々木眞也-和田健太郎で隊列は落ち着く。
淡々とした周回から赤板ホーム入り口から松井が動くが、誘導との車間を切って待ち構えていた吉田は突っ張る。松井は元の6番手に戻り、吉田がそのまま先行態勢に入る。中バンクを走行してからの山下ろしで吉田はペースアップ。5番手の岩津が前との車間が大きく空くほどのハイスピードの中、最終ホーム手前で松井が強引にまくっていく。2コーナーでまず前団の4人に追い付いた松井は再加速。郡司がぴったり続き、松井の仕掛けに置いていかれかけた佐々木-和田も懸命にリカバリーしてバックを迎えると、松井が並び掛けてくるのを待たずに杉森が番手まくりで応戦する。合わされた松井は出切れずに直線入り口で力尽きるが、外に車を持ち出した郡司が一気に前団を飲み込んだ。2着は杉森を交わした成田で、3着は内いっぱいに粘った杉森。

郡司浩平選手
先月の地元、平塚記念に次いで今年早くも5度目のGIII制覇。舞台は取手に移ったが、そこにも郡司浩平(写真)の笑顔があった。
「今回は追加だった。初日に気持ちの弱さが出た。その反省もあって、(2日目から)自分のなかで気持ちを切り替えられたので(追加で)来て良かった」
松井宏佑ともに共倒れに終わった初日特選7着でスイッチが入った郡司は、そこから3連勝。年頭に掲げたテーマでもある勝ち切る走りに徹した。
「(スタートは)外枠だったしダメもとくらいな感じだった。半分は(前が)取れないくらいで、そのなかでどうするかだった」
前団は地元勢。赤板過ぎに吉田拓矢に突っ張られた松井が、6番手からの出直しを余儀なくされる。打鐘を通過して先行態勢の吉田が、腹を固めてペースを上げていった。
「ヨシタク(吉田)の踏み方次第でした。(吉田が)踏みながらなのか、すんなり引くのか。(松井)宏佑も車体が前に出る前に(吉田に)踏まれてしまった。駆けたヨシタクがすごかった」
単騎で5番手にいた岩津裕介が、前との車間が大きく空いて追いかける。4コーナーから反撃に出た松井にとっては、それが大きな誤算だった。
「(岩津が)想定外でした。宏佑も岩津さんを交わして追いかけて、脚力を消耗したと思う。僕は張られないようにっていうのもあった。余裕をもって走れました」
前団に襲い掛かった松井だが、横に並ばれる前に杉森輝大が番手まくり。松井が合わされ、郡司は冷静に最終2センターで外に持ち出した。
「(松井は)失速している感じではなかった。自分は内を見るよりは、脚をためられたので外で勝負してと思いました。(最終)2センターくらいから踏んで、成田(和也)さんも(杉森を)交わしていったんでどうかなと。思っている以上に体に余裕があったので、最後は伸びていった」
直線の入り口では杉森が先頭も、勢いは郡司。杉森後位から差し脚を伸ばした成田をとらえたところがゴールだった。
「記念はしっかりとまとまった成績を残せている。ただ、GI、GIIになると1つも2つもレベルが上がっている。そこでいかに勝負できるかが、後半戦に向かっていくなかでの課題です」
ここまで27勝とハイペースで勝ち星を積み重ねている郡司が見据えるのは、GI高松宮記念杯。「あと2週間あるので、しっかりと準備ができると思う」。今年は全日本選抜、日本選手権とGIファイナルを逃しているだけに、ここで満足するわけにはいかない。
最終バック手前から杉森が番手まくりを敢行。地元勢に付けた成田和也は、松井を阻めずも直線で伸びて2着。
「地元だし、吉田にいいように走ってもらえればと思っていた。松井が止まったところで、郡司が外に見えていたんでどうしようもなかった。(杉森は)吉田も掛かっている上から出ていったので、いいスピードだった。自分も松井を止められれば良かったんだけど」
「なんとか僕も1着でゴールしたかったけど。情けない」とは、吉田の積極策の意をくんで、番手まくりを打った杉森輝大。
「(突っ張られた松井が引いてから)もう1回来るのは想定していた。感触は悪くなかったけど、もうちょっと周回中から落ち着いて走れれば良かった。(別線は松井の)後ろもその後ろも脚がある人がラインを組んでいた。(吉田)拓矢があれだけ頑張ってくれたのに、地元で優勝できなかった…」






淡々とした周回から赤板ホーム入り口から松井が動くが、誘導との車間を切って待ち構えていた吉田は突っ張る。松井は元の6番手に戻り、吉田がそのまま先行態勢に入る。中バンクを走行してからの山下ろしで吉田はペースアップ。5番手の岩津が前との車間が大きく空くほどのハイスピードの中、最終ホーム手前で松井が強引にまくっていく。2コーナーでまず前団の4人に追い付いた松井は再加速。郡司がぴったり続き、松井の仕掛けに置いていかれかけた佐々木-和田も懸命にリカバリーしてバックを迎えると、松井が並び掛けてくるのを待たずに杉森が番手まくりで応戦する。合わされた松井は出切れずに直線入り口で力尽きるが、外に車を持ち出した郡司が一気に前団を飲み込んだ。2着は杉森を交わした成田で、3着は内いっぱいに粘った杉森。

郡司浩平選手
「今回は追加だった。初日に気持ちの弱さが出た。その反省もあって、(2日目から)自分のなかで気持ちを切り替えられたので(追加で)来て良かった」
松井宏佑ともに共倒れに終わった初日特選7着でスイッチが入った郡司は、そこから3連勝。年頭に掲げたテーマでもある勝ち切る走りに徹した。
「(スタートは)外枠だったしダメもとくらいな感じだった。半分は(前が)取れないくらいで、そのなかでどうするかだった」
前団は地元勢。赤板過ぎに吉田拓矢に突っ張られた松井が、6番手からの出直しを余儀なくされる。打鐘を通過して先行態勢の吉田が、腹を固めてペースを上げていった。
「ヨシタク(吉田)の踏み方次第でした。(吉田が)踏みながらなのか、すんなり引くのか。(松井)宏佑も車体が前に出る前に(吉田に)踏まれてしまった。駆けたヨシタクがすごかった」
単騎で5番手にいた岩津裕介が、前との車間が大きく空いて追いかける。4コーナーから反撃に出た松井にとっては、それが大きな誤算だった。
「(岩津が)想定外でした。宏佑も岩津さんを交わして追いかけて、脚力を消耗したと思う。僕は張られないようにっていうのもあった。余裕をもって走れました」
前団に襲い掛かった松井だが、横に並ばれる前に杉森輝大が番手まくり。松井が合わされ、郡司は冷静に最終2センターで外に持ち出した。
「(松井は)失速している感じではなかった。自分は内を見るよりは、脚をためられたので外で勝負してと思いました。(最終)2センターくらいから踏んで、成田(和也)さんも(杉森を)交わしていったんでどうかなと。思っている以上に体に余裕があったので、最後は伸びていった」
直線の入り口では杉森が先頭も、勢いは郡司。杉森後位から差し脚を伸ばした成田をとらえたところがゴールだった。
「記念はしっかりとまとまった成績を残せている。ただ、GI、GIIになると1つも2つもレベルが上がっている。そこでいかに勝負できるかが、後半戦に向かっていくなかでの課題です」
ここまで27勝とハイペースで勝ち星を積み重ねている郡司が見据えるのは、GI高松宮記念杯。「あと2週間あるので、しっかりと準備ができると思う」。今年は全日本選抜、日本選手権とGIファイナルを逃しているだけに、ここで満足するわけにはいかない。
最終バック手前から杉森が番手まくりを敢行。地元勢に付けた成田和也は、松井を阻めずも直線で伸びて2着。
「地元だし、吉田にいいように走ってもらえればと思っていた。松井が止まったところで、郡司が外に見えていたんでどうしようもなかった。(杉森は)吉田も掛かっている上から出ていったので、いいスピードだった。自分も松井を止められれば良かったんだけど」
「なんとか僕も1着でゴールしたかったけど。情けない」とは、吉田の積極策の意をくんで、番手まくりを打った杉森輝大。
「(突っ張られた松井が引いてから)もう1回来るのは想定していた。感触は悪くなかったけど、もうちょっと周回中から落ち着いて走れれば良かった。(別線は松井の)後ろもその後ろも脚がある人がラインを組んでいた。(吉田)拓矢があれだけ頑張ってくれたのに、地元で優勝できなかった…」






レインボーカップチャレンジファイナル
9人すべてが単騎の125期による同期対決。赤板1コーナーで野村賢が切った上を、藤井優希が押さえて先頭に立つ。3番手に岩元叶馬、久田朔(写真)が4番手を手に入れて打鐘を迎える。5番手は弓矢輪太郎と船山真生で併走。久田は、空いたインを1車押し上げて3番手になり、そのまま藤井がペースを上げて駆ける。最終ホーム過ぎに野村が出て、野村を追走した久田が2コーナーからまくる。バックで前団をとらえた久田には船山が続く。3番手以下が離れて、岩元をさばいた梅澤忠秀が追いかけて直線。久田のスピードは衰えず、船山を寄せつけず1着。
「最初は後ろになると思っていたので、赤板で動いてできるだけ前の方にいようと思っていた。そこからは仕掛けてくる人を見てと。(赤板過ぎ1センターで)弓矢君が遅れているのが見えたので入った。たまたまうまくいきました。そこからは野村君が行くだろうなと。(野村と藤井が)踏み合っていたので、(最終)2コーナーから行った。後ろに船山君がいるのはわかっていたので、ドキドキでした。(今回は)自転車を換えて、指定練習で乗ってみて感覚が良くていけるんじゃないかなと思っていました。(A級2班に特班して)いままでよりラインが生きてくる競走が多くなると思うので、そこを意識してラインの先頭でS級を目指して頑張りたい」

久田朔選手
道中で脚力を消耗した船山真生は、最終ホームで久田後位に取りつくも梅澤と併走。久田のまくりを追いかけたが、1車身の差は縮まらなかった。
「外併走でキツかったです。(内に梅澤がいて)そこは当たってくるなって思った。ただ、久田の掛かりが良くて、付いていくのが精いっぱいだった。脚がいっぱいでした。(最終)2センターではワンチャン差せるかと思ったんですけど…。(A級1、2班戦では)積極的にいきたい。最近、消極的なところもあるし、強気なレースをしたいです」
船山との併走から結果的には、久田、船山を送り出した梅澤忠秀は、岩元をさばいての3着まで。
「(弓矢を)入れるつもりはなかったけど、そこでやり合ってもしょうがないと。(レース中は)内が結構、空いていた。車番は良かったけど、(3着に入れたのは)自分の力じゃなかった。(今後は)もう少しいいところを見せられれば。特昇はうれしいです。(A級1、2班戦では)いままでと変わらず、そのままやっていきたい」


「最初は後ろになると思っていたので、赤板で動いてできるだけ前の方にいようと思っていた。そこからは仕掛けてくる人を見てと。(赤板過ぎ1センターで)弓矢君が遅れているのが見えたので入った。たまたまうまくいきました。そこからは野村君が行くだろうなと。(野村と藤井が)踏み合っていたので、(最終)2コーナーから行った。後ろに船山君がいるのはわかっていたので、ドキドキでした。(今回は)自転車を換えて、指定練習で乗ってみて感覚が良くていけるんじゃないかなと思っていました。(A級2班に特班して)いままでよりラインが生きてくる競走が多くなると思うので、そこを意識してラインの先頭でS級を目指して頑張りたい」

久田朔選手
「外併走でキツかったです。(内に梅澤がいて)そこは当たってくるなって思った。ただ、久田の掛かりが良くて、付いていくのが精いっぱいだった。脚がいっぱいでした。(最終)2センターではワンチャン差せるかと思ったんですけど…。(A級1、2班戦では)積極的にいきたい。最近、消極的なところもあるし、強気なレースをしたいです」
船山との併走から結果的には、久田、船山を送り出した梅澤忠秀は、岩元をさばいての3着まで。
「(弓矢を)入れるつもりはなかったけど、そこでやり合ってもしょうがないと。(レース中は)内が結構、空いていた。車番は良かったけど、(3着に入れたのは)自分の力じゃなかった。(今後は)もう少しいいところを見せられれば。特昇はうれしいです。(A級1、2班戦では)いままでと変わらず、そのままやっていきたい」



次回のグレードレースは別府競輪場開設75周年記念「オランダ王国友好杯」が6月5日~8日の日程で実施されます。
今シリーズは新山響平、犬伏湧也、岩本俊介のSS班3名をはじめ深谷知広、松浦悠士、寺崎浩平、窓場千加頼、菅田壱道、山崎賢人らの健脚が全国各地から集結して覇を競います。高松宮記念杯を占う意味でも目が離せない4日間となるでしょう。また、最終日第9レースにおいて、レインボーカップ・A級ファイナルが行われます。A級のチャンピオンを決める一発勝負にも注目です。
5月26日時点の出場予定選手データを分析した、別府競輪「オランダ王国友好杯」の主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。
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今シリーズは新山響平、犬伏湧也、岩本俊介のSS班3名をはじめ深谷知広、松浦悠士、寺崎浩平、窓場千加頼、菅田壱道、山崎賢人らの健脚が全国各地から集結して覇を競います。高松宮記念杯を占う意味でも目が離せない4日間となるでしょう。また、最終日第9レースにおいて、レインボーカップ・A級ファイナルが行われます。A級のチャンピオンを決める一発勝負にも注目です。
5月26日時点の出場予定選手データを分析した、別府競輪「オランダ王国友好杯」の主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。
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