『ワールドサイクリスト支援競輪in取手(GIII)レポート』 前検日編

配信日:3月11日
 関東地区でのリレーGIII、デイ開催の取手競輪場では「第1回ワールドサイクリスト支援競輪(GIII)」が、3月12日にスタートする。ウィナーズカップ組は不在ながら、松浦悠士、佐藤慎太郎、村上博幸といったビッグネームに加え、渡邉雅也、根田空史、高橋築、嵯峨昇喜郎、上野優太、久米良といった実力者が集った。地元からは河野通孝、石川裕二、横山尚則、松永将、梁島邦友が参戦し、関東勢の総力を結集して強豪達を迎え撃つ。
 GIII開催中は毎日、300名様に先着ファンサービス、茨城選手会ブース、未確定車券ガラポン抽選会、第1特別観覧席早期入場くじ、専門解説者によるレース予想会が予定されています。取手競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<1R>

熊崎麻人選手
熊崎麻人選手
 1レースの1番車に抜てきされたのは今期からS級に昇級したばかりの熊崎麻人(写真)。昇級直後は苦戦を強いられていたが、2月の岐阜FIで初めて予選突破に成功すると、続く前回前橋FIでS級初勝利を挙げている。現状の課題と向き合いながら高みを目指している。
 「少しずつ良くなってきていますけど、7車立てでの結果なので。予選でもまだ一回しか勝てていないですし、しっかり喜べるような走りはできていないので。3回目のGIIIなので頑張りたいですね。ただ先行するだけではダメだと思いますし、弱気になっても勝てないと思うので。トップスピードは自転車を始めた頃からの課題ですし、自分でレースを作っていけるように」
 近況の高橋和也は番手を回るレースが増えてきているが、前回西武園の初日は出脚の鋭いまくりを披露している。徐々に自信も回復してきている様子で、あと3勝まで迫った節目の400勝を射程圏に入れている。
 「しっかりと自分で動けるようになってきました。少しずつ状態は良くなってきていますね。踏む距離が長くなっても問題なくなってきたと思います。前回の西武園が終わってから中4日で疲れを抜きつつ、練習もしてきた。取手はちょくちょく走らせてもらっていて、イメージも悪くないです。(400勝まで残り3勝だが)少し1着取るペースが落ちてきたけど、早いうちに400勝を決めたいですね」


<2R>

 前回久留米でまくり連発で決勝進出を果たした末木浩二。昨年10月の寛仁親王牌から突如としてスランプに陥って下降線をたどっていたが、ようやく悪い流れから抜け出すきっかけをつかんだ様子だ。
 「すごく(調子自体が)悪かったとかはないんですけど、自力でやって決勝に乗れたので。やっとかみ合ってきたのかなって。練習とかは良かった頃と変わっていないんですけど、レースで(結果が)ついてきていなかったので。(前回からここに向けて)予定通り練習をしてこれましたし、トレーニングできたので。感覚も良かったですね」
 Fシリーズが主戦場となっている緒方将樹だが、今年に入ってすでに6勝を挙げている。前回西武園FIは準決勝で敗れたものの、佐々木悠葵を不発に追い込む積極策を披露していたレースを振り返り、自信をのぞかせている。
 「状態自体は良くなっていると思うけど、FI開催はもう少し準決勝を楽にクリアできる脚力がほしい。ただ、やることやって着に絡むことが増えたし、力を出し切るレースが増えてきた。近況はまくりの決まり手が増えているけど、逃げてもいいって思える状態。前回の西武園は3日間、しっかりと走れて自信もつきました」


<3R>

梁島邦友選手
梁島邦友選手
 2020年5月にデビューした梁島邦友(写真)は今回が初めての地元GIII挑戦となる。近況の課題と向き合いながら決して浮足立つことなく、抜かりなくトレーニングに取り組んできた。地元戦は2月に決勝進出を決めており、ファンの声援を力に4日間を走り切る。
 「地元GIIIに向けては、午前中はバンクに入るなど普段通りの練習をやってきました。変わったことをやっても良くないと思ったので。近況はレース内容が良くない。内容を求めつつ、地元戦なので勝ち上がれるように頑張りたい」
 今年に入ってから未勝利の坂田康季ではあるが、近況は積極的なレースを心がけている印象で、悲観した様子は一切なし。初日から出し惜しみすることなく、持てる力を出し切る準備はできている。
 「取手を走るのは今回で3回目か4回目です。A級のときに良く走っていました。バンクの特性とかは走っているので大丈夫です。ただここは寒いときがあるので、そこだけですね。前回の豊橋が終わってから中13日で、練習はできました。ここ最近は勝ち切れていないけど、内容自体は悪くないと思うし、着に絡めているので気にはしていないです」


<4R>

 今年1月の和歌山記念で決勝に進出している高橋晋也は、成績にムラこそあるが侮れない存在だろう。型にハマった時の強さは点数以上で、課題克服に取り組みながら現状打破を目指している。
 「成績は良くないですけど、やりたいことはできるようになってきているので。課題も見つかってきていますし、練習もしっかりとできているので。前よりも長い距離が踏めなくなっているからって、そこだけの練習をやっていてもダメなので。もちろんスピードも必要ですし、練習も工夫しながらやっています」
 昨年玉野で行われたサマーナイトフェスティバルで初のGIIを経験した田中勇二は、今年1月の高松記念in小松島で初めてGIIIの決勝に進出と、戦いのステージを上げている。2月の奈良記念と小田原FIで落車のアクシデントに見舞われているが、怪我の影響を感じさせない走りを各所で披露している。
 「近況は落車続きですけど、体や自転車は大丈夫です。初日は展開次第になりそうですね。青木(瑞樹)君とは初連係ですね。たまにバンク練習で一緒になり後ろに付いたことがあるので、脚質は分かっています」


<5R>

林大悟選手
林大悟選手
 2月の全日本選抜競輪では一次予選敗退を喫した林大悟(写真)ではあるが、気配は決して悪くなかった。2日目の特一般戦では志田龍星を叩いて先行勝負に出ると、佐々木眞也のまくりを封じて3着に粘り込み、機動力を存分にアピールした。
 「前回の和歌山FIは参考外ですね。2日目、3日目は単騎でしたし。前回をのぞけば、自分のやりたいレースはできているのかなって思う。9車立てのほうが好きなので呼ばれたのはありがたい。和歌山が終わってから中8日でしっかりと練習してきました」
 今期からS級に昇格した望月湧生は持ち味の地脚を生かした積極策で奮闘中だ。当所はS級初戦となった1月に走ったばかりで、負け戦ながらも2連対と結果も出しているバンク。強敵が相手でも臆することなく攻め切る覚悟だろう。
 「今回は(長田)龍拳さんや(渡邉)雅也さんなど、練習仲間が多いですね。G開催は落車した、いわき平と、2月の地元静岡記念を走って今回が3回目。自分的には9車立ての方が前に出やすいって感じている。9車が苦手とかそういうのはないですね。開催の後半になるにつれて良くなる感じだけど、今回は勝ち上がるためにもいい状態を予選に持っていきたい」


<6R>

 大矢崇弘は前回久留米FIで予選敗退を喫してしまったが、2日目以降は2連対と立て直しに成功している。近況は徐々に手ごたえが上向いている様子で、節目の200勝達成を目標に掲げて今シリーズに臨む。
 「今は西武園じゃなくて、京王閣で練習しています。前回の久留米が終わってからも普通にいつも通りの練習をやってきた。昨年1年間は良くなかったけど、12月に鎖骨のプレートを抜いてからじょじょに良くなってきた。今年に入ってから戻ってきている実感もある。今開催で(200勝)決めたいですね」
 昨年10月にS級に特別昇級した角宗哉が取手バンクに初登場だ。近況はA級戦の頃のようなアグレッシブな走りは影を潜め、戦い方にも悩んでいる様子で苦戦を強いられていたが、ようやく原点に立ち返り再起を目指している。
 「S級は先行だけじゃ勝てないって思ったので、(対応力を求めて自在よりに)セッティングやギア、パーツを大幅に変更していました。乗り方も後ろ乗りから流行りの前乗り変えていたけどダメでした。でもこのままじゃ勝てないと思ったので、今回からA級でしっかり先行できていた頃にすべて戻します。ここからこれで頑張っていきたい」


<7R>

岸田剛選手
岸田剛選手
 昨年10月の寛仁親王牌で落車した影響を引きずっている印象の岸田剛(写真)だが、2月豊橋FIでの落車は幸いにも軽傷であった様子。前回の西武園FIは大きい着を並べてしまったが、状態面は上向いているとのことで、新調したフレームとのマッチングを求めている。
 「去年の寛仁親王牌で右ヒジと肩甲骨を骨折して、ずっと良くなかったんですけど。ヒジも肩も可動域は元に戻っているので。ワットバイクの数値も戻っているけど、レースで出せていない感じですね。前回からフレームを新しくして、乗りながら微調整しているんですけど、そこがかみ合ってくれば良くなってくれると思います」
 近況の高久保雄介はリズムを崩して点数を大幅に落としてしまっているが、いざというときのためにタテ脚は健在だ。番手を回ったときの対応力が現状の課題であり、本人も自覚している。
 「番手戦が増えてきて、展開が悪い時にどうするかが今の課題ですね。前が不発になってしまった時に、自分でどうにかする力が足りない。見切りや判断が難しい。どうしても優しさが出てしまう。そこが自分の良くないところ。初日は岸田(剛)君ですね。いつも頑張ってくれるので全面信頼で任せます」


<8R>

 近況の南潤は良かった頃のスピード感が戻ってきている印象だ。一時期は突っ張り戦も駆使して攻めていたが、近況は狙い澄ました仕掛けで別線を攻略している。昨年後半から前橋競輪場でしている練習の成果がレースに現れてきている。
 「前回はいい感じで踏めていたと思います。最近は踏み出しがはまっているかなていう気がします。前橋で練習を差せてもらっているので、そういう(踏み出しが良くなる)トレーニングを増やしているので。後半はタレてしまっているんですけど、前半はいいスピードで行けていると思います。取手に悪いイメージはないと思います」
 復調中の南をリードして別線攻略を目指しているのは柴崎淳。今年に入ってすでに4勝を挙げているが、決して現状には満足していない。持病の腰痛と向き合いながら再び上を目指している。
 「静岡記念ぐらいから左の腰が急に痛くなって。座骨神経痛も出てきてしまってしんどかったですね。自転車に乗っている方が楽で、痛みが出ると日常生活のほうがきつい。でも付き合っていくしかないので。少し点数が上がってきたけど、もうちょっと上げたいですね。110点くらいまで上げればまたGIにも行けると思うので」


<9R>

 中島詩音はS級戦で当所を走るのは初めてとなるが、チャレンジ戦とA級1、2班戦でも優勝実績があるバンク。近況は先行とまくりをうまく使い分けて戦っている印象で、同県の志村太賀とともに予選突破を目指している。
 「前回の久留米は初日から堅い車輪に換えて挑んだんですけど、ただただ重いだけで良くなかったです。2日目は我慢して使ったけどダメだったので、3日目に戻したらいつもの感じで走れました。今回も最終日に使ったいままで通りの車輪で走ります。体の状態とかは問題ないですし、終わってから練習した感触も悪くなかったので頑張りたいですね」
 今年1月からS級戦に戻ってきた斉藤学は自在な立ち回りで大いに見せ場を作っている。Fシリーズでは苦戦を強いられているものの、GII開催では2場所で3勝を挙げている。流れのある9車立ての戦いは、器用に立ち回りたい斉藤にとって7車立てより水が合う。
 「久留米はインフルエンザに罹ってしまい欠場したけど、練習はがっつりやってきました。練習の感じは良かったですね。9車立ては好きだけど、9車立ての3分戦は初めてだと思う。9車立ての細切れ戦なら、誤魔化しも利くと思うけどそうはいかないと思う。レースの流れのまま仕掛けたい。後ろ2人(菊地圭、大森慶一)はビッグネームですし、ちゃんと仕掛けないとですね」


<10R>

小堀敢太選手
小堀敢太選手
 2月久留米FIから急激に最終バックを取るレースが増えてきたのは小堀敢太(写真)。昨年7月後半からS級に上がってからは戦法の迷いが生じるなかで成績も低迷していたが、積極策を打って出ている直近3場所は6勝の荒稼ぎ。心境の変化はもちろんのこと、新車も体にマッチしている。
 「去年の10月から今年の1月くらいまではいろいろ悩んでました。自力の限界も感じていましたし、追い込みに変わろうかなっていう時期もありました。でももう一度自力を極めようと思って久留米から頑張っています。メンタル的にも弱っていた時期もありましたけど、いまはいい方向にいっていると思います。前回から使っている新車は文句のつけようがないくらい、いまの自分にはまっていると思いますし、あとは展開と脚力だけ。前回が終わってから取手のバンクを使わせてもらって風の感じとかバンクの感じもつかめたので、頭に入れて走りたい」
 前回西武園の初日に落車に見舞われてしまった橋本凌太だが、落車の影響はそこまでなさそうで表情は明るい。1レースに登場する師匠の片山智晴との同時あっせんで、気持ちも入っている。3度目のGIII戦線で存在をアピールする。
 「西武園の落車はほとんど怪我はなかったです。自転車も大丈夫でした。帰ってからもいつも通り練習はできました。9車立ては走りやすいですし、細切れ戦なら、さらに走りやすいって感じです。自分は風が吹いてくれたほうが好きですね。小堀君との対戦は2回目だと思います。ただ初めて対戦したときは互いに単騎だった気がする。やれない相手ではないと思うので、力を出し切れるように」


<11R>

河野通孝選手
河野通孝選手
 予選メインの11レースを飾るのは地元勢のなかで競走得点が一番高い河野通孝(写真)。近況は決め脚の鋭さが戻ってきた印象で、各所で白星を量産している。2月小倉FIの最終日にも連係している長田龍拳をリードして別線を迎え撃つ。
 「前回は2日目までは良かったんですけど、決勝は自転車をいじって裏目に出てしまいました。2日目までの感覚は良かったので、終わってからセッティングを戻して、練習もしてきました。ここに向けては特別すごくいいとかはないですけど、普通にこれたと思います。自分は優勝を狙うとか言える選手ではないので、少しでもいいレースを走れるように頑張りたい。長田君は3場所前に付かせてもらいましたけど、抜けないぐらい強かったので信頼して任せます」
 今年に入ってからの長田龍拳は自慢のパワーを武器にグレードを問わず奮闘中で、今期の競走得点は106点まで上昇してきている。地元両者に前を任されてやる気も十分で、豪快な仕掛けで包囲網突破を目指す。
 「2月の豊橋が終わってからすぐにインフルエンザに罹ってしまった。ただすぐに練習は再開できました。練習の感じではスピードとかは変わっていないと思う。ただ踏んでいて、若干ですけど、力が伝わり切っていない感じする。河野(通孝)さんとは小倉で連係していますし、地元選手が2人も付くので、出し切りたいですね」


<12R>

松浦悠士選手
松浦悠士選手
 昨年の佐世保記念から白星を量産している松浦悠士(写真)は完全復活を遂げている印象だ。当所は開設69周年記念を制している相性良いバンクで、前回西武園FIで今年3度目の優勝を手に今シリーズに臨む。
 「前回はいい感じで動けました。初日に比べたら2日目、3日目は良くなかったですけど、そのぶん内容あるレースはできたと思うので。感覚がいいので、自転車の進み具合もマッチしていますね。かなり気持ちよく乗れていますし、いまはなるべく自転車やセッティングはいじりたくないですね」
 昨年1月の松阪記念で骨盤骨折という大怪我を負ってしまった佐藤慎太郎は一年間、苦しい戦いが強いられていたが、徐々に復調の手ごたえをつかんでいる。前回久留米FIの初日に節目となる500勝を挙げてリズム良く参戦する。
 「(前回初日は)いいレースだったと思います。絶好調っていうのはここ最近は感じていないですけど。ある程度、動けているのかなっていうのはあります。(調子がよかった頃とは)体が変わっていると思うので、その感覚を求めるのは難しいですね。いまのベストを探っていった方がいいのかなって。いい頃の感覚は強烈に残っていますけど、そこに近づけようとするのは難しいかなって。良くなってきていると思うので、(走りながら)ヒントもあると思いますし、試しながらですね。練習はしっかりと計画的にやってこれました」
 前回の伊東FIでは3日間とも自力で奮闘した渡邉雅也ではあるが、近況は競走得点の上昇にともなって番手回りの競走が増えてきている。 根田空史の番手を回るのは過去に何度も経験済みで、呼吸を合わせて強敵撃破に挑む。
 「前回は自分の技術不足の面が多かったですし、勉強になりました。動き自体は悪くなかったんですけど、自分のヨコの技術はまだまだだなって感じたので、今後につなげていきたい。状態は変わらずいいと思います。取手は前回優勝しているのでイメージは悪くない。根田さんのカマシは強烈なので、毎回口が空いてしまう。それくらい強いイメージですね」