『ワールドサイクリスト支援競輪in取手(GIII)レポート』 初日編

配信日:3月12日

 関東地区でのリレーGIII、昼開催の取手競輪場では「第1回ワールドサイクリスト支援競輪(GIII)」が、3月12日にスタートした。初日メインの特選レースでは人気を集めた松浦悠士が伸びを欠き、好位からまくった単騎の村上博幸が制した。2着に上野優太、3着が高橋築で3連単は20万円オーバーの高配当決着となった。地元勢からは今シリーズが復帰戦の横山尚則が1着に突き抜けて、これも3連単が約25万円の高配当。シリーズは波乱の幕開けとなった。
 GIII開催中は毎日、300名様に先着ファンサービス、茨城選手会ブース、未確定車券ガラポン抽選会、第1特別観覧席早期入場くじ、専門解説者によるレース予想会が予定されています。取手競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<1R>

島川将貴選手
島川将貴選手
 号砲とともに島川将貴(写真)が勢いよく飛び出して徳島勢が正攻法に構える。後ろ攻めとなった高橋和也が赤板過ぎに押さえて出ると、熊崎麻人が打鐘手前から中部ラインを叩いて先行態勢に入る。7番手に置かれた小川丈太は打鐘過ぎ3コーナーを勢いよく駆け上がると、4コーナーの下りを使って一気のカマシを敢行する。徳島勢の後ろを追走していた片山智晴は熊崎に捌かれてしまったが、車間を空けて小川をリードしていた島川が直線で鋭く追い込んだ。
 「風が強いなかで小川君がめちゃくちゃ早めに行ってくれた。Sは取れたらラッキーぐらいで、できれば前か中団が良かった。まさか打鐘から行くとは思わなかったですね。バックの風が強いと思ったが、外を見たら高橋和さんのまくりが止まっていたので、小川君が残ると思った。3コーナーぐらいではワンツーができるかなと思った。調子が悪いなかで(前々回に)失格をしてしまったが、気持ちを切り替えて乗り方などを変えている段階で今を迎えている。ちょっとずつ良くはなっている。抜きに行く時、踏み込んだ時の筋肉の張る場所が納得いく場所ではない。道中は楽だがトップスピードの乗りが悪いですね。今回は松浦さんとか上の人と走れたら」
 近況はまくりの決まり手が増えていた小川丈太であったが、同県の先輩を連れて積極策を敢行。バックの向かい風にも負けることなく、最後まで踏み切って久しぶりに逃げの決まり手を付けた。
 「島川さんが前を取ってくれたので絶対に行かないといけないと思った。得意な展開ではなかったけど、気持ちで行きました。出切れるとは思ったが、バックの向かい風がきつかった。最後は島川さんが残してくれました。自分はタレていたので。行かなきゃいけないところで行けたので悪くはない」


<2R>

原井博斗選手
原井博斗選手
 原井博斗(写真)がS取りに成功して緒方将樹を迎え入れる。末木浩二が後ろ攻めから押さえて出たが、竹内雄作が打鐘で叩いて出る。車間を空けてタイミングを図っていた緒方が打鐘過ぎ3コーナーから一気のカマシで主導権を奪うと、叩かれた竹内は空いた車間を詰めることができずいっぱいに。原井が余裕を持って直線で抜け出して白星スタートに成功した。
 「(緒方に)付いているだけで連れていってもらいました。緒方君にお任せで、千切れないようにだけと思っていました。いつも連係して確定板に載せてもらっています。ほとんど確定板を外したことがないような気がします。前回も2回、お世話になっていますし。4コーナーに入ってから抜きにいったけど、緒方君を3着に沈めてしまったのは反省です。ホーム過ぎに出切ったときに緒方君のスピードが良すぎて、そこで脚を使ってしまいました。前回より緒方君の強さを感じましたね」
 上吹越直樹はカマしていった緒方の踏み出しに車間が空いてしまったものの、付け直してからは内を締めながらしっかりと追走する。最終4コーナーから車を外に持ち出すと、直線で鋭く伸びて原井に迫った。
 「緒方君が好きなレースをしてくれました。よくあそこで仕掛けてくれましたね。緒方君はダッシュがいいのでピリピリしていましたけど、付け切ってからは余裕がありました。余裕があったのでいけるところまで、2着までなら行けるかなと思って踏みました。前回、情けない失格をしてしまったので、終わってから休まず練習をしてきました」


<3R>

 正攻法に構えていた地元の梁島邦友が後ろ攻めから上昇してきた藤井昭吾を赤板過ぎに突っ張ると、坂田康季が打鐘手前2コーナーの下りを使って前団を叩いて先頭に躍り出る。一旦、後方まで下げて態勢を立て直した藤井が最終ホーム手前から反撃に出ると、坂田と激しい踏み合いに発展する。藤井をリードしていた渡辺十夢が両者の踏み合いを見極めながら最終4コーナーから抜け出しを狙ったが、最後の直線で外を清水剛志が突き抜けた。
 「藤井さん、さまさまです。道中から余裕があって、止まっているように見えたので。パッと伸びたと思います。一時期よりは良くなっていますし、展開が向けばものにできると思います。いままでは僕が藤井さんの前で走っていましたけど、いまの状態と決まり手をみても3番手だなって。A級の後半に落車が続いて良くなかったけど、暖かくなってきて、怪我も良くなって、昔の感覚に戻ってきていると思います」
 渡辺十夢はロングスパートに出た藤井のスピードと余力を見極めつつ、内にいた坂本健太郎への対処を考えながら追走すると、最後の直線から一気に抜け出して2着に入線。状態面には不安はなさそうだが、セッティング面に悩みを抱えているようだ。
 「(藤井は)頼もしい後輩です。坂本君は余裕がありそうだったので、押し込んだりして捌かれないように。(坂田と藤井の)スピードが合っていたので。でも藤井君は出切れるかなって思ったので。一回踏み止めてから、4コーナーからはしっかり踏みました。直前までハンドルをいじったりしていましたし、あんまり良くはないですね。(セッティングが)迷宮入りしている感じです。でも体の方は悪くないので」


<4R>

佐藤博紀選手
佐藤博紀選手
 1番車の佐藤博紀(写真)がスタート争いを制して北日本ラインが正攻法に構える。後ろ攻めとなった原田翔真が青木瑞樹にフタをする形から叩いて出てたが、青木が力ずくで巻き返しに出る。両者の仕掛け合いを見極めていた高橋晋也が最終1センター付近から一気にまくり上げると、タテ脚を兼備している佐藤が直線で有利に抜け出した。
 「(高橋)晋也は勢い的には行ける感じだった。田中君が番手にスイッチする感じで来て、持ってこられるのが怖かったので先に踏み込みながら、前を残しながらだった。(普段は)自力でやっているので、今日は晋也の後ろで少し余裕があった。明日以降も気持ちだけはしっかり持って走っていきたい」
 佐藤を追走していた尾方鉄馬は、田中勇二の後ろへと切り替えていた伊藤成紀を警戒しつつ直線で外を踏み込むと、佐藤に微差まで迫る2着となった。
 「(高橋)晋也はレースがうまいし、何でもできる。冷静に構えていいタイミングで行ってくれましたね。みんな強いが、付いて行けて良かった。(最後の伸びは)何とか良かった」


<5R>

 本郷雄三が抜群のスタートを決めて九州勢が正攻法に構える。望月湧世が後ろ攻めから押さえた上を、中村隆生が叩いて打鐘手前で先頭に立つ。正攻法の構えから引いて態勢を整えていた林大悟は、関東ラインにうまくスイッチして行きながら力ずくで叩いて主導権取りへ。望月が最終1コーナー付近から巻き返しを狙ったが、最終バックの追い風でスピードが鈍ってしまう。最終4コーナーを回ってからもしっかりと踏み直した林がそのまま堂々と押し切って白星スタートに成功した。
 「初手は後ろ以外で前目からが良いなと思っていました。別線が押さえにくるのが遅かったら突っ張りも考えていました。しっかりと押さえにきてくれたので、流れで先行しようと思っていました。めちゃくちゃスーッと仕掛けることができましたね。ペースでいけました。風のなかでも良い感じかなって思います。脚見せでフワフワしていたんですけど、しっかりと駆けることができてよかった。二次予選にむけてしっかりと休みたい」
 林をリードしていた小岩大介は番手で絶好の展開が訪れたが、直線で思うように自転車が伸びていかず、4分の1車輪差の2着での入線にとどまった。
 「風が強かったので前からがいいかなと思いました。あとは林君に任せていました。まくりに構えると思ったんですけど、流れに沿って出切ってくれましたね。後は自分が援護するだけかなと思っていました。望月君がまくってきたのも見えて、止めようと思ったんですけど、林君が合わせましたね。バックから余裕はあったんですけど、伸びなかった。セッティングを試行錯誤していて、それがマイナスに出ていますね」


<6R>

田口勇介選手
田口勇介選手
 田口勇介(写真)、浮島知稀の順番で切った上を、角宗哉が打鐘手前から一気に叩いて主導権取りへ。一度脚を使ってから苦しい7番手に置かれてしまった田口であったが、最終ホーム手前から再び車を外に持ち出すと、逃げて抵抗する角を最終バック過ぎにのみ込んでそのまま力強く押し切った。
 「緩んだら仕掛けようと思っていました。ホームで詰まったように感じたので、仕掛けていきました。ホームの追い風でスピードをもらって行けたと思います。ゴールまで踏み切れました。調子はそこまで良くはないと思うんですけど、レースで力を出し切れるようにって考えています」
 田口の仕掛けに車間が空いてしまった伊東翔貴は、最終2コーナー出口で一瞬内をうかがう探す素振りを見せたが、再び懸命に追いかけていきながら池田良のブロックを乗り越えて2着に入線した。
 「8割後ろ攻めになると思っていたので、落ち着いていこうっていう感じでした。田口君が強かったです。自分がついていたから早めに行ってくれたと思いますけど、自分が一番ビックリしました。自分は(田口が)外に浮いてしまうと思って、降りれるところを探して迎え入れようと思って。でも2コーナーの下りで伸びていきました。判断ミスをしてしまって、離れてしまったんですけど。あきらめずに踏み込んで、角君に踏み勝てたのは良かった」


<7R>

 後ろ攻めとなった邊見光輝が赤板過ぎに押さえて出る。中団に構えていた染谷が岸田剛の外まで追い上げていき、中団であおりを作りながら後方に下げた近畿ラインをけん制する。7番手に置かれてしまった岸田であったが最終ホームから力ずくの巻き返しに出ると、高久保雄介は遅れ気味に追いかける流れとなって、後ろは染谷幸喜と高久保でもつれる形に。最後までスピードが鈍ることなくゴールまで踏み切った岸田が3場所ぶりの白星をつかみ取った。 
 「作戦は前からで、切った上を切れたらと思っていた。すかさず行こうと思っていたけど、染谷さんにフタをされて判断が遅くなり後ろに迷惑を掛けた。踏み出した感じは行ける手ごたえがあって、最後まで踏めた。状態は上向いている」
 最終1センター過ぎに岸田に前へ出られてしまった染谷幸喜は、遅れ気味に追走してきた高久保をロックオン。最終3コーナーで一旦は体半分、前に出られてしまったが、2センターで内から盛り返して番手を奪い取ると、2着で二次予選への勝ち上がりを決めた。
 「まくりに行ったところで、その上を岸田君が凄いスピードで来て。バックを踏めないし、狭かったけど行っちゃえと思って飛び付いた。練習自体はしっかりやれていたし、ウエートもしていたので体の面の不安はなかった。危ないところへ入るレースだったけど、風が強いなかでも重いところがなかったので感じはいい」


<8R>

横山尚則選手
横山尚則選手
 8番手の位置から上昇していった外田心斗が赤板過ぎに誘導員を下ろして先頭に立つと、打鐘手前から叩きにきた荒川達郎を突っ張って前には出させない。両ラインの動きを冷静に見ていた南潤がスピードを生かして一気のカマシを敢行する。気配を察知した荒川が一緒に踏み込んでいき番手の柴崎淳の内で粘る形に。後方から加賀山淳と岩本和也がまくり上げて行くと、荒川をリードしていた横山尚則(写真)が、最終3コーナーから外を踏み込んでゴール線を突き抜けた。
 「やっぱり(復帰戦は)いつも通りが難しい。何とか1着を取れました。地元で応援してもらえるのはうれしいですね。荒川君には自分の持ち味を発揮してほしいなと思っていました。荒川君は(最終)ホームで良いダッシュでしたね。あそこが勝負どころでしたからね。いい緊張感のなかで走れましたけど、かたくなっているところもありました。大きな一走になったと思うので、明日以降につながればなって思います。(最終)1センターで荒川君を迎え入れる態勢をとりましたけど、そのまま荒川君が柴崎さんのところで止まってくれた。そのおかげで外を踏んで伸びました。良く伸びてくれましたね。力んでいる部分がありますけど、一走目なのでしょうがない。明日はその反省をいかしたい。今回から新車でセッティングもいろんな人にアドバイスもらいました。河野(通孝)さんや、(鈴木)謙太郎さん、(吉田)拓矢たちと一緒に練習して、バイク誘導とかもしてもらったので良い報告ができそうですね」
 横山に合わされて外に浮きかけた加賀山淳であったが、冷静に横山の後ろへとスイッチしてそのままゴールまで追いかけていって2着に入線。近況は成績も上向きで、前回から換えた部品をそのまま使ったことも奏功した。
 「初手は単騎だったし、出た位置からでいこうかなって思いました。展開自体はいろいろと考えていましたね。横山君が踏んでくれたおかげで追っていきやすくなった。佐藤君と柴崎君を抜けるなっていう感覚は2センターぐらいでありました。競輪っぽい走りができて楽しかったですね。前回の途中からチェーンを換えて普段なら戻すんですけど、換えずにそのまま走ったら、それが良かった感じですね」


<9R>

 外枠の不利も苦にすることなく9番車の大森恵一がS取りに成功すると、北日本ラインが正攻法に構える。後ろ攻めから上昇していった中島詩音が赤板過ぎに押さえて出ると、中団に構えていた津村洸次郎がその上を叩いて出る。後方7番手となった斉藤楽は打鐘手前から一気の反撃に出る。最終ホーム手前から巻き返していった中島は菊池圭尚にけん制されてスピードが鈍ってしまったものの、最終2コーナーの下りを使って再び加速していくと、そのままゴール線を駆け抜けた。
 「(S取りが早い)大森さんがいたので、後ろ攻めになるかなって思っていました。一周回してからすぐに行けるようにと思っていたんですけど。斉藤君がカマシ気味にいったのもあって、車の出が悪かったですね。後ろがごちゃつく形になってしまったので、そこは反省ですね。アップの感じは良かったんですけど、レースになったら重たかったので、自転車を微調整してみます」
 打鐘付近から仕掛けてでた斉藤をリードしていた菊池圭尚は、中島を懸命に止めようとブロックにいったが中島に避けられてしまう。それでも志村太賀が離れたことを確認すると、斉藤に中島を追いかけさせて、直線で差し脚を伸ばして2着に強襲した。
 「風も強かったですし、斉藤君は自在性もあるって聞いていたので。前から攻めようかっていう感じで。大森君が取ってくれました。行けるタイミングで行ってくれればって思っていましたけど、いいところで前に出てくれました。自分は前回が悪すぎたので、いろいろ改めて練習もケアも取り組んできたので。前回よりはいいと思います。なんとか止めたいと思っていたんですけど、一車だとわかったので。あれだけ前で頑張ってくれていましたし。大森君が落車したのでそこは複雑ですね」


<10R>

 号砲とともに反応良く飛び出した小堀敢太が、S取り争いを制して正攻法に構える。後ろ攻めとなってしまった橋本凌汰が切った上を太田龍希が叩いて出ると、態勢を整えてチャンスをうかがっていた小堀が打鐘付近から一気の仕掛けに出る。最終バック付近から番手の内藤宣彦が車間を空けながら余裕を持ってリードしていたが、小堀が強靭な踏み直しで力強く押し切った。
 「初手は前の方が攻めやすいので前を取った。突っ張りも考えたが、西日本ラインは切るのがうまかったですね。回した方が自分の長所が生きると思った。仕掛けたところは向かい風だったので太田君は飛び付くのがきついだろうなと思った。2センターでカマしても良かったかな。ラインで決められて、ひとまずホッとした。レースが続いているので、そろそろ休みたい。とことんケアしたい」
 小堀とは昨年11月の小田原GIII以来、2度目の連係となった内藤宣彦は、絶好展開をものにできず2着まで。勝ち切れなかった悔しさよりも、小堀の成長度合いに驚きを隠せない。
 「小堀君の踏み直しが凄くてびっくりした。僕のアタマから買ってくれたお客さんには申し訳ない。今日は先行が残っていなかったので、タレるかもしれないと思い残し気味に行ったら踏み直された。踏み直しが強烈でしたね」


<11R>

長田龍拳選手
長田龍拳選手
 1番車の長田龍拳(写真)が自らS取りに出てそのまま正攻法に構える。薦田将伍が後ろ攻めから押さえていくと、中団に構えていた松本秀之慎が中団外まで追い上げていき、長田ラインを後方に下げさせる。逃げる薦田を射程圏にいれていた松本が最終1センターから先まくりを打って出たが、後方で車間を空けて間合いを図っていた長田が最終2コーナーから力強いまくりを放ち、前団をまとめてのみ込んだ。
 「(レースの組み立ては)後ろの動き次第だと思っていました。松本君が位置取りするとは思っていたけど、自分の仕掛けを出し切れなかった。反省点ですね。まくりはいつもやるパターンではないですけど、気持ちで乗り越えられた。前(松本)も踏みながらで仕掛けが合ってしまっても頑張ろうと思ったけど、良い目標にできて、スピードが出た。いつもみたいなスタイルで先行していないけど、感覚は悪くないので大丈夫かなと思います。踏み出しが良かったので」
 2月小倉FIの最終日にも長田と連係していた地元の河野通孝は、今回も長田に振り切られてしまい2着まで。それでも苦しい展開を乗り越えた長田と二次予選への勝ち上がりを決めて胸をなでおろす。
 「ちょっとピンチでしたね。長田君は(打鐘のところで)だいぶ迷ったと思う。上のクラスだと厳しい組み立てだったと思います。あの展開になると番手は前の状況がわかるけど、3番手はきつくなる。長田君は踏み込んだ瞬間にいっちゃうなっていうのがわかるスピードでしたね。自分は付いていて余裕がありましたし、2センターで抜けるかなって思いましたけど、外したら全然進まなかったです。余裕があったのは良かったと思います。状態も確認できました」


<12R>

村上博幸選手
村上博幸選手
 全日本選抜競輪で決勝に進出していた松浦悠士は、前回の西武園を完全優勝して今シリーズに乗り込んできた。当然のように松浦が人気を集めていたが、単騎で初日特選に臨んだ村上博幸(写真)があっと驚くまくりを披露した。
 レースは後ろ攻めとなってしまった嵯峨昇喜郎が中団に構えていた根田空史にフタをする形から、打鐘で前団を叩いて主導権取りへ。単騎の村上と高橋築が負う形となり、人気を背負っていた松浦は5番手で車間を開けてタイミングを見計らう。後方8番手に置かれた根田に動きはなく、最終2コーナーの下りを使って村上が満を持してまくりを発動する。佐藤慎太郎のブロックを乗り越えて3コーナー過ぎに先頭に立つと、そのまま後続を振り切ってゴール線を駆け抜けた。
 「単騎だったので、こういう並びならここにいたいなっていうのはありました。自分自身、脚力に自信があるわけではないので、立ち遅れないようにとは思っていました。あの展開になったら被る前に一回仕掛けようと思っていましたけど。どんどんカカっていったのできつかったですね。持久力がないので、思った以上にきつかったです。やっぱりレース用と(練習で使っている)街道用のフレームと違うので、違和感はあるんですけど、自転車には慣れてくると思うので。あとはもう疲れがでないようにしたいですね」
 中団で戦況を見極めていた松浦が最終3コーナー過ぎから車を外に持ち出したが思うように車が伸びていかない。追走していた久米良が松浦とともに前団のあおりを受けて外に膨らんでしまうと、松浦ラインの3番手を回っていた上野優太が、ガラ空きとなった中のコースをズバッと突いて2着に強襲した。
 「どんな展開になっても松浦さんにお任せだったので。もう信頼してついていました。自分は後ろできれいに回せていたと思います。全然きつくなかったので。感触はすごく良かったです。(前回が終わってから)軽ギアで回してきたので、ロスなく回せていたと思います。この感じが明日(2日目)以降も続いてくれれば」
 村上を追う形で先手ラインに乗っていった高橋築であったが、最終2コーナー付近で前走する村上が先に仕掛ける形となって一呼吸を入れる。最終バックから村上の上を乗り越えようと車を外に持ち出してみたが、思うように車が伸びていかない。それでも懸命に踏み続けて3着に入線した。
 「並び次第では自分で切っていい位置を取れるようにしないとなって思っていました。村上さんよりも先に行けていないので、まだまだかなって。自分も行ったけど出なかったですね。でもなんとか3着に耐えられたのは良かった。そんなにいい状態とは言えないですけど、そのなかでやれることをできるように。ちょっとポジションをいじってみます」