『ワールドサイクリスト支援競輪in取手(GIII)レポート』 3日目編

配信日:3月14日

 関東地区でのリレーGIII、取手競輪場が舞台のデイ開催「第1回ワールドサイクリスト支援競輪(GIII)」は、3月14日に3日目が行われた。準決勝では根田空史、佐藤慎太郎、原井博斗がそれぞれ1着で勝ち上がった。優勝候補筆頭の松浦悠士は横一線の写真判定の末3着と、薄氷を踏みながらも決勝戦にコマを進めた。15日には激戦をくぐり抜けた9名による優勝争いが行われる。
 GIII開催中は15日の最終日も、300名様に先着ファンサービス、茨城選手会ブース、未確定車券ガラポン抽選会、第1特別観覧席早期入場くじ、専門解説者によるレース予想会が予定されています。また、ナショナルチーム所属の中野慎詞選手・中石湊選手「トークショー」、安田大サーカス「お笑いステージ」も予定されています。取手競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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根田空史選手
根田空史選手

渡邉雅也選手
渡邉雅也選手
 根田空史(写真)が正攻法に構え、その後ろで渡邉雅也とジカ競り宣言の上野優太で併走を続ける。初手で後方の位置となった三浦貴大が上昇していき赤板過ぎに誘導員を下ろすと、小堀敢太がその上を押さえてペースをコントロール。後方まで下げてタイミングを窺っていた根田は打鐘過ぎ3コーナーを登っていきながら一気の巻き返しへ。上野が根田の駆け出しに合わせて渡邉を締め込んで根田の番手を奪ったが、一車遅れて追いかけていた渡邉が最終ホームで意地の追い上げに出る。最終バックから小堀がまくりを狙ったが思うように自転車が進んでいかない。最終4コーナーを回ってからも力強く踏み直した根田が堂々と逃げ切った。
 「前が取れれば引いて小堀君だけを見て自分のタイミングで行こうと思った。2日目より踏み直しの感じが良く、しっかり修正できましたね。きれいに踏み直せた。花粉症の影響で鼻の奥が痛くてきついが、体は動いている。セッティングはバッチリでているので。初日の失敗を生かせました」
 渡邉雅也(写真)はいままで自ら別線の番手勝負に出ることはあったが、ジカで競りに来られたのは今回が初めてであった。意地の追い上げでなんとか番手を奪い返して2着に入線したが、決して手放しでは喜ばない。レースを振り返りながら反省点を上げた。
 「僕が競りに行くこともあるし、来るなら勝たないといけなかった。下手、苦手ですね。今日は追い上げで勝っただけ。最初は競りにもなっていない。すぐ近くに見本(父で師匠の渡邉晴智)がいる。競りのことは聞いたことがないが、師匠に頭を下げます。競りだけは教えてくれないんです。照れくさくて聞けていないところもありますけど、自分から聞かないといけないと思うので。追い上げてからは、最終バックで差せると思ったが、根田さんが強かった。競りでは脚が削られていなかったが、追い上げが全開だったのできつかった。追い上げられているので調子自体は悪くないが、競りが下手でセンスがないなと思います」
 最終ホームで根田に叩かれてしまった小堀敢太であったが、前の併走を見ながら最終2コーナーの出口付近から意地のまくりを発動。南関両者をのみ込むことはできなかったが、3着で自身初となるGIII決勝の舞台に漕ぎつけた。
 「できれば根田さんを合わせ切りたかった。飛び付いていっぱいだった。2コーナーで持ち出したが、力が違い過ぎましたね。完敗です。展開も何もかも負けている。どう埋めたらいいのか、帰ってから練習で見つめ直したい。根田さんは特別(競輪)を走っているので落ち着きが違う。一緒に走ると学ぶことも多い。GIII初決勝は素直に喜んでもいいのかな。初日から疲れで体が重く、今日がピークというぐらい、疲れがたまっている。ケアはしっかりやっているので、あと1日頑張りたい」

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佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手

長田龍拳選手
長田龍拳選手
 赤板を過ぎると岸田剛、太田龍希が順に切り、長田龍拳が打鐘2センターで叩いて主導権を握る。叩かれた太田は4番手に入るも、8番手に置かれた小川丈太が最終ホームを目がけて一気に巻き返す。しかし番手の佐藤慎太郎(写真)が1センター過ぎに外に振ると、小川のスピードが鈍ってバック手前で後退。バック付近から岸田がまくり上げるも、4番手外でいっぱい。直線は長田ラインでのゴール勝負となるが、佐藤がゴール寸前で長田をとらえた。
 「見ての通り、長田君が強かっただけ。彼はいろんな気持ちがあるなかで、気持ちの入ったレースをしてくれた。それに付いていってワンツーできたので、良いレースができたと思う。ラインで勝ち上がれるのは最高ですからね。それも前の選手があってのこと。長田君の強さに感謝です。交わせているし、今日(3日目)が一番良い状態で、感覚も今日が一番よかった。今日は味方で長田君の強さを感じただけに、決勝で敵になるのが怖いけど、北日本で結束して頑張りたい」
 打鐘2センターから主導権を奪った長田龍拳(写真)は2着に残り、初のGIIIファイナルのキップをつかんだ。
 「スタートは自分が1番車だったので、取れる位置をと思っていた。ただ前を取ってしまうと、キツいなって思っていたので、初手は思い通りの並びになってくれた。岸田さんがフタをしてきても我慢だと思っていた。結果、展開がすんなり回ってくれて良かった。自分のなかで慌てずに、別線の動きの決着が付いたところでいった。理想通りにいけた。距離が長くてきつかったけど、後ろの佐藤さんと内藤さんを信じて我慢しようと。ラインで決まって一番良い結果でした。今回は気持ちが入る開催。空回りせずに出し切れている。いい気持ちで臨めています」
 ライン3番手の内藤宣彦が3着に入り、ラインで上位独占が決まった。
 「見ての通り、長田君が強い。(長田が強かった分)岸田君がそこまでの感じに見えた。(岸田は)2車でも積極的にくるかと思っていたので、太田君が叩いてくれたときにはラッキーだなって思いましたね。岸田君にフタされて、見ながらいかれるとかを考えていたので。(岸田の動きは)意外でしたね。それにしても長田君がとにかく強い。自分たちには一番良い展開でした。小川君の巻き返しも長田君が合わせていましたからね。決勝に乗って状態悪いとかも言えないし、良い方だと思う。毎日練習している成果が出たかなと思う」

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原井博斗選手
原井博斗選手

中島詩音選手
中島詩音選手
 赤板を過ぎても大きな動きがなかったが、1コーナー過ぎに田口勇介が一気に踏み込むと、同じタイミングで前受けの浮島知稀がぺースを上げる。打鐘手前から田口、浮島の両者が踏み合うも、2センター手前で田口が出切る。叩かれた浮島は、追走が遅れ気味だった佐藤博紀をさばいて番手を取り切る。前団のもつれを見て、松浦悠士は最終ホーム手前から仕掛けるも、佐藤の後退をあおりと中島詩音のけん制を受けて外々を踏まされる。浮島が1センターで外にふくらむと、松浦をけん制した中島は、浮島の内を通って自力に転じる。牧剛央は中島を追いかけるも車間が少し空き、中島の後位には松浦がハマる。2センターで松浦が仕掛けようとするも、中島に合わされてそのまま直線へ。中島と松浦ライン3車による争いとなり、久米良が松浦を張って自らのコースを作るが、最内の中島と久米の間から原井博斗(写真)が鋭く伸び切った。
 「打鐘からスピードが速くて連係を外さないように集中していた。(ほかの2つのラインが)自力-自力で並んでいたので、発進でスピードが上がり外々を回らされると思った。最近は3番手を回る機会が多くて、連結を外して失敗したことがあったので、松浦さんの仕掛けに集中していた。いままでなら離れて4、5着だったと思うが、頭で考えて対応できた。残り半周はいっぱいで必死。最後はどこかこじ開けてでも突っ込もうと思った。いいコースが空きましたね。必死でハンドルを投げました」
 1センターで松浦をけん制したあと、自力に転じた中島詩音(写真)は2着。GIII初の決勝進出を果たした。
 「初めてGIII決勝に乗れたのでうれしい。車番を生かして浮島君が主導権を握ると言ってくれたので、何とか援護しようと思って走っていた。松浦さんが仕掛けて来たのが見えて、接触で内へ降りざるを得なかった。流れでそうなった。後ろに松浦さんがいたのは気付かなくて、いっぱいでした。勝ち上がりの内容が悪かったりしたので修正したい。最近は柔軟に動けて対応できているので、チャンスを逃さず走りたい」
 外々を回されながらもまくる中島の後位にハマった松浦悠士は、4コーナー手前で中島に合わされ、直線はイエローライン付近を通る。ゴール前は久米との3着争いを微差で制した。
 「浮島君が番手に入ったのが見えたので、整える前にと思いホームから行った。中島君のブロックを一回もらった。浮島君は越えられると思ったが、中島君がうまかったですね。浮いたのを確認してインからまくられた。あそこまでされると厳しい。差し切れる感触はあったが、抜きに行く時に振られてもらった部分もあるが、中島君が強かった。スピード感、感触は今日(3日目)が一番良かったが、やられているので。調子はうまくいっているので、引き続き抜かりなく進めたい」