『取手競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:11月10日
 取手競輪開設63周年記念「水戸黄門賞」は2日目。今日は優秀の「助さん格さん賞」をメーンに2次予選6個レースで準決勝進出を争った。「助さん格さん賞」は牛山貴広の逃げに乗った長塚智広が番手まくりでシリーズ連勝。明日は準決勝3個レースでシリーズのベストナインが決まる。
 取手競輪場では3日目もファンサービス、イベントが盛りだくさん。先着1,500名様には2014年度版日本競輪選手会茨城支部オリジナルカレンダーをプレゼント。場内では日替わり予想会(北村和久氏・4R発売中、吉井秀仁氏・7R、10R発売中)、山口幸二氏によるトークショー(5R、8R発売中)、地元選手会石川裕二選手、杉本正隆選手によるトークショー(9R発売中)とイベントも多数予定されています。取手競輪場にて、レースとともにお楽しみください。
選手とドッジボール
選手とドッジボール
記念写真をパチリ
記念写真をパチリ
<5R>
渡部哲男選手
渡部哲男選手
 後方8番手に置かれた山形一気だが、ホームから内をすくうと渡辺航平を飛ばして5番手を確保。藤田勝也のまくりに乗ると、大槻寛徳のブロックに合わせて再度内に切り込む。後ろの渡部哲男に差されはしたが、俊敏な走りで2着に食い込んだ。
 「危ないっすね。もう外には行けないと思って、目をつぶって行きました。体が勝手に動いた感じだし、残り1周はあまり覚えてない。今日はたまたまですね。周りの印象的にはエッ?となっただろうけど明日は通用しないので力を出し切れるようにしたい」
 山形マークから最後は外を回した渡部哲男(写真)が1着。
 「山形が前々に行ってくれたので。2センターで(山形が落車しそうで)怖かったけど、結果オーライですね。まだ、ちょっと疲れはあると思います」
 3着の大槻寛徳は「久々にいいところを回らせてもらった。内、外来られてビックリしたけど、前が頑張ってくれました」と笑顔でレースを振り返った。

<6R>
成清貴之選手
成清貴之選手
 鈴木裕が強風のなか果敢に風を切る。番手の成清貴之(写真)は車間を切って鈴木を援護。ゴール寸前で抜け出した。
 「柏野とか油断できない相手がいるし、今日はギアを1枚落とした。裕が『先行します』と言ってたし、俺も仕事しないといけないなと思ってたけどね。ここ3場所勝ってなかったので余裕がなかった。この借りは次頑張ってもらったときに返します」
 南関3番手から外を回した栗原厚司が2着に。
 「鈴木君が頑張ってくれました。最後は自分が柏野君のコースを行ってれば、鈴木君も残れたと思うと複雑な気がしますね」
 中を鋭く割った柏野智典が3着に突っ込んだ。
 「南関ラインに続かずに、(鈴木と篠原忍で)打鐘過ぎにモガき合わせてと思ったら、(篠原は)アレッ?行かないの?って感じでした。本当は打鐘で南関ラインに付いて行くのがセオリーなんでしょうけどね。けっこう鈴木君もかかってましたね。3着に入れたし脚的には問題ないと思う」

<7R>
石井秀治選手
石井秀治選手
 奥平充男が逃げて阿竹智史が中団。6番手に置かれた石井秀治(写真)だったが、高城信雄のけん制や合わせて中団から出る阿竹の外から豪快に飲み込んだ。
 「ホームの風が強くてキツかったけど、スピードに乗せて勝てたので嬉しかったですね。昨日よりもセッティングを調整できたし、よくなってきた。明日も頑張ります」
 2着には勝瀬卓也が続いた。
 「石井君が強かったですね。阿竹君が中団から一緒に出てきたし、越えられるのかなと思った。グッと出たけど、3コーナーで止まった気もしたので。内に行こうかとも思ったけど、昨日のこともあるしと思ったら(石井が)伸びて行ったのでそっちに。すごい強かったです。疲れもあって調子はよくない。でも昨日より今日のほうがよかったから、明日もっとよくなれば」
 阿竹の仕掛けに乗って最後は内に切り込んだ小川圭二が3着に。
 「阿竹の動きを見ながらだったけど、高城君も持って行ってたので内が空くかなと思った。内は重かったし、余裕で3着かと思ったら2着とはタイヤ差だったからね。今回は練習してきたし、ここ2日間はいいですね」

<8R>
南修二選手
南修二選手
 初日の落車が心配された吉田敏洋だったが、終わってみれば7番手から豪快なまくりを決めて2次予選を突破。最後は南に差されたが、レース後は安どの表情を浮かべる。
 「落車の翌日が一番キツイのを知ってるから不安はあった。1走してしっかり力を出し切れたので、準決勝は安心して走れますね。右の肋骨が痛いけど、明日以降も競輪祭につながる走りがしたい」
 勝ったのは南修二(写真)。吉田の強さは光ったが、最後は鋭い差し脚で逆転した。
 「吉田さんが強かったですね。行ったときのスピードがよかったので、まくると思いました。2コーナーで(吉田が)かかり過ぎてて、どうかな?って感じだったけど、踏み込んでからは抜けるかなと思った。僕の感じもだいぶマシですね」
 3着にはライン3番手の西岡正一が。吉田の仕掛けにきっちりと食い下がった。
 「いいラインだったし離れないことを考えてた。競輪祭もあるので試しに4.42にギアを上げてみたけど、踏み出しもよかったですね」

<9R>
芦澤大輔選手
芦澤大輔選手
 打鐘過ぎはごちゃごちゃする場面もあったが、最終的には天田裕輝がホームから先行。続いた芦澤大輔(写真)が後続の反撃に合わせて直線抜け出した。
 「もう1回ドッキングできるかは紙一重だったけど、天田君がすかさず行ってくれたのが全て。昨日の今日だったのですごく不安だったし、いつになく緊張もしました。天田君の頑張りがありがたかったです。明日はひとつでも上に行けるように頑張ります」
 2着には五十嵐の仕掛けに乗ってコースを突いた大木雅也が入線した。
 「五十嵐君の頑張りですね。僕の脚も悪くないんで。前回は着が悪かったけど感触は悪くないと思ってた。今回結果が出せたのは大きいですね」
 先に動いて3番手を確保した五十嵐力。上手いレース運びで3着に入った。
 「打鐘で強めに踏んだけど、それでも天田君はホームで来たから。突っ張ったら持たないから中団でいいやと。脚を使ってから3着までに入れたのはデカイです」

<10R>
脇本雄太選手
脇本雄太選手
 紫原政文に締め込まれた脇本雄太(写真)は内に詰まる形になり、そこを紫原とはぐれ単騎になった松岡孔明が仕掛ける。番手に入った雨谷一樹はかぶる前に仕掛けたが、これを脇本が力でねじ伏せた。強い走りを見せた脇本だが「冷静に対処できたと思う。でも、(海外遠征の)疲れがまだありますね」。相手が強くなる準決勝での戦いを前に不安要素は疲労度だ。
 離れながらも坂上樹大、大庭正紀が追いかけワンツーかに見えたが、ゴール寸前で落車。2着には川口満宏が突っ込んだ。
 「落車がなくても3着はあった? まあ伸びてるけどね。やっぱり後閑(信一)効果ですね。彼が自力で頑張ってれば、まだまだやれるって励みになる。明日も与えられたなかで3着を目指して頑張ります」
 3着には先まくりに出た雨谷一樹が粘った。
 「脇本さんが内に見えたし、松岡さんも一人で来たのは分かった。道中の流れは見えてましたね。かぶる前に踏もうと思って行ったけど脇本さんのスピードが違った。でも最後まで踏み止めないでよかったです」

<11R>
長塚智広選手
長塚智広選手
 優秀の「助さん格さん賞」は同県の先輩二人に任された牛山貴広が果敢に先行。バックから長塚智広(写真)が自力に転じ、シリーズ連勝を飾った。
 「新田君に先着できるとは思ってなかった。2場所前に変えたフレームが良い感じですね。今日は牛山君に前を任せていたので、彼の自由に走ってもらいました。今日は牛山君のおかげです」
 ライン3番手を回った浦川尊明が2着に続いた。
 「長塚はバイクみたいでしたね。牛山も昨日よりかかってる気がしたし、付け切れてよかった。新田に抜かれなかった時点で前に踏めてるってことですね」
 3着の新田祐大だが、レース内容に不満げ。
 「あの展開なら行くところが2箇所あった。そこで行かなかったのが敗因のひとつですね。牛山さんも斬ってからいいスピードだったし、そこをカマしても全体的にキツいと思った。結果、流れ込みみたいになって申し訳ないです」
 単騎でまくった村上義弘は5着。「イメージより自転車が伸びていない。新田の横までは行きたかった」とレースを振り返った。
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