取手競輪場で開催されている開設67周年記念「水戸黄門賞(GIII)」は、6月4日に2日目が行われた。メーンの優秀「助さん格さん賞」では、吉澤純平と武田豊樹での地元ワンツーが決まり、正念場の準決に弾みをつけた。また、二次予選まわりを余儀なくされた芦澤大輔だったが、勝ち星を挙げて順当に準決へと進んだ。3日目には決勝進出をかけた準決の3個レースで、激しい火花が散らされる。
本場では開催中の毎日、先着ファンサービス(3日目は茨城県産品1000個)を行います。また、予想会(3日目は山口幸二&工藤元司郎)、未確定車券抽選会などを行います。さらに5日の3日目には牛山貴広選手、芦澤辰弘選手によるトークショー、111期の吉田昌司選手のデビュー紹介なども予定されています。取手競輪場では様々なファンサービスとイベントで、お客様をお待ちしています。ぜひ、本場へ足をお運びください。
<6R>

松谷秀幸選手
中団の松谷秀幸にフタをしてから赤板の2コーナーで再度踏み込んだ栗山俊介が主導権。栗山ラインを受けて4番手に下げるかに思われた山田義彦だったが、栗山が空けたインを盛り返して先行。浮いた栗山が最終ホームで3番手に入ると、松谷が7番手から反撃。逃げる山田を松谷が2コーナーでとらえて、続いた成清貴之がタイヤ差、松谷を交わして1着。
「(踏み出しは)やっぱり自分もキツかった。もっとスムーズに行ってくれれば、いいんだけどね。それでも松谷は無理やりでも行くタイプなんで構えてはいました。そういう面では反省するところはありますね。ただ宮倉(勇)さんと3人で決められてよかった。最高の結果です」
ロングまくりで前団を仕留めた松谷秀幸(写真)は、ラインでの上位独占にホッと一息ついて成清に視線を移す。
「(前回の)小松島の準決で成清さんに迷惑を掛けているんでね。今日は失敗できないっていう思いがありました。(山田が)引いて来たらカマすつもりだった。(最終ホームで)1番(栗山)が3番手に入ったのがわかったんで、(栗山が)仕掛ける前に行かなきゃと思った。(調子は)仕掛ければなんとかなる感じです」
松谷ライン3番手の宮倉勇は、最終2センターで山田と絡んだが直線の入り口で踏み勝ち3着。初日に続いて52歳の奮闘が光った。
「山田君に当たられて怯んだけど、もう1回返せた。前の2人が心強かったんでね。(踏み出しで)最初空いたけどすぐに追いついた。前の成清の後輪がしっかり見えていたんで、絶対に離さないぞって思ってました」
「(踏み出しは)やっぱり自分もキツかった。もっとスムーズに行ってくれれば、いいんだけどね。それでも松谷は無理やりでも行くタイプなんで構えてはいました。そういう面では反省するところはありますね。ただ宮倉(勇)さんと3人で決められてよかった。最高の結果です」
ロングまくりで前団を仕留めた松谷秀幸(写真)は、ラインでの上位独占にホッと一息ついて成清に視線を移す。
「(前回の)小松島の準決で成清さんに迷惑を掛けているんでね。今日は失敗できないっていう思いがありました。(山田が)引いて来たらカマすつもりだった。(最終ホームで)1番(栗山)が3番手に入ったのがわかったんで、(栗山が)仕掛ける前に行かなきゃと思った。(調子は)仕掛ければなんとかなる感じです」
松谷ライン3番手の宮倉勇は、最終2センターで山田と絡んだが直線の入り口で踏み勝ち3着。初日に続いて52歳の奮闘が光った。
「山田君に当たられて怯んだけど、もう1回返せた。前の2人が心強かったんでね。(踏み出しで)最初空いたけどすぐに追いついた。前の成清の後輪がしっかり見えていたんで、絶対に離さないぞって思ってました」
<7R>

芦澤大輔選手
後ろ攻めから上昇した山岸佳太が3番手の山本直にしばらくフタをしてから打鐘前に前受けの小嶋敬二を押さえる。7番手となった山本は2センターからスパート。山岸をあっさり抜き去り、湊聖二が続く。吉岡篤志は離れてしまい、山岸が3番手に入って最終バックを通過。2センターで山岸の内にもぐり込んだ芦澤大輔(写真)が直線で山本と湊の間を割って突き抜けた。
「山本君に行かれた時に湊さんをどかせれば…。どかすチャンスはあったので。山岸君もそんなに脚を使ってなかったので、もう1回行けるだろうと期待して迎え入れました。余裕はあったというか、昨日よりいい感じでした。(車の出は)見ての通り、自分でもいい感触はありました。でも、悔しい気持ちの方が強いですね。もっと(山岸を)リードしてあげたかった」
最終バック8番手から大外をまくり上げた小嶋敬二が2着に届いた。
「だいぶしんどい。でも10秒台くらいのタイムは出ていたんじゃない(笑)。最後は(山本)直と勝負だと思っていたけど、伸びましたね」
連日、積極的に攻めている山本直が3着に踏み止まった。
「動きがいいですね。最近の自分ではないみたい。(明日は)チャンレンジャーなんで、もうやるしかない。記念の準決は2回目、上がってすぐに乗って以来です」
「山本君に行かれた時に湊さんをどかせれば…。どかすチャンスはあったので。山岸君もそんなに脚を使ってなかったので、もう1回行けるだろうと期待して迎え入れました。余裕はあったというか、昨日よりいい感じでした。(車の出は)見ての通り、自分でもいい感触はありました。でも、悔しい気持ちの方が強いですね。もっと(山岸を)リードしてあげたかった」
最終バック8番手から大外をまくり上げた小嶋敬二が2着に届いた。
「だいぶしんどい。でも10秒台くらいのタイムは出ていたんじゃない(笑)。最後は(山本)直と勝負だと思っていたけど、伸びましたね」
連日、積極的に攻めている山本直が3着に踏み止まった。
「動きがいいですね。最近の自分ではないみたい。(明日は)チャンレンジャーなんで、もうやるしかない。記念の準決は2回目、上がってすぐに乗って以来です」
<8R>

志村龍己選手
後ろ攻めの松岡健介が打鐘前に切ると、伊早坂駿一がその上を押さえて先制。中団に松岡が収まり、北津留翼は7番手に置かれる。快調に逃げる伊早坂の番手で志村龍己(写真)が車間を切って別線の反撃に備える。最終バックからまくった松岡を外に振って止めた志村が粘る伊早坂を直線で鋭く差し切った。
「伊早坂君がいい先行をしてくれました。かかってましたね。本当に強かったです。車間を切れば何とかなるかなって。松岡さんも見えていたし、しっかり対応できました。ちょっと重く感じたんですけど、1着が取れているのでいいと思います」
伊早坂駿一は先行勝負でパワー全開。2着に残り、初の地元記念で準決に進出した。
「目標は一応、達成できました。今日は中団から(別線が)切った上を行こうと思ってました。しっかり駆けられたと思います。力を出し切るレースができました。明日も今日みたいに力を出し切るだけですね」
中団まくりの松岡は不発。その後ろから坂口晃輔が3着に食い込んだ。
「松岡さんがあそこまで行ってくれたので。今日は外を踏もうと思ってました。そうすれば舛井(幹雄)さんのコースもできますからね。(志村を)抜けると思ったんですけど全然でした」
「伊早坂君がいい先行をしてくれました。かかってましたね。本当に強かったです。車間を切れば何とかなるかなって。松岡さんも見えていたし、しっかり対応できました。ちょっと重く感じたんですけど、1着が取れているのでいいと思います」
伊早坂駿一は先行勝負でパワー全開。2着に残り、初の地元記念で準決に進出した。
「目標は一応、達成できました。今日は中団から(別線が)切った上を行こうと思ってました。しっかり駆けられたと思います。力を出し切るレースができました。明日も今日みたいに力を出し切るだけですね」
中団まくりの松岡は不発。その後ろから坂口晃輔が3着に食い込んだ。
「松岡さんがあそこまで行ってくれたので。今日は外を踏もうと思ってました。そうすれば舛井(幹雄)さんのコースもできますからね。(志村を)抜けると思ったんですけど全然でした」
<9R>

飯野祐太選手
打鐘で先頭に立った横山尚則が後続の隊列を確認しながらペースを緩めると、8番手にいた飯野祐太(写真)が2センター、ドンピシャのタイミングでスパート。グングンと加速してスピードに乗せた飯野は、逃げる横山に並びかけ最終2コーナーでとらえてそのまま押し切った。
「横山君は地元だし先行基本でも(ペースを落として)引っ張るかなと。そこしかなかった。昨日は変なセッティングだったんで、今日は戻しました。昨日はローラーでアップしていても力が抜けるような感じだったけど、今日は力が入りました。(コンディションも)だいぶ良くなっているんで、ここからばん回していきます」
横山ラインの3番手の朝倉佳弘は、最終2コーナーで飯野ラインにスイッチ。2センターから外を踏み込むと、成田健児のけん制にあったが2着に伸びた。
「横山がジャン過ぎに踏めば、俺と(吉田)裕全で車間を空けようと思っていた。そしたら風が強かったんで、(横山が)ペースに入れたんで緩んだ。そこを(飯野に)来られた。あの風は前で受けている選手しかわからないですから。そのあとは裕全を入れる選択肢もあったけど、競り負けてたし。自分でスイッチして自力含みで行かなきゃと」
単騎の川口公太朗は最終ホームで9番手。2コーナーでは前との車間が大きく空いて、万事休すかに思われた。が、2センターから外を踏んで、3着に強襲した。
「自分でどうにかして一発と思っていたんですけど…。ああだこうだ考えている間に最終ホームが来ちゃった。結局、ビビッて動けてない。準決に乗れたのは大きいんで、次に生かせるようにしたい」
「横山君は地元だし先行基本でも(ペースを落として)引っ張るかなと。そこしかなかった。昨日は変なセッティングだったんで、今日は戻しました。昨日はローラーでアップしていても力が抜けるような感じだったけど、今日は力が入りました。(コンディションも)だいぶ良くなっているんで、ここからばん回していきます」
横山ラインの3番手の朝倉佳弘は、最終2コーナーで飯野ラインにスイッチ。2センターから外を踏み込むと、成田健児のけん制にあったが2着に伸びた。
「横山がジャン過ぎに踏めば、俺と(吉田)裕全で車間を空けようと思っていた。そしたら風が強かったんで、(横山が)ペースに入れたんで緩んだ。そこを(飯野に)来られた。あの風は前で受けている選手しかわからないですから。そのあとは裕全を入れる選択肢もあったけど、競り負けてたし。自分でスイッチして自力含みで行かなきゃと」
単騎の川口公太朗は最終ホームで9番手。2コーナーでは前との車間が大きく空いて、万事休すかに思われた。が、2センターから外を踏んで、3着に強襲した。
「自分でどうにかして一発と思っていたんですけど…。ああだこうだ考えている間に最終ホームが来ちゃった。結局、ビビッて動けてない。準決に乗れたのは大きいんで、次に生かせるようにしたい」
<10R>

石井秀治選手
赤板で伊原克彦に併せ込まれた竹内翼は、6番手まで引いて反撃のタイミングをうかがうもなかなか仕掛けられない。3番手の伊原が前団との車間を空けて竹内にプレッシャーをかけると、前受けから誘導を使っていた石井秀治にスイッチが入って2センターで誘導を降ろして先行策。別線に反撃の隙を与えないペースで駆けた石井を、岡村潤がきっちり交わした。
「結構、掛かっていましたね。車間を切れていたので、4コーナーでワンツーが決まるかなって思っていました。(別線が)逃がしてくれたような感じで、(石井)秀治さんが強かった。秀治さんはペースで行っていたし、僕もやりやすかったし、今日は秀治さんのおかげです」
逃げても強い石井秀治(写真)が、ペース駆けで別線を完封して南関ワンツー。
「誘導をもっと使えば楽だったかな。少し前から新しいシューズにしていたので、昨日のレースが終わった後にセッティングを変えてみて、感じが良かった。今日は楽に行けた感じですね。バックの向かい風を貫いてしまえば、誰も来れないなって思っていました」
最終2コーナー手前からまくって出た竹内は不発。3コーナー過ぎからコースを探した柏野智典が、しぶとく追い込んで3着。
「これも勉強だし、竹内君はいい経験になったと思います。最後はスピードをもらって3着に突っ込むことができました」
「結構、掛かっていましたね。車間を切れていたので、4コーナーでワンツーが決まるかなって思っていました。(別線が)逃がしてくれたような感じで、(石井)秀治さんが強かった。秀治さんはペースで行っていたし、僕もやりやすかったし、今日は秀治さんのおかげです」
逃げても強い石井秀治(写真)が、ペース駆けで別線を完封して南関ワンツー。
「誘導をもっと使えば楽だったかな。少し前から新しいシューズにしていたので、昨日のレースが終わった後にセッティングを変えてみて、感じが良かった。今日は楽に行けた感じですね。バックの向かい風を貫いてしまえば、誰も来れないなって思っていました」
最終2コーナー手前からまくって出た竹内は不発。3コーナー過ぎからコースを探した柏野智典が、しぶとく追い込んで3着。
「これも勉強だし、竹内君はいい経験になったと思います。最後はスピードをもらって3着に突っ込むことができました」
<11R>

脇本雄太選手
後ろ攻めの脇本雄太(写真)が赤板の1センターから踏み上げると、これに合わせて3番手から動いた藤田大輔が打鐘前に先頭に立つ。山賀雅仁が踏み遅れて、いったん藤田の後位に収まった脇本だが、3コーナーからすかさず仕掛けて主導権奪取。これで別線は手も足も出ない。最後まで全力で踏み切った脇本が先頭でゴールを駆け抜けた。
「スピードが合ってしまったら番手でも3番手でもと思っていたんですが、前が緩んだので先行勝負しました。気持ちを引き締めようとしているけど、集中しきれてない感じがします。ちょっと疲れが取れてなくて、キツいですね。でも、徐々によくなっていると思います」
番手絶好の古性優作は脇本を交わせず2着。淡々とレースを振り返る。
「(脇本が)めちゃくちゃ強かった。(差せなかったのは)自分の力不足ですね。今日はシューズを試したんですが、失敗したので元に戻します。クランクも換えてみます」
近畿ライン3番手の真田晃は離れてしまい、最終ホームで3番手に飛び付いた藤田大輔がそのまま3着に入った。
「打鐘のところで踏んでおかないと位置は取れないですからね。あの位置を取れたのが大きかったです。外を踏めればよかったんですけど、余裕がなかったです。山賀(雅仁)さんには申しわけなかったですね。もう少し脚をつけます」
「スピードが合ってしまったら番手でも3番手でもと思っていたんですが、前が緩んだので先行勝負しました。気持ちを引き締めようとしているけど、集中しきれてない感じがします。ちょっと疲れが取れてなくて、キツいですね。でも、徐々によくなっていると思います」
番手絶好の古性優作は脇本を交わせず2着。淡々とレースを振り返る。
「(脇本が)めちゃくちゃ強かった。(差せなかったのは)自分の力不足ですね。今日はシューズを試したんですが、失敗したので元に戻します。クランクも換えてみます」
近畿ライン3番手の真田晃は離れてしまい、最終ホームで3番手に飛び付いた藤田大輔がそのまま3着に入った。
「打鐘のところで踏んでおかないと位置は取れないですからね。あの位置を取れたのが大きかったです。外を踏めればよかったんですけど、余裕がなかったです。山賀(雅仁)さんには申しわけなかったですね。もう少し脚をつけます」
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吉澤純平選手
地元勢に諸橋愛が固めて4車でまとまった吉田拓矢ラインと、佐藤慎太郎とタッグを組む新山響平。互いに意識し合う107期の2人が、プライドをかけて譲れない先行バトルを繰り広げた。6番手から吉田拓が早めに上昇を始めて、新山に併せ込んでから赤板過ぎに主導権を握る。4番手の諸橋が出切る前に新山も巻き返して襲い掛かるが、番手の吉澤純平(写真)の一発で終了。数的に有利な吉田拓に軍配が上がった。敢然と逃げる吉田拓に抜かりなく続いた吉澤は、原田研太朗に合わせて最終2コーナーから番手発進。原田のまくりを不発に追いやって勝ち星を挙げた。
「(新山が)いいスピードだったんでやれることはやろうと。そのあと(原田のまくりは)見えてなかったけど、なんとなく来ているかなと。それでタテに踏むしかなかった。(前々回の)大宮くらいから感触がつかめてきた。(前回の)全プロでは結果に結びつかなかったけど、体の感覚は良かった。(ラインの)先頭と番手のレースは違う。でも、後輩も出てきたんで、回れる時はしっかりとって思っている。そういう気持ちの準備はしてきた」
目標の新山が吉澤のブロックで後退すると、佐藤は武田豊樹のヨコに追い上げて最終ホームでキメにかかる。武田は輪界屈指のマーカー佐藤との勝負を制したが、自力に転じた吉澤に遅れて原田に割り込まれる。原田が外を踏んで浮いたところで吉澤に追いつき2着をキープ。クールダウンを終えた武田が口を開く。
「キツかったです。あのスピードで(佐藤は)追い上げて来るんだからすごい脚力ですよ。今日は前に尽きますね。吉田(拓)君が新山君と力勝負して、吉澤君が判断良く出ました。自分は必死。若い力が大きい。原田君をなんとか抜きたかった。諸橋君も続いてくれたし、車券には貢献できたかなと思います。すごいですよ、競輪は。勉強になります」
武田に流れ込んで3着の諸橋愛は、冷静に振り返る。
「(佐藤は)最初、俺んところだったけど、武田さんに行った。最後は武田さんの脚勝ちみたいな感じで、自分は付いていっただけ」
単騎の原田研太朗は、9番手から最終ホームでロングまくりを打つ。一度は番手まくりの吉澤後位に入ったが、そのままねじ伏せにいったところを合わされて力尽きた。
「新山君が降りてきて、僕らのタイミングがズレた。でも、単騎だったし仕掛けた方がと思って踏みました。あのままシビアにいけば、(吉澤を)抜けなくても2着はあったと思う。だけど、今日は力を出し切りたかった」
地元で主導権を死守した吉田拓矢は、ラインを上位独占に導いたものの自身はシンガリに沈んだ。
「新山さんと力勝負をしていいって言われたんで、ありがたかったです。だから、主導権を絶対に取ろうと思っていた。結果、ラインで決まったのは良かった。でも、これで満足とは思わない。まくられないようにして、いずれ自分も粘れるようにならないと」
「(新山が)いいスピードだったんでやれることはやろうと。そのあと(原田のまくりは)見えてなかったけど、なんとなく来ているかなと。それでタテに踏むしかなかった。(前々回の)大宮くらいから感触がつかめてきた。(前回の)全プロでは結果に結びつかなかったけど、体の感覚は良かった。(ラインの)先頭と番手のレースは違う。でも、後輩も出てきたんで、回れる時はしっかりとって思っている。そういう気持ちの準備はしてきた」
目標の新山が吉澤のブロックで後退すると、佐藤は武田豊樹のヨコに追い上げて最終ホームでキメにかかる。武田は輪界屈指のマーカー佐藤との勝負を制したが、自力に転じた吉澤に遅れて原田に割り込まれる。原田が外を踏んで浮いたところで吉澤に追いつき2着をキープ。クールダウンを終えた武田が口を開く。
「キツかったです。あのスピードで(佐藤は)追い上げて来るんだからすごい脚力ですよ。今日は前に尽きますね。吉田(拓)君が新山君と力勝負して、吉澤君が判断良く出ました。自分は必死。若い力が大きい。原田君をなんとか抜きたかった。諸橋君も続いてくれたし、車券には貢献できたかなと思います。すごいですよ、競輪は。勉強になります」
武田に流れ込んで3着の諸橋愛は、冷静に振り返る。
「(佐藤は)最初、俺んところだったけど、武田さんに行った。最後は武田さんの脚勝ちみたいな感じで、自分は付いていっただけ」
単騎の原田研太朗は、9番手から最終ホームでロングまくりを打つ。一度は番手まくりの吉澤後位に入ったが、そのままねじ伏せにいったところを合わされて力尽きた。
「新山君が降りてきて、僕らのタイミングがズレた。でも、単騎だったし仕掛けた方がと思って踏みました。あのままシビアにいけば、(吉澤を)抜けなくても2着はあったと思う。だけど、今日は力を出し切りたかった」
地元で主導権を死守した吉田拓矢は、ラインを上位独占に導いたものの自身はシンガリに沈んだ。
「新山さんと力勝負をしていいって言われたんで、ありがたかったです。だから、主導権を絶対に取ろうと思っていた。結果、ラインで決まったのは良かった。でも、これで満足とは思わない。まくられないようにして、いずれ自分も粘れるようにならないと」