『宇都宮競輪開設76周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:5月16日

 開設76周年宇都宮記念「第1回レジェンド神山雄一郎カップ(GIII)」は5月16日に2日目が開催された。メインの二次予選ではS班の眞杉匠、新山響平、清水裕友をはじめ、初日特選組を中心とした主力陣はほぼそろって勝ち上がりを決めたが、この日は二次予選を含め3連単はすべて万車券決着と、好配当が続く一日だった。17日はいよいよ決勝進出者を決する準決3番勝負が行なわれる。
 記念開催中は毎日、先着500名様に餃子無料券をプレゼント。競輪予想会、地元競輪選手トークショー、餃子の実演販売、グルメフェスティバル、未確定車券抽選会、地元選手応援コーナー、神山雄一郎記念コーナー、選手会栃木支部ブースなども予定されています。さらに週末の17日は神山雄一郎さんのトークショー、浅田舞さんのトークショー、ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーのショー&ハイタッチ会、猿回し、ジャズライブなどイベントが盛りだくさん。宇都宮競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<6R>

吉田有希選手
吉田有希選手
 後ろ攻めの伊藤旭が打鐘で切ると、初手で中団の吉田有希(写真)がすかさず叩きにいき先頭に立つ。3番手の高塩譲次の位置を浅井康太が狙ってもつれる形で最終ホームを通過。逃げる吉田は中団のもつれをしり目にペースで駆けると3番手を取り切った浅井、山口富生に絡まれるも凌いで4番手の伊藤は動けない。長島大介が車間を空けて別線をけん制して直線に入ってから追い込むも、吉田が力強く踏み直して振り切った。
 「もう少し踏めば高塩さんも絡まれなかったかもしれないですけど、浅井さんも動き的に(高塩のところを)狙っていましたよね。初日もそうですけど、長島さんが車間を空けてくれて、残してもらった形です。先行自体は申し分ない。初日より自転車も馴染んでいる。距離を踏んでの1着ですしね。タイムよりも自分は漢字の競輪しかできないので、ラインを生かすレースができたと思う」
 長島大介は車間を空けて吉田を援護。ゴール前で差し切るかと思われたが、捕らえることは出来ず2着。レース後は勝ち切れなかったことを反省する。
 「吉田君が先行しやすいなと。(先行)してくれたら(番手の仕事を)頑張ろうと。後ろのごちゃつきが見えて、確認したら浅井さんがいた。浅井さんを警戒していたら吉田君が強いのを忘れてて。(別線がきたら)ブロックしないといけないと思って、車間を空けて(直線で)踏んだら吉田君が遠くて。1着を取らないといけない展開だったけど、吉田君が強かった」


<7R>

芦澤大輔選手
芦澤大輔選手
 後ろ攻めとなった中井太祐が打鐘で切ると、森田一郎は嘉永泰斗に若干絡まれながらも切りに動いてホーム手前で先頭に立って駆ける。最終2コーナーで嘉永が7番手からまくり上げて好スピードで前団に迫る。しかし、2センターで芦澤大輔(写真)が外に振って嘉永のスピードを緩めると4コーナーでも再び外に振って勢いを止める。芦澤は返す刀で抜け出して1着でゴールした。
 「森田は押さえ先行が苦手と言っていたので、取手で一緒だった時に苦手なことをやんないと、とは言っていた。初手は中団から、そこからは出させないという力強い走りをしてくれた。一本棒で一番強いラインを後方に置くっていう走りをしてくれた。バックが向かい風だったけど、このかかりなら別線が来てもそこまでいいスピードでは来られないだろうと。(勝てたのは)前のおかげ。1着を取れているし、感じも悪くない。神山(雄一郎)さんの冠レースを走れるのはうれしく思う。それと同時に神山さんの残した功績の偉大さを感じる」
 嘉永泰斗は前受けから下げて7番手で態勢を整える。前との車間を空けつつ、詰める勢いで2コーナーからまくる。芦澤のけん制を受けて失速するも耐えて2着に入った。
 「自分の走りをしようと思っていたけど、結果的に(森田に)楽に駆けさせてしまい苦しくなった。今の状態だとやったほうですかね。状態はあんまり…。ケアをするしかないですね。自転車は悪くないので体を整えて。あとやっぱり宇都宮は良くないですね」


<8R>

阿部拓真選手
阿部拓真選手
 原田研太朗が後ろ攻めから打鐘で切ると、嵯峨昇喜郎が打鐘4コーナーで叩く。前受けから下げていた坂井洋は原田が内を空けた隙を見逃さずに掬って中団を奪って最終ホームを通過する。嵯峨がペースで駆けると別線は最終バックでも動けず、車間を空けて嵯峨を援護していた阿部拓真(写真)がゴール前で抜け出して白星を挙げた。
 「スタートはあの位置が理想かなと。嵯峨君が別線の動きを見ながら冷静に駆けてくれた。かかりが良くて(別線は)まくり追い込みかなと。最高の展開でしたね。初日に自分で動いた分、余裕を持って走れた」
 坂井洋は原田ラインを掬って中団を確保すると、前と車間を空けて間合いを取る。2センターから一気に車間を詰める勢いで踏み込むも2着に届くのが精いっぱいとなった。
 「嵯峨君がすかさずきたので、(自分も)切るかなと。(嵯峨に)踏まされたら中団におりようかと考えていた。でも原田さんがバック踏んで(嵯峨に)フタされる感じでそれなら内にいってと思った。(嵯峨が)登りながらいったので自分は仕掛けづらかった。(仕掛けたときに)3コーナーを登らないようにと思って仕掛けたけど、もうひとつ早くいかないとダメでしたね。修正点はVTRを見て考える」


<9R>

岩津裕介選手
岩津裕介選手
 後ろ攻めとなった後藤大輝が上昇して打鐘で切ると、合わせて上昇した鈴木裕はアンコになり車を下げて、前受けから後藤を受けた幸田望夢がすんなり3番手に入る。後藤がホーム過ぎから踏み上げるも合わせて松浦悠士が6番手の位置から反撃開始。しかし岩津裕介(写真)は口が空いてしまい、幸田が俊敏に切り替えて松浦を追いかける。松浦は逃げる後藤をバック手前で捕らえて、そのまま押し切るかと思われたが、直線で幸田が交わしにかかる。しかし、松浦に離れて幸田後位に入っていた岩津が最後は突き抜けた。
 「もうちょっときれいに追走できて、連係を外さなければ何ともないレースだったんですけど。ジャンで遅れたぶん、そこから全部がしんどくなった。松浦はずっとタイミングを取っていて、緩んだタイミングでダッシュをされてしまったので」
 幸田望夢は岩津が松浦に口空いたのを見逃さず、振ってから松浦を追いかける。直線で松浦を交わすも岩津には伸び負けて2着での勝ち上がり。
 「1着の夢を見たけど、最後は態勢を崩してハンドル投げが遅れた。スタートは出るだけ出てって感じで、ラッキーな位置取りでした、体が勝手に動いて前に付いていった感じです。いつもと同じレースではなく、勝ち上がるレースをした感じですね。準決に上がれたのはうれしいけど、緊張すると思う」


<10R>

清水裕友選手
清水裕友選手
 黒沢征治が後ろ攻めから打鐘で切りにいくと、前受けの坂本周輝も突っ張り気味に動く。そこを真鍋智寛がすかさず叩いて打鐘4コーナーで先頭に立つ。東龍之介と真鍋の番手で競り合う清水裕友(写真)は一瞬踏み遅れるも番手に追い上げて最終ホームを通過する。中団は坂本と黒沢で併走しており、ペース駆けの真鍋が2コーナーで踏み上げると清水は踏み出しで東に競り勝つ。番手を守り切った清水はゴール前で真鍋を交わしてゴールした。
 「ジャン3で(真鍋に)遅れてそこだけがやばかった。(真鍋は)落ち着いていってくれた。ワンツー決まってとりあえず良かった。(競りの)経験もあるけど、緊張しましたね。久しぶりにピリッとしました。体自体は軽かったですね」
 真鍋智寛は後続が競りの難しいレースとなったが、落ち着いた走りで逃げ粘った。
 「スタートは前か中団からでセオリー通り、(別線が)切ったところを仕掛けようと。(仕掛ける)順番がきて清水さんが遅れたのがわかって、(清水が)追い上げてくれて2コーナーのくだりで踏めば(清水は)勝てるなと。今日は余裕がありました。いつまくられるか怖かったですけど。SS班と初めて連係して緊張したけど、任せてもらえたことがめちゃくちゃ嬉しかった。直前の合宿で良い感じで走れていたので、自信があった」


<11R>

新山響平選手
新山響平選手
 後ろ攻めの新山響平(写真)が打鐘で上昇するも中団の蕗澤鴻太郎が合わせて踏んで新山を出させず、前受けした小森貴大を叩いて先頭に立つ。小森は車を下げ切れず4番手の位置で併走する形になり最終ホームを通過。後方で立て直した新山は2コーナー手前から一気に加速。番手の佐藤慎太郎が離れるスピードのまくりで逃げる蕗澤を3コーナーで捕らえると、そのまま後続を突き離して圧勝した。
 「押さえに行きたかったけど、見られて警戒されていたので押さえにいきづらかった。結構前が踏んでいたので合っちゃうなと思って様子を見た。500バンクでまくる時に何回か失敗しているので、気持ち早めに行って、いつもよりタイミングは良かったと思う。でも後ろは付きづらい仕掛けになってしまったので反省です。筋肉痛の感じも初日よりはマシ。股ズレが少しあるのでそこだけですね」
 蕗澤鴻太郎は新山にまくられたが、懸命な踏み直しで後続に抜かれることなく、2着に逃げ粘った。
 「どんだけ脚を使っても先頭には出て、あとは行ける所までと。出るまでに脚を使っていたので、(バックでは)脚にきていた。(新山が)1人で来たので、追っかけながら最後はガムシャラに踏んだ。前回はあまり調子が良くなくて、今回も調子はいいわけではないけど、気持ちだけ前々にと走っている。準決にいけたのは収穫。しっかり力を出し切って決勝に上がれれば」


<12R>

武田豊樹選手
武田豊樹選手
 スタートけん制が入り眞杉匠が前受けする。打鐘で切りにきた東矢圭吾を突っ張りそのまま先行態勢に入り最終ホームを通過する。中団で後藤悠と東矢が併走していると眞杉がペースを上げて別線は動けない。最終4コーナーを回って番手の神山拓弥が抜きにいくが3番手で終始内を締めていた武田豊樹(写真)がその外を鋭く突き抜けた。
 「(突っ張りにきた)相手がすぐやめる形になったし、(眞杉が)長い距離を踏んでくれた。最後まで内を締めていましたね。最後はゴール前勝負なので抜きにいった。展開的に内を締めながら抜きにいったのでどうかなと思ったけど(1着で)良かった。(初日に続いて)気持ちが入っていたけど、今日は楽に走れた」
 神山拓弥は絶好展開を迎えて眞杉を交わすも3番手の武田に抜かれて2着となった。
 「自分の感触よりも眞杉君がいつもの雰囲気より伸びていかなかった。本来の(眞杉の)かかりなら厳しかったけど、今日の眞杉君はあまり良くなかったと思う。(最後も)いつもの(眞杉の)踏み返しのイメージで抜きにいったけど、いつもの感じじゃなくて。(自分の状態は)良くなってきている」