『宇都宮競輪開設76周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:5月17日

 開設76周年宇都宮記念「第1回レジェンド神山雄一郎カップ(GIII)」は5月17日が大会3日目。この日はあいにくの雨模様で、準決11レースで3連単37万円近く、12レースでは13万円近い高額配当が飛び出すなど前日と同様に一筋縄ではいかないレースの連続となった。その中でメインの準決では地元の坂井洋、神山拓弥と嘉永泰斗がそれぞれ1着をゲット。S班からは清水裕友がしっかり勝ち上がりを決めた。18日には最終日を迎え、12レースで優勝者を決める決勝の号砲が鳴らされる。
 記念シリーズは最終日も先着500名様に餃子無料券をプレゼント。競輪予想会、地元競輪選手トークショー、餃子の実演販売、グルメフェスティバル、未確定車券抽選会、地元選手応援コーナー、神山雄一郎記念コーナー、選手会栃木支部ブースなどが予定されています。さらに神山雄一郎エキシビションレース(神山さんと地元選手による引退記念レース)、神山雄一郎さんのトークショー、「U字工事」のお笑いライブも実施予定です。宇都宮競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<10R>

坂井洋選手
坂井洋選手

阿部拓真選手
阿部拓真選手
 後ろ攻めの幸田望夢が打鐘で切りにいくも前受けした蕗澤鴻太郎が突っ張って出させない。それでも幸田が負けじと踏み上げると蕗澤との踏み合いになり最終ホームを通過する。踏み合いを見逃さなかった清水裕友が1センター手前からまくり上げると、合わせて踏み込んだ坂井洋(写真)が、清水後位の岩津裕介が遅れたことで清水の番手にハマり最終バックを通過。態勢を整えた坂井が直線で追い込み決勝一番乗りを決めた。
 「(幸田が)中途半端になったけど、前がいたおかげで1着が取れた。幸田君も全力を出せていない感じでもったいなかった。(幸田は)いくならいく、いかないならいかないでメリハリをつけないとダメでしたね。(幸田が出切れば)長島(大介)さんも絡まれることはなかったと思うから難しかった。(スイッチしたところは)一瞬でスピードを上げるのが持ち味なので。(地元の宇都宮は)特進したチャレンジをのぞいて決勝に上がっていない。地元は相性が悪いというか、良いイメージじゃない」
 蕗澤に前を任せた阿部拓真(写真)は最終1コーナー手前で踏み遅れてしまい、坂井に入られる。しかし、2コーナーの入り口で坂井が踏み込むと長島大介をさばきながら坂井にスイッチ。併走した岩津を3コーナーでどかして坂井を追走して2着に入った。
 「前からが理想かなと思ってスタートは前を取りに行った。打鐘のところは(蕗澤が)下げるかなと思ったら、スイッチが入ったみたいですね。幸田君と蕗澤君のどっちが勝つかわからず、坂井君に入られたのは反省ですね。スイッチしたところはうまく対応できた。日に日に(状態が)良くなってきている」
 清水裕友は蕗澤と幸田の踏み合いを一気にまくり切るも直線に入って失速して3着に。ギリギリでの勝ち上がりとなった。
 「(幸田が)切って4番手の位置を取るのが一番良かったけど、(幸田が)切るのが難しそうで下げてからいきました。詰まったところでいけましたね。バックまでは良かったけど、出てからは回転が…。踏み上がる感じがなかった。ギリギリの3着。500バンクは仕掛けところがわかりやすい」

<11R>

嘉永泰斗選手
嘉永泰斗選手

小森貴大選手
小森貴大選手
 後ろ攻めの森田一郎は初手で5番手を取った新山響平にフタをしてから打鐘過ぎに先頭に立つ。8番手に下げた新山が打鐘4コーナーからくだりを使って反撃に出ると、森田も合わせるように踏み上げて両者で踏み合う。最終1コーナーからまくり出た嘉永泰斗(写真)は番手の浅井康太が離れるほどのスピードで襲い掛かり3コーナー過ぎに前団を捕らえると、後続を離してゴールした。
 「初手は新山さんの前かその後ろと思っていたけど、近畿が前を取ったので。あとは後ろ(新山と森田)がやり合ってくる感じかなと。わりと冷静に周りは見えていた。出脚は良くなかったけど、そのあとの伸びは今日が1番良かった。自転車を少しいじったくらいで、そこまで大きくは変えていない」
 小森貴大(写真)は嘉永がまくって浅井が離れたのを確認すると、バック手前から嘉永を追いかける形でまくり2着に入った。
 「自分たちが一番力のないラインだし、新山君対森田君という構図を作って、そこから力を出し切れればと思っていた。道中のスピードがすごくて1コーナーで2回後輪がドリフトしてしまった。それで(山田)久徳さんにも迷惑をかけた。しっかり前にとは思ってそれで結果も出たけど、ラインで決まっていないので、しっかりラインで勝ち上がれる自力自在選手になれるように」
 伏見俊昭は目標の新山が森田に踏み勝ち、最終バックで芦澤大輔に絡まれるも耐える。ゴール前で新山を交わして3着に入った。
 「(新山)響平が1番車だし、全て任せていた。自分は響平の踏み出しに集中していて、周りを見る余裕はなかった。森田が強いし、響平も出切るのに時間がかったと思うし脚を使ったと思う。自分はチャンスをモノにできて良かった。ここ最近は1着が取れているし、4コーナーからの伸びも申し分ない。年齢的にも納得のいくデキだし、心身共に悪くない」

<12R>

神山拓弥選手
神山拓弥選手

小原太樹選手
小原太樹選手
 正攻法に構えた吉田有希が誘導員との車間を取って打鐘で7番手から上昇してきた真鍋智寛を突っ張る。打鐘4コーナーで真鍋が再び巻き返しに出て、最終ホームで眞杉匠が真鍋を押し上げると、松浦悠士が落車。1センター過ぎに嵯峨昇喜郎がまくるも、眞杉が合わせて番手からまくり出て、合わせ切りそのまま押し切るも押し上げで1着失格。追走していた神山拓弥(写真)が1着に繰り上がった。
 「眞杉君が残念です。(後ろから見ていて)どうかなと思ったけど、あの形では厳しいかなと。(眞杉が)最後まで頑張ってくれた。眞杉君が決勝に乗ってこそ盛り上がるので、複雑です。地元で(記念で優出して)うれしい。決勝に乗れたので、坂井(洋)君と2人で頑張りたい」
 小原太樹(写真)は目標の嵯峨が眞杉に合わされると3コーナーで神山の後ろに切り替える。ゴール前は1着に繰り上がった神山に迫った。
 「関東勢は突っ張りだと思っていたし、初手で良い位置が取れた。(嵯峨が)どこかでいってくれれば3人で(決まる)かなと。眞杉君が車間を切る前に嵯峨君がいってくれたけど、SS(班の眞杉)は合わせてきましたね。そこからは嵯峨君には悪いけど、シビアにいかせてもらった。神山さんを抜けたらベストでしたけど、眞杉君もかかっていたので。(前を)抜ければ100点でした」
 大塚玲は小原を懸命に追走。直線で離れてしまうが、繰り上がりでの決勝進出となった。
 「(記念の決勝に乗れて)うれしい。頑張った甲斐があった。繰り上がりですけど。バックで(コース取りを)迷ってしまった。初日をクリアできてそこで気持ちがのってとんとん拍子で(決勝まで)いけた」