『宇都宮競輪開設77周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:5月29日
 宇都宮競輪場で開設77周年記念「第2回レジェンド神山雄一郎カップ(GIII)」が、5月30日よりスタートする。宇都宮競輪の記念開催は、昨年度より地元栃木の生んだ大スター・神山雄一郎さんの名を冠する開催へと生まれ変わった。地元勢は不動のエース眞杉匠を中心に、神山拓弥、坂井洋、杉浦侑吾らが総力を結集して、優勝を逃した第1回大会のリベンジを期する。S班からは眞杉に加え、吉田拓矢、寺崎浩平、南修二の4名が参戦。さらに、松本貴治、荒井崇博、菅田壱道、渡部幸訓、村上博幸、浅井康太、岩本俊介、そして昨年覇者の小原太樹など錚々たる顔ぶれのそろう豪華なシリーズとなった。
 記念シリーズは開催中の毎日、未確定車券抽選会、餃子実演販売、肉祭、SPEEDチャンネルレース展望会&トークショー、地元競輪選手トークショーなどが予定されています。また、5月30日の初日には、「超宇宙刑事ギャバンインフィニティ」ショー、おさるランド、ジャズライブ、新人選手紹介イベント、キッズらいりんパークなども予定されています。宇都宮競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<1R>

北井佑季選手
北井佑季選手
 4月に特別昇級でS級に戻ってきた北井佑季(写真)は、復帰2場所目となった名古屋GIIIを制して存在感をアピールした。前回の伊東FIで落車しているが、状態面に不安はなさそうで、パワフルな走りに注目だ。
 「(伊東の落車は)擦過傷のみで、打撲とかはなかったので問題ないと思います。すぐに練習もしましたし、体調も問題ない。でもやっぱり長い間、走っていなかったですし、9車立て(のレース)もそんなに多くないので。しっかりと走るなかでレース勘だったりをさらに上げていきたい。走っていないときはレースを見ていたので、以前よりも流れのなかで力の出し方を考えるようになったと思います」
 3月防府で行われたウィナーズカップの最終日にビッグ初勝利を挙げた篠田幸希が期待枠となる1レースの1番車に抜擢された。前回の伊東FIは準決勝で大敗を喫してしまったが、まくりと先行で2勝を挙げた。
 「(GIIIの1R1番車は)何度かあります。朝が早いけど頑張ります。前回はシューズを換えて走って感じは良かったので、あとは頭が付いてくれば。自分でレースを作れないことが多いので、そこですね。500バンクは好きだし、どうにか頑張りたいです」


<2R>

西田優大選手
西田優大選手
 4月の名古屋GIII決勝で落車のアクシデントに見舞われた西田優大(写真)であったが、復帰戦となった前回の全プロ記念は2日間とも積極的な走りで別線を苦しめていた。
 「前回は新フレームだったっていうこともあったので、試したい部分もありました。走った感じ悪くなかったですし、セッティングとかもいじるところはほとんどない感じです。宇都宮はルーキーシリーズで一度だけ走っています。あんまり500バンクは得意じゃないと思います」
 木村佑来はスピードを生かした積極的な走りが売りで、強気な仕掛けでレースを動かしている。初対戦となる西田に対してどう挑むのか注目したい。
 「全プロは競技(のスプリント)だけ出ました。そこから中3日で、練習はして来たけど、いいか悪いかはわからないので、走ってみてですね。500バンクのイメージは何とも言えないですね。自分は地脚がないので、まずはそこの勝負。早めに風を切ることは意識しているけど、それだけだと勝ち切れないし、無理に踏み合ってもまくられてしまう。最近はそのあたりを考えながら走るようにしている」


<3R>

 2024年デビューの福田稔希は、昨年8月にS級へと特別昇級をしてからも積極的な走りで奮闘している。3月いわき平で落車のアクシデントに見舞われたが、46日間の長期欠場期間を経て4月の熊本FIで復帰を果たすと、前回の松山FIでは久しぶりの決勝進出を決めて復調をアピールしており、初の地元記念に挑戦する。
 「S級に上がってからは、ずっとここ(地元記念)を目標にしてきた。結果もだけど、まずは楽しんで魅せるレースをしていきたい。眞杉(匠)さん、坂井(洋)さん、神山(拓弥)さんといった地元の先輩を後ろに付けた時にどういうレースができるかが重要だと思うし、まずはそこまで勝ち上がれるようにしないと。芦澤(大輔)さんとは連係したこともあるし、安心して駆けられる。まずは初日にやることをやるだけですね」
 近況の渡口勝成は競走得点がアップしてきているが、レース内容には満足していない様子。4月の熊本FI初日にも対戦している福田とのマッチアップとなるが、冷静に相手の力を分析しながら攻略法を探る。
 「バックを取りたいけど、最近はバックを取れないことが多い。焦って駆けてしまって早めにまくられたりしていますね。力負けって感じです。(3月の)伊東は3日間バックを取れて良かったんですけど、次の武雄記念前に練習しすぎてしまい、(状態が)落ちてしまった。福田君はペースで駆けると強いし、番手は芦澤さん。相手は強いけどどうにか勝ち上がれるように頑張りたい。先行とまくりのどちらの展開でも力を出し切れるように」


<4R>

 三谷竜生は2月の全日本選抜競輪で失格してからリズムを崩してしまっているが、試行錯誤を繰り返しながら変わらぬ闘志で奮闘している。当所記念は初めてとなるが、復調中の岡崎智哉とともに別線攻略を目指す。
 「前回の武雄(全プロ記念)は着以上に動けてはいましたし、徐々に良くなってきていると思います。練習メニューを変えたり、自転車のセッティングも微調整しながらですね。自転車を換えれば、同じシューズでも感覚は違ってきますし、いろいろと試しながらやっています」
 昨年6月の高松宮記念杯でGIデビューを果たした寺沼拓摩。今年に入ってからは全日本選抜、ウィナーズカップ、日本選手権とビッグレースにフル参戦中ではあるが、課題が浮き彫りになっている様子。
 「最近の動きは悪くないけど、脚力がまだまだ足りない。(ビッグレースにも出場するようになり)余計に力のなさを感じるし、まだまだだなと思う。脚力の底上げが必要ですね。500バンクは直線が長いしあまり好きではない。でも地元の真崎(新太郎)さんに任せてもらえたし、しっかり頑張りたいです」


<5R>

小原太樹選手
小原太樹選手
 76周年大会覇者の小原太樹(写真)は4月岸和田FIで落車した影響を引きずっていたが、前回の全プロ記念では復調の兆しをつかんでいる。3連対率の高い相性良いバンクで、自慢の決め脚を披露する。
 「前回は直前に(全プロの)競技の練習しかしていなかったので不安はあったんですけど。1着も取れましたし、影響はなかったですね。2日目はもったいなかったです。終わってからはちょっと疲れがあったので、軽めに調整してきました。指定練習で乗った感じも特に問題なかったので、大丈夫だと思います。状態も(4月岸和田で)落車した直後と比べたら上がってきていますね」
 松井宏佑は全日本選抜競輪での落車からリズムを崩してしまっているが、抜群のスピードを誇る実力者。連係相性の良い小原の援護を背に、そろそろ流れを変えたいところだろう。
 「落車の影響はもうないと思いますけど、前回は練習メニューを大きく変えて、追い込みすぎて体も脚もバキバキでした。調整もしていなかったぶん、重かったですね。競技の日にやっと軽くなってきた感じだったので。今回は軽めの練習メニューにして調整もしてきたので、頑張れると思います」


<6R>

 岩本俊介は前回武雄の全プロ記念では未勝利に終わったが、日本選手権の最終日には単騎で鋭いまくりを披露していた。当所参戦は久しぶりとなるが、500バンクの走り方は心得ている。
 「前回は脚的に悪くなかったですけど、かみ合わなかったですね。もう(500バンクだった昔の)千葉を走っていた感覚とかは残っていないですけど、500バンクの仕掛け所はなんとなくつかめていると思うので。宇都宮を走るのは久しぶりですけど、その辺は大丈夫だと思います」
 神田紘輔は前々回の日本選手権3走目には単騎戦となったが、鋭い決め脚を披露していて状態面は決して悪くない。今シリーズは追加参戦となるが調整面にも不安はなさそうだ。
 「追加は1週間くらい前にきたので、調整はしっかりとできました。ダービーの3走目は良かったのに、前回の初日は同じ単騎でしたけど、自分に隙がありました。そういうところですね。(脇本)勇希は全プロの競技(のチームスプリント)で優勝していましたし、調子も上がってきてますね。自分の脚も悪くないと思うので頑張りたい」


<7R>

市田龍生都選手
市田龍生都選手
 昨年1月に早期卒業生としてデビューした市田龍生都(写真)は約半年でS級へと特別昇級を果たした注目レーサーだ。ナショナルチームに所属しているため、競輪を走る機会は限られているが、現状の課題と向き合いながら2度目の挑戦となるGIII戦線に挑む。
 「岐阜の初日は人気に応えられなくて、2日目、3日目は思っていた展開にもならなかった。結果的に1着だったっていう感じで、内容には納得できていないですね。優勝自体はうれしいですけど。S級に上がってきて、周りからしたら順風満帆に見えるかもしれないですけど、まだまだこれからだなって。まだ一歩目を踏み出したところだと思うので。宇都宮は初めてですけど。個人的に難しいなって。(500バンクは)以前(昨年11月に)大宮を走ったときも(初日、2日目と)2着でしたし、展開的にも悔しい感じになったので、今回で払拭できれば。内容を意識したいなって思っています」
 2014年に当所で高松宮記念杯を制している稲川翔はバンクとの相性が良好で、当所参戦は約6年ぶりとなるが、不安はないだろう。伸びしろ豊かな市田をサポートして別線を迎え撃つ。
 「(近況は)脚力がないですね。西武園記念では自転車を換えましたけど、西武園記念の途中で戻してからは換えていないです。セッティングはいじりながらですけど。(市田は)これからどんどん強くなっていくと思いますし、強くなっていってもらわないとこまる選手だと思うので。連係は初めてですし、気持ち的にもピリッとしますね」


<8R>

 纐纈洸翔は4月の名古屋GIIIで準優勝と復調の兆しを見せている。当所参戦は久しぶりとなるが、500バンクの成績は良好だ。初日は連係実績ある浅井康太を背に、一次予選突破を目指す。
 「前回は初日がもったいなかった。まさか根田さんが内から駆けると思っていなかったし、厳しい展開になった。2日目は人の後ろだし何とも。でも感覚的には良くなっています。セッティングはいい時に比べるとまだ全然(良くない)なので、いじりながらやっています。宇都宮は1着を取ったこともあるし、悪いイメージはないですね。浅井さんともいい連係が決まっている」
 半年ぶりにS級復帰を果たした原田亮太は、前回の和歌山FIで、S級で初となる決勝進出を決めるなど、近況は上昇ムードが漂っている。戦況を見極めながら先行とまくりを使い分けている印象で、スピードを生かした仕掛けに注目したい。
 「(和歌山FIのあとに)全プロの競技に出場したので疲れはありますね。1着は取れるようになってきましたけど、あまりいい競走はできていないですね。点数は上がってきましたけど、自分のなかで納得できる仕掛けができていない気がします。でも変に踏み合っても勝てないですし、相手を見ながら(展開次第では)まくりになってもっていう感じでは走っています」


<9R>

 24年の共同通信社杯以来で当所参戦となる根田空史は、バンク相性が良好で勝率も高い。直近3場所は未勝利ながらも、積極的な仕掛けで存在感を示している。
 「前回の全プロ記念は2週間ぐらい空いていたのもあって結構、練習をやっていきました。そのわりには仕上がっていなかったですね。今回は練習もしつつケアをして疲れを抜いてきた。宇都宮は形状的にも走りやすいし、先行しても意外と残れる感覚がある。成績もいいし、相性はいいと思う。(武田豊樹とは)連係したこもあるし、ピリッとしますね。ラインで決められるように」
 3月、4月と立て続けに落車のアクシデントに見舞われていた武田豊樹ではあるが、決して心は折れていない。言い訳をすることなく自らの体と向き合い、トレーニングを積み重ねてきた。
 「落車が続いていますね。去年は112走して一度もなかったんですけど。でも自分のミスもあっての落車ですし、レースなので。訓練(練習)中にも落車してしまって膝を痛めたんですけど。練習はやってきました。根田君とは何度も連係がありますし、信頼して任せます」


<10R>

杉浦侑吾選手
杉浦侑吾選手
 昨年10月に愛知から栃木に移籍してきた杉浦侑吾(写真)は今回が初めての地元記念で気持ちが入っている。日本選手権では調整に失敗したが、全プロ記念では立て直しに成功して上向いている印象で、神山拓弥との地元決着を目指して、出し惜しみすることなく、全力でペダルを踏み込む。
 「前回の初日は石原(颯)君に技術では勝てたけど、脚で負けました。2走目は位置を取って早めに仕掛けて雨谷(一樹)さんとワンツーを決められたので、脚自体は問題ないと思います。直前はバンクにも入って練習しました。(初めての地元記念で)フワフワした感じはありますけど、(状態的には)特に変わらずだと思うので」
 全プロ記念で新車を投入した神山拓弥は体とマッチせずに連日、不安を口にしていたが、大事な地元記念の前には不安がなくなった様子。今年も決勝進出を目指して気持ちを引き締めてレースに臨む。
 「前回の武雄(全プロ記念)は絶望的でした。でも何が悪いのかはわかったので。今回は別の新車を持ってきました。良かった頃の寸法で、パイプも一緒なので。練習で乗った感じも悪くなかったですし、自転車面での不安はなくなりました。杉浦君とは初めてですね。練習で何度か一緒に走ったことはあります。一戦、一戦頑張っていきたい」


<11R>

坂井洋選手
坂井洋選手
 地元の坂井洋(写真)が初日の予選メインとなる11レースに登場する。76周年大会に続き決勝進出を目指して予選に挑む。
 「前回は武雄に行く前に足首を痛めてしまって。歩くときには痛かったけど、自転車に乗ってペダルを回す動きなら大丈夫だったので。1着も取れましたし。(全プロ記念のあとに競技もあって)中3日しかなかったので、特に何も変えずにやってきました。昨日(前々検日)はバンクで乗れなかったけど、一昨日は乗れて、軽く感じましたので。新しいフレームに換えて練習して悪くなかったです。寸法はほぼ一緒で、パイプがちょっと違うだけですね」
 地元の坂井洋と過去に何度もワンツー実績のある宿口陽一がタッグを組む。今シリーズは追加での参戦となるが、状態面は上向きで、坂井をサポートしながらともに勝ち上がりを目指す。
 「前回の決勝は自分で仕掛けられれば良かったけどダメでした。追加の連絡は2日前に入った。(神山雄一郎氏は)偉大すぎて、雲の上の存在。今回は呼んでもらえればと思っていたし、しっかりその期待に応えられるようにしたい。まずは初日、坂井君のやりやすいように走ってもらって、自分も食らいついて行けるように。地元勢を盛り立てられれば」


<12R>

眞杉匠選手
眞杉匠選手
 74周年記念の覇者でもある眞杉匠(写真)が初日特選に登場する。地元の絶対的なエースとしての自覚を持ってシリーズを戦い抜く。初日は盟友の吉田拓矢に前を託して別線攻略を目指す。
 「(前回の武雄は)だいぶ悪かったですね。全然、レースになっていなかったですし、参加できている感じがしなかった。体調が良くなって練習もできたので。前回よりはいいと思います。(吉田との前後に関しては)前回が前回だったので、(今回は)吉田さんに任せます。落車をしてから前乗りに変わってしまっていたので、前の乗り方をイメージしながら戻していきたい」
 スピード豊かな寺崎浩平は援護力高い南修二を背に充実3車ラインを形成した。当所は2年前に行われた共同通信社杯以来の参戦となるが、500バンクに対して好印象を持っている。勝負所を逃さずに仕掛けられれば、ラインで上位独占も可能だろう。
 「(前回の武雄は)思ったよりも重い感じでした。でもレースでは良かったので、そこはプラスに捉えて。バンクもそんなに軽くは感じなかったですけど。終わってからは普通に練習してきました。疲労はあると思うので、そこを考えながらですね。前回の最終日にギアを3.93に上げたので、今回もそれで行こうと思います。宇都宮は久しぶりですけど、今年は大宮で1回だけ500走路を走って決勝に上がって2着ですし。500走路は得意な方だと思います」
 近況の松本貴治は3月大垣FIで落車したダメージが軽減している印象で、徐々に本来の動きを取り戻している。前回の全プロ記念の最終日は単騎戦となったが、最終ホーム手前から一気に仕掛けて力強く押し切った。
 「徐々に良くなってきていると思います。(前回が終わってからは)軽く調整してきました。(状態は)変わらずですね。(3月大垣で落車しているが)治療だったり、時間の経過だったりで(良くなっている)。でも500バンクはあまり成績が良くないですね」