『大宮競輪開設73周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:1月14日
 東日本発祥73周年「倉茂記念杯(GIII)」が、大宮競輪場で1月15日から始まる。22年最初の記念を立川で制した新S班の吉田拓矢をはじめ、地元勢は平原康多、宿口陽一、森田優弥、武藤龍生と関東地区は豊富な戦力で他地区を迎え撃つ。さらに119期の在所ナンバーワン犬伏湧也のグレード初参戦にも熱い視線が注がれる。1月14日の前検日は、冬晴れの風が舞うバンクコンディションのなかで、多くの選手が感触を確かめて、翌日からの激戦に備えて調整に努めた。
 なお、大宮競輪場では「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。開催中の毎日、オリジナルクオカードなどが当たるスピードくじを先着で配布。埼玉県内のご当地グルメや人気グルメがそろうグルメ屋台ストリートの出店なども予定されています。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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林大悟選手
林大悟選手
 直近の6場所を4度の決勝進出で準Vが2回。積極的な仕掛けでレースを支配するスタイルの林大悟(写真)が力をつけている。
 「(前回のあとは)ちょっと雪だったり、雨だったりで練習の感じがつかめなかった。でも、バンクでしっかりモガけたんで悪くないと思います。500バンクは嫌いじゃないのでしっかりと走りたい」
 前回の佐世保記念で3勝を挙げた松岡貴久は、一次予選の1着が昨年8月以来の勝ち星だった。それだけに今シリーズは、その勢いを加速させたいところだろう。
 「(前回の佐世保までは)落車しても詰めて走ったりしてたんで、(佐世保のあとは)ゆっくりしてました。佐世保の3勝は前が頑張ってくれたし、番組も良かった。でも、(感触が)悪くなかったので、そこをモノにできたんだと思います」


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 3車の関東ラインで番手を務めるのは山岸佳太。機動力も備えているだけに、どんな立ち回りを見せてくれるのか。ラインの浮沈の鍵を握っている。
 「(前回の伊東162着は)体とかセッティングはそこまで悪くなかったけど、気持ちの面が出てしまったんだと思います。(伊東のあとは)1日だけ休んで、ほとんど練習をしてました。ここは宇都宮の500バンクとも違うし、独特の感じがします。(初日は幸田)望夢が頑張るってことなので、信頼していきます」
 阿竹智史は、昨年の大みそかからの年またぎの岸和田FIを434着。ここは同県の山形一気とのタッグで前を回る。
 「(状態は)徐々に良くなってきていると思います。(中11日で)体調を崩さないようにして、いつも通りトレーニングをしてました」


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村上博幸選手
村上博幸選手
 村上博幸(写真)は、昨年の広島記念2361着から1カ月以上空いたローテーションで22年の初場所を迎える。
 「広島記念が終わってからは、鎖骨のプレート除去手術をしました。(四日市を欠場したけど)そのあとは計画通りに(練習が)できました。(大宮は)走りやすいバンクだと思う。でも、風にレースが左右されやすい。そこさえなければいいんですけど」
 久留米FIの最終日、昨年の大みそかの決勝が走り収めとなった山本伸一は、単騎でまくり不発の5着。初日の一次予選は3車のラインができあがった。
 「(感触は)悪くないと思いますし、しっかりと脚をつくってきたんで大丈夫。正月は少しゆっくりして、そこから練習をやってきました。ここは特徴があるけど、わりと嫌いではないです」


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 佐世保記念を含めて3場所連続優出中の金子幸央は、近況、戦法の幅を広げて柔軟に対応している印象だ。
 「(前回の名古屋の)決勝は内からしゃくられちゃったけど、それがなかったら良かった。そのあとはケアに専念しました。(初日は)自力だと思ったら、菊池(岳仁)君がいて、相川(永伍)さんが番手を回してくれるんで、菊池君にいきます」
 中四国勢の機動タイプと息を合わせることに集中する三宅達也は、初日の一次予選で小川丈太とラインを組む。
 「今回も中4日ですけど、そのあとも中4、中3日って(競走が)続くので、乗っておかないと。普通に練習をしてました。昨日も風が強いなかでモガいてきた。だから、(大宮で)風が強くても大丈夫かなと。もう(小川)丈太とは何回も連係してるので、任せていきます」


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 昨年11月の小田原FIでは一昨年の12月以来となるV奪取した飯野祐太は、その後の広島記念を4242着、続く前回の名古屋FIを341着とまとめている。
 「(前回は)脚の感じは悪くなかった。そこから変わらずです。ここも走りにくさとかはない。(初日は)あとは(坂本)貴史にしっかりと付いていきます」
 坂本貴史は、3場所前の立川FIの準決で落車に見舞われた。その後は未勝利だけに、状態が気になるところだ。
 「(前回の宇都宮247着は)成績はダメだったけど、レースのなかでは動けていた。それをプラスにとらえたい。練習も体調もだいぶ良くなってきたので、今回は楽しみにしてます。(初日は)後ろは飯野さん、金成(和幸)さんと気合が入る2人なので、3人で決まるように」


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渡部幸訓選手
渡部幸訓選手
 静岡のグランプリシリーズ2日目での失格が昨年のラスト走となった渡部幸訓(写真)は、今期一発目の四日市FIを123着。
 「(前回は)絶好調が10だとしたら、7くらいだったかなと。そのあとは雪だったりで、外はあんまり乗れなかった。室内トレーニングをメインにやって、直前はマウンテンバイクで雪の上を乗りました。ここはいいイメージも悪いイメージもないけど、自分の力を出し切れるかなと」
 堀内俊介は佐世保記念3941着から2週間以上空いたローテーションで、期替わりの初戦に臨む。
 「(前回の佐世保のあとは)キツめに練習ができたかなって思います。佐世保まではピストシックスだったりもあったんで、思ったような練習もできてなかった。久しぶりにちゃんとした練習ができた」


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 前回の佐世保FIを425着もまずまずの手応えを得た谷口遼平が、リラックスムードで口を開く。
 「直前はだいぶ良かったです。(前回も)冬場は苦手なんですけど、そのわりには良かったです。ここの500バンクは走りやすいイメージがあります」
 昨年の当所記念では2135着で決勝に進んだ合志正臣は、勝ち星から遠ざかっている現状を受け止める。
 「自分に余裕がないので、焦ってしまうし良くないですね。(500バンクは)大好きなんですけど、伸びないです。歯がゆいけど、これが現状なんで。10月の終わりに鎖骨を折って、もう3カ月くらいになる。3カ月くらいは辛抱かなと思ってた。夏場ならまだいいけど、冬場で体が動いてくれないんでしんどいところもあります」


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 稲垣裕之は、昨年12月の松山記念から京王閣FI、佐世保FIと3場所続けて決勝にコマを進めている。
 「(前回の感触は)良かったです。年末から自分のなかでは、だいぶ調子が上がってきている。そのあとは調整程度で大きく変わってない。(1月の大宮記念は)年の初めでピリッとしますね」
 3場所前の取手FIで落車に見舞われた伏見俊昭は、次の松戸FI、宇都宮FIでも勝ち星を挙げている。
 「(宇都宮は)怪我して2場所目だったけど、松戸よりは多少感じが良かった。ただ、2、3日目は(展開が)厳しかった。そのあとはいつも通り普通に練習をしてきた。自分の感じも練習する前くらいに戻って、だいぶ良かった」


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成田和也選手
成田和也選手
 地元の黒沢征治の番手が巡ってきた成田和也(写真)は、前回の奈良FIの233着から2週間以上空いた。
 「(前回のあとは)基本的には練習してました。雪も多くて気温も低かったので、室内とかでできる練習をやってきた。大宮は久しぶりなんで、今日(指定練習)でアタリがつけられたらいいですね」
 前回の高松FIでは初日6着で2日目以降を欠場。大坪功一の状態はどうか。
 「(前回の欠場は)ちょっと強くなろうと思って、(トレーニングを)やりすぎてしまいました。どうですかね、わからないけど、とりあえず元には。(初日に連係する)緒方(将樹)君はチャレンジャーだし、自分もチャレンジャーなので一緒に頑張ります」


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中田健太選手
中田健太選手
 前回の立川記念ではコンディションが一息だった坂井洋が、状態アップで今シリーズを迎える。
 「前回は体調も悪かったんで、結果も悪かったですね。立川が終わった次の日は体調を戻そうと思ってオフを取って、あとは練習をしました。まだ万全ではないけど、立川よりはいいと思います」
 久々の記念がホームシリーズの中田健太(写真)は、前回の向日町FIを323着とまとめたがフレームを換えた。豪華な地元の仲間たちとの記念に気持ちを込める。
 「(前々回の)静岡から新車だったんですけど、向日町でハンドルをいじったりもした。それで結果的には(フレームを)元に戻した。体の感じはいいです。11月末に(ここの)あっ旋が出て、そこから練習も調整もうまくできたかなと。(地元勢が)こんなにいいメンバーでの大宮記念もなかなかない。ここにあっ旋をされて、モチベショーンが上がらない人はいないと思う」


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犬伏湧也選手
犬伏湧也選手
 昨年11月に3場所連続の完全VでS級に特進した犬伏湧也(写真)は、すでに前々回の高知FIでS級優勝も遂げている。在所ナンバーワンが、初のグレードレースでどんな走りを見せてくれるのか。
 「(S級を3場所走って)レベルが高いなっていうのを感じます。もっともっと自分自身もレベルアップをしていかないと。(9車立ては)実戦では初めてです。しっかり出し切るレースで、しっかりとラインで決めたい」
 嶋津拓弥は、前回の宇都宮FIの366着から連続で500バンクが舞台。
 「前回はあんまり良くなかった。ただ、その前はずっと良かった。修正はしてきました。(大宮は)500バンクのなかで一番いいかなと思います」


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宿口陽一選手
宿口陽一選手
 前回の立川記念では2日目から3連勝。新S班の吉田拓矢が優勝で順調に滑り出した。
 「(立川は)S級S班になって初戦ってことですごく緊張したけど、いいスタートが切れて良かった。中6日で(取手の)競輪場が開催中で使えなかった。街道だったり、室内練習だったりした。それで昨日はバンクに乗れました。(初日は)僕は単騎です。(同じ関東地区でも)地元4人に割り込むことはできない」
 宿口陽一(写真)が初めてだったグランプリを振り返り、平原康多とともにS班で地元記念を迎える。
 「(グランプリは)平原さんにはリラックスして楽しむぐらいで走れって言われたんですけど。自分はやってやるぞっていう感じで、それがカラ回りしてしまった。リベンジしたいっていう思いだし、もう一度(グランプリを)走りたい。僕は一生懸命やるだけ。体の調子も良くなかったけど、やっとここにきて楽しみだなっていう感じです」
 深谷知広は前回の佐世保9215着で21年を終えて、16年に記念Vを遂げた当所からスタートを切る。
 「(佐世保まで)ハードだったんで、年明けまで休んで、そこから順調に(練習が)できました。(初日は別線が)かなり手ごわい相手だと思うので、しっかりと頑張りたい」