『大宮競輪開設76周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:1月15日
 大宮競輪場で大阪・関西万博協賛・東日本発祥76周年「倉茂記念杯(GIII)」が、1月16日日にスタートする。地元の平原康多をはじめ、脇本雄太、北井佑季のS級S班3人がシリーズをリードする4日間だ。守澤太志、佐々木悠葵、寺崎浩平、村上博幸、町田太我、小倉竜二、嘉永泰斗、伊藤颯馬ら各地区の精鋭が集まり、地元からは森田優弥、武藤龍生、宿口陽一、中田健太のS1が中心となりシリーズを盛り立てる。1月15日の前検日は、500バンクでの感触を確かめる選手も多く、選手それぞれが入念な調整を行った。
 記念シリーズの1月16日の初日には、S級S班の岩本俊介選手によるトークライブ、どりあんず・高木真備さん・飯田あすかさんによる予想バトル、スピードチャンネル解説者による予想会、オリジナルクオカードなどが当たるスピードくじを先着で配布、未確定車券抽選会、選手会埼玉支部チャリティーブース、グルメ屋台、キッズ広場などが予定されています。大宮競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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大川龍二選手
大川龍二選手
 大川龍二(写真)は前々回の取手FIを77着で欠場。続く岸和田FIも7646着と精彩を欠いている。そこから中11日空いた。
 「(3場所前の)地元記念が終わってからガクッと悪くなった。いろいろと原因を探して岸和田が終わってから病院に行ったら副鼻腔炎になっていたみたい。鼻洗浄をしてもらって良くなった。練習もしっかりとできた。練習でもここ2場所と違って力が入るようになってきた。この2場所でお客さんにだいぶ迷惑を掛けた。信頼を取り戻せるように今開催は頑張りたい」
 直近4カ月の競走得点は川口公太朗が一番。差し脚も快調で初日は連係豊富な伊藤裕貴を目標に好スタートを切りたい。
 「(昨年)12月の松山記念で落車したけど、それほど影響はなくて、日に日に良くなってきている。ただ、感覚的にはもう少し欲しい。最後、突っ込むところでもう少し入り込めたらなと。踏み応えの感覚って感じですね。(5月の)ダービー(日本選手権)出場へ、賞金を上積みしないといけないから感覚を研ぎ澄ませて4日間走りたい」


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 内藤宣彦は前々回の西武園FIを534着で決勝に進出すると、続く平では313着で連続優出と調子を上げている。
 「前期はほとんどのレースで支線みたいな感じだったけど、なんとかしのげていた。今回はメンバーもいいしスピードが7車立てと違うけど、そのなかで楽しんで走れれば。以前は大宮は好きなバンクのひとつだったけど、歳を取るとキツいなって思っている。ただ、さらに点数を上げるためにもしっかりと勝ち上がりを決めたい」
 酒井雄多は、昨年10月の青森FIの準決で1着を取ってから白星なし。それでも前回の静岡FIでは久しぶりに決勝進出で、浮上のキッカケをつかんだか。
 「ベースの脚力が足りないなって最近、痛感しています。調整がハマった時は、いい成績を残せるけど、そうじゃない時はベースの脚力が足りないから結果が出ない。直前の練習でも回転が上がり切らない感じがあったし、まだまだですね。ただ、しっかりと練習はしてきました。大宮も呼ばれることが多くて、走りやすいバンクだと思っています」


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 大森慶一は直近は4場所連続で白星こそないが、差し脚は鋭い。一次予選は、昨年3月の当所FIで連係ある板垣昴を目標に突っ込む構えだ。
 「一時期に比べれば調子はそこまで良くないし、普通ぐらいですかね。昨年の後半は連続で優勝できたり、自分でも不思議なくらい伸びていたんですけど。時期的なものもあると思うんですけどね。北日本は3人ですし、しっかり番手で仕事をしていきます」
 点数を急激に上げているのは不破将登。近況は番手回りも増えて、結果を出している。
 「(昨年)12月の静岡は成績が良くなかったけど、全体的に調子はいいと思う。目標をつけてもらうことが多くなって、自力選手に連れていってもらうことが増えた。その流れを生かして1着が増えてきたのかなと。自分でもいい展開の時にしっかりと結果を出せているのは褒めたいなって思っています。点数を落とすのは簡単だけど、上げるのは大変。やっとここまで戻ってきたので、今の流れを切らさずに2025年も頑張りたい」


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東矢圭吾選手
東矢圭吾選手
 東矢圭吾(写真)は、昨年末のヤンググランプリで3着。今年はさらなる飛躍を求めて全力全開で駆ける。
 「ヤンググランプリは2人(太田海也、中野慎詞)がヤバかったですね。刺激をかなりもらいました。それでもその中で9人全員が持てる力を出せたのかなって。自分は切り替えるタイミングだったりをちゅうちょしてしまった。その辺をうまくできたら優勝か、準優勝はあったかなって。前回の別府は結果こそ出なかったですけど、体の感じは良かったです。少しずつ良くなっている。去年は記念開催含めてグレードレースに出場することが目標でしたけど、今年は出場して結果を出していきたい。まずは記念開催で結果を出して、競輪祭の出場権を取りたいですね。別府が終わってからは休み多めで練習もした」
 堅実な走りが持ち味の小川真太郎は、2勝を挙げた昨年4月のFI以来の当所戦。自力を兼備しているが、近況は番手回りも増えてきた。
 「前回の別府は着より悪くなかったかなと。人の後ろを回った時に悪い展開になってもリカバリーできる判断力と脚力が欲しい。その辺は慣れないことばかりなので、レースで勉強ですね。状態としてはある程度、踏めるようになってきて、底は脱した。500バンクは嫌いじゃないし、チャンスはどこかにあると思う」


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 雨谷一樹は追い込みが板についてきた。今年初戦なだけに、過去に連係のある山口多聞を目標に好スタートを決めたい。
 「ここまではいつも通り練習はできたんですけど、疲労が少したまっていますね。(前回の)取手が終わってからピスト6を1本走ったんですけど、結果も良くなくて。逆に言えば現状を知れたのは良かったんですけど。山口(多聞)君の番手は2回目で、その時は抜けずのワンツーでした。彼の地元ですし、好きなように走ってもらって援護したいですね」
 山口多聞はS級で大宮バンクを走るのは今回が初めてになる。もちろん大宮記念も初出走となる。
 「(前回の初日はまくりになったが)いつも無理やり行ったりしているけど、まくりをするなり、競走中の選択に慣れていければ。(残り2日間は)自分の主導権を取る競走はできた。(そのあと)練習はいつも通りにできたし、体調は悪くない。西武園よりも大宮の方が走り慣れています。(大宮記念は初めてで)いつもと雰囲気は違うし、落ち着いて走れれば」


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 神山拓弥は年始の立川記念の2日目に落車に見舞われた。そこから9日空いて、仕上がり具合が気になるところだ。
 「立川の落車は怪我は大丈夫だったんですけど、フレームがダメになってしまった。急きょ、前の使っていたフレームを練習で試してみたんですけど、思いのほか良かった。今回はそれを持ってきました。前に使った時はそこまでいい感じはしなかったんですけどね。大宮記念は優勝もしているし、頑張りたいですね」
 飯野祐太は年始の前橋FIを664着で精彩を欠いたが、悲観はしていない様子。
 「前回は成績こそ良くないですけど、前回を含めてだいぶ戻ってきているなって感覚はありますね。終わってからは2日ほど休んで、普段通りの練習をしてきました。(一次予選で連係する)照井(拓成)君とはかなり久しぶりです。2、3年前に青森FIの決勝で連係して以来。その時は優勝させてもらいました。彼は強いので信頼して付いていくだけです」


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佐々木眞也選手
佐々木眞也選手
 佐々木眞也(写真)は、昨年9月の青森で記念初優勝を達成するなど飛躍の年となった。年始の平FIでも新年Vを決めて、勢いはさらに加速している。
 「前回は今年最初で体調は良かった。単騎でしたし、行けるところから先に行こうと。それが優勝につながって良かった。今回までは、いつも通りにしっかりと練習してきた。500バンクは難しいところがあると思うので考えながら走りたい。(今年の目標は)まずは1走、1走ですけど、GIに出場して上位の選手と戦えるように」
 パワフルな走りが持ち味の上田尭弥は、新年初場所の豊橋FIから新車を投入。当所は昨年の記念以来、1年ぶり2度目の参戦となる。
 「400バンクと違って仕掛けが遅くなる部分はあると思うけど、流れに沿って仕掛けられれば。いまは熊本で練習しています。(中本)匠栄さんたち嘉永(泰斗)君と一緒に街道に行くことが多いですね。前回から新車で少しずつ良くなっているので、マッチさせていければ」


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守澤太志選手
守澤太志選手
 初日特選組からもれた守澤太志(写真)だが、一次予選では力上位の存在。前回の静岡FIでは連勝で優出して決勝は3着。着実に状態は上向いている。
 「体の感触は上向いてきた。慌てて踏んだ時にうまくできれば、戦えるかなと。(前回のあと)強めに練習をしてきましたけど、体調は大丈夫ですし状態も上向き。1カ月前にセッティングを見直して、そこからは変えていない。(初日は)何度も連係がある根田(空史)君へ」
 月森亮輔は、昨年後半から白星が増えてきた。その要因は練習環境を変えたことにあった。
 「前回の高知が終わってから中18日空いて、追加の連絡も来たんですけど、すべて断ってしっかりと練習してきました。3カ月ほど前から練習を変えました。隅田(洋介)さんに誘ってもらって一緒に練習するようになった。そこから1着がまた取れ出した感じですね。一緒に練習するようになって、練習量がかなり増えました」


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 中本匠栄は昨年12月の大垣記念で優出すると、前回の豊橋FIでも決勝に進出。昨年末から調子を上げている。
 「(昨年11月の)競輪祭が終わって、なにもかも足らないなって思って練習方法を見直した。あと乗り方も意識してます。合志(正臣)さんからもいろいろとアドバイスしてもらえますね。そのおかげか大垣記念で決勝にも乗れてだいぶ良くなってきたなと。今回は追加だけど、ここが入らなかったら1カ月近く空いたので、追加がきてくれて良かった。(一次予選で連係する)市橋(司優人)君とは豊橋の準決で連係して2着を取らせてもらった。逃げてくれたし今回も信頼して」
 町田太我は昨年12月の松山記念を途中欠場すると復帰戦となった前回の高松FIでは最終日に1着を取ったが、勝ち上がりでは一息。一次予選は単騎になったが状態はどうか。
 「12月の松山記念で途中欠場したのは腰を痛めたから。結果的にお尻の内転筋を損傷した影響でした。疲労が影響していたみたいです。痺れる感じがあった。前回も全然、良くなかったです。終わってから練習はしてきたけど、過去イチ、調子が悪いと思う。なんとか4日間、耐えしのぐしかないと思う」


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宿口陽一選手
宿口陽一選手
 地元の大宮はドル箱バンクの宿口陽一(写真)。昨年の当所記念の一次予選でも連係してワンツーだった黒沢征治を目標に、今回も1着スタートを決める。
 「前回は急な追加でしたし、体調が悪かった。(グランプリシリーズで)いい刺激にはなりました。年始は咳が続いていたけど、いまは大丈夫。練習は平原(康多)さんや(武藤)龍生と一緒にやってきた。直前は手応えを感じた部分があるのでレースで出せるように。黒沢君とは結構、連係があって、決まっていると思う」
 黒沢征治は前回の昨年12月の地元・西武園FIで優勝。そこから腰痛の影響もあって、34日間空いて今年初戦に挑む。
 「腰痛もあったし、ここに合わせてと思いました。前回の決勝は森田(優弥)君が強くて、ワンツーができて良かった。(今年は)もうちょっと、突き抜けたい。同期が強いし、追いつきたい。ペダリングが悪いので、朝にローラーに乗ったり、基本に戻ったら、結果、良くなっていますね。(前回から)空きすぎたが、練習ができたし状態はいいと思う。レース勘に不安はあるが、イメージはできているし、一戦、一戦クリアしていきたい」


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嘉永泰斗選手
嘉永泰斗選手
 嘉永泰斗(写真)は、昨年末の松阪FIで優勝して24年をV締め。25年は本来の姿を取り戻して九州勢を引っ張りたい。
 「(前回は)日に日に良くなる感じがあった。(松阪決勝は)2分戦になり、厳しいと思ったが、踏んでいて悪くなかったです。練習はしっかりできているし、体調を崩すことはなく、悪くはないですね。大宮は2回目ですけど、前回はFIで優勝できているし、悪くないです」
 小倉竜二はコンディションと相談しながら練習している影響で、納得のいくトレーニングはできていない様子。その影響はレースにも出ているようだ。
 「関節が痛くて、練習をし過ぎると疲れが出てしまう。筋肉が発達しても追いつかない感じ。もっともっと練習したいけど、できていないのが現状。体重が増えてきた。思うような練習ができないから痩せない。意図しない体重増加でダッシュ面がキツくなっている。低速からの仕掛けだったり、上りでの仕掛けだと、危ない感じになっている」


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平原康多選手
平原康多選手
 脇本雄太は、年末のグランプリでは圧巻の走りで古性優作の優勝に貢献。終わってから体調を崩したようだが、25年初戦を大宮で迎える。初日は同県の後輩の寺崎浩平の番手となった。
 「(グランプリは)感性で行った。踏んだ感触は良かったけど、自分らしいレースをできたが、後ろに差されるのは仕方ない。正月は体調を崩した。練習はしたけど、雪でバンクには乗っていない。練習は1週間してないくらいですね。個人として良くはないと思っています。1走してから修正していければ。昨年(大宮記念で)体調を崩して(3日目以降を欠場して)いるし、迷惑を掛けないように走らないとなって。(近畿ラインは優勝した昨年の)競輪祭の決勝と同じ3人で頑張りたい」
 昨年5月の日本選手権を優勝してS級S班に返り咲いた地元の平原康多(写真)。今年初戦の立川記念では腰痛の影響もあったが、S班の意地で決勝3着。今回は地元記念なだけに4日間、ファンの期待に応えたいところだ。
 「立川はギックリ腰もあって、前検日の時には決勝で3着までいけるイメージはなかった。あの時の状態ではあれがマックスでした。(治療に)毎日通って腰に針を打ちまくって、練習をやってきてた。立川の時よりは全然(状態がいい)。自転車は力が入るようにいじってシューズを換えてきた。前回までだと同じことの繰り返しなので」
 昨年の6月高松宮記念杯を制してS級S班の仲間入りを果たした北井佑季。昨年後半は本来の走りができず、年始の立川記念でも準決は7位入線の失格とらしくなかった。それだけにここで上昇のキッカケをつかみたい。
 「(前回は)失格で予定より早く帰って、いつも通りの練習をしてきた。体調が悪いっていうのはないです。立川はグランプリから中3日で、それより練習はできたので前回よりもいいのかなと。(初日はラインがなく)単騎は何回か、経験したことがあるけど1着の印象がない。(単騎は)仕掛けどころを逃すことが多いので、流れに応じていきたい」