『大宮競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:1月13日



 いよいよ大宮記念が開幕!。東日本発祥58周年記念・大宮競輪「倉茂記念杯」は13日、好天に恵まれた中で開幕した。特選3個レースをメインに一次予選、選抜の計11個レースが行われた。先行型泣かせの当所だが、力のある自力型は押し切るケースもあり、トップクラスならではのスピード豊かなレースが続いた。特選3着までの選手は、2日目の優秀戦『昇竜賞』に勝ち上がった。
 2日目も初日同様に先着1000名様にホットドリンク、先着5000名様にカイロ&入浴剤のプレゼント。又、昇竜舞台では地元選手による自転車分解、組み立てショー、黒ひげ危機一髪ゲーム、埼玉名輪会トークショーが行われます。バンクでは『素人競輪王決定戦・予選』も開催されます。日曜日も晴天が見込めるだけに、是非本場でナマの迫力をご堪能下さい。
 

<3R>
高橋 雅之選手
高橋 雅之選手
   3レースは高橋雅之(写真)が前検日のコメント通り、自在脚を駆使しての1着。若手ながら冷静な判断力が光った。
 「ホームで三和さんが仕掛けた時に追い掛けようと思ったんですが、ハウス(車輪接触)してしまい…。自力を基本に何でもやるという気持ちがああいうレースになったのかな。行ける時は思い切って迷わずに仕掛けたい」
 カマシを決め、一旦は後続を千切った三和英樹は大宮バンクの長い直線に泣いた。
 「後ろが離れたのは分かったが、バック向かい風だし、流したらそのまま踏めなくなりそうで…」
 3着強襲は久し振りのS級返り咲きで燃える程塚毅志だった。3着(二次予選B)と4着では天国と地獄だけに、呼吸は苦しそうだが笑顔が耐えない。
 「バックから四角の立ち直りまでイヤな感じの風が吹いてますね。2センターから思い切り踏んだらゴールまで持たないと思い、四角を立ち直ってから踏んで正解でしたね。まずは二次予選に勝ち上がれて良かった」


<4R>
 4レースは宮下貴之が突っ張り先行を敢行。番手の晴山裕之が別線のまくりをブロック、空いた内を伸び切ったのは篠崎高志だった。前に感謝しながらレースを振り返る。
 「宮下君が良く突っ張ってくれましたね。一度引いて立て直すのかなと思ったが。晴山君もキッチリ仕事してくれたしね。一度目のブロックは待ったけど、そのまま晴山君が踏み込んでくれたので、その内を伸びることができた。今日は埼京の2人のおかげですね」


<5R>
鈴木 孝征選手
鈴木 孝征 選手
   5レースはようやく地元勢が連独占を決め、地元ファンの期待に応えた。間に合わないかとも思えたまくり追い込みの鈴木孝征(写真)だが、あせりはなかった様子。
 「このバンクだし、あそこからでも間に合うとは思ってましたよ。2コーナーで詰まった時に仕掛ける手もあったかな。良い時と比べるとまだ足りないが、自分なりには練習してきたつもり」
 2着の田渕浩一も勝ち上がりを決めてホッとした。
 「初日勝ち上がってやっとスタートラインだからね。まずは一次予選が突破できて良かったよ(笑)」


<6R>
松岡 貴久選手
松岡 貴久選手
   6レースから選抜戦がスタート。期待の新鋭松岡貴久(写真)がカマシ気味に仕掛けて主導権を取るも、バックで濱田浩司にまくられ万事休すかと思われた。しかし、諦めずに踏み切ると、再び濱田との車間を詰めて2着でゴール。
 「押さえ先行では厳しいと思ってカマシ気味に仕掛けました。バックは向かい風だし、誰も来ないだろうと流し気味に踏んでたら、行かれちゃいました(苦笑)。でも、まだ脚には余裕があったので、追い掛けて正解ですね。でも、一人じゃなくて後ろが付いてきてたら苦しかったかな」
 まくった濱田浩司は新年初戦を白星で飾って上機嫌。たくさんの記者に囲まれながら笑顔で振り返る。
 「まずまずのタイミングで仕掛けられたと思います。早めに仕掛けないとかぶっちゃうしね。年明けで1着スタートは気分もいいですね」


<7R>
太田 真一選手
太田 真一選手
   7レースは追加配分ながら地元戦で気合が入る太田真一(写真)が山口貴弘の先行に乗って見事1着。しかし、山口が3着に残れなかったので、表情は複雑。
 「山口君を何とか残したかったが、大宮だけに厳しいね。外の選手を牽制した時にチッチッてハウスしてあせりましたよ。誰か落車したら失格でしょう。落ちなくて良かった(苦笑)」
 2着にはレースさばきが光った山田敦也が外を強襲した。
 「最終的に駆けるラインを追走してからの勝負をするつもりでした。太田さんの後ろになったので、『早く踏んで』みたいな気持ちでしたよ(苦笑)。外併走になったけど、あそこは引けないし必死で走りました」


<8R>
高谷 雅彦選手
高谷 雅彦選手

   地元ラインの三番手から伸び切ったのは8レースの高谷雅彦(写真)。藤田竜矢の着を気にしながらのコメントとなった。
 「(藤田は)7着以内に残ってない?。ちょっと早めに踏みすぎたかなぁ…。でも、あれ以上遅いとかぶって踏みどころが無くなるしね。勝てたのは良かったが、地元勢が思い切りよく駆けてくれての事だから…」
 2着にはベテランの佐々木昭彦が得意の中コースを突っ込んだ。写真判定の末、2着もベテランらしい貫禄のコメント。
 「オールドファンが多いのか、大宮は結構声援が多くて嬉しいね。コースも僕の最も好きなところを踏めたし、以前のフレームは伸びも上々だね」


<9R>
小嶋 敬二選手
小嶋 敬二選手渡辺 航平選手
渡辺 航平選手

   9レースからはグランプリレーサーも登場する特選が始まった。中団キープとはいえ、ブロックのその上をまくるという力技を見せたのは小嶋敬二(写真)。彼らしい走りで他を圧倒した。
 「タイミング?、良かったんじゃない(笑)。内を締めてたら1車身くらい空いたんで、詰める勢いで仕掛けたよ。初手から中団取れたし、勝負どころでも中団キープできたから、落ち着いて走れた。村本君のブロックも予期できたので、避けて通りましたよ(笑)」
 番手の渡辺航平(写真)は小嶋に食い下がり2着キープで1番人気に応えた。さすがに小嶋の強さには脱帽の様子だ。
 「正月の岸和田Sでも小嶋さんの強さは見てますからね。記念じゃ相手も違うけど、やっぱり強いです。三ツ石君と併走で楽じゃなかったが、合志君までの3連単が売れてたし、僕が離れる訳には行かないでしょ(苦笑)。四角回っても加速してたし、抜けるわけないですよ」
 3名の落車で審議対象になった合志正臣はセーフの判定にホッと胸をなで下ろす。
 「バックは風のせいか重く感じました。村本さんのブロックで前の人達が上に上がり、僕の前がポッカリ空いたので、スーッと吸い込まれるように入った後にガチャガチャと…」


<10R>
伏見 俊昭選手
伏見 俊昭選手

   10レースは最終ホームからカマシた小橋秀幸に乗った伏見俊昭(写真)が矢口啓一郎のまくりに合わせて番手発進。前走平Sからの連勝記録を伸ばした。
 「小橋君に感謝ですね。行ってもらって勝てないレースも多かったので、結果が出せて嬉しいですね。いい流れに乗っていきたい」
 伏見に付け直した矢口が2着キープも、矢口追走の手島慶介は伸びずに終わり、神妙な顔付きで引き揚げてきた。
 「う~ん、矢口の仕掛けどころは分かってたが、離れ気味になってしまって…。追い付いた途端にペースが落ちてバックを踏んだのも痛いが、それにしてもあれほど伸びないとは…。言い訳はせずに今夜は早く寝て、明日に備えます」


<11R>
菊地 圭尚選手
菊地 圭尚選手佐藤 慎太郎選手
佐藤 慎太郎選手
   最終11レースは地元平原康多と菊地圭尚の若手対決。主導権を握った平原を四番手キープから菊地圭尚(写真)がまくり切った。
 「苦しい、苦しい。イメージ通りのレースになり過ぎると、逆にあせってしまう事も多いが、今日は落ち着いて走れました。平原君もペース駆けに持ち込みたかったみたいだし、その前に仕掛けて正解でしたね」
 菊地をゴール前でキッチリ捕らえたのは、グランプリレーサーの佐藤慎太郎(写真)。さすがの脚色で格の違いを見せた。
 「年明けのレースでの1着は最近無かったよ(苦笑)。作戦的には流れの中でまくりかカマシでした。圭尚(菊地)はかぶる前に仕掛けたし強かったね。ギヤがちょっと軽すぎる感じがしたが…」
 まくられた平原康多は長い時間をかけてクールダウンを終え、検車場に姿を現すも複雑な表情を浮かべる。
 「向かい風での仕掛けで苦しいというのはあったが、それにしても力不足ですね。ちょっと身体のバランスが悪く感じた…」

   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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