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『大宮競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:1月17日
 大宮競輪場を舞台に東日本発祥69周年記念「倉茂記念杯(GIII)」が1月18日に開幕する。SS班からは、地元のエース平原康多に三谷竜生、桑原大志の3名が参戦。他にも吉澤純平、神山雄一郎、稲垣裕之、村上博幸ら豪華メンバーが顔を揃えた。4日間、激戦を繰り広げます。また、最終日第9レースでは、S級ブロックセブンが行われる。
 なお、開催を通して本場ではたくさんのファンサービス、イベントが予定されております。初日は横山尚則(100期)によるトークショー(5R、9R発売中)や、先日引退した後閑信一氏と、芸人の競輪小僧さんによる予想会(4R、7R発売中)などのイベントを予定しています。18日から始まる「倉茂記念杯」をぜひ本場でお楽しみください。

<1R>

 近況は元気のない松岡篤哉。それでも、試行錯誤を重ねながら復活を模索している。
 「(1月)伊東からフレームを替えたんですけど、良い時があったり、悪い時があったり。体の調子はいいけど、(フレームが)合っていないのかな。でも、このフレームで練習して、感じも良かったので(初日はこのフレームを使用する)。去年の1年間がよくなかったので、今年は、またGIに向けてやっていきたいです」
 根本哲吏は、前回の静岡に引き続いて松岡と対戦する。
 「松岡さんと静岡で走った時は、初日にやっつけた。でも、3日目は逃げ粘られて、自分が3着。お互い楽ではないと思いますよ。今は(冬季移動先の)京王閣で練習をやっています。練習量は減っているけど、それなりにできていると思います。勝ち上がれるように」


<2R>

 9月伊東で鎖骨を骨折した真船圭一郎は、復帰戦の12月玉野、1月小倉と連続で優出。長期欠場明けの不安を一掃した。
 「昨日、普通に練習をした後に入った追加なので、調整とかはできてないですね。でも、調子はいいと思います。ほぼ毎年フレームを替えていて、今年も今回から新車を持ってきました。500バンクは得意ではないですけど、自力で頑張ります」
長らく準決勝が壁になっている長尾拳太だが、ほとんどの開催で連対があり調子は悪くなさそう。
 「展開を見ながら早めに動いて、自分でレースを作れるように意識しています。(12月)小松島から使っている新しいフレームが良い感じです。でも、セッティングが出ているわけではないので、出ればもっと良くなりそう。真船さんとは、前回(1月小倉の)準決勝で当たっていて、カマシが強烈でスピードがあるので、気をつけたいです」


<3R>

藤田大輔選手
藤田大輔選手
 片折亮太が地元勢のトップバッターとして登場。近況はリズムに乗れていないが、結果を出して後に控える仲間たちに勢いをつける。
 「地元記念は初めてなんですよ。今まで呼ばれなくて。これが最後になるかもしれないですね(笑)。いつもは街道メインなので、あまり(大宮)バンクには入らないです。(近況はあまり成績がよくないが)状態が悪いとは思っていないし、脚も変わっていないと思う。成績がよくなってきて欲しいと思っているんですけどね。ここまではゆっくりしてきたし、気合いを入れて」
 藤田大輔(写真)はメンバーを見つめ、「1着を取ります」と景気の良い言葉で話し始めた。
 「ここまで久しぶりに間隔が空いて、しっかり練習ができました。感触もよかったですね。大宮はS級で優勝したこともあるし、苦手ではないです。500バンクの方が、戦法的にもチャンスがあると思う。片折君が強いのは知っているので、油断せずに」
 競走得点最上位の存在は小岩大介。しかし、「(中14日だが)インフルエンザにかかってしまって、練習があまりできなかったです。今は治ってから5日たちました。感覚もあまりよくないし、走ってみないことには」と状態面に不安を抱えての検車入りした。


<4R>

 岡崎智哉は、前回の伊東を138着など随所で好走。復調の気配が漂っている。今シリーズは追加での参戦も、問題はなさそうだ。
 「追加の連絡を受けたのは一昨日です。でも、伊東のノリで来れたのでよかった。手応えがあるので、走っておきたかったです。今年はGIを目指してですね。でも、先人達に話を聞くと、出るだけならメンタルがやられるだけ。実際、(補充で)一度走った時(14年寬仁親王牌9、7、8着)はメンタルがやられました(笑)。GIにいったものの、フワッとしたレースで終わると悲しいし、自信を持って走れるようにしたい」
 田中孝彦は、持ち前の攻めるレースで一次予選突破を狙う。
 「戦法のシフトは、いろいろ考えている最中です。目標がいたら、うれしかったですけど。いないなら、前々にいるしかない。引けない流れになれば(番手に飛び付きも考える)。ここまでも、うまく調整できました。500バンクの方がチャンスはあるかな」
 佐藤雅春は、今期からS級に返り咲き。久しぶりの記念開催で存在をアピールするか。
 「S級は3回目だし、まずは定着したいです。A級では何でもやってきたし、あとはそれがS級で出せるか。でも、過去2回のS級よりは脚が付いているし、周りも見られるようになりました。状態的にも上がってきていると思うので、流れの中で勝負できれば。楽しみですね」


<5R>

 不調に喘いでいた小埜正義だが、12月前橋を711着。さらに、前回の松阪でも162着の2連対と、復調に向けて歩みを進めている。
 「良くなってきていると思います。練習もだいぶできるようになってきましたね。腐らずに、一生懸命やっていればいいことがあると思っています。大宮は千葉と同じで好きですね。相手も強力でキツいけど、頑張ります」
 小野俊之は近況一息の成績。ここで流れを変えたいところ。
 「最近はあんまりよくないですね。11月に別府(FI)を走って、12月にまた別府記念を走って。そのあたりから疲れが出て。そのしわ寄せがきています。今回もあまり練習はできなかったですけど、体幹とウエイトはやってきたので。それがうまくかみ合ってくれれば」


<6R>

 桐山敬太郎は12月西武園で優勝を飾るなど完全復活。次の目標に向けて、準備を進める。
 「(5月に地元の平塚で行われるダービーの権利は)西武園の時点で大丈夫です。もう、予選にも慣れてきました。(平塚グランプリシリーズでは準決で和田真久留と連係して6着に終わって)人任せはダメですね。最近はバック数も増えてきました。GIに向けて練習します」
 掛水泰範は前回の小松島で久しぶりの優出。このまま追い風に乗りたいところだが、「腕を痛めてしまった」と状態が気がかり。
 「筋違いみたいな感じですね。状態も前回と比べると悪いと思います。ただ、痛みはあるけど自転車に乗ってしまえば大丈夫。今年は、去年より良くしたいですね。初日も強い人たちが相手なので、(連係する)吉岡(篤志)さんに作戦を聞いて頑張ります」


<7R>

伊早坂駿一選手
伊早坂駿一選手
 伊早坂駿一(写真)は12月取手で決勝に駒を進めるなど、予選では機動力抜けた存在。舞台は500バンクだが、臆することなく持ち前の先行で勝負する。
 「今回が今年2走目になるんですけど、前回(小松島)は力をしっかり出し切れたので、それをずっと続けていきたいですね。練習もしっかりできているし、500(バンク)も仕掛けやすくて好きなので頑張りたいです」
 佐藤一伸は約1カ月ぶりの実戦となった1月平で、153着と2度の確定板入りを果たした。
 「(昨年はS級)初優勝もできたし、いい一年でした。(前回の1月)平でも初日に1着が取れているので悪くないです。渡辺(正光)君とは、何度かワンツーが決まっているので、今回も何とか予選突破できるように頑張ります」


<8R>

吉田勇人選手
吉田勇人選手
 ホームの吉田勇人(写真)は、3年ぶりに地元記念に参戦。当所に照準を合わせて、抜かりなく仕上げてきた。
 「ここのあっ旋が出たときは、嬉しかったですね。追い込みになってからは、初めて呼ばれます。ここに向けてやってきました。ここまでは、途中でオーバーワークで腰痛が出た時期もありましたけど、ケアもしっかりしたし。仕上がってきたと思います」
 同じくホームの池田勇人は「毎年呼んでもらっているので、頑張りたい。でも、今の成績ではあまり大きいことは言えないので。一つ一つ頑張りたい」と静かに闘志を燃やす。
 「状態は悪くないと思う。あとは、良い流れになってくれれば。ここまでは普通に練習をしてきました。(10月取手での優勝もあったが)まだまだですね。今は若手も出て来て、(戦法に)迷っている部分もある。それが、今の不調の原因になっているのかもしれないですね」


<9R>

清水裕友選手
清水裕友選手
 清水裕友(写真)は今シリーズが今年の初戦。12月は久留米で優勝、小倉で準優勝といい形で2017年を終えただけに、気持ちも新たにここから好スタートを切りたい。
 「気持ちも乗ってきてる感じですね。今は改修中でバンクが使えないので練習は街道とパワーマックス。直前はバンクに入りに広島に行きました。ちょっと変な感じがあって、そこを修正できたので、バンクで乗ってよかったなと思います。(状態に)不安はないです。初日も3車なので積極的に。人気はあまり気にせず、自分のレースをしたい」
 番手の三宅伸も年末の玉野で決勝2着、今年初戦の1月平で2勝を挙げるなど好調だ。
 「12月前橋で落車して肋骨が痛かったけど、野球や陸上ならともかく自転車なんで乗れた。問題ないですね。平も地元に向けてやったことが出た感じだし、体調も崩してない。清水君とは連係がある。踏み出しがいいんで、しっかり付いて行きたい」
 渡邉豪大はこれがS級2戦目。533着に終わった初戦の1月平をこう振り返る。
 「前回走って感じたのは、A級なら1回合わせたらもう来ないけど、S級はずっと外にいられて踏める距離が違った。自分も(踏める)距離を伸ばしていかないと通用しないなと思いました。2日目、3日目は一般戦だったので、A級とそんなに変わらない気がしましたね」


<10R>

桑原大志選手
桑原大志選手
 平塚グランプリは落車に終わってしまった桑原大志(写真)だが、ここがS班として迎える新年初戦。検車場に到着するなり、慌ただしく自転車の整備をはじめた。
 「前回の落車で(フレームが)廃車になってしまったので、今回から新車です。サイズとかは基本的に一緒なんですけど。S班になってパンツの色が違ったり、人の見る目が変わるだけで、僕自体は変わらない。変わらず(自分の)競輪をするだけ。S班だから結果が出るってほど甘いものではないと思うので。落車もあったので、ここまではガンガンやるってわけでもなくゆっくり乗ってきました」
 桑原に前を任された松岡貴久は和歌山、平塚とFI戦を連覇して昨年を締めくくるなど、着実に調子を戻している。
 「FIは戦えるぐらいには戻ってきた。最近は落車とかもないんで。練習の感じですか? (中川)誠一郎さんならともかく、瓜生(崇智・109期)に合わされるぐらいなんでね(苦笑)。求めてる進み具合と完全に一致してるわけじゃないけど、感覚は悪くないです」
 村上博幸は追加参戦。11月大垣、12月広島に続く記念3連覇がかかるシリーズだ。
 「小倉に行く前もよかったし、帰ってからもしっかり練習して来ました。小倉の決勝が不完全燃焼だったので、ここから気合い入れて走りたい。体も特に痛いところとかはないです」
 稲垣裕之は今年初戦の立川記念で準決勝敗退。それでも落車が続いた昨年後半からは徐々に戻っていると話す。
 「立川も体の感じは悪くなかった。あとはレースの判断とかをもっとしっかりしたい。落車は広島記念のときとかは影響があったけど、立川ではよくなってたし、直前の感じもよかった。もう怪我の影響はないと思う」


<11R>

吉澤純平選手
吉澤純平選手
 三谷竜生は和歌山記念から中2日での参戦。スケジュールはタイトだが、状態の不安はなさそうだ。
 「和歌山の決勝はもったいなかったですね。(まくりに)行くタイミングが難しかったけど、あの位置(3番手)なら決めないといけなかった。体の調子自体は悪くない。大丈夫です」
 今年初戦の岸和田では人気に応えることができず決勝5着に敗れた古性優作。ここは追加参戦となるが、しっかりと修正をしてシリーズに臨む。
 「追加は一昨日の夕方入りました。岸和田がよくなかったんでね。セッティングとか新しい練習が裏目。失敗というか、失敗ではないんですけどダメだった。でも方向性はわかってきました。そこから修正してきたんで、岸和田よりは全然マシだと思います」
 昨年は落車続きだった吉澤純平(写真)だが、9月共同通信社杯からアクシデントはなし。順調に調子を上げている。
 「落車で色々学ぶことはあったけど、やっぱりしないのが一番。最近は落車がないので、上積みというか練習もしっかりできてます。ペダリングや技術的なことを含めて、自分でもいろんなことをやれてると思う。大宮記念は去年も走ってるし、それ以外でも毎年のように走ってる。イメージはいいと思う」
 吉澤の番手を回るのは佐藤慎太郎。そのことを知らされると「粋な番組ですねえ」と笑顔を見せた。
 「けっこう千切れてる人を見るし、千切れないようにしないと。(今年ここまで2本走って)まあまあ。まだ本気は出してないし、ここからですね。ずっと調子自体は悪くないんで、あとは維持するのが。気持ちも含めて、やっぱり波はあるんですよ。今年最初の記念だし、頑張りたいですね」


<12R>

平原康多選手
平原康多選手
 地元のエース、平原康多(写真)は最終12Rに登場する。今年は1月立川記念で優勝するなど、幸先のいいスタートを切った。狙うは大会連覇、通算7度目の地元記念優勝だ。
 「(立川記念の決勝は)すげえキツかったです。小川(真太郎)君がフカしたので(車間が)空いたし。浅井(康太)に行かれる前に行かなきゃいけないと思っただけで、優勝できるとは思わなかった。ここまでも日にちがあったのでしっかりやってきた。体調も崩してないです」
 今年4月で50歳を迎える神山雄一郎。輪界のレジェンドと呼ばれることについて「嬉しいんだけど、結果を残して強いと言われたい」と笑って話すが、「だいぶ自転車のセッティングも固まってきた」と新年初戦へ準備は万端。初日は平原マークで健在ぶりをアピールする。
 10月平塚記念を優勝している柴崎淳は昨年後半から復調一途。好メンバーがそろった今シリーズでも存在感を発揮するか。
 「(昨年9月)防府の最終日から感じがよくなってきてた。練習とレースの感覚が違ってたのが、そのあたりから一緒になってきました。それからは1着も増えましたね。そこからさらに上がってきてる感じはします。今年はまずは怪我のないように。それで今より上をキープできればいいと思う」
 11月競輪祭、12月別府記念と落車が続いた橋本強だが、1月岸和田では213着。「落車が続いたけど、1本休んでケアと練習したら脚の感じは戻った。岸和田も踏めてたし」と怪我の影響はない。初日は単騎戦となったが、侮れない1車だ。