『西武園競輪開設71周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:4月17日

 西武園競輪場で開催されている開設71周年記念「ゴールド・ウイング賞(GIII)」は、4月17日に3日目が行われた。決勝の切符をかけて争われた準決勝3個レースは、高橋晋也、守澤太志、野口裕史が勝ち名乗り。地元のエース・平原康多が敗れる波乱はあったが、宿口陽一が埼玉からただ一人、決勝へコマを進めた。いよいよシリーズも大詰め、18日の最終日には12レースで決勝の号砲が鳴らされる。なお、6レースでは116回生と118回生による一発勝負の第3回ガールズフレッシュクイーンが実施される。
 西武園競輪場にご来場の際は、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。本場では4日間、入場無料。投票券の裏面に「ラッキー」が出たらプレゼントがもらえるラッキー投票券などが予定されています。西武園競輪場、またテレビ、インターネット中継などで観戦をお楽しみください。

<10R>

高橋晋也選手
高橋晋也選手

宿口陽一選手
宿口陽一選手
 赤板過ぎでハナに立った山田諒は、1センターから仕掛けてきた黒沢征治に合わせて踏み上げて、打鐘前から両者で踏み合いになる。黒沢が2センターで山田を叩いて主導権を奪取するが、最終2コーナー6番手から和田真久留がスパート。さらに、その外をバック8番から高橋晋也(写真)も仕掛ける。大外をまくった高橋は豪快に前団を飲み込むと、そのまま後続を振り切って決勝一番乗りを果たした。
 「(初手は)できれば中団が良かったけど、誰も出なかったので前から力勝負だなと思いました。赤板で飛び付くのに脚を使ったので、ジャンで行けるところはあったけどパワーも溜まってなかったので、そこは我慢しました。園田(匠)さんに付いていただいたので、最低限、前に出切らないとって思って気持ちだけでした。(仕掛けた感触は)悪くはないけど、良くはないかな。通常より少し疲れはあるけど、1着は取れているので」
 高橋マークの園田匠が2着に続いてワンツーが決まった。
 「(高橋はまくった和田の)上を行ってるのでたいしたもんですね。(自分は)余裕を持って走れているし、感触は完ぺきに元に戻ったと思います。セッティングは今年で一番良いです」
 宿口陽一(写真)は、最終3コーナーから番手まくりを放ち、3着で地元記念の決勝へコマを進めた。
 「黒沢君の感性に任せていました。(赤板の1センターから)山田君も結構、踏んでいたし、黒沢君も脚を使ったけど頑張ってくれた。(まくってきた)和田真久留が止まったのは分かったんですけど、あそこで(番手まくりに)行ってなかったら後ろからゴッソリ行かれていたと思うし、黒沢君が前でしっかり走ってくれたおかげで3着に入れました」

<11R>

守澤太志選手
守澤太志選手

町田太我選手
町田太我選手
 後ろ攻めから動いた町田太我は赤板過ぎで渡邉一成に突っ張られるも、打鐘手前から再び仕掛けて最終ホームで渡邉を叩く。しかし、後ろが離れて単騎逃げになってしまい、番手にはまった渡邉はまくってくる稲垣裕之に合わせてバックから仕掛ける。内で町田が必死に抵抗して両者併走で4コーナーを回ると、渡邉の後ろから守澤太志(写真)が直線鋭く追い込んで白星を挙げた。
「(渡邉)一成さんがしっかり組み立ててくれて、全部やってくれました。まくり切ったと思ったので外を踏みましたけど早かったですね。あそこは判断を間違えました。2日目が悔しい思いをしたので、準決、決勝と巻き返したかった。調子は全く問題ないし好調だと思います」
 町田太我(写真)は援軍を失いながらも2着に逃げ粘った。
 「後ろから押さえてペースで駆けようと思っていたんですけど、(渡邉が)踏んだので上からいつも通りカマす展開になった。後ろが競りでしたけど、後ろを意識して駆けられるような経験もないので、いつも通り走ることを心掛けました。西武園は今回が初めてですけど軽くて走りやすいし好きなバンクですね。過去2回、記念の決勝に乗れているけどまぐれだったと思うし、今回は自分の力を証明できました」
 稲垣に勢いをもらった村上義弘は、直線で町田と渡邉の間のコースを踏んで3着に入った。
 「稲垣が後方にならない走りをしてくれました。町田君が一人で行ってヤバい展開になったんですけど、仕掛けてくれると信じて付いていました。日に日に道中の判断と体が噛み合ってきてくれています」

<12R>

野口裕史選手
野口裕史選手

岡村潤選手
岡村潤選手
 赤板の1コーナーで松川高大が森田優弥を押さえたところを、野口裕史(写真)が2コーナー手前で一気に叩いて先制。後方になった森田は反撃のタイミングが狂ってしまい、徐々に前団に迫るも最終2センターの岡村潤のけん制で力尽きて後退する。平原康多も外々を回される苦しい展開となり、快調にハイペースで駆けた野口がそのまま逃げ切って無傷で決勝進出を決めた。
 「(初手は)こうなってほしいっていう並びになりました。森田君も赤板で結構、踏んでいたし、みんな脚を使っていたので一番良い流れになりましたね。ジャンのところで踏み過ぎた感じはあったけど、(最終)3コーナーまで持てば良いかっていうくらいの気持ちでした。昨日(2日目)よりも寒さがあって重たい感じはあったんですけど、逆にアタリがあって踏み切れました。記念の準決勝でラインでワンツースリーが決まるとは思ってなかったのでうれしいです」
 番手の岡村潤(写真)が2着に続いた。
 「(野口は)ペースが独特で後ろで脚が溜まらないのでキツかったです。ずっと加速していく感じで、最初はオーバーペースかと思ったけど、最後まで持つのでたいしたもんですね。(自分は)バックでやっと脚が溜まって、一瞬、余裕が出たくらいでした。今回は毎日、セッティングとかを変えているけど、悪い方には行ってないので、もう少しいじってみようと思います」
 ライン3番手の萩原孝之が3着。南関勢で確定板を独占した。
 「(野口は)最初の掛かりのそのままのスピードでゴールまで行った感じでした。(打鐘前に)あんなに踏むと思ってなかったから、ちょっと口が空いてしまってキツかった。追いついてからは踏まないように回していたけど、全然タレてこなかったです。埼玉県は相性が良いですね。日に日に踏めている感じはあります」

<最終日6R ガールズ フレッシュクイーン>

尾方真生選手
尾方真生選手

 最終日の6レースでは、デビュー2年未満の選手で争われるガールズフレッシュクイーンが実施される。人気の中心になりそうなのは、点数最上位の尾方真生(写真)。前々回の広島FIIと続く小倉MNで完全Vを飾り、現在6連勝中だ。
 「(前回の小倉からは)しっかり練習はできたし調子は良いと思うので、思いっきり走れたら良いなと思います。(昨年の)競輪祭を走って、まくりじゃ勝てないなって思ったのと、逃げて強い選手に勝っていけたら大きい舞台でも戦えるなと思って、最近は力を出し切るレースを心掛けています。(西武園は)良いイメージはないんですけど、ここでそのイメージを変えられたらなと思います」
 攻め幅広い西島叶子は、前回の武雄MNで自身2度目の優勝をつかんだ。
 「優勝できるっていう自信はなかったけど、初日と2日目に先行して良い感触はありました。武雄のあとは1日休んで疲労を取って、今回に向けてしっかり練習して調整もしてきました。自力を出した方が持ち味を出せると思うので、そういう展開に持っていけるようにしたいです」
 永禮美瑠は、前回の4日制四日市FIIで優出に成功。決勝でも3着で確定板入りを果たした。
 「4日制も自分の中ではしっかり対応できたと思うので、今回は単発レースですけど問題はないと思います。最近は何でもやろうと思って走っているので、自分のパターンではなかった時も落ち着いて走れているのかなと思います。流れを見て、しっかり行けるところから行きたいです」