『西武園競輪開設75周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:8月31日

 西武園競輪場でナイターシリーズで開催されている開設75周年記念「ゴールド・ウイング賞(GIII)」は、8月30日に3日目を迎えた。見ごたえ十分の戦いが繰り広げられた準決では、眞杉匠、山口拳矢、森田優弥の3人が1着。地元勢は森田優をはじめ、武藤龍生、宿口陽一、久木原洋の4人が優出を果たした。シリーズもいよいよ大詰め、8月31日の最終日には、激戦を勝ち抜いた9人による決勝で優勝が争われる。
 記念開催中は、8月31日の最終日も様々なイベントでみなさまのご来場をお待ちしております。レインボーの“推し勝”吉本お笑いライブ、“推し勝”うちわを先着でプレゼント。キッチンカーの出店、未確定車券抽選会、平原康多展覧会「栄光の軌跡展」、SPEEDチャンネル専属解説者による予想会、“推し勝”ビューティートークライブ、選手会埼玉支部のチャリティーオークション・チャリティーブース「チャリ氷」などが予定されています。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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森田優弥選手
森田優弥選手

南修二選手
南修二選手
 スタート直後の1センターで新田祐大、森田優弥(写真)に挟まれた吉田拓矢が落車。5番手になった森田一郎が、赤板手前からダッシュを利かせて前の北日本勢を押さえて主導権。3車の地元勢に、吉田の落車で1人になった堀江省吾が続く。単騎の南修二が最後方になり、5番手の板垣昴は打鐘で仕掛ける。森田一がペースを上げて、板垣は1車しか進まない。最終ホームを過ぎて浮いた板垣が後退。森田優は前との車間を大きく空けて、2コーナーからまくった堀江に合わせて詰める。森田優はそのまま3コーナーで番手発進。外を踏み込んだ新田は一息。南、佐藤慎太郎がインを突いて直線へ。強襲する南を、森田優が退けた。
 「車番が悪かったんで、(スタートで)前に出てからと。(森田)一郎が頑張ってくれたおかげです。(先行した)一郎と決められるかもしれないっていうのがあった。でも、相手も相手だし、(宿口)陽一さんと決められて良かった。日に日に良くなっています」
 周回中から北日本勢の後ろにいた南修二(写真)は、最終バックで7番手。2センターで前の佐藤よりも一瞬、先にインに入り直線で伸びた。
 「北日本が突っ張ってくれれば一番良かったんですけど。ジャンからはハイスピードで仕掛けられる感じじゃなかった。なんとかリカバリーができた。(変わりなく)いい感じです」
 森田優が番手まくりを打ち、続いた宿口陽一は堀江を最終2センターで張って追い込んだ。
 「僕は追走は良かったけど、どこからでも突っ込んでくる人たちがいるんで油断もできなかったし、(内を)空けられなかった。それで脚力をロスしたところもあります。(追走で細かいミスをした)初日の反省を生かせた。ただ、自転車があんまりマッチしてないので、微調整をしたい」

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山口拳矢選手
山口拳矢選手

新山響平選手
新山響平選手
 成田和也がスタートを出て、3車の北日本勢は前団を占める。新山響平が赤板過ぎに山口多聞を突っ張る。打鐘手前で太田龍希が北日本勢の後ろを確保するが、山口多は浮いたまま。主導権の新山はそのまま駆けて、最終ホームを迎える。山口多が力尽きて、4番手の太田は、2コーナー手前から仕掛ける。太田は不発。バックから踏んだ渡邉雅也に合わせるように、5番手の山口拳矢(写真)がまくる。粘る新山をゴール前でとらえた山口拳が、初日特選から3連勝。
 「ジャンで(太田に)入られてしまったのは、ミスですね。(最終3コーナーでは)内か外か迷ったけど、(太田)龍希が戻って来たので、外でした。今日(3日目)が一番力が入りました。力が入らず不安だった部分も、今日で解消できたかなと。体の問題と思っていたけど、(本来の状態に)戻った」
 山口多との踏み合いで脚力を消耗しながらも、2周を駆けた新山響平(写真)が2着に逃げ残った。
 「後ろがガッチリしている追い込み屋2人だったので、(山口)多聞もやめないだろうと思いつつ、(踏み合いに)付き合おうかなと。成田さんがブロックしてくれて、(踏み合いが)早めに終わった。ペース配分は悪くなかったけど、セッティングがまだ出ていない。最終バックぐらいではフォームが良くなかった」
 山口拳マークの塚本大樹は、直線で吸い込まれるように3着に入って優出。
 「(自分とは)レベルが違うし、全部(山口)拳矢に任せていた。(踏み出しは)強烈でしたね。でも、ああいうまくり(の展開)は得意なんで、キツくなく付いていけた。(感触は)問題ない。展開が向いたら、着を取れる感じです」

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眞杉匠選手
眞杉匠選手

武藤龍生選手
武藤龍生選手
 佐々木堅次が、赤板1コーナーで眞杉匠(写真)を押さえる。そこを齋木翔多が出てペースを上げる、南関勢に続いた伊藤颯馬は、打鐘で3番手の佐々木堅と併走。隊列が短くなり、7番手で間合いを取っていた眞杉が、2センターでスパート。伊藤颯も外併走から合わせるが、眞杉がスピードの違いで叩き切る。最終2コーナー手前で3番手の久木原洋まで出切り、4番手に伊藤颯。眞杉の先行で別線には出番がなく、二次予選同様に武藤龍生を振り切った眞杉が1着。
 「細切れだったので、作戦はなかったです。(仕掛けるポイントは)いいところでいけたけど、出が悪かった。もっと楽に乗りたい。昨日(2日目)の方が感じは良かった。道中から気持ち良く流せるところもなくて、もうちょっとっていう感じです」
 二次予選では3番手の高橋広大が連結を外していただけに、武藤龍生(写真)は後ろの久木原洋を気にかけながらの追走で2着。
 「(眞杉は)いつでも行けそうな感じがあったので、自分が久木原さんに迷惑を掛けないように思っていました。(出切ったあと、後ろに久木原がいたのも確認できて)3人で決まるようにと。自分は抜ける感じがなかった。(最終)ホームの3車併走のところで、結構、脚を使ったので苦しかった」
 最終1センター付近で内側の2車を通過するところが勝負だった久木原洋が、そこを乗り切って決勝に進出した。
 「(ラインの)2人に付いていくことだけでした。関東を代表する自力(眞杉)とマーク(武藤)だったんで。自分もペースが上がっているところを付いていくのも問題がなかった。ただ、(最終)1コーナーのところは、僕が狙われているなって思った。そこだけは集中していました。(地元記念の優出は)素直にうれしいです」