『西武園競輪開設76周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:4月12日

 西武園競輪場で開催された開設76周年記念「第1回平原康多カップ(GIII)」は、4月12日に最終日が行われた。地元の宿口陽一、黒沢征治も勝ち上がった決勝は、カマした眞杉匠マークの吉田拓矢が、番手から追い込んで優勝。2月の静岡に次ぐ今年2度目の記念V。通算9度目のGIII制覇で、第1回平原康多カップを制した。

決勝戦 レース経過

 号砲が鳴ると吉田拓矢が誘導員の後ろに収まり、眞杉匠-吉田-金子幸央の栃茨勢が前を固める。中団が皿屋豊-浅井康太の三重勢。6番手からが黒沢征治-宿口陽一の地元勢で、古性優作、佐々木豪の単騎両者は8、9番手。
 黒沢が青板3コーナー付近から上昇すると、皿屋が合わせて動く。赤板過ぎに皿屋が切って、すかさず黒沢が叩く。古性は地元勢を追い3番手。皿屋は4番手に下げて、最後方の佐々木は打鐘過ぎに栃茨勢の内をすくって6番手に。一方、眞杉は2センター付近から一気にスパートし、最終ホーム手前で黒沢を叩き切る。佐々木はそのタイミングでまた内を突いて上昇するも、栃茨勢の3車が出切る。5番手の黒沢が2コーナーで仕掛けたが、4番手の外でいっぱい。4コーナーを番手絶好で迎えた吉田が、直線半ばで眞杉をとらえて今年2度目の記念制覇。2着は眞杉、3着にも金子が入って、ラインで上位独占が決まった。
吉田拓矢選手
吉田拓矢選手

 昨年5月に引退した平原康多のタイトルがついた初めての西武園記念。平原の現役ラスト場所になった昨年の日本選手権4日目のゴールデンレーサー賞で3番手を固めた平原の前にいた2人が、責務を果たすワンツー決着で関東勢の牙城を守った。
 「連戦で疲れはあったけど、ここだけは勝ちたいと思って臨んできた。だから(優勝できて)うれしいですね」
 ファンを前にしてのインタビューでこう振り返った吉田拓矢(写真)は、前回の伊東記念から中2日の強行ローテーション。それでもここにかける思いは人一倍だった。
 大挙5人が決勝に進んだ関東勢は、地元の埼玉コンビとは納得の別線勝負。できあがった栃茨3車のラインは、吉田が栃木勢の間に入る布陣になった。
 「本来なら(栃木同士で)金子(幸央)さんが番手なんですけど。3番手でいいから、番手回ってくれって。そのおかげですし、眞杉(匠)君がああやって仕掛けてくれたおかげで勝つことができました」
 ラインの前後に感謝を忘れることなくこう言った吉田にとっては、3人での上位独占もまた自身に課した使命でもあったのだろう。
 レースは、赤板2コーナーで先頭に立った黒沢征治が先行態勢。後方でタイミングを取った眞杉は、打鐘3コーナー過ぎからスパート。ほぼ同時に黒沢も踏み上げたが、スピードの違いは明らか。最終ホーム過ぎに眞杉が主導権を奪って、吉田、さらに3番手の金子まで出切った。
 「(眞杉が)本当に強くて離れかけたけど、なんとか付けたので良かった。眞杉が掛かっていたので(別線は)誰も来ないだろうと思って、あとはラインで決まるようにと。眞杉が2着に残ってくれて良かったです」
 単騎で4番手に飛び付いた佐々木豪は、態勢を立て直すのに精いっぱい。5番手の黒沢のまくり、その後ろにいたもう1人の単騎、古性優作も栃茨勢を脅かすことはなかった。番手で車間を空けた吉田が、盤石の追い込みで勝ち切った。
 「平原さんが大事にしてきたラインの力を見せられたかなと。平原さんと武田(豊樹)さんは、デビューしてから競輪を教えてもらった師匠のような存在です。(次回の日本選手権までは)間隔が空くので、眞杉たちと一緒に合宿をする予定なので仕上げていきたい。いつでも(眞杉の前を回る)準備はしています」
 眞杉のまくりを交わしてダービー王になってからもう一年。眞杉とのワンツーは、連覇のかかる日本選手権が平原不在でも関東勢安泰を印象づけるには打ってつけだっただろう。

 カマシ一撃で別線を仕留めた眞杉匠が2着。まずまずの手ごたえで次回につなげた。
 「あそこから仕掛けて、後ろが吉田さんで押し切れるのは難しいかなと。いいところから行けたので良かった。ちょっと重かったですね。でも、前回よりはいいかなって思いました」

 佐々木に飛び付かれる隙を与えることなく、金子幸央はS級S班2人を追走。最後まで内を締めて、直線は外を踏んだ。
 「前2人が強いので、2人に離れないようにと思っていた。最後に眞杉君を抜けば2着でしたね。連日、前の選手たちのおかげです」







次回のグレードレースは、「大楠賞争奪戦」が4月18日~21日、武雄競輪場において開催されます。

ダービー前の最後の記念開催で大事な一戦にはS班から5名がエントリー。中でも脇本雄太は今年に入ってパーフェクトと言ってよい成績を残していて、参戦なら本命に人気を集めるでしょう。ただ、迎え撃つ九州勢も好メンバーが揃っていて、山田英明、庸平兄弟を軸に、新S班として九州の顔となった嘉永泰斗や山崎賢人らが結束して強力ラインを結成しています。さらに眞杉匠らもいて、絶対に見逃せないシリーズになるでしょう。

4月8日時点の出場予定選手データを分析した、武雄競輪「大楠賞争奪戦(GIII)」の主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。

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