『京王閣競輪開設76周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:10月1日
 京王閣競輪場で開設76周年記念「ゴールドカップレース(GIII)」が、10月2日に幕を開ける。脇本雄太をはじめ、眞杉匠、岩本俊介、松浦悠士、清水裕友とS級S班5人が参戦する豪華メンバーによる4日間のシリーズだ。さらには吉田拓矢、新田祐大、守澤太志、菅田壱道、和田真久留、和田健太郎、浅井康太らが名を連ね、地元からは高橋築、鈴木竜士、寺沼拓摩、鈴木薫らが他地区を迎え撃つ。前検日の10月1日は、あいにくの雨となったが、選手それぞれが入念な調整を行い、翌日からの戦いに備えた。
 記念開催中は毎日、地元選手によるトークショー、鈴木誠さんらによるオーヴァル予想会、東京支部の選手会ブース、キッチンカーの出店などが予定されています。また、10月2日の初日は、「パステル☆ジョーカー」のライブなどもあります。京王閣競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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山本伸一選手
山本伸一選手
 前々回の西武園記念では2勝をマークも同地区の南修二とのコミュニケーションで多くの課題を見つけた山本伸一(写真)は、続く川崎FIを737着。
 「上のクラスで走ると力の違いを感じるし、なにか変えなければいけないと思って練習ではいろいろやっている。(西武園のあとから)自転車のこと、体の使い方だったり、新たなトレーニングをやったりしている。それで徐々に方向性が見えてきた。それをレースでどうやって出すかですね。(南)修二さんが共同通信社杯で優勝した時にも言ってたけど、歳は関係ないって。(南は)ずっと成長している。(共同通信社杯は)修二さんは獲るべくして獲った。自分もそうなれるように」
 近況は勝ち星から遠ざかっている福永大智は、工夫を凝らながら上昇のタイミングをつかみたい。
 「感じはずっと微妙ですね。なにが悪いのかわからない。(7月のサマーナイトフェスティバルでの)落車の影響はもうないんですけどしっくりこない。いろいろ試行錯誤もしているんですけど。でも、そのなかで毎回、自信をもって走るようにはしている。今回でキッカケをつかめれば」

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堀内俊介選手
堀内俊介選手
 前回の青森記念が5852着といまひとつだった堀内俊介(写真)は、前々回の玉野FIでは久々に決勝に進んでいるだけに、その感覚を求めてこう口を開く。
 「玉野は感触良く走れたんですけど、青森ではその感触がなかった。(青森の)直前に(競技大会の)地区プロのためにカーボンフレームに乗ったのが良くなかったのか…。そのあとは1週間くらいあったんで、前回より良くなっているといいんだけど。前回の分も頑張りたい」
 三谷政史は、前回の小倉FIで初日に落車に見舞われた。S級にカムバックした今期は、104点台の競走得点を保持していて奮闘。状態面が気がかりだ。
 「(落車の怪我は)肩の擦過傷がひどかった。でも、(小倉の)次の日の移動以外は、休まずに練習をしてきた。このまま選手としては終わっちゃうんじゃないかって時もあったけど、いまは(S級で走っていて)楽しいです」

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 昨年の地元、京王閣記念では準決敗退の河合佑弥は、前回の名古屋FIを176着から2週間以上空いて、今シリーズを迎える。
 「(青森記念を)1場所欠場したけど、体は大丈夫です。練習はしっかりやってこられたし、(鈴木)竜士さんと一緒に合宿してきた。ここに合わせてしっかり準備はしてこられたと思う」
 直近のFIの3場所ではまずまずの成績を残している山本奨は、「もうちょっとほしい」とは言いながらも、感触は悪くなさそうだ。
 「最近は(自力と人の後ろは)半々くらいですかね。自分でやった時でも、準決に上がれるくらいの成績は取れている。しっかりトレーニングをやって、脚が整ってきたのが成績に出ている。2月に転んで、戻すのに時間が掛かった。5年ぶりの落車だったので、時間が掛かっちゃいましたね」

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福田稔希選手
福田稔希選手
 特進一発目となった9月の岐阜記念では、一次予選を敗退もその後は3走連続でバックを奪取してオール確定板に上がった。その後も積極的な走りが目を引く福田稔希(写真)は、今シリーズが2度目のグレードレース。
 「(S級は)赤板のスピードが速い。残り1周でもう脚が残っていないことが多い。そこも含めて脚力を上げていかないと。(自分が逃げても)すんなりの一本棒だと、(別線に)まくられてしまう。(前回のあとも)しっかりと練習をしてきました」
 3場所前の西武園記念の一次予選では、1位入線も失格の憂き目をみた菊地圭尚は、「流れがイマイチですね」と、冷静に近況を受け止める。
 「(前々回の)平塚も脚とか気持ちに余裕はあった。次の青森記念もいけるんじゃないかと思ったけど、難しい展開だった。展開が良ければいいんですけど、(毎回)そんなうまいことはないですよね。青森は新車だったけど、感じは悪くなかった。(セッティングを)煮詰めていけば、もっと良くなると思います」

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 9月はあっ旋のなかった大川剛は、6月富山以来のGIIIで久々の実戦を迎える。1カ月以上空いただけにレース勘の心配はあるが、それと同時に期待も膨らむ。
 「(空いている期間は)普通に練習をしていました。いつも通りでしたね。あとは走ってみてからだと思います。良くなっていることを願いたいです。(9車立ても)最初に比べれば、臨機応変に戦えるようになってきた」
 岩谷拓磨は、1カ月以上ぶりの前回の佐世保FIを252着。3走すべて最終バックを取って、攻める走りを見せた。
 「前回は1カ月ぶりの実戦だったけど、その前の小倉に比べるといい意味で全然、違った。体の悪いところは、全部取れたと思う。体にまだ違和感はあるけど、痛み自体はない」

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寺沼拓摩選手
寺沼拓摩選手
 3日制だった当所GIIIを皮切りに6場所連続で優出中の寺沼拓摩(写真)は、ホームバンクの記念に気持ちを込めて、昨年の2521着以上の戦績を目標に掲げる。
 「去年(の京王閣記念は)二次予選でダメだったので、去年よりもっていう思いです。去年は2班だったし、今年は(1班なのでさらに)頑張りたい。(状態的にも)いつも通りだと思うので、1走、1走を集中してっていうことでしかないですね」
 前回の名古屋FIでは、一昨年7月の京王閣以来の優勝を遂げた岡本総は、近況、高いレベルで成績をまとめている。
 「最近は怪我なくこられているし、そこまで調子は変わっていないんですけど流れ一本です。前回は地元で優勝もできたし、ここまでは少し空いたので練習はいつも通り変わらずやってこられました。京王閣は前に優勝もしているので、苦手意識とかはないです」

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 オールスター、共同通信社杯とビッグを続けて走った和田真久留は、前回佐世保は225着とFIでもしっかりと優出。一次予選は先行で力をつけている日高裕太に前を任せる。
 「(前回は)脚は問題なかったが、最終日は度胸が足りなかったですね。(前回のあとは)脚力を上げるようにできる限りの練習をしてきた。(状態は)走ってみないと。でも、前回、前々回よりはマシだと思う」
 大川龍二は前々回の玉野FIでの優勝を含めて、3場所連続で決勝に進出。3場所で5勝の固め打ちと乗れている。
 「今年の前半戦は、落車も多くてなかなか調子も上がらなかった。けど、最近は転んでいないし、それが一番調子のいい要因ですかね。いまは計画通り練習できているし、今回も変わらずこられました。(広島の)地元バンクも今年使えるようになりますし、いまはそこがモチベーションになっています。競走スタイルは悩みどころですけど、自分で戦う脚がないと上では戦えない。前がいない時は自分でやるつもりでいます」

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園田匠選手
園田匠選手
 今回、追加での参戦となる園田匠(写真)は、8月のオールスター後は4場所連続で決勝進出。前回の地元、小倉FIでは今年2度目の優勝を飾り、いい状態で今シリーズを迎える。
 「(前回は)東矢(圭吾)君がすべて頑張ってくれましたけど、あのメンバーで勝てたことは自信になりますね。(追加だが)詰まっているほうが好きなので。(京王閣は)1着が取れていて、苦手なイメージはない」
 3場所前の高知FIで落車に見舞われた棚瀬義大は、フレームでの試行錯誤も状態面は上昇カーブを描いている。
 「落車自体は軽かったんですけど、フレームが…。(前々回の岐阜では高知の時の)そのフレームでやってダメだった。(状態的には)最近、わりと、戻ってきた。(練習がコンスタントにできているので)これを続けていきたい」

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 7月の当所GIIIで決勝進出している小倉竜二は、一次予選は同県の新鋭・小川三士郎に前を預ける。
 「(前回の)初日は良くなかったが、シューズやサドルの微調整をして立て直せたかなと思う。(前回のあとは)帰って軽めに練習してきた。(小川とは)初めてなので、どういう走りをするかわからないが、なんとか勝ち上がれれば」
 前回の立川FIで初日、2日目と先行策を披露した佐々木眞也は、3日間すべてで確定板入りと着も内容も良かった。
 「(前回は)自分の感覚は悪くなかった。(ここまでは)練習しつつ、疲れを取りながらきたので、状態は変わらないと思う。(京王閣は)そんなに走っていないが、走りやすかったバンクだと思う」

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新田祐大選手
新田祐大選手
 3場所前の松阪ミッドナイトGIIIは243着で未勝利に終わった新田祐大(写真)だが、その後のFI戦は2場所ともに連勝で決勝に勝ち進んだ。当所は7月のGIIIで優出を逃したが、一昨年に記念を制覇し、昨年も優出している好相性走路だ。
 「(前2場所は)ボチボチ。悪くはないかなと思う。(前回の佐世保の決勝は)仕掛けるタイミングが、もう少し早ければ面白かったと思う。(ここまでは)ナショナルチームのほうに行って伊豆で練習をしてきた。(京王閣は)悪いイメージはない」
 3場所前の小倉FI、前々回の名古屋FIと決勝に進んだ守澤太志は、前回の地元、青森記念でも2勝をマークした。
 「だいぶ自分の調子は戻ってきたけど、郡司(浩平)君や新山(響平)君と連係するとまだ足りないところがある。(前回のあとは)良くなってきた感覚を忘れないように練習してきた。状態は走ってみないとわからないけど、変わらないかなと思う」

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 7月の当所GIIIで優勝を飾った鈴木竜士は、その後も3場所前の松戸記念で優出。前回の富山FIは完全優勝と状態を維持して地元記念に挑む。
 「(近況は)とくにいいも悪いもないですね。自力で結果を出せているわけではないので。(直前は)京王閣で若手と集まって練習してきた。戦える状態ではあると思う」
 椎木尾拓哉は、前回の青森記念を1842着。成績面からは悪くなさそうだが、自身のジャッジは厳しい。
 「青森はぶっちゃけ良くなかった。恵まれた感じですね。周りのレベルが上がっているので、自分のレベルが上がっていない。(和歌山の)バンクが使えない影響が、(良くない理由の)一番だと思います。新車ではないけど、(青森と)違う自転車を使います。それがいい方に出てくれれば」

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脇本雄太選手
脇本雄太選手
 福井の共同通信社杯では2次予選Aでバンクレコードを記録するなど地元ビッグでシリーズ3勝を挙げた脇本雄太(写真)だが、準決は8着と前回の悔しさをにじませた。
 「(前回は)しっかりと体は仕上げたつもりで走ったが、展開や技術不足もあって満足のいく結果ではなかったですね。(前回のあとは)自分の祝勝会があって、その週は休みを多めに入れた。その後は(福井の)バンクが使えないということもあったので、いろいろ忙しかった」
 前々回の西武園記念準決で落車した吉田拓矢は、前回の共同通信社杯は一次予選が中止となり、2日目から途中欠場。久々のレースになるが、初日は気心知れた眞杉匠とのタッグで臨む。
 「(レースを)1カ月ぐらい走っていないが、(ここまでは)深谷(知広)さんたちと合宿に行ってきました。(西武園記念の落車で)手首に関しては痛みがあるが、練習も積めたし、走るぶんには問題ないです。(当所の)前回(7月のGIII)みたいに関東でいい勝負がしたいですね」
 サマーナイトフェスティバルの初日に落車した松浦悠士は、今シリーズが復帰戦。約2カ月半と間が空いただけに、状態面は気になるところだ。
 「(落車の怪我は)左ろっ骨の多発骨折と肺挫傷、血気胸でした。自転車に乗り始めたのはここ最近で、練習の脚はそれなりに戻ってきた。ただ、いままでの怪我とは違いますね、走りながらなんとかするしかない」