『京王閣競輪開設76周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:10月3日

 京王閣競輪場で開催されている開設76周年記念「ゴールドカップレース(GIII)」は、10月3日に2日目が行われた。勝ち上がりが争われた二次予選では、脇本雄太、岩本俊介、松浦悠士のS級S班3人が勝ち星を挙げて、眞杉匠は4着で準決に進出。アクシデントのあった清水裕友は、S級S班でただ一人、敗退となった。10月4日のシリーズ3日目には、ファイナルをかけて準決の3個レースで火花が散らされる。
 記念開催中は毎日、地元選手によるトークショー、鈴木誠さんらによるオーヴァル予想会、東京支部の選手会ブース、キッチンカーの出店などが予定されています。また、10月4日のシリーズ3日目には、元CoCoの宮前真樹さんをMCにWinkの鈴木早智子さんをレジェンドゲストに「昭和アイドルアーカイブスin京王閣」、未確定車券ガラポン抽選会、縁日、秋のクラフトビール祭りなどもあります。京王閣競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<6R>

和田健太郎選手
和田健太郎選手
 8番手の山口多聞が上昇を始めると、それを制して堀内俊介が6番手から動く。赤板過ぎに堀内、山口がほぼ同時に切って、山口が先行態勢を取る。堀内は3番手を確保して、伊藤旭は5番手。7番手になった林敬宏は、打鐘3コーナー過ぎから巻き返す。山口もペースを上げて最終周回へ。林は番手まで出切れない。そこを判断した浅井康太が、2コーナー過ぎから自力に転じる。狭いコースを踏んで浅井の後ろに切り替えた堀内が、栗山俊介をさばく。続いた和田健太郎(写真)は、直線の入り口で浅井が空けたインを突いて追い込む。内から抜け出した和田が1着。
 「山口君が一番強気なレースをするだろうと。それで自分たちが後ろになってもっていうのがあって、(堀内は)しっかりと切りにいった。(最後のコースは)外にいこうと思っていたけど、かぶっていたんで内に行きました。(コースが)そこしかなかったです。(状態的には)そこまでいいとは言えないですね。それなりかなと」
 浅井後位を奪取した堀内俊介は、ゴール前で外から浅井を交わして2着。南関ワンツーで決着した。
 「とりあえず動いてみてでした。(3番手の)いい位置が取れたけど、内から来られるかもっていうのはありました。ただ、ペースが上がったんで落ち着いてでした。自分のタイミングで仕掛けようと思ったけど、林君が止まってたんで、そこの見極めをと。浅井さんにスイッチできたんで、なんとかです。(前回の)青森はそんなに良くなかった。それに比べればいいのかと思います」


<7R>

守澤太志選手
守澤太志選手
 赤板手前で室井蓮太朗が動いた上を、すかさず鈴木竜士が切る。しかし、後方となった大川剛が、一気に巻き返して主導権を握る。鈴木は中団に入るも、打鐘4コーナーで7番手の室井が仕掛けて前団に迫る。最終バックで守澤太志(写真)のけん制を避けると、田尾駿介は内に進路を取る。3コーナーで鈴木と山中貴雄が接触し、鈴木、吉田拓矢、野中祐志の3人が落車。なんとか大川を室井がまくり切るも、守澤が直線で突き抜けた。
 「(大川は)しっかり行くべきところで行って、ペースで駆けていたと思う。(最後は)余裕はあったんでいけるかなとは思ったんですが、(ラインで)一人だけの勝ち上がりになったのは残念です。昨日(初日)はかなり悪かったんで、(新田祐大に)離れたことでそれを再確認できました。体の使い方を戻して、上向いたことは上向いたと思います」
 守澤の内に入った田尾駿介は、守澤と併走のまま直線を迎えるも、踏み負けて2着。
 「(室井が最終)1センターから伸びたので、(バックの)直線でのみ込むかなと思った。自分は荻原(尚人)さんのところでバッティングしないようにしてから内を突いた。無理に外にもっていくと(室井)蓮太朗までコカしてしまうと思い、遠慮しながらになった。セッティングをいじりながらで今日(2日目)に関しては良かったし、(バンクの)重さも感じなかった」


<8R>

松浦悠士選手
松浦悠士選手
 誘導との車間を空けた小川三士郎を、藤井昭吾が赤板で押さえ切る。すると2コーナー出口から河合佑弥が、一気に踏み込んで先行態勢に入る。藤井と3番手外併走の形から、打鐘3コーナーで小川が仕掛けようとするも、一戸康宏のけん制を受ける。最終1センターで小川の後退に合わせて、松浦悠士(写真)は、小川、椎木尾拓哉の中をこじ開けながらまくりを開始。2センター手前で河合をとらえると、直線では後続に1車身半の差をつけて、落車後の初白星を手にした。
 「(打鐘3コーナーで小川が)そのまま行っていれば(河合を)叩けたんじゃないかなと思いました。(最終1センターは)外を踏むかどうしようかって迷って、中を割りながらになった。タイム的にはそこまでかなと思いますが、一戸さんのあおりを食らいながらでも踏めているし、復帰戦にしては動けているかなと思います」
 松浦を追った稲吉悠大は、一戸との併走で追走が厳しくなる。最終バックでは後方に置かれたものの、直線でイエローライン付近を鋭く伸びた菅田壱道が2着に食い込んだ。
 「小川君は松浦君を連れているので、絶対に巻き返すと思っていた。松浦君が(内に)降りて、ゴチャついているのを見てからの仕掛けだったので、遅れてしまいましたね。あの位置から2着まで伸びているし、悪くはないです。でも、もっと思い切っていけていれば、(佐藤)和也さんと決まったのかなと思います」


<9R>

岩本俊介選手
岩本俊介選手
 南関勢が前団に構える。赤板過ぎに原田研太朗を阻んだ日高裕太は、すかさず踏み込んだ福田稔希を突っ張り主導権を渡さない。福田が2コーナーで4番手に降りて、原田は7番手に下げる。打鐘4コーナー手前から福田が再度仕掛けて、最終1コーナーで岩本俊介(写真)が福田をブロック。7番手の原田は車間を詰める勢いで2コーナー過ぎからまくり、岩本は引きつけることなく番手から出る。福田が横にいて岩本の加速に遅れた石毛克幸が、追いかける。2着争いをしり目に、岩本が後続をちぎった。
 「(最終1コーナー付近は)福田君がすごい勢いで来ちゃって、けん制しながらでハラケン(原田)が見えなかった。ただ、かなりハイペースだったので、(日高が)あそこまでやってくれたら、なんとしても準決に乗らないとって。今日(2日目)は僕が番手まくりでチャンスをモノにしたけど、日高君(の気持ちの入った先行)を見ると、自分もまだまだ頑張らないとって勉強になりました」
 寺沼拓摩に迫られながらも石毛克幸は、僅差で2着をキープした。
 「赤板のところでもうちょっと集中をしていれば…。あれでだいぶ脚を使っちゃいました。あれがなければ、もう少し楽だったかなと。今日(2日目)は必死に付いていって、感じは悪くないと思います」


<10R>

新田祐大選手
新田祐大選手
 赤板過ぎに清水裕友が出る。そこを打鐘で土生敦弘が先頭に立ち、清水が中団に入る。新田祐大(写真)は、打鐘4コーナーで清水ラインの内から上昇し、最終1センターで清水をすくって4番手を確保。しかし、清水、園田匠、菊地圭尚の3車が接触し、菊地、山口貴嗣が落車。一方、新田は2コーナー出口から一気に加速すると、1人でまくり切って後続を突き放した。
 「残り1周のところで清水君が外を警戒していた。自分がいこうと思ったときに土生君が踏んでいったので、内に行って(中団に)ハマった感じですね。土生君がペース駆けだったので、清水君も迷ったと思う。良くないレースだったし、スッキリしないですね。1着ですけど、内容も良くないですし、明日(3日目)挽回できるように」
 土生の先行に乗った神田紘輔が、新田のまくりに切り替えて追うが、伊藤正樹が、直線で神田の外を伸び切った。
 「(土生の仕掛けた)タイミングは良かったと思う。(後ろで)落車の音が聞こえたけど、自分は前の2人に迷惑を掛けないように付いていくだけだった。久しぶりに初日から勝ち上がれたので、気持ちよく走れていますね。体の感じは問題ない」


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脇本雄太選手
脇本雄太選手
 早めの上昇で前受けの脇本雄太(写真)に併せ込んだ梁島邦友が、赤板過ぎに切って出る。さらに平尾一晃が押さえて、九州勢を追った和田真久留は脇本を警戒しながら5番手に入り打鐘を通過。平尾が主導権を握り、3番手の梁島は車間を大きく空けて最終周回へ。2コーナー過ぎに和田がまくりを打ち、後方から詰めた脇本も襲い掛かる。バックで小川賢人が番手発進。山本伸一はバック付近から脇本に置いていかれて、直線半ばで小川、梁島、和田をまとめてとらえた脇本が1着。
 「どの位置取りでも、7番手になるかなと思っていた。誘導を切らせてからと。(調子は)これでもなんとも言えないですね。全身が疲れているので、疲れを抜くことだけですね。前検日に(バンクに)乗れなかったので、(初日に)1走して、バンクの特徴を少しずつつかんで。まずは疲れを取って、現状維持につとめたい」
 5番手からの仕掛けになった和田真久留は、なんとか前団をまくり切った。
 「脇本さんよりは、道中で前にと思っていた。平尾君ラインが番手まくりのような感じでしたし、梁島君と合ってしまった。スピードが消された感じですね。かぶりたくなくて先に踏みましたけど、センターで団子になると脇本さんも来るし、こればっかりは仕方ないですね。2着に届いているので悪くないですけど、もうちょっと車が出てほしい」


<12R>

大川龍二選手
大川龍二選手
 周回中は8番手になった石塚輪太郎の上昇を、眞杉匠が突っ張ってペースを上げる。石塚が降りるも、大川龍二(写真)は4番手をキープして打鐘を迎える。石塚は6番手に収まり、野口裕史は後方で動けない。主導権を握った眞杉が、後続を一本棒にして最終ホームを通過。石塚が2コーナーからまくるが、大川も3コーナーから踏んで、石塚は筒井敦史にさばかれて不発。2センターで高橋築に振られた大川だったが、直線で鋭く伸びて1着。
 「野口さんも行くだろうから、それを眞杉が出させるのかでした。(結果的に)後ろからの仕掛けがなかったし、(先行態勢の)眞杉も踏んでいた。それなら(4番手で)脚をためて一発と。(最終3コーナーから仕掛けたが)あの距離だと最後まで踏み切れると思った。(近況の成績は)展開に助けられたり、ラインの前の後輩に助けられている。だからパーフェクトではないけど、その時にできることを精いっぱいやっている」
 突っ張り先行で敢然と駆けた眞杉は4着。高橋築は眞杉を利して2着も、素直には喜べない。
 「(眞杉が)突っ張ったあとに、野口さんが来るかなっていうのはあった。けど、(眞杉が踏んだ)ペース的に、野口さんは行けなかったのかなって思います。僕も(番手で)もうちょっとできることがあったかと。その辺が難しかった。疲れはあるけどレースはできているんで、(状態は)大丈夫だと思います」