京王閣競輪場で開催された開設76周年記念「ゴールドカップレース(GIII)」は、10月5日に最終日が行われた。S級S班2人も優出した決勝は、菅田壱道が主導権。菅田後位がもつれて落車のアクシデントを避けた単騎の脇本雄太が、まくりで優勝。昨年9月の向日町記念以来、通算17回目のGIII制覇を遂げた。
決勝戦 レース経過
号砲で一瞬、見合うが、和田真久留が出ていく。眞杉匠-和田真-和田健太郎、菅田壱道-新田祐大-守澤太志、大川龍二-小倉竜二、脇本雄太で隊列はすぐに落ち着いて周回を重ねた。
青板バックで大川から動き出す。脇本は中四国コンビを追わず、2車で上がってきた大川を赤板で眞杉が突っ張る。大川は引くが、間髪入れずに菅田が襲う。眞杉は合わせ切れず、打鐘3コーナーで菅田が叩き切って主導権。眞杉は下げずに番手で粘り、菅田の後ろが2ラインで併走となって最終周回へ。引いた大川が詰めて一気にまくりに行くが、1センターで眞杉に押し上げられた新田が落車し、大川もそこに乗り上げる。中四国勢を追って上がってきていた脇本は避けて外を迂回させられる。外が空いた眞杉はバックでまくり、咄嗟に内に切り込んで外にいた守澤を捌いた小倉が眞杉に続く。和田真-和田健は小倉をドカせずその後ろ。一方、2コーナーで視界から消えるほど大外を踏まされた脇本だったが、立て直しての山下ろしで豪快にスパート。猛然とスピードに乗った脇本は3コーナーで前に追い付き、そこからさらに加速していく。ゴール前で眞杉も捕らえた脇本がV。眞杉が2着に入線も失格の判定で、小倉の内、外を伸びた和田真、和田健が2、3着に入った。

脇本雄太選手
今年最初のGI、2月の全日本選抜を制して史上初のグランプリスラムを成し遂げた脇本雄太(写真)は、6月の高松宮記念杯で今年2度目となるGI優勝。しかしながら、GIIIでのV奪取は、昨年9月の向日町記念以来。それだけに開口一番、こう振り返った。
「(記念優勝は)かなり久しぶりの感じですね」
決勝では、まさかの単騎戦を余儀なくされた。眞杉匠は南関勢とタッグを組み、新田祐大の前後を菅田壱道、守澤太志が務める北日本の強力な布陣。それだけに泰然自若。どっしりと後方で、前の8人を視界に入れた。
「(レースは)なにも考えずに9番手で構えて、なんかしらの動きがあったら反応してアクションを起こそうと思っていた」
前受けの眞杉が上昇した大川龍二を阻んで突っ張る。そこを今度は菅田が間髪を入れずに仕掛ける。打鐘3コーナーで菅田が主導権を奪うと、眞杉は番手に飛び付いて隊列が凝縮される。それでも脇本は、前の中四国勢の動きを見ながらじっと待った。
「(最終ホームで)大川さんが外に(車を)外したのを見て、その時には(自分も)外に行こうとした。落車を避けるので金網に近いところまで行ってしまって、(前まで)遠くなってしまった。でも、(外を踏まず)そのままいたら落車していたと」
眞杉に弾かれた新田が、最終1センター過ぎに落車。大川が乗り上げて、小倉竜二は内に避ける。最後方にいた脇本は、大外を回ってアクシデントに巻き込まれずには済んだものの、前の6人には大きく距離が空いた。脇本だけが中継画面からも外れて、誰もが圏外に陥ったかに思われた。
「無我夢中で踏んでいた。前が遠いのもあったので、詰めてその勢いでと。前の感じはわからなかったけど、気がつけば伸びていた感じです」
バック過ぎに前団に追いつくと、そこからは一人だけ別次元。ほかが止まって見える上がり10秒9のまくりで一気にのみ込んだ。
「(今シリーズは)体の悪影響(持病の腰痛)はないかなと思ったけど、気持ちの面が弱かった。(地元の福井がバンク改修で使えず)少なくともいい影響が出ることはないので、悪い影響が出ないようにしたい。(次の寬仁親王牌)調子を落とさないように頑張りたい」
次回の寬仁親王牌、11月の競輪祭を獲っての年間4度のGI優勝の期待も膨らむ今年初のGIII制覇。自身が持つギアを年末に向けて、さらに1段階、2段階と上げていく。
2位入線の眞杉は失格。ラインの和田真久留、和田健太郎が2、3着に繰り上がったが、ともに複雑な表情。番手で難しい判断を迫られた和田真が振り返る。
「打鐘までは(ラインの組み立ては)完ぺきでしたね。眞杉君は優勝する選手ですし、突っ張る、粘るは彼の判断だった。自分は守澤(太志)さんが当たる位置で併走する位置が良くなかった。(守澤に当たるのを最終)1コーナーまで待って、勝てると思ったら、眞杉君も当たりにいってガシャン(って落車)でした。眞杉君を迎え入れたけど、小倉さんが来てて、(眞杉の後ろを)取り切れなかった。追い込みとして技量不足でした」
眞杉ライン3番手の和田健太郎は、前の和田真の動きを余力を見極めて直線は外を追い込んだ。
「(眞杉が)大川君を突っ張って、(大川が)北日本勢に降りると(眞杉は)先行含みだし、あとは菅田君がどこで来るかだった。それを(眞杉が)突っ張るか、新田君、守澤君のところで(粘るか)って感じでした。(和田)真久留が守澤君に降りられて、内を走っていた。そこで引くのかどうかでした。真久留が小倉さんのところに入っていけていれば面白かったですけど。それでも脇本君の優勝は変わらなかったと思う」






青板バックで大川から動き出す。脇本は中四国コンビを追わず、2車で上がってきた大川を赤板で眞杉が突っ張る。大川は引くが、間髪入れずに菅田が襲う。眞杉は合わせ切れず、打鐘3コーナーで菅田が叩き切って主導権。眞杉は下げずに番手で粘り、菅田の後ろが2ラインで併走となって最終周回へ。引いた大川が詰めて一気にまくりに行くが、1センターで眞杉に押し上げられた新田が落車し、大川もそこに乗り上げる。中四国勢を追って上がってきていた脇本は避けて外を迂回させられる。外が空いた眞杉はバックでまくり、咄嗟に内に切り込んで外にいた守澤を捌いた小倉が眞杉に続く。和田真-和田健は小倉をドカせずその後ろ。一方、2コーナーで視界から消えるほど大外を踏まされた脇本だったが、立て直しての山下ろしで豪快にスパート。猛然とスピードに乗った脇本は3コーナーで前に追い付き、そこからさらに加速していく。ゴール前で眞杉も捕らえた脇本がV。眞杉が2着に入線も失格の判定で、小倉の内、外を伸びた和田真、和田健が2、3着に入った。

脇本雄太選手
「(記念優勝は)かなり久しぶりの感じですね」
決勝では、まさかの単騎戦を余儀なくされた。眞杉匠は南関勢とタッグを組み、新田祐大の前後を菅田壱道、守澤太志が務める北日本の強力な布陣。それだけに泰然自若。どっしりと後方で、前の8人を視界に入れた。
「(レースは)なにも考えずに9番手で構えて、なんかしらの動きがあったら反応してアクションを起こそうと思っていた」
前受けの眞杉が上昇した大川龍二を阻んで突っ張る。そこを今度は菅田が間髪を入れずに仕掛ける。打鐘3コーナーで菅田が主導権を奪うと、眞杉は番手に飛び付いて隊列が凝縮される。それでも脇本は、前の中四国勢の動きを見ながらじっと待った。
「(最終ホームで)大川さんが外に(車を)外したのを見て、その時には(自分も)外に行こうとした。落車を避けるので金網に近いところまで行ってしまって、(前まで)遠くなってしまった。でも、(外を踏まず)そのままいたら落車していたと」
眞杉に弾かれた新田が、最終1センター過ぎに落車。大川が乗り上げて、小倉竜二は内に避ける。最後方にいた脇本は、大外を回ってアクシデントに巻き込まれずには済んだものの、前の6人には大きく距離が空いた。脇本だけが中継画面からも外れて、誰もが圏外に陥ったかに思われた。
「無我夢中で踏んでいた。前が遠いのもあったので、詰めてその勢いでと。前の感じはわからなかったけど、気がつけば伸びていた感じです」
バック過ぎに前団に追いつくと、そこからは一人だけ別次元。ほかが止まって見える上がり10秒9のまくりで一気にのみ込んだ。
「(今シリーズは)体の悪影響(持病の腰痛)はないかなと思ったけど、気持ちの面が弱かった。(地元の福井がバンク改修で使えず)少なくともいい影響が出ることはないので、悪い影響が出ないようにしたい。(次の寬仁親王牌)調子を落とさないように頑張りたい」
次回の寬仁親王牌、11月の競輪祭を獲っての年間4度のGI優勝の期待も膨らむ今年初のGIII制覇。自身が持つギアを年末に向けて、さらに1段階、2段階と上げていく。
2位入線の眞杉は失格。ラインの和田真久留、和田健太郎が2、3着に繰り上がったが、ともに複雑な表情。番手で難しい判断を迫られた和田真が振り返る。
「打鐘までは(ラインの組み立ては)完ぺきでしたね。眞杉君は優勝する選手ですし、突っ張る、粘るは彼の判断だった。自分は守澤(太志)さんが当たる位置で併走する位置が良くなかった。(守澤に当たるのを最終)1コーナーまで待って、勝てると思ったら、眞杉君も当たりにいってガシャン(って落車)でした。眞杉君を迎え入れたけど、小倉さんが来てて、(眞杉の後ろを)取り切れなかった。追い込みとして技量不足でした」
眞杉ライン3番手の和田健太郎は、前の和田真の動きを余力を見極めて直線は外を追い込んだ。
「(眞杉が)大川君を突っ張って、(大川が)北日本勢に降りると(眞杉は)先行含みだし、あとは菅田君がどこで来るかだった。それを(眞杉が)突っ張るか、新田君、守澤君のところで(粘るか)って感じでした。(和田)真久留が守澤君に降りられて、内を走っていた。そこで引くのかどうかでした。真久留が小倉さんのところに入っていけていれば面白かったですけど。それでも脇本君の優勝は変わらなかったと思う」







次回のグレードレースは、松阪競輪「蒲生氏郷杯王座競輪」が10月10日~13日の日程で開催されます。
今シリーズは古性優作、郡司浩平、犬伏湧也、新山響平のSS班4名をはじめ、松本貴治、取鳥雄吾、松谷秀幸、村田雅一、武藤龍生ら全国各地から健脚が集結。地元勢は浅井康太を中心に皿屋豊、西村光太らが一丸となって強豪を迎え撃ちます。寬仁親王牌を占う意味でも目が離せない4日間です。
9月29日時点の出場予定選手データを分析した、松阪競輪「蒲生氏郷杯王座競輪」の主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。
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今シリーズは古性優作、郡司浩平、犬伏湧也、新山響平のSS班4名をはじめ、松本貴治、取鳥雄吾、松谷秀幸、村田雅一、武藤龍生ら全国各地から健脚が集結。地元勢は浅井康太を中心に皿屋豊、西村光太らが一丸となって強豪を迎え撃ちます。寬仁親王牌を占う意味でも目が離せない4日間です。
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