『京王閣競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 2日目編
配信日:6月7日
京王閣競輪場で開催されている開設60周年記念「ゴールドカップレース」は二日目を終了。昨日とは打って変わり快晴に恵まれた本日は、絶好のバンクコンディションのなか各戦ともに白熱した攻防が繰り広げられた。メインレースの優秀戦「東京オーヴァル賞」を制したのは山崎芳仁。主導権をにぎった海老根恵太の後位にハマると、最後は直線を鋭く抜け出して快勝し、明日以降へ向けて弾みを付けた。
連日、場内イベントは大盛況。明日も32型液晶テレビなど豪華な景品が当たるスクラッチカードを配布(先着3000名様)するほか、吉岡稔真さんと山口健治さんのトークショー(5R発売中)などが行われます。こちらもどうぞお楽しみに。
<5R>
田中孝彦選手
5レースからは二次予選Bがスタート。レースはホーム手前からカマした
田中孝彦(写真)
が別線を封じる圧巻の逃走劇を披露。富澤洋祐、三住博昭らを連れて確定板を独占した。
「前でやり合うようなかたちになったし、絶好のカマシごろになりました。少しバンクが重たい感じがするけど、自分のタイミングで踏めたしいけると思った。ラインで決まったわけだし十分満足です」
食い下がった
富澤洋祐
は、「番手の仕事をするので精一杯でした。(渡会宏和の)まくりを止めてからがかなりきつかった。だけど三人で勝ちあがれたし良かった」と安堵する。
永田修一
は田中の番手勝負に打って出たが…。
「今日は前を取ってから一旦引いてカマすか、番手勝負でと。だけど網谷(竜次)君の動きが予想外だった。出られて流されてしまうのが嫌だったから彼を出させたくなかった。しのいでからは、田中君のカマシに併せて踏んだけど、脚が足りなかった」
<6R>
秋山智幸選手
二分戦の真っ向勝負。レースの主導権を握ったのは
及川裕奨
だった。打鐘過ぎにハナに立つと、カマした坂木田雄介を突っ張って撃退。自身は準決勝進出ならなかったものの「積極的に仕掛けられましたね。今日は絶対に後攻めから行くと決めていました。まあ、自分のレースはできたと思います」と納得の表情で振り返る。
及川に任せた
秋山智幸(写真)
は思いがけず四角番手の絶好展開。これをキッチリものにして快勝した。
「思い切って行きますと言ってくれていたので、信頼して付いてました。坂木田さんが踏んできた時もしっかり合わせてくれたし、ホンマに今日は及川君のおかげです。この1着は大きい」
3着には
西島貢司
が入線。昨日、今日の確定板行きにホクホク顔だ。
「気楽に走れる立場なのがいいんでしょうね。昨日で一気に流れが変わりました。これなら(S級点の確保にも)チャレンジできそう。ここまで来たら、もっと頑張りたいですね」
<7R>
佐々木雄一選手
7レースは池崎太郎が先制すると、1センターから
佐々木雄一(写真)
が早めスパートで巻き返す。最終四角で出切ると、そのまま後続を振り切った。
「今日は先行も考えていたからギアを上げてみたんですけど、やっぱり池崎(太郎)さん相手だときついと思い作戦を変更しました。少し早めにまくったけど、あのタイミングじゃないとコーナーで止められてしまったでしょう。今回はギアを上げたから重く感じたけど、調子自体はずっといいです」
佐々木の後位を固めた冨岡健一と塚本貴雄がそれぞれ2、3着に入線。
冨岡健一
が「後方に置かれて少しヤバいなと思ったけど、佐々木君は落ち着いていましたね。踏み出しもスピードも申し分なかったし、抜ける気がしなかった」と話せば、
塚本貴雄
も「僕は付いていっただけ。佐々木君みたいな強い選手のラインが空いていたわけだし、今は本当に流れが良い。記念の準決勝は本当に久々。全て佐々木君のおかげです」とそれぞれ佐々木の健闘を称える。
<8R>
山賀雅仁選手
昨日は見せ場なく終わってしまった
山賀雅仁(写真)
だが、今日は厳しい展開をしのいで快勝。底力を見せつけたが、浮かない表情なのは…。
「ラインで決められませんでした(苦笑)。結果はともかく、渡邊晴智さんと決められないのは。今日は初周に誘導を追うので一杯になってしまい、動くべき時に動けませんでした」
不動会の後輩・園田匠に任せた
渡部哲男
は「園田はデビュー前から知っている選手だし、任せるのが自然でしょう。僕が付けるんで緊張させちゃったかもしれないね。彼にはいつものスタイルで良いと言っていたし、実際にうまい走りを見せてくれた。バックで必死にまくっているのは見ていて分かりました。被るようだったら外を踏んでいたと思うけど、そういう展開にならなくてよかった」
柴田洋輔とタッグを組んだ
朝倉佳弘
は唇をかみしめる。
「せっかく柴田が行ってくれたのに、それに応えることができなかった。バックで車間を空けたけど、ただ空けているだけになっちゃいました。後閑さんなら、あれでしっかり止めていたと思う。力不足と技術不足です」
<9R>
山口貴弘選手
9レースは志村太賀が主導権をにぎると、マークの
山口貴弘(写真)
が絶好の展開を生かして快勝する。
「作戦は志村任せでしたけど、先制してくれるだろうと思っていたし、全面的に信頼していました。その通りの競走をしてくれたし、特に押さえて駆けてからの加速が良かった。自分は石丸さんの巻き返しを警戒して構えていたけど、来なかったので楽でした。昨日ちょっと情けないレースをしてしまっただけに、これで挽回できましたね」
山口マークの
小沼良
(2着)も、展開の利を生かしニヤニヤしている。
「今日は流れにうまく乗っていけました。前の二人に感謝としか。今開催は埼京勢で盛り上げなければと思っていただけに、本当に嬉しい」
三宅伸
は石丸寛之と連係を外したが、2センターに入ると内にコースを辿って3着を確保する。
「俺が伸びたというより、志村が垂れただけでしょう(苦笑)。石丸の動きにうまく反応できなかったし、最後は内に行ってやっとコースがあったって感じ。調子は変わらず良いはずなんですけどね」
志村太賀
は積極策に打って出た。
「石丸さんのカマシを警戒して、四角で結構踏みました。出切ってからも余裕があったはずだけど、最後タレてしまいましたね。だけど、レースも作れたし、結果にはある程度納得しています」
<10R>
岡部芳幸選手
ほぼ先行一車の組み合わせを生かした
永井清史
。最後は差されたものの、二日間、納得のレースで表情は明るい。
「今回は四日間、先行するつもりできているので、内容には納得しています。昨日より風がある分、バンクは重く感じました。一周半駆けてるんで、差されたのは仕方ない。明日も自分のレースで決勝進出を目指します」
勝った
有賀高士
も永井の健闘を称える。
「凄くかかってましたよ。付いていて、まくられる感じじゃなかったし、実際にその気配を感じることもなかった。もしかしたら永井を差した最後のレースになるかもしれないから(笑)、今日は余韻に浸ります」
岡部芳幸(写真)
は、渋い表情で「あんなものかな。長塚とは去年もここで対戦しているんですよ。その時も粘らなかったから、今日もないんじゃないかと思ってました。先行屋が永井だけだから、こういう展開になるんじゃないかと思った通りになってしまった…」。
<11R>
山崎芳仁選手
11レースは優秀戦「東京オーヴァル賞」。別線を圧倒した
山崎芳仁(写真)
は、検車場に引き揚げると、レース内容を満足そうに振り返った。
「作戦はデタトコ勝負でと。そうしたら後ろ攻めになったんで、一回斬って様子を見ました。平原(康多)と海老根(恵太)さんが中団でずっと併走しているのも分かったし、良い展開になりました。海老根さんに出られてしまったのが予定外でしたけど、1車だったし、こっちも気持ちに余裕があったから慌てずに構えていられました。このところ展開が向かないレースが多かったけど、ようやく身体の状態と展開がかみ合ってきました」
山田敦也
は山崎に必死に食い下がり2着に。こちらも納得ずくといった表情を浮かべている。
「こっちのギアが足りないのか、今の脚の状態なのかは分からないけど、車が流れるまでがものすごくきつかった。だけど、流れてしまえば楽でしたね。直線では思い切り抜きに行ったけど抜けなかった。山崎さんの強さを改めて感じました」
海老根恵太と平原康多はともに中団にこだわった。結果は、外併走から叩いた海老根が3着に、内に詰まった平原は、成す術なく着外に沈んだ。
海老根恵太
は「山崎を叩くつもりは無かったんだけど、緩んでいたし平原が内にいたんで身体がとっさに動いた。そこそこ踏めたし、山崎を叩けたわけだから感じは悪くないでしょう」と、
平原康多
は「変に位置取りにこだわりすぎた。結局、内に詰まってしまったし、引くべきだったかも。判断が悪かったですね」とそれぞれ話す。
後閑信一
は最終バックから自力を出したが…。
「ラインでの競走がしたかったし、自力を出そうか出すまいか迷ったんです。だけど後ろに横田(努)も付いていたし、思い切って前に踏んだ。海老根のスピードと少し合ってしまった感じがしたけど、外を回ってあの位置から伸びたんだから悪くないでしょう」
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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