『東日本大震災被災地支援競輪 京王閣競輪開設62周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:10月22日


 本日(22日)、東京都・オーヴァル京王閣競輪場で、東日本大震災被災地支援競輪・開設62周年記念「ゴールドカップレース」(GIII)が開幕しました。初日は雨が降ったり止んだりとコロコロと天候が変わる中、風も出てきて走り終えた選手から「重かった」との声が多かったです。明日以降どうなるのか、バンク状況も注視したいところです。さて、メインの初日特選は順に新田康仁選手、武田豊樹選手、後閑信一選手が1着で勝ち上がりました。特に後閑選手が抜け出した時の歓声はすごかったです。2日目のメインは優秀「東京オーヴァル賞」です。関東勢が5名進出しており、どういったレースになるのか注目の一戦ですよ。
 明日(23日)のイベント情報です。「海賊戦隊ゴーカイジャー」ショー&握手会(ショーは4R・6R終了後、握手会は7R終了後)をはじめ、昔懐かし縁日コーナーもあり、お子様も競輪場で大いに楽しめます。また毎日配布している先着3000名様に抽選で当たるスクラッチカード、2日目の特賞はデジタル一眼レフカメラです。初日に引き続き震災復興支援の東北物産展、解説者の久保千代志氏によるオーヴァル予想会(8R~10R終了後)なども行われます。2日目もお早くからのご来場をお待ちしています。
開会式、特選スタートの27名がズラリ
開会式、特選スタートの27名がズラリ
地元・後閑信一選手による敢闘宣言
地元・後閑信一選手による敢闘宣言


<1R>
八谷誠賢選手
八谷誠賢選手
   オープニングレースは近畿勢が抜け出して絶好の展開も、八谷誠賢(写真)が直線大外を強襲。3連単は25万円オーバーの大波乱でのスタートとなった。八谷は「バックで1回緩めてしまったので、そこで終わったと思ったんですけどね。そこからでもまた踏めたので、良いと思いますよ。伸びていたし、このメンバーで1着なんだから悪くないです」
 長井優斗の3番手・鈴木規純が直線で伸びて2着に食い込む。
「もう2歩早く踏めたと思うけど、遅くなってしまいました。(小林)潤二さんの1コーナーの仕事がすごかったです。前がしっかりした追い込み屋なので、安心して付いていけましたよ」
 長井優斗を叩いた中野彰人だったが「1センターで牽制があると思っていたら案の定でしたね。前が進んでないから来ると思って構えてしまいました。もっと進むと思ったんですけどね。車間を開けている時に、脚が張っていました」。直線で失速して6着に終わる。
 中野マークの渡辺航平は3着で「(中野は)重そうでしたね。けっこう牽制も来たし、ちょうど伸びていくところだったから…。そこで内を見たんですけど、中野は出切るからアカンと思って付いていきました。外が伸びましたね。中野が出切ったら捲りは来られないと思っていたからワンツーかなと思ったんですけどね。意外でした」


<2R>
三谷政史選手
三谷政史選手
   佐藤朋也が先行態勢に入るも稲毛健太が一気に捲り切る。稲毛追走の三谷政史(写真)が差し切り1着。
「稲毛(健太)君が頑張ってくれたおかげですね。強かったです。踏み出しで離れないように気をつけて、あとは(佐藤)朋也さんも脚があって粘っこいから注意していました。調子は上がってきていますね。京王閣は初めてなんですけど、これでバッチリです。今回はメンバーも良いので、上で走れるように頑張ります」
 2着は稲毛健太で近畿ワンツーが決まる。
「1レースと同じような展開になりましたね。3コーナーでいったところから重かったです。でも1回ペースが上がったら垂れないので。予選は良いですけど、FIの準決勝でも特選組と当たるとまだ流れの違いを感じます。でも強い人が相手だと捲りに構えてくれるので自分のペースで駆けられますし、また頑張ります」
 叩かれた佐藤朋也は6着で一次予選敗退。
「新車は文句なかったと思いますよ。自分のいつも通りのレースは出来たし、かかりもそこまで悪くはなかったと思いますが…。また明日頑張ります」


<3R>
池尻浩一選手
池尻浩一選手
   バック前から渡部哲男と屋良朝春の捲り合戦となる。直線に入っても両者の争いは続き、渡部マークだった池尻浩一(写真)が外から差し切って1着入線。
「ホッとしました。内に詰まって踏むところが無くなって4~5着になるよりは外を踏んだ方が後悔しないと思っていました。前向きに考えていましたね。屋良(朝春)君の踏ん張りにはびっくりしました。前2人が脚を使っていたから、自分もいけましたね」
 渡部との捲り合戦を制した屋良朝春が2着。
「きつかったです。今日はかなりバンクが重いんですよ。とりあえず(渡部)哲男さんだけ凌げればと思っていました。出られないようにして、冷静にいけました。でも哲男さんに勝てたと思ったら、外をいかれてしまいましたね。廣川(貞治)さんかと思ったら池尻(浩一)さんでした」
 3着は渡部哲男、悔しさを見せる表情の中に手応えも。
「モガキ合っても3コーナーでいける感じはあったんですけどね。屋良(朝春)君も気合いが入っていました。1センターでもそのまま来ましたからね。でもあれだったら2着には残りたかったです。かなりゆっくりですけど、少しずつ良くなっているとは思います。また明日頑張ります」
 屋良との連係が離れた廣川貞治は4着で一次予選を通過。
「屋良(朝春)に任せていましたからね。ホームでいくと思っていたので、バックを踏んでしまいました。仕方ないですね。いけないと思ったから池尻(浩一)の後ろに切り替えたんですけど」


<4R>
和泉田喜一選手
和泉田喜一選手
   主導権を握ったのは村上直久。ゴール前で南関3車が並んでゴールするも、3番手の和泉田喜一(写真)が外伸び1着。
「村上(直久)も頑張ってくれたし、出口(眞浩)も力を出し切れるようなレースを組み立ててくれましたね。良かったです。思ったよりも楽に付いていけたし、悪くはないと思います」
 2着は出口眞浩村上直久の同着。南関の上位独占が決まる。
出口は「村上(直久)を抜く感じでいったんですけど、和泉田(喜一)さんが強かったですよ。いってくれた村上も強かったですよ」。
村上は「(ライン上位独占は)良かったです。内に来そうな感じはあったんですけど、駆けていたし後ろは分からなかったです。踏み切れたという感じはないですが、うまく踏めたと思います。すんなり駆けられたけど、もう一度踏み直しが出来れば。頭の中ではネガティブでダメだったんですけど、良かったです」


<5R>
鈴木庸之選手
鈴木庸之選手
   阿部大樹を出させず根田空史が主導権を譲らず。だが後方から単騎の鈴木庸之(写真)が一気の捲り追い込みで突き抜ける。
「雨が上がって重くなかったし、軽かったです。位置取りや横は出来ないので9番手でした。阿部(大樹)が出切るなら付いていこうと思っていたんですけど、根田(空史)君がいったので、そのまま付いていたら浮いてしまうなと思って。あとは松岡(彰洋)さんが捲りにいく前にいけばいけるかなと。悪くないです。でも進んでいる感じがしなかったので、もう少し進んでくれれば良いですね」
 根田空史マークの遠澤健二が2着に入線。
「根田(空史)が思いっ切りいってくれましたね。1着かなと思ったんですけど、(鈴木は)見えていなかったです。もう牽制も出来ない位置にいたし。ワンツーを決めたかったけどね。また明日頑張ります」


<6R>
水谷好宏選手
水谷好宏選手
   最終ホームで水谷好宏(写真)が一気にカマして先頭に立つと、そのまま押し切って1着。
「(初手は)前か中団かで、後ろ以外の作戦でした。なんとか無理やり力でねじ伏せた感じできつかったです。中団を取ったら内に詰まるよりは下げて力勝負しようと思っていました。(スピードも)1着が取れているから良かったと思いますね。長い距離も踏めていますし。初日はいつも重い感じがするので、これでさらにアタリがついたら良いですね」
 水谷マークの中澤央治は2着。近畿ワンツーは一番人気での決着だった。
「きつかったですよ。でも車券的にも人気になっていたし、緊張しました。(ワンツーは)決まったのは良かったです。あいつ(水谷)、強いなぁ」


<7R>
池田勇人選手
池田勇人選手
   池田勇人(写真)が抑えて先行。園田鉄兵がイン粘りに出て、山崎充央と競る。両者の競りは長引き(山崎8着、園田9着)、池田が逃げ切りを決めて1着。
「竹田(和幸)さんが前受けだったので粘ってくるのかなと思っていました。あとはジャンでカマされないようにと。でも後ろを見たらいなくて、外に見えたので…。1着でも心からは喜べないですね。踏んだ感じは4回転はけっこう良いと思います。シューズなども変えていったんですけど、逃げ切れているし悪くはないです。また明日、逃げ切れるように頑張ります」
 直線で鋭く伸びたベテラン・松井英幸が2着。
「ちょうど風がないところをいけました。一度入ってから休んで、それから踏んでいったんですけど、偶然ですね(笑)。余裕はありましたけど、展開も良かったと思います。調子はボチボチです」
 関東3番手の河野通孝が3着。
「追いつくと思ったんですけどね。(園田が)あそこまでくるとは。自分も3番手で位置取りが悪かったです。ちょっと浮かされてしまったし、そこはうまくやらないといけない。でも後ろに付いていて勉強になりました」


<8R>
宇根秀俊選手
宇根秀俊選手
   早坂秀悟がカマすと番手の佐藤真一が離れてしまう。そこに宇根秀俊(写真)が入り、ゴール前で早坂を交わして1着。
「もうあれしかないでしょ!番手に入った時も、早坂(秀悟)君が3コーナーで流したのかどうしたのか分からないですけど、車間が詰まったんですよね。早坂君は強いですからね、差せて良かったです!」
 2着の早坂秀悟は自分のレースは出来たものの、連係が崩れたことには反省も。
「下手でしたね。でもあのタイミングで行かないと出られないですし。カマシにこだわっているわけではないんですけど、緩んだら行くのが僕のスタイルなんです。前は一回出切れば流すし、2車だったし絶対に僕の動向を見てくると思ったので、その時に4番手くらいに重なっていればカマせるイメージでした。でも地元を付けて決められなかったのは申し訳なかったです」
 早坂の3番手だった坂本英一は苦しい展開になるも4着に入る。
「(佐藤)真一も少し対応できなかったみたいですね。でも、また1車また1車と追い上げてくれて。あのあたりは真一の意地かな。真一が付いていったら、今度は俺がヤバイぞと思っていたからね。でも(早坂)秀悟はすごい、たいしたもんだ。付いていけるかどうかは後ろだから。流れてからの仕掛けではなく、一度引いてからの仕掛けだからね。秀悟はやることをやった。でも自分が番手の時のことを考えると、あれに対応する練習も必要になってくる、勉強になったね」


<9R>
新田康仁選手
新田康仁選手
   ここからメインの特選が始まる。北日本勢が先手を奪うも浅井康太が抜群のスピードで巻き返して先頭に躍り出る。だがゴール前で接触もあり、北を追走していた新田康仁(写真)が4・15の破壊力を披露した。
「後ろ攻めになったけど、抑えにいくときついギアですからね。動かなくても菅田(和宏)君が動くと思っていました。並走になったら凌ごうと思ったし、簡単に3番手が取れました。あとは伏見(俊昭)の動きを見ながら、脚があるので付いていきました。浅井(康太)のスピードもすごかったです。伏見は抜けるかなと思っていましたけど、浅井も内で絡んで車体故障が起きて、それで1着まで突き抜けた感じです。今回のギアは自力番組なら実戦で使っちゃおうと思っていたんですよ」
 浅井康太は2着も、抜群のスピードと仕掛けは光っていた。
「ワンテンポ遅かったら合わせに来たと思いますね。一瞬だけ休んで、そこから伏見(俊昭)さんとの距離を見てから仕掛けていきました。けっこう隠れながらいけましたね。最後は内には誰もいないと思ったんですけど、服部(竜二)さんはしめた時に差してしまってバック踏めずにそのままだったみたいで…」
 新田マークの石毛克幸が3着に入線。
「内から外か迷っていました。新田(康仁)さんはすごい楽そうでしたよ。最後は4着かと思ったんですけど、伏見さんを交わせて3着は良かったです。新田さんがうまかったし、すかさずいってくれました。初日にしては体が重かったけど良かったですよ」
 主導権を握った菅田和宏(9着)は「先手を取って何とかなるかなと思って見ていたら、一瞬で(浅井に)来られてしまいました。力が無かったです。伏見(俊昭)さんも4着ですか…新田(康仁)さんが動いてくれたらもう少し楽だったんですけど。二次予選、頑張ります」。伏見俊昭(4着)は「今日は自分の反応が悪かったですね。スイッチも出来ませんでした」
 山田英明マークの中川誠一郎(5着)は「浅井(康太)に切り替えれば先に切り込めたかもしれない。自分の判断ミスですね」


<10R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
   川村晃司が主導権を握る流れの中、中団から武田豊樹(写真)が捲りで関東上位独占。人気に応えた。
「9レースくらいから風が変わりましたね。水分を含んでいる感じで、走路も濡れているしすごいきつかったです。重くて全然踏めなかったですよ。苦しかったけど、(1着は)良かったです」
 武田マークの飯嶋則之がきっちりマークして2着。
「一生懸命な走りが伝わってくれれば良いです。3コーナーでの並走で飛ばされなかったのが大きかったです。(武田の)スピードも違いましたけど。今日もおかげさまでした。引き続きですが、余裕は無かったです」
 関東3番手の稲村成浩が3着。
「自分は3番手の仕事ですね。今日は武田(豊樹)が全部やってくれたし、1番車の飯嶋(則之)が位置取りもやってくれましたからね。最後は一瞬、阿竹(智史)に出られたけど、踏めたし良かったです。(優秀は)大きいです」
 直線で稲村との3着争いになるも阿竹智史は僅差の4着。
「疲れはなかったですよ。良いメンバーで走れたのだから、もう少し力勝負をしたかったですね。飛びつくタイミングもずれてしまいました。それに僕らが動いたので、中団の武田さんが思うツボのレースになってしまいました。もう一回勝ち上がっていきたいです」


<11R>
後閑信一選手
後閑信一選手
   最終レースは地元ファンの大声援の中、先行する渡邉一成を平原康多が捲る。平原マークの後閑信一(写真)が差し脚を伸ばしてシリーズ1勝目、最高のスタートを切った。
「(平原)康多のおかげですね。バンクは重めというのもあったけど、こういう感じなのかと流せるところも探せたのは良かったです。でも風がすごい強かったし、重かったです。康多はケガ明けだけど、ああいった立ち回りが出来るし俊敏でしたよ。さすがです」
 2着に粘って埼京ワンツーの平原康多、連係が決まったことには安堵の表情を見せる。
「緊張しましたね。昨年とはまた違う緊張感がありました。自分の中での最低限の仕事は出来たかなと思います。コーナーに入れば勝負と思っていて、あとは斉藤(正剛)さんに気をつけていました。苦しかったです。ここは地元よりも緊張しますね(笑)」
 北日本ラインの3番手から栗原厚司が3着に伸びる。
「きつかったですけど、調子は変わらず良いと思います。2着だと思ったんですけど、そこはさすがでしたね」
 埼京3番手の朝倉佳弘は7着。
「一瞬内を見てしまったのが…しっかり後閑(信一)さんを追いかけることが出来れば良かったんですけど。力不足でした」

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