『開設56周年記念立川競輪(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:1月5日


 本日から立川競輪56周年記念「鳳凰賞典レース」が開幕した。2レースでは大量落車のアクシデントがあったものの、特選レースを走る上位陣は順当に勝ち上がり、明日の優秀競走「初夢賞」進出を決めた。
  なお、本場では記念競輪を盛り上げるべくたくさんのイベント、ファンサービスが用意されております。開催を通して伊藤克信氏によるレース予想会、記念クオカードなどが当たるお年玉抽選会(1R~5Rまでの当たり3連単車券をお持ちの方、先着600名様に抽選券が配布され、6レース終了後抽選)が実施されます。どうぞお楽しみに。


<1R>
 新春、開幕の第1レースは、石井秀治がまくって1着となった。
  「ラインが四車だったのが大きかったですね。緩めば仕掛けるつもりだったけど、前(中田博之)に巧く駆けられてしまって仕掛けが遅くなってしまった。ギアを3.85から83に変えて軽くなるかなと思ったけどそうでもなかった。踏んだ感じはいつもと違ったけど、何とかうまくいきました」


<2R>
滝山実選手
滝山実選手
   2レースは最終ホームで大量落車のアクシデントが発生。間一髪で落車を避け、ホームガマシを決めた山田英明が主導権を握り、ラインで上位を独占した。1着は三番手から突き抜けた滝山実(写真)
  「(落車は)びっくりしましたよ。自分は三番手だから避けられるけど、番手の國武(耕二)さんがコケたら乗り上げてしまうんで、國武さんだけは(落車しないで)と思っていました。前回から新車なんですけど、練習ではギアを掛けても全然伸びがなかったんで不安があったけど、踏んだ感じは良かったし、思ったよりも伸びましたね」
  山田英明は3着となった。
  「ホームで行こうと決めていたのが良かったですね。あそこで仕掛けなかったら恐らく巻き込まれていたでしょう。落車は避けられたけど、バックではもう脚が一杯一杯で。ゴールまでが遠かったですね」


<4R>
松本雅彦選手
松本雅彦選手
   4レースは大方の予想通り神山拓弥が先行勝負に出た。番手の松本雅彦(写真)が絶好の展開をものにし、地元で1勝を遂げた。
  「流さずに踏んでくれたし、今日は神山君のおかげ。2着に残してあげたかったけど、番手で仕事(まくってきた増田利明を止める)して、内を閉めてから抜きに行って、しっかりと走れたと思います。新年一走目で1着が取れて良いスタートがきれました」
  逃げた神山拓弥は「凄く緊張していていつもよりフカし過ぎてしまい、最後に踏み直せなくて危なかった。昨夜はレースのことを考えてしまってよく寝られなかったし、走る直前まで『どうしよう、どうしよう』と緊張していました。3着に入れてホント良かったですよ。一走したんで、明日は力の入れどころを加減して巧く駆けたいですね」と、大役をこなしてホッと胸をなで下ろす。


<6R>
 6レースは荻原尚人が主導権を取る。程塚毅志が番手絶好の展開となったが、齊藤紳一朗が三番手から突き抜けた。
  「今日は少し重たく感じました。前(程塚)も残し気味に踏んでいるし、遠慮して踏んだんですけどね。体の状態としては70点くらいかな」
  程塚毅志は久々の実戦に戸惑いがあったのか。
  「車を振ったら車間が詰まってしまい、バックを入れてから追い込んだから車の伸びが悪かったですね。車券を自分から買ってくれたお客さんには申し訳ないけど、復帰戦だし良しとさせて下さい。体は問題ないです」


<7R>
 7レースは中山健が先行。坂本健太郎は巻き返せずに外に浮き、隊列が短くなったところを佐藤悦夫がひとまくり。最後は齋藤明が追い込んで1着に。
  「前のレースで北でワン・ツー・スリーを決めていたから、自分も前のレースが良かったかなと思ったけど、佐藤君が強かったね。バックですでに後ろを千切っていたんで、最後は思いっきり抜きにいきました。佐藤君の踏み出しが凄くて苦しかったけど、今日は展開に恵まれました」
  セッティングに悩んでいる佐藤悦夫は「半年前からサドルを上げたんですけど、まくりかまくり追い込みなら決まるんです。でも、先行するとダメなんですよね。ハンドルが巧く使えないんですよ。ゴール前で抜かれるってことは、まだ(ハンドルを)使えていないってことですから」と、まくりを決めたが楽観はしていない。


<8R>
萩原孝之選手
萩原孝之選手
   8レースは中団外併走から萩原孝之(写真)がまくって1着。
  「(併走した浦山一栄を)バックで押し込んだときに車輪を内に差し込んでしまったけど、前が流れていたんで自然と外に持ち出すことができた。あとは無理矢理まくっても車が出ないんで、落ち着いて3コーナーから仕掛けました。頚椎捻挫で首がまだ痛いけど、今日は巧く(ペダルを)回せていました。1着は久しぶりなんで嬉しいですね」


<9R>
海野敦男選手
海野敦男選手
   9レースは荒井崇博が力の違いを見せ付けた。レースは逃げた五十嵐力を中団からひとまくり。最後は紫原政文に交わされたが、荒井崇博の強さが際立っていた。
  「どっちが1着でも、二人で決まったから良かったですよ。紫原さんは今調子が良いですからね」
  紫原政文は「恵まれました。荒井は怪我をしているのにあんなに強いなんて。荒井が本調子だったら抜けていないと思う。前回からフレームを替えてから感じが良い。明日も一緒だからまた抜けるように頑張ります」
  3着には内田慶との競り合いを制した海野敦男(写真)が入った。
  「とりあえず(3着に入ることができて)良かったですよ。凄くキツくて2コーナーではもうけん制する余裕は残っていなかった。(荒井に)行かれてしまったけど、立川は直線が長いから前に踏めば何とかなるとは思っていました」


<10R>
山口幸二選手
山口幸二選手
   10レースは峠祐介と梶山裕次郎で踏み合い展開がもつれたところを、村上義弘が強引に力でねじ伏せた。
  「モガいていて久々に気持ちが良かったですね。全盛期の感じでした。この良い感じがレースで何度も出れば、良いイメージが体に染み付いていくので続けたいですね。明日になるとまた元通りに戻っているかも知れませんが。今日は展開は予想外だったけど、最終的には自分に向いてくれました」
  追走した山口幸二(写真)は「花月園記念のときよりも(村上は)調子が良いと思う。余分な力が入っていないし、仕掛けてからの踏み直しが凄い」と村上の調子を判断する。自分の調子に関しては「今日は年明け一走目だし、欠場明けだから変な緊張感があった。復帰戦にしてはまずまずといったところでしょう」


<11R>
西田雅志選手
西田雅志選手
   最終11レースは、武田豊樹が完全なマイペースで逃げ、ラインで上位独占かと思われたが、西田雅志(写真)が目の覚めるような強襲で前団に襲い掛かり、1着をさらっていった。
  「前の(斉藤)正剛さんは拾ったと思ったけど、思いの外、伸びたんで、最後にハンドルを投げたら突き抜けてしまった。何とか3着に入れればと思っていたけど、まさか1着になるとはね」と本人も驚きを隠せない。
  川口満宏(2着)も「武田君とワン・ツーだと思ったんだけどね。凄い勢いで後ろから来た。武田君の掛かりは悪くなかったんだけど」と、まさかの強襲劇に困惑気味。
  武田豊樹(3着)は「後ろに楽な展開を作ってしまったかな。そんなに最後はタレていないけど、やっぱり直線が長い分行かれてしまった。もう少し溜めてから先行できれば綺麗にラインで決められたと思うんだけどね。明日は強い自力型が二人(荒井崇博、村上義弘)いるし、今日のレースを反省して、良いレースを見せたい」と、気持ちを切り替える。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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