『立川競輪開設57周年記念(GIII)レポート』 2日目編
 
配信日:1月5日


  好天に恵まれた中で行なわれた立川競輪開設57周年記念『鳳凰賞典レース』の二日目は、準決勝進出をかけて好レースが繰り広げられました。村上義弘が豪快なまくりを決めて健在ぶりを示せば、メインレースとなった「初夢賞」では92期の新鋭・木暮安由が豪快なまくり劇で圧勝。新世代の台頭を猛烈にアピールしました。そして、何と言っても目立ったのが地元勢の活躍。気合十分のレースぶりで、廣川貞治や後閑信一など、6名もの選手が明日の準決勝へと駒を進めています。
  さらに明日(6日)はレース以外でも豪華イベントが盛りだくさん。今、話題沸騰中のガールズケイリンをはじめ、工藤元司郎氏の予想会(3R終了後)や、神山雄一郎選手のケイリントーク(6、7R終了後)など充実のラインナップがめじろ押しですので、ぜひこの機会に、立川競輪場へと足をお運びください。


<5R>
櫻井丈選手
櫻井丈選手
   最終ホームで大量落車が発生。前方で難を逃れた古屋琢晶―中山善仁の上甲勢と、続いた櫻井丈、和田圭での4車の争いとなった。直線に入り、番手の中山善仁が抜け出して1着。
  「ラインが2車だから古屋には好きに走ってくれと言っていたんだけど、思い切って行ってくれたね。もう少し古屋を残したかったけど、真後ろから仕掛けてくる展開だったからね。ここは直線が長いからホント難しい。落車があったし、追い付いてきた勢いで後ろから来ると思ったから焦りもあった。2車でも行ってくれた古屋に感謝します」
  古屋は末を欠き、櫻井丈、和田がそれぞれ2、3着に流れ込んだ。櫻井丈(写真)は昨日に続き展開が向いた。
  「完全にツキだけですね。自力型が皆バック数を持っているからどこに行こうか迷った。和田君が先行したら番手に行こうと思っていたけど、古屋君のラインは2車だったからその後ろに切り替えました。バックで中山さんが車間を斬って詰まったから、そのときに自分で出ていれば1着もあったかもしれないけど、今の状態ではそれは無理。今日は前々にいたのがよかったですね」
  和田圭は「やり合うよりは中団にいて、誰か取り合うなら引こうと思っていた。そうしたらすんなり中団が取れましたね。タイミングを取っていたけど、落車でビックリしたから遅めの4コーナー勝負に賭けました。バックで詰まってからもう一度踏み上げていったから、伸びが今ひとつだった」と落車で仕掛けを逸した。


<6R>
岡村潤選手
岡村潤選手
   最終ホームからカマした岡村潤(写真)が絶妙なペースで後続を振り切り、今期初勝利を挙げた。
  「スタートで宮倉さんが必死に誘導を追ってくれたのを見て気持ちが入りました。前攻めになった事で、戦法の幅が広がったし、今日は全て宮倉さんのお陰です。先行してからも、ダマしダマし踏めたんで何とか押し切れました。今までは全開で駆けて潰れるケースが多かったけど、佐世保記念の時に荒井(崇博)さんに先行した際の力の抜きどころをアドバイスしてもらったので、今日は上手く実践できましたね。昨日までは元旦練習の疲れが残っていたけれど、今日は朝起きた時から身体が軽かったし、状態は良いです」
  最終バック5番手だった大薗宏が直線強襲し2着に入線。しかし、その表情には悔しさが滲む。
  「1着の選手とも好勝負になったし状態はいいです。うーん、でもやっぱり準決Aに行きたかったよね」


<7R>
神山拓弥選手
神山拓弥選手
   中団を巧く取った神山拓弥(写真)が早めから逃げた増成富夫をまくって快勝した。
  「増成さんとモガキ合っても今の状態では歯が立たないんで、後ろには申し訳ないけどああいうレースになりました。結果的に良かったけど、前を任されている以上あれでミスったら大変だから、内容の良いレースとは言えないね」
  富のブロックを凌ぎ、晴山裕之が2着に入線した。
  「恵まれました。今日は増成さんが思い切って駆けると思っていたので、神山君には無理するなと言ってあったんです。増成さんがあれだけ踏んでくれたから中団が取り易かったですね。富さんには結構キツいのを貰ったから苦しかったけど、脚に余裕はありました。神山君とは点数で差があるのに、しっかりと付いて行けたので調子は良いと思います」
  富弥昭は三番手の土屋裕二を退かし、3着で準決Cに駒を進めた。
  「増成さんは早めに駆けたけど、最後まで持つ感じだったから番手まくりは…。難しいところですよね。番手の4番(晴山)は車輪を外に差して気合で被せてくる感じだったから、無理して張ると空振りして転んでしまうと思ったから三番手にしました。自分は器用さがないんで、あれが精一杯でした」


<8R>
佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手
   先行した新田祐大のハコと言う絶好位から佐藤慎太郎(写真)が直線で抜け出し1着。昨年はケガで不振に喘いだが、新年は順調なスタートとなった。
  「今日の1着は新田からのプレゼントだね。全部あいつのおかげです。本当は残してあげたかったんだけど、後ろからまくってくるのが見えたので、申し訳ないけど踏ませてもらいました。身体の状態はケガの前の7割5分って感じですかね。こればっかりはすぐに良くなるものでもないので、焦っても仕方ない。だいたい半年をめどに完調にもっていければと思います」
  バックで7番手に置かれた矢口啓一郎だったが、桁違いのスピードでまくって2着に入線。しかし、その表情は冴えない。
  「確かにスピードは良かったんですけど、そういう問題じゃないんです。やっぱ、こういう競走ではラインの後ろの人に迷惑をかけちゃいますからね。本当は2コーナーで仕掛けるタイミングがあったのだけど、見てしまった分、反応が遅れてしまって…。まあ、脚の状態には全く問題がないので明日以降も頑張ります」と終始、反省の弁が続いた。


<9R>
中村浩士選手
中村浩士選手
   9レースは北津留翼が果敢に主導権を奪った。中団を取った柴田洋輔がバックからまくり上げて両者の力勝負かと思われたが、脚を溜めた石橋慎太郎が七番手からひとまくりし完勝した。
  「あそこまで北津留君が行くとは思わなかった。自力型の二人がある程度やり合う形になったんで、あとはタイミングを見ていました。脚は全く使っていなかったからね。今回はあまり踏み込めないし、調子はあまり良くないですね。明日は上がってくれれば良いんだけど。今日はあれが精一杯です」
  番手の中村浩士(写真)は踏み出しに全神経を集中させた。
  「一瞬でも踏み遅れるとどんどん置いていかれるんで、その辺だけは集中していました。それにしても石橋君のスピードが凄かった」
  柴田洋輔に勢いをもらい、廣川貞治がしぶとく伸びて3着に入った。
  「前が掛かっていたし、後輩(柴田)を抜くのが精一杯だよ。あの外をまくってしまうんだから石橋は凄い。準決Aに行けたし、決勝までもう一丁だね」


<10R>
村上義弘選手
村上義弘選手
   藤田竜矢がマイペースで先行。四番手からまくった山田英明は山崎充央にブロックされて不発に終わったが、村上義弘(写真)がその上を豪快にまくって圧勝した。
  「もっと早めに仕掛けられたけど、藤田君も上手く踏んでいたので、じっくり構えました。今日は踏み出しでいける感じがした。1着を取れたけど、今は1つのレースで一喜一憂する訳にはいきませんからね。手応えは前回の平塚から全く変わっていません。万全ではないけど、その中でもきっちり結果を出していきたい」
  ベテランの大竹慎吾が九州ライン三番手から俊敏に内を突いて2着に突っ込んだ。
  「山田が仕掛けてくれたお陰で、自分に踏むコースができました。前回の岐阜記念で落車して欠場したけど、影響はないと思います」
  村上マークの北川紋部がしぶとく3着に食い込んだ。
  「村上さんに先行されたら自分が持たないし、まくり追い込みでホッとしました。マーク屋の意地もあるから千切れないことだけを考えていました。練習では村上さんにしっかり付いていけるけど、本番はやっぱり全然違いますね」


<11R>
加藤慎平選手
加藤慎平選手
   優秀競走の初夢賞を制したのは新鋭の木暮安由だった。先制した柴崎淳の三番手を上手く確保すると、直線一気に突き抜けて快勝した。
  「積極的に前々に動いていけば、いい位置を取れると思っていました。後ろを見たら(西郷剛が)千切れていたので、そこを狙いました。今日はレースが良く見えていたし、落ち着いて走れましたね」
  六番手からまくり追い込んだ渡部哲男が2着に入った。
  「木暮君の位置が取りたかったんですけどね。でも、あの位置から2着なら悪くない。状態が悪ければ四角からスライスしていったと思う。昨日よりも脚は軽く感じました」
  3着の加藤慎平(写真)は逃げた柴崎を称える。
  「淳が最高のタイミングで行ってくれたし、よく頑張ってくれました。三番手が付いてきていれば、ラインで綺麗に決まっていたと思うけど、番手の自分でもあのカマシに付いていくのは大変ですからね。真後ろから来られたので難しかった。それにしてもこのバンクは直線が長くてきつい」
  直線で力尽きて6着の柴崎淳は「自分の得意パターンで6着はちょっとショックです。今日はとにかくバンクが重く感じました」とガックリ。


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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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