『松戸競輪開設72周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:12月10日

 松戸競輪場でナイター開催にて実施されている開設72周年記念「燦燦ダイヤモンド滝澤正光杯(GIII)」は、12月9日が大会2日目。二次予選は波乱の連続となり、最終12レースでは唯一人のS班だった清水裕友も別線の激しい抵抗でゴール前失速して勝ち上がりを逸した。いよいよシリーズも佳境。3日目は準決3個レースでファイナリスト9名を決する。33バンクで繰り広げられるスピードバトルからは引き続き目が離せない。
 松戸競輪場では記念開催中、先着入場者プレゼント、未確定抽選会、鈴木誠さん、冨田卓さんによる予想会、選手会千葉支部によるトークショー等のイベント、サービスをご用意してお客様のご来場をお待ちしております。10日のトークショーには、通算900勝にあと2勝と迫っているレジェンド神山雄一郎選手が登場します。なお、「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<6R>

山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
 自らスタートを取った真船圭一郎が、染谷幸喜を突っ張って残り2周半から先行態勢。北日本勢に単騎勢が続いて、野田源一は最終2センター6番手から仕掛ける。真船と車間を切っていた山崎芳仁(写真)は、野田に被る前に番手まくりに出て、そのまま押し切った。
 「(真船は)突っ張ると思ってました。二分戦ですし、前から突っ張る方がリスクが低いですし。スタートはみんな出たんですけど、真船が速かった。8割方は番手から出ようと思ってたので、引き付けないようにして出ました。引き付けちゃうとみんな被っちゃうと思ったし、後ろのことは(阿部)力也に任せて。ここ最近は踏めている感触がありますね。体調不良になってからの、一時の踏めていない感じではないですね」
 北日本ライン3番手の阿部力也は、最終2センターで野田のまくりを張る好プレー。
 「全部前にやってもらった感じですね。単騎に入られないように、内だけは締めてました。突っ張ったところはしゃくりにくることはないと思った。野田さんのまくりに合わせて山崎さんが出て、一応ブロックして。あそこはしゃくられてもしょうがないし、前も踏んでるからそんなに良い勢いでは来れないだろうと思った。一応仕事してるフリはした方がいいでしょ(笑)。状態は上向いているし、レースが始まれば腰も気にならないです」


<7R>

武田豊樹選手
武田豊樹選手
 薦田将伍が切って根田空史は7番手まで下げ切る。山岸佳太は根田の仕掛けを待たずして、中団から赤板で仕掛けて先頭に立つ。根田も打鍾目掛けてカマすが、番手の近藤隆司が離れて山岸が根田にハマる。直線で追い込んだ山岸のさらに外を武田豊樹(写真)が抜き去った。
 「スタートけん制もあって誘導のピッチも速かった。根田君が強かった。良いスピードでしたね。山岸君がいかないと後方になってましたね。山岸君が調子良いのでやれそうな感じがありましたね。僕も久しぶりの連係で気持ちを高めて走れた。最後はコースを悩んだが外を踏んだ。一戦一戦結果を残したい気持ちで走りたい。記念開催で走るのもそうないし、自分は今年最後の記念開催なので頑張りたい」
 山岸佳太が2着。前々に攻める動きが光った。
 「先行できれば良かったけど、根田さんがものすごいスピードで。ホームで出られて(最終3コーナーで)合されましたね。仕掛けを遅らせることもできたけど、武田さんと櫻井(正孝)さんが付いてくれていたし、着よりも前々に踏んで連に絡んでそれで着が良ければ良いなと。根田さんが仕上がっていて、カマシは強烈なので後ろにおきたいと思った。考えた結果、体が反応した。数字と勝ち上がりにこだわるといつも良くない。久しぶりに武田さんと乗れて良い緊張感で走れたし、武田さんと決まっていなくていつも迷惑をかけていたからしっかり決めたいと思った」


<8R>

原田研太朗選手
原田研太朗選手
 松井宏佑は中団の笠松将太にフタをしてから青板4コーナーで切る。笠松がすかさず巻き返すが、松井はこれを突っ張る。笠松が外に浮いて後退すると、武藤龍生が原田研太朗(写真)をキメて最終ホームで4番手に降りる。だが、原田は6番手で態勢を立て直すと、最終バックから仕掛ける。好回転でまくった原田が、ゴール前で松井をとらえて1着だった。
 「前が欲しかったので、西岡(拓朗)さんが取ってくれて助かりました。(道中の反応は)遅れないようにしっかり取り切ってと思ったけど、武藤君の圧力がすごかった。からむよりも引いた方がいいのかなと。落ち着いていたけど、武藤君が仕掛けると思って見てしまった。(単騎でもラインができても)やることは変わらない。(新車は)昨日(初日)が良くなくて、シューズを変えて反応が良かった。踏みごたえがあったので、準決勝もこれでいきます」
 押さえ先行の松井宏佑が2着に逃げ粘った。
 「できれば前で突っ張りたかった。後ろになったから、切るところで切って、フタをするとかすれば、僕たちが動かす展開になるかなと思った。笠松さんよりも先に動けて良かった。競輪祭の時も、後ろから切れずに終わったりしていたし、そういうところを郡司(浩平)さんにアドバイスももらっていた。反省を生かして走れました。昨日(初日)も今日も結構脚を使ったし、一杯ですね」


<9R>

高橋晋也選手
高橋晋也選手
 窓場千加頼が青板から早めに動き出すと、前受けの高橋晋也(写真)は誘導を残したまま車を下げる。上田尭弥は4番手外で脚を止め、高橋にフタをしたまま赤板を通過する。打鍾手前で窓場が誘導を降ろしてペースを上げると上田も踏み上げ、さらにその上を高橋がまくり上げる。上田を力でねじ伏せた高橋が連勝のゴールを駆け抜けた。
 「考えていた通りでしたね。上田君がもっと早めにいくと思ったんですけど、ジャンぐらいまでフタされちゃいましたね。でも、どこであれ上田君が行ったところをすかさず力ずくで行くって思っていたので。脚の状態は良いけど、桑原(大志)さんのけん制でフワッとして勢いが止まった。それでも乗り越えられてるので脚は良いです。松戸は相性もすごい良いです」
 最終バックで桑原大志が高橋をけん制すると、その内に和田圭が切り込む。が、そのまま和田は桑原を押し上げて落車させてしまう。落車を避けて外を踏んだ尾形鉄馬が2着に入った。
 「付いて行けば何かあると思ってました。(最終バックの和田の動きは)イレギュラーだったけど、自分は外に行こうと。現地集合できればいいと思って。前が頑張ってくれてるからこその成績ですね」


<10R>

中西大選手
中西大選手
 青板バックで黒沢征治が勢いよく押さえて、北井佑季は突っ張れない。中西大(写真)は北井が下げたのを見ると、すかさず追い上げて中団を確保。さらに、北井が赤板過ぎに仕掛けたのに合わせて中団から踏み上げる。後ろが離れるほどの加速で黒沢をねじ伏せた中西が、後続をぶっちぎった。
 「良かった。たまたまですけどね。黒沢君が切った所で遅れないようにと。黒沢君が勢いを付けてきて、立ち遅れずに北井君の動きを見て、隙ができれば中団が取れるなと思って締めこみながら中団を取った。いつもやられたら嫌なことを、できないなりにしました。普段しないけど、隙を突かないと。北井君が強いのはわかっているから。レースも見ているし、隙を突くしかなかった。黒沢君がバックを踏んで、緩んだ所で北井君が来て包まれると思ったけど、北井君が遅くて自分が先に出ていって何とかなった。状態も気持ちも上向いている。今までやってきたことが出ている」
 突っ張れずに下げて巻き返した北井佑季は、なんとか三谷将太のけん制を乗り越えて2着。
 「黒沢君の切り方がうまくて、中西君も力がある。前受けできたけど難しかった。前を取れて相手の切り具合を見て突っ張れたらなと。でも、黒沢君がうまくて切らないと始まらないって感じで切りにきた。うまく中団に入れると思ったし、中西君もヨコで中団を取りにくるタイプじゃないと思っていた。黒沢君が緩めたから中西君は中団を取らずに叩きにいくと思って、車間を空けてそこに続こうと思っていた。でも、入られて全引きしたから態勢を整えて。すかさず無理くりいったんですけどね。前々に踏めば、今日(2日目)のような展開に良くも悪くもなるし、今後の先行につながる。初日より脚は軽かった。明日は今日より軽くなると思う」


<11R>

五日市誠選手
五日市誠選手
 岩本俊介が青板バックでジワリと押さえ、藤根俊貴が赤板で勢いよく叩いて先制する。藤根ラインに続いた川口聖二と、内の岩本で中団は併走になる。もつれをしり目に藤根がペースを上げて、番手の五日市誠(写真)は車間を切って別線の反撃に備える。詰まった岩本は最終3コーナーで内を踏んで中割りを狙うが、それをこらえた五日市が直線で抜け出した。
 「(連勝は)後輩のおかげ。川口君が(中団で)併走してくれたのはうれしかった。川口君が叩いてきたらやっかいだなと。あとは川口君が外併走から仕掛けてくるんじゃないかとドキドキしていた。(内は)想像していなくて、和田(健太郎)さんかなと思ったら、岩本でびっくりした。最後まで踏めているのでいい感じ。展開を生かせているのでいい状態」
 終始内に詰まった岩本俊介は苦し紛れに内を突っ込むも2着まで。脚を余してレースを終えた。
 「きつい展開で(田中)晴基に悪いことをした。もっとペースを上げておけばよかったですね。(後ろに)引くっていうのはなかったです。ペースを上げなかったのが、ああなった要因。自分はああいう競走をあんまりしないし、最後は目をつむって突っ込んだ。練習をいっぱいやってきたので疲れが残っているしケアをしたい」


<12R>

渡部哲男選手
渡部哲男選手
 山口翼、堀内俊介の順で切り、そこを押さえた福永大智が赤板3コーナーで先頭に立つ。清水裕友は間髪入れずに打鍾目掛けて巻き返す。清水が叩き切るかと思われたが、福永のダッシュにスピードが合ってしまう。中井太祐との接触もあって清水は不発。最終バックで自力に切り替えた渡部哲男(写真)が抜け出した。
 「(清水が)まさかあんなに合わされるとは。スタートもこだわらずに、取れた位置からって感じだったし、(清水)裕友は自信がある感じだったんですけど。仕掛けたポイントも、ここってところで仕掛けてくれたけど、コーナーのカントで止まった感じでしたね。(中井を)キメ切れていれば良かったんですけど、押し返されていたし、完全に死に体に見えたので踏ませてもらった。このメンバーならゴチャ付くとは思ったけど、自分達のラインに良いようには向かなかったです。昨日(初日)に比べてかなりバンクが重く感じました」
 8番手に置かれた山口翼は万事休すかに、最終2コーナーから外を踏み上げる。最後は渡部を追うようにして2着に入った。
 「初手の並びは思った通りの並びだった。切って、そこからでした。1回仕掛けてみて、あとはどこまで行けるか。踏み出した感じがそんなに悪くなかったし、行けるところまで行こうと思った。(調整方法を変えて)だいぶ違いますね。記念の二次予選も初めてだった。以前よりも踏めてる感じがある」