『松戸競輪開設75周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:8月26日

 松戸競輪場でナイターにて実施されている開設75周年記念「燦燦ダイヤモンド・滝澤正光杯(GIII)」は、8月25日にシリーズ3日目が行なわれた。勝負の準決は神山拓弥、北津留翼、岩本俊介が1着でクリアする一方、S班の清水裕友、郡司浩平が次々敗れる大波乱。地元、S班の最後の砦だった岩本は深谷知広の番手を守り切っての渾身差しで面目を施した。また、北津留は初日特選から3連勝で決勝に。ファイナリスト9名が出そろい、最終日の26日の12レースで決勝の号砲が鳴らされる。
 記念シリーズは最終日も日本競輪選手養成所の滝澤正光アドバイザーが登場してトークショーを行なうほか、鈴木誠さん、吉井秀仁さんによるレース予想会、未確定車券抽選会、キッチンカー、青森、前橋物産展、縁日、エアーアドベンチャー「ふわふわ」などが予定されています。また、26日には、平原康多さんのトークショー、「ぱーてぃちゃん」、「リンダカラー∞」のお笑いステージもあります。松戸競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<10R>

神山拓弥選手
神山拓弥選手

雨谷一樹選手
雨谷一樹選手
 周回中に8番手の青野将大は、青板2コーナーの山おろしで加速して、3コーナーで勢いよく前に出る。南関勢を受けた小畑勝広が3番手に入り、清水裕友は7番手で赤板を通過する。青野がペースに入れると、小畑は迷いなく2コーナーからカマして打鐘で主導権を握る。後方の清水は、4コーナーから仕掛けて良いスピードで前団に迫っていく。小畑と清水のスピード差を見極めた雨谷一樹は、最終2コーナーから番手まくりに出る。外でこらえていた清水だが、3コーナーで神山拓弥(写真)のブロックを受けて後退。栃木両者のゴール勝負は、鋭く伸びた神山が制した。
 「清水君より先に仕掛けないと勝負にならないし、(赤板2コーナーで)小畑君が行ってくれたんだと思う。あとは、番手から出るかは雨谷君の判断だった。自分は青野君に粘られたり、清水君に降りられたりしたところの対処もできたしいいと思う。それがありながらも差し切れてもいるし、ちょっとずつ良くなっているのかな。新車の感じはいじればいじるほど良くなりそう」
 番手まくりを打った雨谷一樹(写真)が2着。栃茨の後輩からバトンを受けて、ラインの神山と共に決勝に進出した。
 「青野君がワンテンポ遅めのカマシだったので、(小畑は)冷静に待ってからでしたね。(小畑が先頭に立ってからは)あとは清水君を止めれれば良かったけど、スピード差を感じたので踏ませてもらった。連日脚の状態は問題ないし、調子はいい。(初日から)いい状態をキープできています。(後輩の)頑張りを無駄にしないように、しっかりケアをして決勝に臨みたい」
 単騎の三谷政史は、周回中から関東勢を追走。打鐘で踏み遅れて南関勢に前に入られたが、近藤保の内を突き、関東勢に再度付け直して3着。
 「雨谷君がSが早いし前を取って、関東勢が突っ張りかなと思って、その後ろからでした。このメンバーだとスピードも上がるし、遅れていたけど、(コースは)見えていたし、ここしかないと思って踏んで3着に入れた。道中で遅れていた部分があったので、そこを修正できれば。変な意味で開き直って、コースは探せている」

<11R>

北津留翼選手
北津留翼選手

小川勇介選手
小川勇介選手
 前受けの郡司浩平が、北津留翼(写真)の上昇に合わせて青板バックで踏み上げる。北津留はそれでも踏みやめず、両者で踏み合いになったところを、木村佑来がカマす。郡司は結果的に北津留を出させて、赤板で主導権を握った木村ラインを北津留が3番手で追いかける。木村がハイペースで駆けるなか、郡司は最終1コーナーで無理やり持ち出したものの進みが悪い。北津留は、2コーナーの詰まったタイミングで仕掛けてスムーズに加速。木村をあっさりとまくり切って、3連勝で優出した。
 「まぐれが続いて。久留米(記念)もそう(3連勝)でしたけど、なかなかないですね。(郡司が)出させてくれると思わなくて、(ラインの)先輩たちは位置を取りに行っていると思ったので、出切ってからどうしようって思ったんですけど。自分の仕事をしようと思った。(木村の掛かりは)良かったですね。付いて行くだけで脚が削られる感じで。無理かなと思ったんですけど、1センターでたまたま向かい風が吹いて、前のスピードが落ちたので助かりました。(オールスターの)疲れというよりも練習不足かなって。でも、しっかり乗れているんで」
 郡司と北津留の踏み合いで、福岡3番手の小川勇介(写真)は踏み遅れて一旦連結を外してしまう。だが、赤板2コーナーで和田健太郎を内からさばいて位置を上げ、最終1コーナーで仕掛けた郡司の内を行って、園田匠の後ろに再ドッキング。まくりを追うと、最後は外を踏んだ園田の内のコースを突っ込んで2着に入った。
 「(北津留が)突っ張られたら中団確保しないとなって降りてたんですけど、出切ってしまったんで。自分の判断ミスですね。外は被っていたんで、内から行けるところまでと思って。(ラインに)迷惑を掛けちゃったんで。(和田をすくったあとは)園田さんを目掛けて(踏んだ)。郡司君に降りてこられないように、あとは内を空けないように。思ったよりも伸びましたね」
 赤板前に一瞬北津留に離れた園田匠だったが、追い上げて番手を確保。最後は小川に内を行かれたが、3着で決勝進出を決めた。
 「きつかったですね。北九州3人で並んでいたんで(追い上げたのは)意地でした。北津留君もよく追いついて仕掛けてくれました。(赤板手前で北津留は)突っ張られて引いてくると思ったんですけど。なんとか追いついて。(小川)勇介が後ろにいるのは気づいていなくて、和田君が後ろにいると思っていたんで内を気をつけて。最後はいっぱいでしたね。前も後ろも強かったです」

<12R>

岩本俊介選手
岩本俊介選手

深谷知広選手
深谷知広選手
 8番手の飯野祐太が、青板前から動きだして、前受けの深谷知広に並ぶ。それでも突っ張る態勢を取った深谷が飯野を出させず、青板3コーナーで飯野は後退。飯野が下がってペースが緩むと、6番手から鈴木竜士が勢いよく仕掛ける。鈴木が赤板で深谷を叩き切るが、後ろの武田豊樹が離れてしまう。一旦は番手にハマった深谷だったが、2コーナーではすぐさま仕掛けて鈴木を叩き返し、主導権を奪い返す。鈴木は岩本俊介(写真)に飛び付く素振りを見せたが、岩本が番手を死守して最終ホームでは南関の2車が出切る。単騎の近藤翔馬や、飯野が持ち出したものの、前団に迫るまではいかず。逃げ粘る深谷を、最後は岩本が差し切った。
 「鈴木君の動きがさすがでしたね。(関東勢は)絶対に切らないとチャンスがないんで、良いスピードでしたよね。(深谷が番手からすかさず仕掛けて)きつかったけど、なんとかしのげた。粘られた時の対処が、少しずつ対応できている。中村浩士さんとか、和田健太郎さんにアドバイスをもらったおかげで、しのげています。自分の位置はおいしい位置なので、狙われますし、いつもアドバイスをもらっています。あとは、落ち着いてでした。深谷君とはいつもコンビを組ませてもらっているんで、集中して付けられました。(深谷を)抜けているんで、悪くないですね」
 深谷知広(写真)は、鈴木に一旦出られたものの番手からすぐさま仕掛けて別線を完封。地元を連れて、格の違う自力を見せつけた。
 「(鈴木が)すごいダッシュで、合わせられずに出られてしまいました。流しているのが見えたので、すかさず行きました。もう自分は余裕は一切持たず、とりあえずゴールまで踏み切るだけだったんで。(岩本とのワンツーで)それが何よりです。でも、不破(将登)さんまで3番手に付いていましたし、(鈴木に)出られてしまって3人で決められなかったのは残念です。(状態は)悪くはないけど、疲れを徐々に感じているので、そことの勝負かなと思います」
 鈴木竜士は、深谷に叩き返されて岩本に絡んだものの苦しくなってしまう。志村太賀に3番手に迎え入れられて、3着はキープした。
 「流れの中で、緩んだら行こうと思っていました。(ラインが)3車でしたし、飯野さんや、単騎の人を連れて先行できればと。(深谷に叩かれた後は志村)太賀さんが入れてくれました。連日、行くべきところでは行けていると思います。(状態は)あんまり良くない。疲れがすごい。でも、あと一走なんで、力を出し切りたい」